データベース・オブジェクトの設定
データ・ソースからメタデータをインポートすると、スキーマのデータベース・オブジェクトが自動的に作成されますが、データベース・プロパティの調整または表示が必要になる場合があります。
次の項では、物理レイヤーのデータベース・オブジェクトのプロパティを作成、編集または表示する方法を説明します。
物理レイヤーのデータベース・タイプについて
物理スキーマを物理レイヤーにインポートすると、管理ツールによって通常はデータベース・タイプが自動的に割り当てられます。
データベース・タイプの自動割当ての補足情報は次のとおりです。
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リレーショナル・データ・ソース
インポート・プロセス時に、ODBCドライバはOracle BIサーバーにデータベース・タイプを割り当てます。サーバーでこのデータベース・タイプを判別できない場合は、類似のODBCタイプがデータベース・オブジェクトに割り当てられます。このODBCタイプをデータベース・リストの最も近似するエントリに置き換えます。
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マルチディメンション・データ・ソース
現在使用可能でありサポートされているXMLA準拠データ・ソースは、Microsoft Analysis Servicesのみです。マルチディメンション・データ・ソースからメタデータをインポートした後は、データベース・オブジェクトを確認して、必要に応じて適切なデータベース・タイプおよびバージョンに更新します。
物理レイヤーにおけるデータベース・オブジェクトの手動作成
データベース・オブジェクトを手動で作成する場合、関連付けられている接続プールを手動で設定する必要もあります。
マルチディメンション・データ・ソースで、リポジトリの物理レイヤーに物理スキーマを作成する場合は、物理レイヤーでデータ・ソース内の同一カタログ(データベース)にある各キューブ(またはキューブのセット)に対して1つずつデータベースを作成する必要があります。1つの物理データベースで複数のキューブを保持できます。キューブは、データ・ソース内の同一カタログに属している必要があります。データベースを作成するときに指定するプロパティとその値を把握するには、「データベースの一般プロパティ・リファレンス」を参照してください。
重要:
物理スキーマのインポートをお薦めします。
データベースの一般プロパティ・リファレンス
構成するプロパティや、値を指定するのがいつ可能または必要かを把握するには、表のデータベース・プロパティを確認してください。
オプション | 説明 |
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データ・ソース定義: データベース |
使用データベースのデータベース・タイプ。 |
CRMメタデータ表 |
選択されている場合、Siebel CRM表の物理表と列の定義がSiebelメタデータ・ディクショナリから派生したものであることを示します。 |
データ・ソース定義: 仮想プライベート・データベース |
物理データベース・ソースを仮想プライベート・データベース(VPD)と見なします。VPDを使用すると、ユーザーの権限資格証明によって返されるデータ結果が決まります。このため、これらのソースの特定が重要になります。これらのデータ結果は、キャッシュで使用される問合せの結果セットの有効性に影響します。 対応する接続プールで SSOに対して構成されたEssbase、Hyperion Financial ManagementまたはHyperion Planningデータ・ソースについては、常にこのオプションを選択します。 このオプションを選択する場合は、「セッション変数」ダイアログの「セキュリティ・センシティブ」オプションも選択する必要があります。 |
永続化接続プール |
永続接続プールを使用するには、事前に一時表を設定しておく必要があります。 |
デフォルトで問合せの移入を許可 |
選択すると、すべてのユーザーが |
デフォルトで直接データベース・リクエストを許可 |
選択すると、すべてのユーザーが物理問合せを実行できます。Oracle BIサーバーによって、基礎を構成するデータベースに未処理のユーザー入力による物理SQLが直接送信されます。返される結果セットは、Oracle BIサーバーでのレンダリング、さらにチャート化、ダッシュボードでのレンダリングおよびOracle Analytics Serverリクエストとしての処理が可能です。 全員ではないが大半のユーザーに物理問合せの実行を許可するには、このオプションを選択してから特定のユーザーおよびグループの問合せを制限します。 |
デフォルトで直接データベース・リクエストを許可する状況
プロパティ「デフォルトで直接データベース・リクエストを許可」
を設定すると、ユーザーが物理問合せを実行できます。
構成が不適切であると、機密性の高いデータが予定外のユーザーに公開される場合があります。
このデータベース・プロパティを設定する際は、次のガイドラインを使用します。
