高度なしきい値管理

一般的に、メトリック・ベースラインは有効なターゲットのアラートしきい値を判断するために有効ですが、これらのしきい値は静的で、予測されるパフォーマンスの変化に対応することができません。定期的な(予測できる)間隔で、ターゲットに異なるワークロードが発生するモニタリング状況があります。この場合、静的なアラートしきい値では正確な結果が得られないことがわかります。たとえば、日中はオンライン・トランザクション処理(OLTP)を実行していて、夜間にバッチ処理を実行するデータベースのアラートしきい値は異なります。同様に、平日と週末など、期間が異なれば、データベースのワークロードは変わります。つまり、しきい値が固定された静的な値であれば、間違ったアラート・レポートが生成される可能性があり、過剰なアラートによって、パフォーマンス管理に関するオーバーヘッドが大幅に増える可能性があります。このOLTPの例では、正確なアラートのしきい値を判断するために静的なベースラインを使用することで、予測されるパフォーマンスの循環的な変化に対応することに失敗し、逆に問題の検出に影響を与えました。静的なベースラインによって、次の構成上の問題が発生します。

  • バッチ・パフォーマンス用に構成されたベースラインでは、OLTPのパフォーマンスの低下を検出できません。

  • OLTPパフォーマンス用に構成されたベースラインでは、バッチ・サイクルで過剰なアラートが生成されます。

Enterprise Managerリリース12.1.0.4以上では、高度なしきい値管理によって、適応(自己調整)または時間ベース(ユーザー定義)のいずれかのベースラインを使用して、しきい値を計算できます。

  • 適応しきい値: Enterprise Managerが適応しきい値を統計的に計算できます。適応しきい値は、すべてのターゲット(エージェントおよびリポジトリの両方がモニターするターゲット)に適用されます。

  • 時間ベースのしきい値: 時間によって変化するワークロードに対応するために、様々な時間に使用する固有のしきい値を定義できます。

便利なUIを使用すると、時間ベースのしきい値および適応しきい値を作成できます。ターゲットのホームページ(ホストなど)から、メトリック・コレクションおよび設定ページに移動します。「関連リンク」リージョンの「高度なしきい値管理」をクリックします。

適応しきい値として登録できるのは、数値およびコレクションの表示メトリックのみです。また、許可されるのは、次のタイプのメトリックのみです。

  • 負荷

  • ロード・タイプ

  • 使用率およびレスポンス