1 Autonomous DatabaseでのOracle Machine Learningユーザー・インタフェースの新機能

Oracle Autonomous DatabaseでのOracle Machine Learningユーザー・インタフェースに関する最新の拡張および機能の概要を示します。

表1-1 新機能

機能 説明
電子メール通知のサポート Oracle Machine Learningユーザー・インタフェースは、ジョブの電子メール通知を送信する機能で拡張されました。「ジョブ」では、ノートブックの実行をスケジュールできます。ジョブに対して選択したイベントに関する電子メール通知を指定されたユーザーの電子メール・アドレスに送信できるようになりました。

電子メール通知の送信方法の詳細は、「ノートブックをスケジュールするジョブの作成」を参照してください。

OMLノートブックでのNVIDIA GPUコンピュート機能のサポート

Oracle Machine Learning Notebooksでは、NVIDIA GPU (グラフィックス・プロセッシング・ユニット)のコンピュート機能がサポートされています。Oracle Machine Learning Notebooksの新しいGPU機能を使用すると、ディープ・ラーニング・モデル、ベクトル生成用のトランスフォーマ(埋込みモデル)、小規模なLLMなどの高度な機械学習アルゴリズムを実行できます。

このGPU機能は、OMLアプリケーションに対して指定されているECPUが16以上であるOracle Autonomous Data Warehouse ServerlessインスタンスまたはOracle Autonomous Transaction Processing Serverlessインスタンスの場合に有効になっています。有償版とライセンス持込み(BYOL)版の両方を使用できます。コストの詳細は、Oracle Cloud Servicesの契約ページにあるOracle PaaSおよびIaaSユニバーサル・クレジット・サービスの説明のドキュメントを参照してください。

ノート:

GPUリソースは、有料のOracle Autonomous Database Serverlessインスタンスでのみ使用できます。GPUリソースは、割り当てられたECPUが16未満であるAlways FreeのOracle Autonomous Database ServerlessインスタンスまたはOracle Autonomous Database Serverlessインスタンスでは使用できません。
Oracle Machine Learningのノートブック・クラシックの非推奨 Oracle Machine Learning Notebooks Classicは、2024年6月11日以降非推奨になりました。2024年10月29日で、クラシック・ノートブックを作成することや、テンプレートとして保存すること、ジョブ・スケジュール用に選択することができなくなります。既存のクラシック・ノートブックは読取り専用モードで開くことができます。引き続き、ノートブック・クラシックのリスト・ページにあるOMLノートブックにコピーボタンを使用してクラシック・ノートブックを新しい形式に変換できます。

2024年12月31日で、クラシック・ノートブックは使用できなくなります。ADMINユーザーは、クラシック・ノートブックに読取り専用モードでアクセスし、それらを新しい形式に変換できます。クラシック・ノートブックがまだ使用されているジョブには、「無効」というステータスが表示されます。関連するジョブ・ログにはアクセスできなくなります。

2025年6月4日で、ADMINユーザーはクラシック・ノートブックにアクセスできなくなり、残りのノートブックはすべて削除されます。保持する必要があるクラシック・ノートブックまたはクラシック・テンプレート・ノートブック(個人用または共有)がある場合は、これらを新しい形式に変換する必要があります。クラシック・ノートブックに依存するジョブがある場合は、これらのジョブを新しいノートブックで更新するか、新しいノートブックで再作成する必要があります。
Oracle Machine Learningのノートブックが更新されています Oracle Machine Learningユーザー・インタフェースでは、拡張されたノートブック環境が提供されています。これは、最初はOracle Autonomous Database ServerlessNotebooks EA (Early Adopter)としてリリースされ、現在は、左側のナビゲーション・メニューおよびホームページの「ノートブック」を使用してアクセスできるようになりました。拡張されたノートブックのインタフェースでは、SQL、SQLスクリプト、R、Python、CondaおよびMarkdownインタープリタがサポートされています。拡張ノートブックでは、コードの記述、テキストの作成、充実したビジュアライゼーションの作成、および機械学習を含むデータ分析の実行が可能です。

ノート:

元のZeppelinベースのノートブック・インタフェースは、左側のナビゲーション・メニュー項目ノートブック・クラシックの下で、期間限定で引き続き使用できます。
Oracle Machine Learningユーザー・インタフェースでのモデル・モニタリングのサポート Oracle Machine Learningユーザー・インタフェースでは、モデル・モニタリングのサポートが提供されています。これにより、モデル・モニターを作成できるようになります。モデル・モニターでは、モデル予測の品質を長期間モニターでき、根本的な原因に関するインサイトを得ることができます。
Oracle Machine Learningユーザー・インタフェースでのデータ・モニタリングのサポート Oracle Machine Learningユーザー・インタフェースでは、データ・モニタリングのサポートを提供します。これにより、データをモニタリングし、経過に伴うデータの進化を評価できます。これは、データのトレンドおよび多変量依存関係に関するインサイトを得るのに役立ちます。また、データ・ドリフトに関する早期警告にもなります。

Autonomous Database -Serverlessでの拡張ノートブックのサポート

Oracle Machine Learningユーザー・インタフェースは、Autonomous Database - Serverlessの新しい拡張ノートブック環境であるNotebooks EA (Early Adopter)を提供します。拡張ノートブックでは、SQL、SQLスクリプト、R、Python、CondaおよびMarkdownインタープリタがサポートされています。拡張ノートブックでは、コードの記述、テキストの作成、充実したビジュアライゼーションの作成、および機械学習を含むデータ分析の実行が可能です。

