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7 Microsoft SCOMイベント・コネクタのトラブルシューティング

この章では、Microsoft SCOMとの統合に関する問題のトラブルシューティングに役立つ情報を提供します。 特にWebサービス・フロントエンドおよびバックエンド・エージェントでの問題のトラブルシューティングに重点を置いています。

ノート:

特に明記しないかぎり、次の手順はSCOM 2012コネクタおよびSCOM 2007コネクタに適用されます。 SCOM 2007コネクタに固有の手順は、Microsoft SCOM 2007コネクタに使用できます。

この章では、以下のトピックについて説明します。

トラブルシューティングのステップを開始する前に、次の作業が完了していることを確認する必要があります。

  1. Microsoft SCOMイベント・コネクタのインストールの指定に従ってSCOMコネクタをインストールします。

  2. Oracle SCOMエージェントのインストールと実行の指定に従って、Oracle SCOMエージェントをインストールして起動します。

  3. Microsoft SCOM Webサービスのインストールの指定に従って、SCOM Webサービスをインストールし、起動してテストします。

  4. コネクタ・インスタンスの作成の指定に従ってコネクタ・インスタンスを作成します。

  5. コネクタの構成の指定に従ってコネクタ・インスタンスを構成します。

  6. コネクタ・インスタンスにイベントを転送するための1つ以上のルールを設定します。

前述のすべての処理が完了して、コネクタが機能していない場合は、問題の診断のステップを実行します。

問題の診断

次のステップに従って、問題を診断します。
  1. SCOM Webサービスが正常に起動され、SCOM WebサービスのWSDLがインストールされているマシンからアクセスできることを確認します。 そのためには、次のステップを実行します。
    1. SCOM Webサービス操作用の正しいURLの使用のステップを実行して、SCOM Webサービスで使用されるURLを判別します。
    2. ブラウザを開き、前のステップのURLをアドレス・ウィンドウに貼り付けます。 URLの末尾に?WSDLを追加し、URLのロードを試行します。
    3. Webサービスが使用可能な場合は、WSDLがロードされています。

      ノート:

      WSDLは、Webサービスを記述するXMLファイルです。

    4. WSDLをロードできない場合、これはWebサービスに起動の問題があることを示します。 問題を診断するには、Webサービス起動エラーのトラブルシューティングを参照してください。
  2. Enterprise ManagerサーバーがインストールされているマシンからSCOM WebサービスのWSDLにアクセスできることを確認します。
    1. Enterprise Managerサーバーでブラウザを開き、前述のステップ1-bのURLをアドレス・ウィンドウにコピーします。 URLのホスト名がlocalhostになります。 localhostを、SCOM Webサービスがインストールされているマシンの実際のホスト名またはIPアドレスに変更します。 ホスト名を指定する場合は、ホスト名がEnterprise Managerサーバー・マシンで認識されていることを確認する必要があります。 確認はpingコマンドを使用して実行できます。

      たとえば、WebサービスがSCOMServer01というホスト名でサーバーにインストールされ、次のURLがframework.logに記載されているとします。

      http://localhost:8080/services/SCOM/EventService

      Enterprise Managerのサーバー・マシンで使用されるURLは次のようになります。

      http://SCOMServer01:8080/services/SCOM/EventService
    2. URLの末尾に?WSDLを追加して、WSDLのロードを試行します。 WSDLをロードできない場合は、Enterprise Managerマシンでホスト名が認識されていないか、2台のマシン間の接続に問題があります。 ホスト名を指定した場合は、URLのホスト名のかわりにIPアドレスを使用してみてください。 引き続きロードされない場合は、接続に問題があります。 この問題を解決するには、IT部門に相談する必要があります。
  3. SCOMコネクタがcreateEventおよびupdateEvent操作に正しいURLを指定していることを確認します。
    1. スーパー管理者権限があるアカウントを使用してOracle Enterprise Managerコンソールにログインします。
    2. 「設定」メニューで、「拡張性」「管理コネクタ」の順に選択します。
    3. 「管理コネクタ」ページから、SCOMコネクタに関連付けられている「構成」アイコンをクリックします。
      これにより編集モードとなり、コネクタを構成できます。
    4. ステップ2-bで特定されたURLがcreateEventおよびupdateEvent操作に指定されていることを確認します。 また、setup、initializeおよびuninitialize操作のURLも確認します。 URLは、EventServiceではなくSCOMServiceのURLであること以外は、基本的に前述のURLと同じです。 前の例に基づいて使用されるURLを示します。
      http://SCOMServer01:8080/services/SCOM/SCOMService
    5. いずれかの操作が正しくない場合は、正しいURLに変更します。