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Oracle BIサーバーは、Oracle BIサーバー、Oracle BIプレゼンテーション・サービスまたはOracle BIスケジューラが実行されているコンピュータからの接続リクエストのみを受け入れるように構成する必要があります。この制限事項は、Oracle BIサーバーのIPアドレスを使用してTCP/IPレベルで設定する必要があります。これにより、Oracle BIサーバーのIPアドレスからのTCP/IP接続のみが許可されます。
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このコンピュータにリモート・ログインすることにより、ユーザーが
nqcmd
(SQLスクリプトを実行するユーティリティ)を実行できないようにするには、Oracle BIプレゼンテーション・サービスがインストールされているコンピュータに次の手段でアクセスを拒否する必要があります。-
TELNET
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リモート・シェル
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リモート・デスクトップ
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遠隔会議ソフトウェア(Windows NetMeetingなど)
必要に応じて、管理者権限の例外を作成する必要があります。
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次のタスクの実行は、管理者権限が付与されたユーザーにのみ実行を許可する必要があります。
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TELNET経由による、Oracle BIサーバーおよびOracle BIプレゼンテーション・サービスのコンピュータにおけるキャッシュ・シードのための
nqcmd
の実行などのタスクの実行。 -
「アンサー」の高度なSQLページへのアクセスによるリクエストの作成。
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Oracle BIプレゼンテーション・サービス上でグループ/ユーザーベースの権限を設定して、直接データベース・リクエストの編集(事前構成でOracle BIプレゼンテーション・サービス管理者によるアクセスを許可)および処理(事前構成ですべてのユーザーによるアクセスを許可しない)のアクセスを制御します。
データ・ソースでサポートされるSQL機能
「データベース」ダイアログの「一般」タブでメタデータのインポートまたはデータベース・タイプの指定を行うと、データベース・タイプに応じて適切なデフォルト値がデータベース・オブジェクトのSQL機能セットに自動的に移入されます。
Oracle BIサーバーは、特定のデータソースでサポートされているSQL機能を使用します。
機能がサポートされているというマークが付いていると(「データベース」ダイアログの「機能」タブにある「デフォルト」列にチェックマークがあると)、Oracle BIサーバーは、パフォーマンスの向上のために関数や計算をデータ・ソースにプッシュ・ダウンします。関数または機能がデータ・ソースでサポートされていない場合はOracle BIサーバーで計算または処理が実行されます。
サポートされる機能のリストは、ORACLE_HOME/bi/bifoundation/server/bin
にあるDBFeatures.defaults
ファイルで定義されたデフォルトを使用しています。このファイルは変更しないでください。DBFeatures.defaults
ファイルを確認して、様々なデータ・ソース・タイプでサポートされる機能を比較できます。
データソースに対する問合せ機能は、新しいデータソースのバージョンにアップグレードして、アップグレードした機能がOracle BIサーバーのデフォルトで反映されているかどうかを確かめるときになどに調整してください。サポートされている機能が「機能」タブに示されていない場合は、新バージョンのデータ・ソースで実際にサポートされている機能が反映されるように、「機能」タブで設定を更新できます。データ・ソースで特定の機能(左外部結合の問合せなど)がサポートされ、その問合せがOracle BIサーバーから特定のデータ・ソースに送信されることを禁止する必要がある場合は、「機能」タブでそのデフォルト設定を変更できます。関数を個別に実行するフェデレーテッド・データ・ソースがある場合は、問合せ結果の整合性を維持するために、「機能」タブで関数を適宜無効化して、Oracle BIサーバーで計算が一貫した方法で実行されるようにします。
重要:
データ・ソースがサポートしていないSQL機能を有効にすると、問合せでエラーや予期せぬ結果が返される場合があります。サポートされるSQL機能を無効にすると、サーバーからデータ・ソースに発行されるSQLの効率が下がります。
ほとんどの場合は、デフォルト値を保持することをお薦めします。「機能」タブで、特定の機能のデフォルト値を変更して、その機能をサポート対象であると指定する場合は、その機能が実際にデータ・ソースでサポートされていることを確認する必要があります。