ノート:

拡張ノートブックは、Oracle Machine Learning Notebook Early Adopterリリースで使用できます。Early Adopterのリリース期間中は、Zeppelinと拡張ノートブックの両方が使用可能になり、その後、すべてのノートブックが新しいノートブック環境に変換されます。Early Adopterフェーズでは、元のZeppelinと新しいEarly Adopterノートブック・インタフェースの両方を使用できます。元のインタフェースのノートブックは、Early Adopterリリースにコピーできます。

Oracle Autonomous Database Serverlessにある拡張ノートブック・インタフェースでは、次の拡張機能およびユーザー・エクスペリエンスが提供されます:

  • 充実かつ強化されたユーザー・エクスペリエンス: 拡張ノートブックは、現代的なルック・アンド・フィールと、多くのチャート・オプションを備えたさらに充実したビジュアライゼーションを提供します。これにより、ユーザーはデータをより高度にビジュアル化および理解できるようになります。また、バージョンの並列比較、パラグラフにコメントを追加するオプション、パラグラフの全画面サイズ・モード、パラグラフの依存関係を定義するオプションなど、いくつかの便利な機能が提供されます。
  • 高可用性: 拡張ノートブックであるマルチテナント・アプリケーションは、Oracle Machine Learningサーバーと同じ中間層にデプロイされるため、追加のリソースは必要ありません。したがって、常に実行されており、新しい拡張ノートブックをレンダリングする際はすぐに使用できます。
  • 高いスケーラビリティ: 拡張ノートブックにより、本番での高いスケーラビリティが保証されます。ユーザーの需要の増加に応じてスケール・アップするために、追加のノートブック・インスタンスを簡単に追加できます。システムの負荷をモニターするツールがあり、システムが一貫して過負荷になっている場合は、追加のインスタンスを簡単に追加して、スケーラビリティに関連するリスクを軽減できます。

PythonおよびRサードパーティ・ライブラリのサポート

Oracle Machine Learning Notebooksで、PythonおよびRのサードパーティ・ライブラリを使用できます。Oracle Machine Learning UIには、ノートブック・セッション内にサードパーティのPythonおよびRライブラリをインストールするためのCondaインタープリタが用意されています。Condaは、サードパーティのPythonおよびRライブラリが含まれる環境の使用を可能にするオープンソースのパッケージおよび環境管理システムです。

  • OML_SYS_ADMINロールを持つユーザーは、PythonおよびRサードパーティ・ライブラリをインストールし、永続化のためにオブジェクト・ストレージにアップロードできます。OML_SYS_ADMINロールを持つユーザーは管理者です。
  • OML_DEVELOPERロールを持つユーザーは、Condaインタープリタを使用して、管理者がプロビジョニングするConda環境を使用してサードパーティ・ライブラリをダウンロードおよびアクティブ化できます。OML_DEVELOPERロールを持つユーザーは、通常のOracle Machine Learningユーザーです。

Rのサポート

Oracle Machine Learning for ROracle Machine Learning Notebooksでサポートされています。Oracle Machine Learning for Rを使用することで、データ探索および機械学習モデリングを実行できます。OML4Rは、Autonomous Data WarehouseAutonomous Transaction Processing、Oracle Autonomous JSON Databaseサービスなど、Oracle Autonomous Database ServerlessにあるOracle Machine Learningノートブックを介して使用できます。

クロスリージョンAutonomous Data Guardのサポート

Oracle Machine Learning Notebooksは、新しくプロビジョニングおよび移行されたデータベースでクロスリージョンAutonomous Data Guardをサポートします。

ServerlessデータベースからそれぞれのOracle Autonomous Databaseインスタンスに移行されたOracle Machine Learningリポジトリ

Oracle Machine Learning (OML)リポジトリは、ServerlessデータベースからそれぞれのOracle Autonomous Databaseインスタンスに移行されました。

Oracle Machine Learningリポジトリを移行すると、次のことが保証されます。
  • 表、ジョブ、ストアド・プロシージャ、メタデータなどのOMLオブジェクトはすべて、適切なOracle Autonomous Databaseインスタンスに移動されます。
  • リフレッシュ可能クローンがサポートされ、これにより、Oracle Machine Learningメタデータのクローニングも可能になります。

ノート:

Oracle Machine Learning (OML)リポジトリの移行は、30日間で完了する予定です。

OMLリポジトリのバージョンについては、Oracle Machine Learningユーザー・インタフェース・ページの右上隅にある<user>ドロップダウン・リストの「情報」を参照してください。バージョンが1.0.0.0.0の場合、OMLメタデータがServerlessデータベースにまだ存在することを示します。バージョンが22.xの場合、OMLリポジトリがOracle Autonomous Databaseインスタンスに移行されたことを示します。

すべてのOracle Autonomous DatabaseクローンでサポートされるOracle Machine Learning Notebook

Oracle Machine Learning Notebookは、次を含め、すべてのタイプのOracle Autonomous Database - Serverlessクローンでサポートされています。
  • フル・クローン: 新しいデータベースは、ソース・データベースおよびメタデータのデータを使用して作成されます。
  • リフレッシュ可能クローン: ソース・データベースのデータを使用して簡単にリフレッシュできる読取り専用フル・クローンが作成されます。
  • メタデータ・クローン: ソース・データベースのスキーマ・メタデータはすべて含まれますが、ソース・データベースのデータは含まれない新しいデータベースが作成されます。

    ノート:

    メタデータ・クローンの場合、サンプル・テンプレート・ノートブックはサポートされません。