      ノート:

      ここで指定されているURLの末尾にはWSDLを追加しないでください。

    6. 「OK」をクリックします。
  4. 前のステップでエラーが検出されなかった場合、コネクタとSCOM Webサービス間の接続の問題は排除されます。 問題は、SCOM WebサービスまたはOracle SCOMエージェントにあります。 エラーの診断の詳細は、Webサービス操作エラーのトラブルシューティングを参照してください。

Webサービス起動エラーのトラブルシューティング

起動時の障害の原因を特定するには、SCOM Webサービスのインストール・ディレクトリにあるadapters/logディレクトリに移動して、framework.logファイルをテキスト・エディタで開きます。 Exceptionを検索して、ファイル内のエラーを見つけます。 ファイルがない場合は、JVMの検索または実行に問題があることを示します。 JVMの問題の解決方法は、JVMエラーを参照してください。

次に、考えられるいくつかの例外、根本原因の説明、および解決策の説明を示します。

例7-1 java.net.BindException: Address already in use: bind

このエラーは、ポートの競合のために、Webサービスが起動できなかったことを示します。 2つの原因が考えられます。

  1. Webサービスが使用するように構成したポートを、別のアプリケーションが使用しています。 SSLを使用するようにWebサービスが構成されている場合、ポート番号は8443です。 SSLを使用するように構成されていない場合、ポート番号は8080です。

    2つの解決策が考えられます。 異なるポートを使用するように他のアプリケーションを変更するか、SCOM Webサービスが別のポートを使用するように変更します。 異なるポートを使用するようにSCOM Webサービスを変更するには、Microsoft SCOMのカスタマイズデフォルト・ポート番号の変更を参照してください。

  2. Webサービスのインスタンスがすでに実行中です。 この場合、変更は必要ありません。 Webサービスのインスタンスは一度に1つのみ実行してください。

例7-2 org.springframework.beans.factory.BeanInitializationException: Could not load properties; nested exception is java.io.FileNotFoundException: … framework.properties (Permission denied)

このエラーは、confディレクトリのframework.propertiesファイルの権限が正しく設定されていないために、Webサービスが起動できなかったことを示します。

この問題を解決するには、SCOM Webサービスが実行されるアカウントまたはグループに読取りおよび実行権限を付与するように、権限を変更します。

その他の起動エラーについては、Oracleサポートに問い合せてください。

JVMエラー

SCOM Webサービスには、バージョン1.6のJVMが必要です。 複数のバージョンのJVMがシステムにインストールされている場合は、Webサービスが起動されるたびに古いバージョンのJVMが実行されている可能性があります。
  1. UNIXシステムでは、環境変数JAVA_HOMEを、Webサービスが起動されるシェルのJDK 1.6がインストールされているディレクトリに設定する必要があります。 UNIXプラットフォームでWebサービスを正しく起動するには、次の操作を実行します。
    1. 環境変数JAVA_HOMEをJDK 1.6インストール・ディレクトリに設定します。
    2. Webサービスのインストール・ディレクトリにあるadapters/binサブディレクトリに移動します。
    3. ./service.sh startコマンドを実行します。
  2. Windowsシステムでは、次の操作を実行して、Webサービスの起動時にJDK 1.6が使用されるようにします。
    1. Webサービスのインストール・ディレクトリにあるadapters\binサブディレクトリに移動します。
    2. iWaveAdaptersw.exe実行可能ファイルを実行します。
    3. 「Java」タブをクリックします。
    4. 「Use Default」チェック・ボックスの選択が解除されていることを確認します。
    5. 「Java Virtual Machine」ボックスに、JDK 1.6インストール・ディレクトリのjvm.dllファイルへのパスを指定します。
    6. 「OK」をクリックします。

SCOM Webサービス操作用の正しいURLの使用

SCOM Webサービスの操作に正しいURLが使用されるように、コネクタを識別して構成するには、次のステップを実行します。
  1. SCOM Webサービスがインストールされているシステムで、コマンド・ターミナルを開きます。
  2. 作業ディレクトリをSCOM Webサービスのインストール・ディレクトリのadapters/logディレクトリに変更します。
  3. テキスト・エディタでframework.logファイルを開きます。
  4. ファイルの最後に移動して、文字列Setting the server's publish address to beを逆方向検索します。 EventServiceが含まれているURLが見つかるまで、逆方向検索を続けます。

