メトリックしきい値: モニター対象の状況が問題である時点を判断
一部のメトリックには、しきい値と呼ばれる事前定義済の制限パラメータが関連付けられており、収集されたメトリック値がその制限を超えると、メトリック・アラート(イベントのタイプに特有)が起動されます。Enterprise Managerでは、次の2つのレベルのアラート重大度に対してメトリックしきい値を設定できます。
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警告 - 特定の領域で注意が必要ですが、その領域は機能を続けています。
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クリティカル - 特定の領域で迅速な対処が必要です。その領域は、機能していないか、緊急の問題が発生しています。
したがって、しきい値はモニター対象のメトリックと比較される境界値です。たとえば、ディスク使用状況(%)メトリックに関連付けられた各ディスク・デバイスごとに、警告しきい値をディスク使用領域80%に、クリティカルしきい値を95%に定義します。
ノート:
すべてのメトリックにしきい値が必要なわけではなく、値に意味がない場合や、特定の環境でその値が必要ない場合は、削除したり、設定せずにおくこともできます。
即時利用可能な事前定義済のメトリックしきい値はほとんどのモニタリング条件で使用可能ですが、環境によっては操作基準をより正確に反映するため、しきい値のカスタマイズが必要になります。ただし、パフォーマンス・メトリックなどの特定カテゴリのメトリックでは、正確なしきい値の設定は困難な場合があります。
たとえば、1トランザクション当たりレスポンス時間のデータベース・メトリックでは、適切な警告およびクリティカルしきい値はどのようになるか考えます。このようなメトリックの場合、パフォーマンス・メトリックに対する管理対象の値が通常動作から逸脱した場合のアラート発生がより有効です。Enterprise Managerでは、ターゲットについて通常のパフォーマンス動作を取得し、そのパフォーマンス基準からの逸脱を示すしきい値を決定可能な機能が提供されます。
ノート:
Enterprise Managerの管理者がメトリックしきい値を変更するには、ターゲットに対する「ターゲット・メトリックの管理」以上の権限が付与されている必要があります。
誤ったアラートの防止:アラートがトリガーされた後の発生数の設定
メトリック値の急上昇による間違ったアラートを防止するために、「発生数」は、アラートがトリガーまたはクリアされる前に収集されるメトリック値の期間がしきい値を超えるか超えないかを決定します。たとえば、メトリック値が5分ごとに収集され、「発生数」が6に設定されている場合、(連続的に収集される)メトリック値は、アラートがトリガーされるまで、30分間のしきい値を超えている必要があります。また、アラートがトリガーされた後は、アラートがクリアされるまで同じメトリック値が同じ発生数のしきい値を下回っている必要があります。サーバーで生成されたアラートの場合、評価頻度はOracle Database内部で判断されます。詳細は、Oracle Databaseサーバー生成アラートに関するOracle Databaseのドキュメントを参照してください。