メトリック・ベースライン: 有効なメトリックしきい値の決定
どのメトリックしきい値が環境のパフォーマンス・モニタリング要求を正確に反映しているかを決定することは重要です。正しい値を決定するために試行錯誤に頼るのではなく、Enterprise Managerではメトリック・ベースラインを提供します。メトリック・ベースラインは、Enterprise Managerがシステムのパフォーマンス・メトリックを取得した期間に相当する適切に定義された時間間隔(ベースライン期間)で、特定の期間のシステム・パフォーマンスの統計的特性です。この履歴データは、システム・パフォーマンスの正規化されたビューを提供することにより、有効なメトリックしきい値を決定する作業を大幅に簡略化します。メトリック動作のベースラインで正規化されたビューにより、管理者はイベントの発生を説明および理解できます。
メトリック・ベースラインの基礎となる仮定は、比較的安定したパフォーマンスのシステムが、比較可能なワークロード期間において同じようなメトリック測定(値)を示していることです。2つのタイプのベースライン期間がサポートされます。
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変動ウィンドウ・ベースライン期間: 変動ウィンドウ・ベースライン期間は現在の日付より前の一定の日数(過去7日間など)として定義されます。これにより、現在のメトリック値と最近測定された履歴を比較できます。変動ウィンドウ・ベースラインは、予測可能なワークロード・サイクル(日中はOLTP処理、夜間はバッチ処理など)で運用されている業務系システムに適しています。
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静的ベースライン期間: 静的ベースラインは、管理者が特に関心のある対象として定義した時間間隔(会計年度末など)です。これらのベースラインは、将来同じワークロードが発生したときに比較対象とするワークロード期間を指定するために使用できます(ある暦年と次の暦年の会計年度末を比較する場合など)。