3.5.1.2 オンプレミス・データベース用のLinux向けOML4Pyクライアントのインストール
オンプレミスOracleデータベースで使用するためにLinux向けOML4Pyクライアントをインストールする手順です。
前提条件
オンプレミスOML4Pyクライアントをダウンロードしてインストールするには、次が必要です。
- インターネットへの接続。
- クライアントをインストールするディレクトリに対する書込み権限。
- システムにインストールされているPerl 5.8以降。
- Python 3.9.5。Python 3.9.5のダウンロードおよびインストールの詳細は、「オンプレミス・データベース用のPython for Linuxの構築およびインストール」を参照してください。
OML4Pyクライアントを使用してオンプレミスOracleデータベースに接続するには、次が必要です。
- Oracle Instant Clientをクライアント・マシンにインストールする必要があります。
- OML4Pyサーバーをオンプレミス・データベース・サーバーにインストールする必要があります。
OML4Pyクライアント・インストール・ファイルのダウンロードおよび抽出
OML4Pyクライアント・インストールファイルをダウンロードして抽出するには、次を実行します。
- クライアント・インストールzipファイルをダウンロードします。
- Oracle Technology Networkの「Oracle Machine Learning for Python Downloads」ページにアクセスします。
- ライセンス契約に同意し、Oracle Machine Learning for Python Downloads (v1.0)を選択します。
- Oracle Machine Learning for Python Client Install for Oracle Database on Linux 64 bitを選択します。
- zipファイルをアクセス可能なディレクトリに保存します。これらの手順では、
oml4pyという名前のディレクトリを使用しますが、oml4pyクライアントをインストールするユーザーがアクセスできる任意の場所にzipファイルをダウンロードできます。
- zipファイルをダウンロードしたディレクトリに移動し、ファイルを解凍します。
cd oml4py unzip oml4py-client-linux-x86_64-1.0.zipclientというサブディレクトリに内容が抽出され、次の4つのファイルが格納されています。OML4PInstallShared.pmoml-1.0-cp39-cp39-linux_x86_64.whlclient.ploml4py.ver
クライアント・インストールPerlスクリプトのオプションの引数の表示
ダウンロードしたインストールzipファイル(この手順ではoml4py)が格納されているディレクトリで、--helpオプションを指定してクライアント・インストールPerlスクリプトを実行し、クライアント・インストールPerlスクリプトの引数を表示します。
次のコマンドは、使用可能なインストール・オプションを表示します。
perl -Iclient client/client.pl --help
Oracle Machine Learning for Python 1.0 Client. Copyright (c) 2018, 2022 Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Usage: client.pl [OPTION]... Install, upgrade, or uninstall OML4P Client. -i, --install install or upgrade (default) -u, --uninstall uninstall -y never prompt --ask interactive mode (default) --no-embed do not install embedded python functionality --no-automl do not install automl module --no-deps turn off dependencies checking --target <dir> install client into <dir>
デフォルトでは、インストール・スクリプトによって、Embedded Python ExecutionモジュールおよびAutoMLモジュールがインストールされます。これらのモジュールをインストールしない場合は、--no-embedフラグと--no-automlフラグをそれぞれ使用できます。
また、デフォルトでは、インストール・スクリプトによってOML4Pyクライアントが必要とする各サポート・パッケージの有無とバージョンがチェックされます。必要なパッケージが存在しないか、バージョン要件を満たしていない場合、インストール・スクリプトはエラー・メッセージを表示して終了します。--no-depsフラグを使用すると、クライアント・インストールでの依存性チェックをスキップできます。ただし、omlモジュールを使用するには、すべてのサポート・パッケージの受入れ可能なバージョンをインストールしておく必要があります。
必要な依存性のリストは、オンプレミス・データベース用のLinuxに必要なサポート・パッケージのインストールを参照してください。
OML4Pyクライアント・インストール・スクリプトの実行
OML4Pyクライアントをインストールするには、次を実行します。
- 抽出されたクライアント・インストールPerlスクリプトが格納されているディレクトリで、スクリプトを実行します。次のコマンドは、現行ディレクトリでPerlスクリプトを実行します。
perl -Iclient client/client.plあるいは、次のコマンドは、指定されたターゲット・ディレクトリを使用してPerlスクリプトを実行します。
perl -Iclient client/client.pl --target path_to_target_dir--targetフラグは、現行ディレクトリにインストールしない場合はオプションです。スクリプトに
Proceed?と表示されたら、yまたはyesと入力します。--target <dir>引数を使用してomlモジュールを指定したディレクトリにインストールする場合は、その場所を環境変数PYTHONPATHに追加し、Pythonでモジュールを検出できるようにします。export PYTHONPATH=path_to_target_dir次が表示されます。
perl -Iclient client/client.pl
Oracle Machine Learning for Python 1.0 Client. Copyright (c) 2018, 2022 Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Checking platform .................. Pass Checking Python .................... Pass Checking dependencies .............. Pass Checking OML4P version ............. Pass Current configuration Python Version ................... 3.9.5 PYTHONHOME ....................... /opt/Python-3.9.5 Existing OML4P module version .... None Operation ........................ Install/Upgrade Proceed? [yes] Processing ./client/oml-1.0-cp39-cp39-linux_x86_64.whl Installing collected packages: oml Successfully installed oml-1.0
omlモジュールが正常にインストールされ、使用可能な状態であることを確認するには、Pythonを起動し、omlをインポートします。Linuxプロンプトで、python3と入力します。python3Pythonプロンプトで、
import omlと入力します。import oml出力は、次のようなものです。
python3Python 3.9.5 (default, Feb 23 2022, 17:12:33) [GCC 4.8.5 20150623 (Red Hat 4.8.5-44.0.3)] on linux Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.import oml- インストール・ディレクトリの場所を表示します。
--target <dir>引数を使用しなかった場合、インストールされたomlモジュールは$PYTHONHOME/lib/python3.9/site-packages/下に格納されます。ここでも、ターゲット・ディレクトリに対する書込み権限が必要です。Pythonでは、
omlモジュールをインポートした後に、クライアントがインストールされているディレクトリを表示できます。Pythonプロンプトで次のように入力します。oml.__path__
OML4Pyサーバーへの接続
Pythonを起動し、omlをインポートし、適切なパスワード、ホスト名およびシステム識別子を使用してOML4Pyサーバーへの接続を作成します。次の例では、ユーザーとしてoml_userを使用しており、引数値の例を示しています。ユーザー名およびその他の引数値を、自身のユーザーおよびデータベースの値に置き換えてください。
import oml
oml.connect(user='oml_user', password='oml_user_password', host=myhost,
port=1521, service_name='myservice')接続後に、このマニュアルの例はいずれも実行できます。たとえば、例6-8を実行できます。
ノート:
Embedded Python Executionの例を使用するには、Embedded Python Executionオプションを有効にしたOML4Pyクライアントをインストールしておく必要があります。自動機械学習(AutoML)の例を使用するには、サーバーで実行中の接続プールをoml.connect呼出しのautoml引数に指定する必要があります。