C データベース・テンプレートを使用した事前構成済のリポジトリでのデータベース・インスタンスの作成

Enterprise Manager Cloud Controlのインストール時に、すべてのEnterprise Manager関連データを格納するようにOracle Management Repository (管理リポジトリ)を構成できるデータベースの詳細を提供する必要があります。Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードは、指定したデータベースに管理リポジトリを構成できますが、オプションでデータベースに管理リポジトリを事前に構成することを選択できます。これにより、インストール時間が節約されます。

この付録では、管理リポジトリを事前構成する方法について説明します。この付録の具体的な内容は次のとおりです。

データベースでの管理リポジトリの事前構成について

Enterprise Manager Cloud Controlのインストール時に、データベースの詳細を指定して、すべてのEnterprise Manager関連データを格納するように管理リポジトリを構成できます。Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードは、指定したデータベースに管理リポジトリを構成できますが、オプションでデータベースに管理リポジトリを事前に構成することを選択できます。これにより、インストール時間が節約されます。

データベースに管理リポジトリを事前構成するには、オラクル社提供のデータベース・テンプレートを使用します。これらのデータベース・テンプレートは、最初にデータベース・インスタンスを作成してから、そこに管理リポジトリを事前構成します。テンプレートは、小規模、中規模、大規模の各デプロイメント・サイズに必要なデータベース・パラメータを使用して管理リポジトリを事前構成します。

オラクル社提供のデータベース・テンプレートを使用して事前構成済の管理リポジトリでデータベース・インスタンスを作成するには、データベース・テンプレートを使用した事前構成済のリポジトリでのデータベース・インスタンスの作成を参照してください。

ノート:

Enterprise Manager 13cリリース5のダウンロード・ページで提供される各種のデータベース・テンプレートのzipファイルは、Enterprise Manager Cloud Control 13cリリース5でのみ使用できます。Enterprise Manager Cloud Controlの以前のリリースでは、これらのファイルを使用しないでください。

データベース・テンプレートを使用した事前構成済のリポジトリでのデータベース・インスタンスの作成

オラクル社提供のデータベース・テンプレートを使用して、事前構成済のOracle Management Repositoryでデータベース・インスタンスを作成するには、次のステップに従います。

  1. データベースを作成するホストにOracle Database 19cソフトウェアをインストールします。

    標準のデータベース・インストールを実行してDatabase Configuration Assistantからテンプレートを使用することもできますが、ソフトウェア単体でのインストールをお薦めします。

    手順については、次の場所にある『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

    https://www.oracle.com/database/technologies/

  2. 現在のEnterprise ManagerバージョンのOracle Enterprise Managerのダウンロード・ページに移動し、「データベース・テンプレート」セクションでDBテンプレートのダウンロードをクリックし、Oracle Databaseをインストールした特定のデータベース・バージョン(19c)およびプラットフォームのデータベース・テンプレートのzipファイルをダウンロードします。このZIPファイルは、インストールされている特定のOracle Databaseバージョンでのみ機能します。
  3. データベース・テンプレートのzipファイルをデータベース・ホストの次の場所に抽出します:

    $<DB_HOME>/assistants/dbca/templates

    たとえば、

    /u01/software/oracle/database/dbhome_1/assistants/dbca/templates

    表C-1に、一般的な19cデータベース・テンプレートのzipファイル、<Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>_<platform>.zipファイルの内容を示します。

    表C-1 一般的な19cデータベース・テンプレートのzipファイル、<Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>_<platform>.zipの内容

    ファイル名 説明

    <Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>_Large_deployment.dbc

    大規模のデプロイメントの.dbcファイル

    <Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>_Medium_deployment.dbc

    中規模のデプロイメントの.dbcファイル

    <Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>_Small_deployment.dbc

    小規模のデプロイメントの.dbcファイル

    <Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>.ctl

    .dbcファイルに必要な.ctlファイル。

    <Database Version>_Database_Template_for_<EM Version>.dfb

    .dbcファイルに必要な.dbfファイル。

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Large_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、大規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Medium_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、中規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Small_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、小規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    shpool_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>.sql

    .dbcファイルには.sqlファイルが必須で、要件ごとの共有プール・サイズを設定します。

  4. <DB_HOME>/bin/dbcaからOracle Database Configuration Assistantを実行してデータベースを作成します。「データベース・テンプレート」画面で、選択したデプロイメント・サイズに合ったテンプレートを選択します。

    警告:

    Oracle Database Configuration Assistantを実行してデータベースを作成するときに、「管理オプション」画面ではデフォルトで「Enterprise Manager (EM) Database Expressの構成」オプションが選択されます。必ず選択を解除してください。このオプションは、データベースにDB Controlオブジェクトを作成します。このオプションを選択した場合、DB ControlオブジェクトとCloud Controlオブジェクトの両方が含まれるため、データベースを使用できません。この問題を解決する唯一の方法は、データベースを再作成してから続行することです。

    警告:

    Oracle Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成すると、「データベース・コンテンツ」画面で、shpoolスクリプトを実行するように「次のスクリプトを実行」オプションでデフォルトで選択されています。スクリプトによって、データベースに共有プールが設定されます。必ず選択したままにしてください。選択を解除しないでください。

    ノート:

    データベースの作成時に、Oracle Database Configuration Assistantでアカウントのロックを解除するオプションが表示されても、そのオプションは無視してください。データベースの作成時にアカウントのロックを解除しないでください。これらのアカウントは、Enterprise Manager Cloud Controlのインストール時にEnterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードによって自動的にロックが解除され、入力したパスワードを使用して設定されます。したがって、データベースの作成時にそれらのロックを解除する必要はありません。