    ノート:

    ログ・ファイルでURL情報が見つからない場合は、ログ・ファイルがロールオーバーしたことを意味します。 URL情報をファイルに戻すには、Webサービスを停止してから起動します。

    createEventおよびupdateEvent操作には、1つの例外を除き、ここに記載されているURLを指定する必要があります。 URLのlocalhostのホスト名を、SCOM Webサービスがインストールされているシステムの実際のホスト名またはIPアドレスに置き換える必要があります。

  5. ファイルの最後に移動して、文字列Setting the server's publish address to beを逆方向検索します。 SCOMServiceが含まれているURLが見つかるまで、逆方向検索を続けます。

    setup、initializeおよびuninitialize操作には、1つの例外を除き、ここに記載されているURLを指定する必要があります。 URLのlocalhostのホスト名を、SCOM Webサービスがインストールされているシステムの実際のホスト名またはIPアドレスに置き換える必要があります。

  6. スーパー管理者権限があるアカウントを使用してOracle Enterprise Managerコンソールにログインします。
  7. 「設定」メニューで、「拡張性」「管理コネクタ」の順に選択します。
  8. 「管理コネクタ」ページから、SCOMコネクタの名前をクリックします。
    「管理コネクタの構成」ページの「一般」タブが表示されます。
  9. ステップ4で特定されたURLがcreateEventおよびupdateEvent操作に指定されていることを確認します。
  10. ステップ5で特定されたURLがsetup、initializeおよびuninitialize操作に指定されていることを確認します。
  11. 操作に正しくないものがある場合は、正しいURLに変更して「OK」をクリックします。

Webサービス操作エラーのトラブルシューティング

SCOMでメッセージが予想どおりに生成または更新されていない場合は、次の診断ステップを実行します。
  1. SCOMコネクタにイベントを転送するルールで、トリガーされたイベントが参照されていることを確認します。
  2. OracleEnterpriseManager.Alert.Creator管理パックがSCOMサーバーにインポートされていることを確認します。
    1. System Center Operations Managerコンソール・ウィンドウを開き、ログインします。
    2. Operations Managerコンソールの「Administration」ペインで、「Administration」「Management Packs」の順に選択します。
    3. OracleEnterpriseManager Alert Creator管理パックが表示されていることを確認します。
    4. パックがリストにない場合は、アラート作成管理パックのインストールの指定に従ってインポートします。
  3. Oracle Enterprise Managerで報告されたエラーを確認します。 そのためには、ログ・ファイルでエラーを確認する必要があります。 ログ・ファイルでエラーを見つけるには、次のステップを実行します。
    1. テキスト・エディタでemoms_pbs.trcファイルを開きます。 このファイルは、次の場所のログ・ディレクトリにあります。
      <EM_INSTANCE_BASE>/em/<OMS_NAME>/sysman/log/

      <EM_INSTANCE_BASE>は、OMSインスタンス・ベースのディレクトリです。 デフォルトでは、

      OMSインスタンス・ベースのディレクトリはgc_instで、これはOracle Middlewareホームの親ディレクトリの下にあります。

      たとえば、Oracle Middlewareホームが/u01/app/Oracle/Middlewareの場合、インスタンス・ベース・ディレクトリは/u01/app/Oracle/Middleware/gc_instになり、ログ・ファイルとトレース・ファイルはディレクトリ・パス/u01/app/Oracle/Middleware/gc_inst/em/EMGC_OMS1/sysman/log/で入手できます。

    2. ファイルの最後に移動して、Caused byを逆方向検索します。 Caused byで始まる行にはエラー情報が含まれています。 エラー情報は、次の行のテキストの後に記載されています。
      oracle.sysman.emSDK.webservices.outbound.WSInvokeException: caught WebServiceException:
  4. エラー情報に基づいて問題を診断します。 トラブルシューティングの一般的なエラー・イベントの詳細は、Oracle Enterprise Managerからのエラーを参照してください。

Oracle Enterprise Managerによるエラー

この項では、一般的なエラー・メッセージのトラブルシューティングに関する原因および解決策の情報を提供します。 受け取ったエラー・メッセージと一致するエラー・メッセージを表7-1で見つけて、考えられる原因にある対応する項を参照し、問題を診断して修正する指示を参照してください。

