インストールおよび構成のためのディレクトリについて
インストールとドメイン構成のプロセス中に、Oracleホーム、ドメイン・ホームおよびアプリケーション・ホームのディレクトリの場所の指定について計画する必要があります。
- 推奨ディレクトリ構造について
Oracleホーム、ドメイン・ホームおよびアプリケーション・ホームには、推奨される特定の場所があります。 - Oracleホーム・ディレクトリについて
Oracle Fusion Middleware製品をインストールする場合は、Oracleホーム・ディレクトリを使用する必要があります。 - ドメイン・ホーム・ディレクトリについて
ドメイン・ホームは、構成するドメインが作成されるディレクトリです。 - アプリケーション・ホーム・ディレクトリについて
アプリケーション・ホームは、構成するドメインのアプリケーションが作成されるディレクトリです。 - 同じドメインへの複数の製品のインストール
1つのドメインに複数の製品をインストールおよび構成するには、2つの方法があります。これは、ドメインの拡張とも呼ばれます。 - 共有記憶域の準備
Oracle Fusion Middlewareでは、単一のOracleホームから複数のWebLogic Serverドメインを構成することができます。これにより、共有ボリューム上の1つの場所にOracleホームをインストールすることや、複数のホストのインストールにOracleホームを再利用することができます。
親トピック: システム環境の確認のロードマップ
推奨ディレクトリ構造について
Oracleホーム、ドメイン・ホームおよびアプリケーション・ホームには、推奨される特定の場所があります。
図2-3に推奨するディレクトリ構造を示します。
システムでベースの場所(Oracleベース)を決めます(/home/oracle
など)。このベースの場所から、product
ディレクトリおよびconfig
ディレクトリの2つの別々のブランチを作成します。product
ディレクトリには、製品のバイナリ・ファイルとすべてのOracleホーム・ディレクトリを含めます。config
ディレクトリにはドメイン・データとアプリケーション・データを格納します。
Oracleホーム・ディレクトリには構成データを保存しないことをお薦めします。製品を別のメジャー・リリースにアップグレードする場合、バイナリ用に新しいOracleホームの作成が必要になります。また構成データは、Oracleホームのバイナリがアクセス可能な場所に置く必要があります。
このドキュメント全体の例を通じて、/home/oracle/product
ディレクトリ(Oracleホーム)と/home/oracle/config
ディレクトリ(アプリケーション・データと構成データ)を使用していますが、これらのディレクトリはご使用のシステムの実際のディレクトリに読み替えてください。
親トピック: インストールおよび構成のディレクトリについて
Oracleホーム・ディレクトリについて
Oracle Fusion Middleware製品をインストールする場合は、Oracleホーム・ディレクトリを使用する必要があります。
このディレクトリは、同じマシンにインストールされた複数のFusion Middleware製品で使用される共通ファイルのリポジトリです。これらのファイルは、Fusion Middlewareが確実にシステムで正しく動作することを保証します。これらによって、インストール時の製品間の依存関係のチェックが容易になります。このためOracleホーム・ディレクトリは、システムにインストールされるすべてのOracle Fusion Middleware製品の中心的なサポート・ディレクトリとみなすことができます。
Oracleホーム・ディレクトリは、Fusion MiddlewareドキュメントでORACLE_HOMEと呼ばれています。
Oracleホームの考慮事項
Oracleホーム・ディレクトリを作成してOracle Fusion Middleware製品をインストールするときには、次の点に注意してください。
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Oracleホーム・ディレクトリの名前には空白を含めないでください。Oracleホーム・ディレクトリのパスに空白が含まれていると、インストーラによってエラー・メッセージが表示されます。
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単一のOracleホーム・ディレクトリには、Oracle Fusion Middlewareの各製品に1つのインスタンスのみインストールできます。異なるバージョンの製品を同じマシンにインストールするには、それぞれのバージョンを専用のOracleホーム・ディレクトリに格納する必要があります。
単一のOracleホームに複数の異なる製品をインストールすることもできますが、Oracleホームには各製品で1つのバージョンのみをインストールできます。
複数のホーム・ディレクトリ
ほとんどの場合、Oracleホームは1つで十分ですが、複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する場合もあります。たとえば次の場合に、複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する必要があります。
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それぞれ製品のスタックが別々の開発と本番環境を別々に管理する場合。2つのディレクトリを使用するこのにより、準備ができるまで本番環境を変更せずに、開発環境を更新できるようになります。
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2つのバージョンのFusion Middleware製品を同時に保持する場合。たとえば、製品の既存のバージョンを残したまま新しいバージョンをインストールする必要があるとします。この場合、製品の各バージョンを専用のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。
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相互に互換性のない複数の製品をインストールする必要があります。『相互運用性および互換性の理解』のOracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.4.0)の相互運用性および互換性に関する項を参照してください。
ノート:
複数のOracleホーム・ディレクトリを作成する場合は、各製品の構成段階で重複しないポート範囲を指定する必要があります。親トピック: インストールおよび構成のディレクトリについて