ノート:

データベースで管理リポジトリを事前に構成するために使用するConfiguration Assistant (Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードによって実行)の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストールおよび構成ガイド』を参照してください。

CDBおよびPDB用データベース・テンプレートを使用した事前構成済のリポジトリでのデータベース・インスタンスの作成

オラクル社提供のデータベース・テンプレートを使用して、事前構成済のOracle Management Repositoryでデータベース・インスタンスを作成するには、次のステップに従います。

  1. データベースを作成するホストにOracle Database 19cソフトウェアをインストールします。

    標準のデータベース・インストールを実行してDatabase Configuration Assistantからテンプレートを使用することもできますが、ソフトウェア単体でのインストールをお薦めします。

    Oracle Database 19c:の場合

    1. 使用可能なOracle Database 19cソフトウェアをインストールします。
    2. Oracle Databaseリリース更新(RU) 19.5を適用します。

      Oracle Database 19cリリース更新の詳細は、My Oracle SupportのドキュメントID 2521164.1を参照してください。

    3. Oracle Database 19.5個別パッチ31145525を適用します。

    手順については、次の場所にある『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。

    https://www.oracle.com/database/technologies/.

  2. 現在のEnterprise ManagerバージョンのOracle Enterprise Managerのダウンロード・ページに移動し、「データベース・テンプレート」セクションでDBテンプレートのダウンロードをクリックし、Oracle Database 19cをインストールしたプラットフォーム固有のPDBデータベース・テンプレートのzipファイル<Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>_<platform>.zipをダウンロードします。このZIPファイルは、インストールされている特定のOracle Databaseバージョンでのみ機能します。
  3. <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>_<platform>.zipファイルをデータベース・ホストの次の場所に抽出します:

    $<DB_HOME>/assistants/dbca/templates

    たとえば、

    /u01/software/oracle/database/dbhome_1/assistants/dbca/templates

    表C-2に、一般的な19cデータベース・テンプレートのzipファイル、<Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>_<platform>.zipファイルの内容を示します。

    表C-2 一般的な19cデータベース・テンプレートのzipファイル、<Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>_<platform>.zipの内容

    ファイル名 説明

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>_Large_deployment.dbc

    大規模のデプロイメントの.dbcファイル

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>_Medium_deployment.dbc

    中規模のデプロイメントの.dbcファイル

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>_Small_deployment.dbc

    小規模のデプロイメントの.dbcファイル

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>.ctl

    .dbcファイルに必要な.ctlファイル。

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>.dfb1

    .dbcファイルには.dbf1ファイルが必須です。

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>.dfb2

    .dbcファイルには.dbf2ファイルが必須です。

    <Database Version>_Database_Template_with_cdbpdb_for_<EM Version>.dfb3

    .dbcファイルには.dbf3ファイルが必須です。

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Large_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、大規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Medium_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、中規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    set_repo_param_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>_Small_deployment.sql

    データベース・パラメータを設定し、小規模のデプロイメントをサポートするように管理リポジトリを変換する.sqlファイルです。

    shpool_<Database Version>_Database_SQL_for_<EM Version>.sql

    .dbcファイルには.sqlファイルが必須で、要件ごとの共有プール・サイズを設定します。

  4. <DB_HOME>/bin/dbcaからOracle Database Configuration Assistantを実行してデータベースを作成します。「データベース・テンプレート」画面で、選択したデプロイメント・サイズに合ったテンプレートを選択します。

    警告:

    Oracle Database Configuration Assistantを実行してデータベースを作成するときに、「管理オプション」画面ではデフォルトで「Enterprise Manager (EM) Database Expressの構成」オプションが選択されます。必ず選択を解除してください。このオプションは、データベースにDB Controlオブジェクトを作成します。このオプションを選択した場合、DB ControlオブジェクトとCloud Controlオブジェクトの両方が含まれるため、データベースを使用できません。この問題を解決する唯一の方法は、データベースを再作成してから続行することです。

    警告:

    Oracle Database Configuration Assistantを使用してデータベースを作成すると、「データベース・コンテンツ」画面で、shpoolスクリプトを実行するように「次のスクリプトを実行」オプションでデフォルトで選択されています。スクリプトによって、データベースに共有プールが設定されます。必ず選択したままにしてください。選択を解除しないでください。

    ノート:

    データベースの作成時に、Oracle Database Configuration Assistantでアカウントのロックを解除するオプションが表示されても、そのオプションは無視してください。データベースの作成時にアカウントのロックを解除しないでください。これらのアカウントは、Enterprise Manager Cloud Controlのインストール時にEnterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードによって自動的にロックが解除され、入力したパスワードを使用して設定されます。したがって、データベースの作成時にそれらのロックを解除する必要はありません。

    ノート:

    pdb名は、pdbが上に一覧表示されたテンプレートで作成されている場合はcdb名にかかわらず常にempdbreposとなります。ただし、cdbが<domain name>で作成されている場合はpdbはempdbrepos.<domain name>になります。

ノート:

データベースで管理リポジトリを事前に構成するために使用するConfiguration Assistant (Enterprise Manager Cloud Controlインストール・ウィザードによって実行)の詳細は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Controlアドバンスト・インストールおよび構成ガイド』を参照してください。