表7-1 Enterprise Managerのエラー・メッセージ

エラー・メッセージ 考えられる原因
javax.xml.soap.SOAPException:
javax.xml.soap.SOAPException:
Bad response: 403 Forbidden from url …

無効なWebサービス資格証明

javax.xml.soap.SOAPException:
javax.xml.soap.SOAPException:
Message send failed: sun.security.validator.ValidatorException:
PKIX path building failed:
sun.security.provider.certpath.SunCertPathBuilderException:
unable to find valid certification path to requested target

Enterprise ManagerでSSLが構成されていない

javax.xml.soap.SOAPException:
javax.xml.soap.SOAPException:
Message send failed: Connection refused

SCOM Webサービスの停止

javax.xml.soap.SOAPException:
javax.xml.soap.SOAPException:
Message send failed: No route to host

無効なIPアドレス

javax.xml.soap.SOAPException:
javax.xml.soap.SOAPException: 
Bad response: 404 Not Found from url …

無効なポート番号

または

無効なURLパス

javax.xml.soap.SOAPException:
javax.xml.soap.SOAPException:
Message send failed: Connection timed out

ファイアウォールによるアクセスのブロック

javax.xml.soap.SOAPException:
javax.xml.soap.SOAPException:
Message send failed: hostname

不明なホスト

javax.xml.transform.TransformerConfigurationException:
Could not compile stylesheet

無効なXML書式

Unable to reconnect to server after being disconnected

SCOMサーバーが動作していない

ERROR - Could not connect to the server <hostname> 
because it is not operational

SCOMサーバーが動作していない

ERROR - Could not login to the server because the 
account was invalid or has insufficient permissions

無効なSCOM API資格証明

または

間違ったSCOM API権限

ERROR occurred invoking SCOM connector to 
insert event for null

SCOMエージェントが動作していない

または

アラート作成のタイムアウト

javax.xml.ws.WebServiceException:
org.apache.cxf.service.factory.ServiceConstructionException:
Failed to create service

SCOMエージェント構成

Request failed because the specified management 
pack could not be found

アラート作成管理パックの欠落

&#13;&#10;Successfully inserted the event but timed 
out waiting for the alert to be created

アラート作成のタイムアウト

次の各エラーについて説明します。

無効なWebサービス資格証明

原因

SCOM Webサービスにアクセスするためのユーザー名またはパスワードが正しくありません。

解決策

コネクタに構成されているポート番号が正しいことを確認します。

  1. スーパー管理者権限があるアカウントを使用してOracle Enterprise Managerコンソールにログインします。

  2. 「設定」メニューで、「拡張性」「管理コネクタ」の順に選択します。

  3. 「管理コネクタ」ページで、適切なSCOMコネクタの名前をクリックします。

    これにより編集モードとなり、コネクタを構成できます。

  4. SCOM Webサービスのユーザー名およびSCOM Webサービスのパスワードのフィールドを修正し、「OK」をクリックします。

Enterprise ManagerでSSLが構成されていない

原因

Oracle Enterprise Manager ConnectorフレームワークとSCOM Webサービス間のSSLハンドシェイクが失敗しました。 この障害は、Oracle Enterprise ManagerがSCOM Webサービス用のSSL証明書によって正しく構成されていないために発生します。 SCOM Webサービスで使用されるSSL証明書は、Enterprise Managerキーストアにインポートする必要があります。 証明書がキーストアにないか、SCOM Webサービスによって提供されるSSL証明書と一致しないかのいずれかです。

解決策

SCOM WebサービスからEnterprise ManagerキーストアにSSL証明書をインポートします。 SCOM SSL証明書を使用してOracle Enterprise Managerを設定する方法の詳細は、SSLを使用するためのEnterprise Managerの構成を参照してください。

SCOM Webサービスの停止

原因

SCOM Webサービスが停止しています。

解決策

Webサービスのステータスを調べるために次のステップを実行し、必要な場合はサービスを起動します。

SCOM WebサービスがUNIXシステムにインストールされている場合:

  1. SCOM Webサービスがインストールされているシステムで、コマンド・ターミナルを開きます。

  2. 作業ディレクトリをSCOM Webサービスのインストール・ディレクトリのadapters/binディレクトリに変更します。

  3. 次のコマンドを入力します。

    ./service.sh status
  4. コマンドによりサービスが稼働していないことが示された場合、次のコマンドを入力します。

    ./service.sh start

SCOM WebサービスがWindowsシステムにインストールされている場合:

  1. SCOM Webサービスがインストールされているシステムで、コマンド・ターミナルを開きます。

  2. 作業ディレクトリをSCOM Webサービスのインストール・ディレクトリのadapters\logディレクトリに変更します。

  3. テキスト・エディタでframework.logファイルを開きます。

  4. ファイルの最後に移動し、文字列iWave Adapter Frameworkを逆方向検索します。 見つかった最後の文字列がiWave Adapter Framework Startedである場合、これはWebサービスが開始されていることを示しています。

  5. Webサービスが開始しない場合は、WindowsでのMicrosoft SCOM Webサービスのインストールと実行の指定に従ってWebサービスを開始します。

無効なIPアドレス

原因

URLで指定されているIPアドレスが無効か、ネットワークが停止しています。

解決策

コネクタ用に構成されているホスト名/IPアドレスが正しいことを確認します。

  1. スーパー管理者権限があるアカウントを使用してOracle Enterprise Managerコンソールにログインします。

  2. 「設定」メニューで、「拡張性」「管理コネクタ」の順に選択します。

  3. 「管理コネクタ」ページで、適切なSCOMコネクタの名前をクリックします。

    これにより編集モードとなり、コネクタを構成できます。

  4. createEventおよびupdateEvent操作のURLに指定されているホスト名/IPアドレスが正しいことを確認します。

  5. ホスト名/IPアドレスが正しくない場合は、正しい値を指定して「OK」をクリックします。

URLにホスト名が指定されている場合は、ホスト名が正しいIPアドレスに解決されていることを確認してください。 ホスト名のIPアドレスを判別するには、ping <hostname>コマンドを発行します。ここで、<hostname>は実際のホスト名です。 ホスト名について解決されたIPアドレスのリストが表示されます。 この値が間違っている場合は、間違っている理由をシステム管理者が調査する必要があります。

ホスト名/IPアドレスが正しいと思われる場合は、そのホスト名/IPアドレスを使用して、SCOM Webサービスがインストールされているシステムのpingを試みます。 pingが失敗した場合、システム管理者は接続性がない理由を調べる必要があります。

無効なURLパス

原因

URLに無効なパスが指定されているため、Webサービスがリクエストを受信し、それを拒否しました。

解決策

コネクタが使用しているURLをテストするために、次のステップを実行します。

  1. スーパー管理者権限があるアカウントを使用してOracle Enterprise Managerコンソールにログインします。

  2. 「設定」メニューで、「拡張性」「管理コネクタ」の順に選択します。

  3. 「管理コネクタ」ページで、適切なSCOMコネクタの名前をクリックします。

    これにより編集モードとなり、コネクタを構成できます。

  4. createEvent操作用に指定されたURLを選択してコピーします。

  5. Oracle Enterprise Managerサーバーがインストールされているシステムで、インターネット・ブラウザを開きます。

  6. アドレス・ウィンドウに、ステップ6でコピーしたURLを入力します。 URLの最後に?wsdl を追加します。 URLは、次の例のようになります。

    http://[Hostname]:8080/services/SCOM/EventService?wsdl

    [Hostname]は、SCOM Webサービスがインストールされている実際のホスト名またはIPアドレスです。

WSDLがロードされていれば、URLが正しいことは確実です。 ロードに失敗した場合は、URLに問題があります。 正しいURLを使用するようにコネクタを構成するには、SCOM Webサービス操作用の正しいURLの使用に指定されているステップを実行します。

無効なポート番号

原因

URLに指定されているポート番号が無効です。

解決策

コネクタに構成されているポート番号が正しいことを確認します。

  1. スーパー管理者権限があるアカウントを使用してOracle Enterprise Managerコンソールにログインします。

  2. 「設定」メニューで、「拡張性」「管理コネクタ」の順に選択します。

  3. 「管理コネクタ」ページで、適切なSCOMコネクタの名前をクリックします。

    これにより編集モードとなり、コネクタを構成できます。

  4. createEventupdateEvent、setup、initializeおよびuninitialize操作のURLに指定されているポート番号が正しいことを確認します。