ノート:
OPTIMIZE_MDX_FILTER_QUALIFICATION
値は変更しないでください。
次の表は、「データベース」ダイアログの「機能」タブで使用可能なオプションのリストです。
オプション | 説明 |
---|---|
機能 |
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値 |
特定の機能の現在値を表示します。選択されている場合はその機能がデータ・ソースでサポートされていること、およびその関数または機能がOracle BIサーバーではなくデータ・ソースで実行されることを示します。 一部の機能では、選択されているかどうかではなく、「値」列にデフォルト値が表示されます。たとえば、 デフォルトの選択とデフォルト値を保持することをお薦めします。 |
デフォルト |
特定の機能のデフォルト値を表示します。この列に表示されるデフォルトは、ファイル |
検索 |
リスト内の機能を検索します。 |
再検索 |
このオプションは、「検索」をクリックした後に使用可能になります。同じ文字列で複数回の検索の実行を可能にします。 |
DBMSの問合せ |
「DBMSの問合せ」は、Oracle BIサーバーに機能デフォルト・セットがないデータ・ソースのインストール時および問合せ時にのみ使用します。「DBMSの問合せ」により、このタイプのデータ・ソースの機能表エントリに対する問合せが可能になり、サポートされるSQL機能を検索できるようになります。この問合せ結果に基づいて、「機能」タブに表示されるエントリの変更が可能になります。「DBMSの問合せ」は、XMLまたはマルチディメンション・データ・ソースを使用しているときには選択できません。 「DBMSの問合せ」機能の結果がデータ・ソースで実際にサポートされるSQL機能を正確に反映しているとはかぎりません。この機能を使用する際は、「機能」タブに表示されるサポートされる機能のリストがデータ・ソースで実際にサポートされる機能と一致していることを検証する必要があります。詳細は、使用するデータ・ソースのドキュメントを参照してください。 |
デフォルトにリセット |
このボタンは、このデータ・ソース・タイプのデフォルト値を |
データベース・プロパティの表示
一部のデータ・ソースについては、物理レイヤーのメタデータを拡張できます。
たとえば、Oracle ADFデータ・ソースについては、Oracle ADF BIのビュー・オブジェクトから管理ツールに渡されるカスタム・データベース・プロパティを表示できます。これらのプロパティは、通常は編集されません。
この表は、カスタム・プロパティの例を示しています。
カテゴリ | キー名 | 値 | 説明 |
---|---|---|---|
FscmTopModelAM.AccountBIAM |
BIObject_FLEX_TREE_VS_COST_CENTER_LABEL_VI |
Dim - Cost Center |
FLEX_TREE_VS_COST_CENTER_LABEL_VIビュー・オブジェクトは、Dim - Cost Center論理ディメンションにマップする必要があります。 |
FscmTopModelAM.AccountBIAM |
BIFlexfieldViewUsage |
FLEX_BI_AcctKff_VI |
FLEX_BI_AcctKff_VIは、FscmTopModelAM.AccountBIAMに対するCCIDビュー・オブジェクトです。 |
FscmTopModelAM.AccountBIAM |
EnforceCustomDataType_FscmTopModelAM.AccountBIAM |
"Segment 1":"VARCHAR"; "Segment ID":"DOUBLE" |
FscmTopModelAM.AccountBIAMビュー・オブジェクトについては、いくつかの物理列のデータ型をプロパティで渡される値でオーバーライドします。 |
サポートされるデータベース機能の確認
Oracle BI管理ツールでは、データベースおよびデータソースでサポートされる機能を確認できます。期待どおりに動作しない問合せなどの操作をトラブルシューティングするときには、「データベース・オプション」を使用できます。
機能とは、ISDESCENDANT
文を使用する問合せや、ADD
またはSQRT
(平方根)操作がサポートされている操作など、データベースに対して実行できるSQL式、文、関数、操作などの機能のことです。「値」列または「デフォルト」列にチェック・マークが表示されている場合、その機能がサポートされています。「値」列または「デフォルト」列の詳細は、「データ・ソースでサポートされるSQL機能」を参照してください。
- Oracle BI管理ツールを開きます。
- 「ファイル」メニューから、オンライン・モードまたはオフライン・モードを選択します。
- 「リポジトリを開く」ダイアログで、リポジトリを選択して「開く」をクリックします。
- 「物理」列で、データベースまたはデータ・ソースをクリックして、「プロパティ」を選択します。
- 「データベース・プロパティ」で、「機能」タブをクリックして、特定のデータベースまたはデータ・ソースでサポートされている機能を確認します。