ソフトウェア・ライブラリのキャッシュ・ノード

Oracle Enterprise Manger Cloud Control 13cでは、ターゲット・グループの近くに1つ以上のキャッシュ・ノードを構成することがサポートされています。構成すると、ソフトウェア・ライブラリ・ファイルの転送ジョブで、エンティティ・ファイルが適切なキャッシュ・ノードから取得され、必要に応じてエンティティ・ファイルがキャッシュされるため、Oracle Management Serviceから距離の離れたターゲットへのファイル転送にかかる時間が短縮されます。

キャッシュ・ノードの構成

キャッシュ・ノードは、OMSに対するロードを削減することで、遠距離のサーバーやデータ・センターへのファイル転送操作を拡張するEnterprise Managerの機能です。キャッシュ・ノードは、グループと呼ばれる1つの単位として機能する一連の事前設定済ターゲットで実行します。各キャッシュ・ノードは、関連付けられている特定のターゲット・グループが稼働するホスト上の中間記憶域の場所です。

通常は、地理的に同じ場所にあるターゲットを含むグループを作成するとメリットがあります。これらのターゲットの近さによって効率的なファイル転送が保証されます。キャッシュ・ノードの使用は、OMSに対する負荷の軽減にも大きなメリットがあります。たとえば、100個のターゲットに同時にパッチ適用を行うと、OMSはファイル転送を100個のターゲットそれぞれと調整する必要があるため、OMSに対して莫大な負荷がかかります。ただし、OMSがファイルをキャッシュ・ノードに1回転送すれば済むようにキャッシュ・ノードを使用することでこれに対処できます。その後、キャッシュ・ノードが、対応するグループ内の個々のターゲットへのファイル転送を処理します。所定のターゲット・グループを複数のキャッシュ・ノードにリンクできることに注意してください。このアプローチを利用すると、負荷がノード間で均等に分散されるようになり、関連するグループの個々のキャッシュ・ノードのパフォーマンスを最大化することができます。

この項の具体的な内容は次のとおりです。

キャッシュ・ノードの追加

ノート:

資格証明は、SWLIBで始まる生成名の付いた資格証明を所有するシステムにコピーされます。これは、資格証明の編集フローで元の資格証明の名前として表示されます。

キャッシュ・ノードの追加を開始する前に、対応するキャッシュ・ノードに関連付けるターゲット・グループをあらかじめ作成しておく必要があります。グループの作成の詳細は、グループの管理を参照してください。

キャッシュ・ノードを追加するには、次のステップを実行します。

  1. Cloud Controlで、「設定」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックします。

  2. ソフトウェア・ライブラリ管理ページで「キャッシュ・ノード」を選択します。

  3. 「キャッシュ・ノード」タブで「追加」をクリックします。

    「キャッシュ・ノードの追加」ダイアログ
  4. 「キャッシュ・ノードの追加」ダイアログ・ボックスで、次の詳細を入力します。

    1. キャッシュ・ノードの表示名を入力します。たとえば、「Austin Nodes」とします。

    2. 自分の参考用にキャッシュ・ノードの簡単な説明を追加します。たとえば、「these are the targets on different hosts restricted to Austin, U.S.A.」とします。

    3. キャッシュ・ノードとして使用されるホスト・ターゲット・マシンを指定します。たとえば、slc01.example.comです。

    4. OMSから転送されるファイルを格納するホスト上の場所を指定します。このディレクトリはサーバーにすでに存在し、空であることが必要です。たとえば、/usr/cachenodesです

    5. キャッシュ・ノードに関連付けるグループを検索して選択します。たとえば、「Austin Group」です。

    6. デフォルトの割当ては10 GBです。この値を変更して、要件に合せてカスタマイズできます。

  5. 「OK」をクリックすると、指定したグループに追加されたターゲットに対応するキャッシュ・ノードが作成されます。

    ノードが正常に作成されると、使用可能なディスク領域、ファイル転送履歴およびキャッシュ・ノードの情報のサマリーが表示されます。

    キャッシュ・ノードが正常に作成されたら、「表示」をクリックして、グループ内のターゲットに関連付けられたすべてのエンティティを表示できます。また、グループ名をクリックするとグループの詳細も表示できます。