  5. ポート番号が正しくない場合は、正しい値を指定して「OK」をクリックします。

ファイアウォールによるアクセスのブロック

原因

ファイアウォールによって、SCOM Webサービスがインストールされているシステムへのアクセスがブロックされています。

解決策

SCOM Webサービスで使用するポートへのアクセス権をEnterprise Managerに付与するように、IT部門に連絡してください。 SCOM Webサービス操作用の正しいURLの使用に指定されているステップを実行して、SCOM Webサービスで使用されるURLを判別します。 URLに指定されたポート番号は、IT部門がファイアウォールで開くポート番号です。

不明なホスト

原因

URLで指定されたホスト名がシステムによって認識されていません。

解決策

この問題に対処するには次のオプションを使用できます。

  • システム管理者と調整して、システム構成をホスト名が認識されるように変更します。

  • ホスト名のかわりにURLでIPアドレスを指定します。 これを行うには、次のステップを実行します:

    1. SCOM WebサービスがインストールされているシステムのIPアドレスを確認します。

    2. スーパー管理者のロールがあるユーザー名を入力し、適切なパスワードを入力して「ログイン」をクリックし、Oracle Enterprise Managerコンソールにログインします。

    3. Enterprise Managerコンソールで、「設定」「拡張性」「管理コネクタ」の順にクリックします。 インストール済コネクタを示す「管理コネクタ」ページが表示されます。

    4. Microsoft SCOM Connectorに関連付けられている「構成」アイコンをクリックします。 これにより編集モードとなり、コネクタを構成できます。

    5. createEvent、initialize、setup、uninitializeおよびupdateEvent操作に指定されているURLのホスト名をIPアドレスに変更します。

    6. 「OK」をクリックします。

無効なXML書式

原因

XSLファイルの書式が正しくないため、コネクタ・フレームワークがリクエストを処理できませんでした。 この問題は、コネクタがカスタマイズされている場合にのみ発生します。

解決策

問題の原因となった可能性のある誤りがないか、XSLテンプレート・ファイルに加えられた変更を調査します。 問題が手動で見つからない場合は、XML検証を実行するユーティリティにXSLをロードします。

SCOMサーバーが動作していない

原因

間違ったホスト名がSCOMに構成されているか、SCOMサーバーが停止しているため、SCOMエージェントがSCOMにアラートを挿入できませんでした。

解決策

次のステップを実行し、問題の根本的な原因を調べて修正します。

  1. エラー・メッセージに示されているホスト名やIPアドレスがSCOMサーバーに対して正しいかどうかを確認します。 ホスト名やIPアドレスが正しくない場合は、次のステップを実行して構成を修正します。