ドメイン・ホーム・ディレクトリについて
ドメイン・ホームは、構成するドメインが作成されるディレクトリです。
デフォルトのドメイン・ホームの場所は、ORACLE_HOME/user_projects/domains/domain_name
です。ただし、このデフォルトの場所を使用しないことをお薦めします。ドメイン・ホームは、Oracleホーム・ディレクトリの外部に置きます(例: /home/oracle/config/domains
)。config
ディレクトリには、ドメインとアプリケーションのデータが含まれている必要があります。新規インストール、パッチの適用およびその他の操作によって、ORACLE_HOMEのみが更新され、ドメインの構成は更新されないように、個別のドメイン・ディレクトリをお薦めします。
推奨ディレクトリ構造およびドメイン・ホームの配置の詳細は、「推奨ディレクトリ構造について」を参照してください。
Fusion Middlewareドキュメントで、ドメイン・ホーム・ディレクトリはDOMAIN_HOMEと呼ばれ、ドメイン名を含むそれ以下のすべてのフォルダが含まれます。たとえば、ドメイン名がexampledomain
で、/home/oracle/config/domains
ディレクトリにドメイン・データを配置する場合、ドキュメントでのDOMAIN_HOMEは/home/oracle/config/domains/exampledomain
を指します。
親トピック: インストールおよび構成のディレクトリについて
アプリケーション・ホーム・ディレクトリについて
アプリケーション・ホームは、構成するドメインのアプリケーションが作成されるディレクトリです。
デフォルトのアプリケーション・ホーム・ディレクトリは、ORACLE_HOME/user_projects/applications/domain_name
です。ただし、アプリケーション・ホームは、Oracleホーム・ディレクトリ以外に置くことを強くお薦めします。製品を別のメジャー・リリースにアップグレードする場合、バイナリ用に新しいOracleホームの作成が必要になります。
推奨ディレクトリ構造およびアプリケーション・ホームの配置の詳細は、「推奨ディレクトリ構造について」を参照してください。
Fusion Middlewareドキュメントでは、アプリケーション・ホーム・ディレクトリのことをAPPLICATION_HOME
と呼び、ドメイン名を含むそれ以下のすべてのフォルダが含まれます。たとえば、ドメインexampledomain
という名前を付けて、/home/oracle/config/applications
ディレクトリにアプリケーション・データを置いた場合、ドキュメントでは/home/oracle/config/applications/exampledomain
を示すためにAPPLICATION_HOME
を使用します。
親トピック: インストールおよび構成のディレクトリについて
同じドメインへの複数の製品のインストール
1つのドメインに複数の製品をインストールして構成するには、2つの方法があります。これは、ドメインの拡張とも呼ばれます。
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方法1
スキーマの作成やドメイン内の全サーバーの起動によるドメイン構成の成功の確認も含めて、製品Aのインストールと構成を行います。
これは、Fusion Middlewareライブラリのすべてのインストール・ガイドで使用される方法です。製品の数に応じて、必要なだけこの手順を繰り返すことができます。この方法では、一度に1つの製品を検証し、製品を段階的に追加することができます。
製品Aと同じドメインに製品Bをインストールするには:
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新しい製品を追加する間、すべてのサーバーを停止して、ドメインが更新されないようにします。
『Oracle Fusion Middlewareの管理』のOracle Fusion Middlewareの起動と停止に関する項を参照してください。
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製品Bについて、必要なスキーマの作成など、インストレーション・ガイドの手順に従います。
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構成ウィザードを実行してドメインを構成します。
構成中、構成ウィザードはインストールされているコンポーネントを自動的に検出し、製品Bを含めるように既存の製品Aドメインを拡張するオプションを提供します。
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方法2
必要なすべての製品をインストールしてから、すべての製品のスキーマを作成します。スキーマの作成後、必要な製品テンプレートを使用してドメインを構成してから、すべてのサーバーを起動します。
この方法で複数の製品のドメインを作成すると方法1より若干高速になる場合がありますが、Fusion Middlewareライブラリのインストール・ガイドには、この方法でのドメイン作成についての具体的な手順は示されていません。
関連項目:
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WebLogicドメインを更新するには、構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成のWebLogicドメインの更新を参照してください。
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他のOracle Fusion Middlewareの前のバージョン、Oracleまたはサード・パーティ製品と動作するOracle Fusion Middleware製品の機能に関する重要な情報は、『相互運用性および互換性の理解』のOracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.4.0)の相互運用性および互換性に関する項を参照してください。
親トピック: インストールおよび構成のディレクトリについて
共有記憶域の準備
Oracle Fusion Middlewareでは、1つのOracleホームから複数のWebLogic Serverドメインを構成できます。これにより、共有ボリューム上の1つの場所にOracleホームをインストールすることや、複数のホストのインストールにOracleホームを再利用することができます。
ご使用の環境で共有記憶域を使用する場合は、詳細について高可用性ガイドの共有記憶域の使用に関する説明を参照してください。
親トピック: インストールおよび構成のディレクトリについて