キャッシュ・ノードの編集

キャッシュ・ノードを編集するには、次のステップを実行します。

  1. Cloud Controlで、「設定」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックします。

  2. ソフトウェア・ライブラリ管理ページで「キャッシュ・ノード」を選択します。

  3. 「キャッシュ・ノード」タブで、更新するキャッシュ・ノードを選択して「編集」をクリックします。これが特に役立つのは、キャッシュに関連付けられているグループを変更する場合または割当ての詳細を更新する場合です。

  4. 「OK」をクリックすると変更が反映されます。

キャッシュ・ノードの削除

キャッシュを削除するには、次のステップを実行します。

  1. Cloud Controlで、「設定」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックします。

  2. ソフトウェア・ライブラリ管理ページで「キャッシュ・ノード」を選択します。

  3. 「キャッシュ・ノード」タブで、1つ以上のキャッシュ・ノードを選択して「削除」をクリックします。

キャッシュ・ノードのアクティブ化または非アクティブ化

特定のキャッシュ・ノードの機能を一時的に停止する場合は、「非アクティブ化」をクリックします。通常、割当てが一杯になったとき、またはキャッシュ・ノードのメンテナンス・タスクを実行する必要があるときに、このオプションが役立ちます。

キャッシュ・ノードを非アクティブ化するには、次のステップを実行します。

  1. Cloud Controlで、「設定」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックします。

  2. ソフトウェア・ライブラリ管理ページで「キャッシュ・ノード」を選択します。

  3. 「キャッシュ・ノード」タブで、キャッシュ・ノードを選択して「非アクティブ化」をクリックします。

キャッシュ・ノードのクリア

割当てを解放するためにキャッシュ・ノードに関連付けられているすべてのファイルを削除する場合は、「クリア」をクリックします。

キャッシュ・ノードをクリアするには、次のステップを実行します。

  1. Cloud Controlで、「設定」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックします。

  2. ソフトウェア・ライブラリ管理ページで「キャッシュ・ノード」を選択します。

  3. 「キャッシュ・ノード」タブで、キャッシュ・ノードを選択して「クリア」をクリックします。

キャッシュ・ノードの同期

キャッシュ・ノード間の不一致を特定してクリーンアップするには、次のステップを実行します。

  1. Cloud Controlで、「設定」メニューから「プロビジョニングとパッチ適用」を選択し、「ソフトウェア・ライブラリ」をクリックします。

  2. ソフトウェア・ライブラリ管理ページで「キャッシュ・ノード」を選択します。

  3. 「キャッシュ・ノード」タブで、キャッシュ・ノードを選択して「再同期化」をクリックします。

キャッシュ・ノードのファイルのエクスポートおよびインポート

EM CLI動詞は、ソフトウェア・ライブラリ・エンティティのファイルを圧縮ファイルにエクスポートするために使用できます。これらの圧縮ファイルは、キャッシュ・ノード・ホストに転送してキャッシュ・ノードにインポートできます。ソフトウェア・ライブラリ・エンティティがキャッシュ・ノードの提供するグループの1つ以上のターゲットにステージングされる場合、ファイルはOMSのかわりにキャッシュ・ノードから直接提供されます。

エクスポート

1行に1つのソフトウェア・ライブラリ・エンティティの内部IDを付けて、ファイルを作成します。エンティティの内部IDは、emcli動詞list_swlib_entitiesで確認できます。次の例では、file /u01/urnfeがこのようなファイルです。このファイルの行で表されたエンティティのファイルは、Enterprise ManagerユーザーADMIN1が所有するcreds1という名前の資格証明を使用して、ホストsyq.myco.com/u01/exportcache/cachefiles.zipとしてエクスポートされます。

emcli export_swlib_cache_files -dest_dir_path=/u01/exportcache -zip_file_name=cachefiles.zip -dest_host_name=syq.myco.com -urn_file_entry_file="/u01/urnfe" -dest_host_tmp_dir=/tmp -credential_name=creds1 -credential_owner=ADMIN1

エクスポートされたcachefiles.zipファイルは、skx.af.myco.comのような、指定した宛先キャッシュ・ノードに取り込むことができます。

インポート

次のemcli動詞を使用してzipファイルをキャッシュ・ノードにインポートできます。emcli import_swlib_cache_files -src_dir_path=/u01/cachefiles -zip_file_name=cachefiles.zip -cache_node_name=afcachenode -src_host_tmp_dir=/tmp -src_host_name=skx.af.myco.com

キャッシュ・ノードに関連付けられた資格証明は、インポートの実行に使用されます。

詳細は、『Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース』ガイドを参照してください。