    1. SCOMエージェントがあるシステムでWindowsエクスプローラを開きます。

    2. SCOMエージェントのインストール・ディレクトリのbinディレクトリにナビゲートします。

    3. SCOMエージェントの構成ツールを起動するSCOMAgentConfig.exeユーティリティを実行します。

    4. 「Load」をクリックすると、ディレクトリのナビゲーション・ウィンドウが開きます。

    5. SCOMエージェントのインストール・ディレクトリにナビゲートして、SCOMAgent.cfgファイルを開きます。

    6. 「Management Groups」タブをクリックして「Edit」をクリックすると、Edit Management Groupウィンドウが表示されます。

    7. 「Server」フィールドのホスト名/IPアドレスを修正して、「Update」をクリックします。

    8. 「Save」をクリックして、構成ファイルの変更を保存します。

    9. 「Exit」をクリックしてユーティリティを終了します。

    10. IISでSCOMエージェントを停止して再起動します。

  2. 次のOpsMgrサービスが稼働していることを確認します。

    • System Center Data Access

    • System Center Management

    • System Center Management Configuration

無効なSCOM API資格証明

原因

SCOM APIにアクセスするために構成された資格証明が無効なため、SCOMエージェントがSCOMサーバーにアラートを送信できませんでした。

解決策

次のステップを実行して、SCOM APIにアクセスするための資格証明を変更します。

  1. SCOMエージェントがあるシステムでWindowsエクスプローラを開きます。

  2. SCOMエージェントのインストール・ディレクトリのbinディレクトリにナビゲートします。

  3. SCOMエージェントの構成ツールを起動するSCOMAgentConfig.exeユーティリティを実行します。

  4. 「Load」をクリックすると、ディレクトリのナビゲーション・ウィンドウが開きます。

  5. SCOMエージェントのインストール・ディレクトリにナビゲートして、SCOMAgent.cfgファイルを開きます。

  6. 「Management Groups」タブをクリックして「Edit」をクリックすると、Edit Management Groupウィンドウが表示されます。

  7. 「Domain」、「Username」、「Password」の各フィールドの資格証明情報を修正して、「Update」をクリックします。

  8. 「Save」をクリックして、構成ファイルの変更を保存します。

  9. 「Exit」をクリックしてユーティリティを終了します。

  10. IISでSCOMエージェントを停止して再起動します。

間違ったSCOM API権限

原因

SCOM APIにアクセスするために構成された資格証明に十分な権限がないため、SCOMエージェントがSCOMサーバーにアラートを送信できませんでした。

解決策

エージェントのアカウントの設定を参照してください。 この項では、SCOM APIにアクセスするアカウントの設定に必要なステップが説明されています。

SCOMエージェントが動作していない

原因

SCOMエージェントが機能しないため、WebサービスがSCOMでアラートを作成できませんでした。

解決策

SCOMエージェントがインストールされたシステムでIISマネージャを開き、エージェントのWebサイトを開始します。

SCOMエージェント構成

原因

Webサービスに無効な構成パラメータがあるため、WebサービスがSCOMエージェントに接続できませんでした。 SCOMエージェントのURLが正しくないか、SCOMエージェントにアクセスするための資格証明が無効です。

解決策

  1. SCOMエージェントのURLが正しいことを確認します。 SCOMエージェントのインストールの最後に示されたURLを指定する必要があります。 URLのホスト名がローカルホストで、別のシステムからURLにアクセスしている場合は、ローカルホストをSCOMエージェントのインストール・マシンのホスト名またはIPアドレスに置き換える必要があります。

    URLが不明の場合は、次のようにして確認できます。

    • SCOMエージェントをWebサイトとしてインストールした場合、アドレスは次のようになります。

      http://<IP>:<port>/Service.asmx

      <IP>はIPアドレス、<port>は、エージェントのインストール時に指定したポート番号です。

    • SCOMエージェントを仮想ディレクトリとしてインストールした場合、アドレスは次のようになります。

      http://<IP>:<port>/<vdir>/Service.asmx

      <IP>はIPアドレス、<port>は、エージェントがインストールされたWebサービスのポート番号、<vdir>はエージェントに指定した仮想ディレクトリ名です。

  2. SCOMエージェントがインストールされたシステムで有効なユーザー名とパスワードを選択します。

  3. コマンド・ウィンドウを開き、作業ディレクトリを、SCOM Webサービスのインストール・ディレクトリのadapters\endpoints\SCOMに変更します。

  4. 前述のステップのURLと資格証明を使用して、SCOM Webサービスのインストーラを再実行します。 手順は、使用しているプラットフォームに応じて、UNIXでのMicrosoft SCOM WebサービスのインストールまたはWindowsでのMicrosoft SCOM Webサービスのインストールを参照してください。

  5. UNIXでのMicrosoft SCOM WebサービスのインストールまたはWindowsでのMicrosoft SCOM Webサービスのインストールの指定に従って、Webサービスを再起動します。

アラート作成管理パックの欠落

原因

OracleEnterpriseManager.Alert.Creator管理パックがSCOMにインポートされていないため、WebサービスがSCOMでアラートを作成できませんでした。

解決策

管理パックをSCOMにインポートするために必要なステップは、Microsoft SCOM 2007のアラート作成管理パックのインストールを参照してください。

アラート作成のタイムアウト

原因

WebサービスからSCOMにイベントを挿入できましたが、タイムアウト期間内にアラートが作成されませんでした。 これは、エラーがアラート生成ルールで発生し、SCOMでアンロードされた可能性が高いことを示します。 このエラーが発生すると、System Center Operations Manager Health Serviceにより、エラーに続いて警告がOperations Managerログに生成されます。 エラー・エントリは、次のメッセージで始まります。

A module reported an error 0x80070057 from a callback which was running as part of rule "Create.Default.Alert" running for instance "OracleEnterpriseManager Event Source" with id ...

警告エントリは、次のメッセージで始まります。

Summary: 1 rule(s)/monitor(s) failed and got unloaded, 1 of them reached the failure limit that prevents automatic reload ...

ノート:

この状況は、SCOM Connectorのデフォルトの構成ファイルを使用する場合は発生しません。 この状況が発生するのは、SCOMエージェントのWebサービスに直接アクセスして、「Priority」または「Severity」フィールドに無効な値を渡した場合のみです。

解決策

SCOMサーバーでOps Mgr Health Serviceという名前のWindowsサービスを再起動します。