3 Microsoft SQL Serverターゲットの検出

この章では、Enterprise Manager Cloud ControlにMicrosoft SQL Serverターゲットを追加する方法について説明します。

この項の内容は次のとおりです。

ターゲットの検出

プラグインが正常にデプロイできたら、次のステップに従って、プラグイン・ターゲットをCloud Controlに追加します。これにより、ターゲットが集中的な監視および管理の対象になります。

  1. 図3-1に示すように、「設定」メニューから「ターゲットの追加」を選択し、次に、「ターゲットの手動追加」を選択します。

    図3-1 「ターゲットの手動追加」メニュー


    「ターゲットの手動追加」メニュー

  2. 「ターゲットの手動追加」ページで、「ターゲット・モニタリング・プロパティを指定してターゲットを宣言的に追加」を選択し、「ターゲット・タイプ」として「Microsoft SQL Server」を選択してから「モニタリング・エージェント」を選択し、「手動追加」をクリックします。

    Microsoft SQL Serverの追加ページ(図3-2)で、プロパティに次の情報を入力します。

    • ターゲット名: すべてのCloud Controlターゲットに使用される一意のターゲット名(例: MSSQL_Hostname)。これは、Cloud Controlでの表示名です。これは、Cloud Control内のすべてのユーザー・インタフェースで、このSQL Serverターゲットを表します。

    • 監視データベースのホスト資格証明

      • ターゲット・システム・ユーザー名(SQL Serverがリモートにある場合に必須): 有効なホスト・ユーザー名。リモート・エージェント監視の場合のみ必要です。WIAをリモートで使用する場合、このアカウントは、OMAホストとターゲット・データベースへのアクセス権を持つWindowsドメイン・アカウントである必要があります。詳細は、「ターゲットを監視するためのリモート接続の構成」を参照してください。システム・ユーザー名は完全修飾されている必要があります。たとえば:

        hostname.domainname.com\Administrator
        
      • ターゲット・システム・パスワード: システム・ユーザー名のパスワード。リモート・エージェント監視の場合のみ必要です。

      • ターゲット・システム・パスワードの確認: システム・ユーザー名用に入力したパスワードを確認します。

    • 監視データベースの資格証明

      • データベース・ユーザー名(SQL認証で必須): 固定サーバー・ロールsysadminでデータベースに対して有効なユーザー。

      • データベース・パスワード(SQL認証で必須): データベース・ユーザーに対応するパスワード。

      • データベース・パスワードの確認(SQL認証で必須): データベース・ユーザー用に入力したパスワードを確認します。

      • データベース・ロール(オプション):データベース・ユーザーに割り当てられたロール。

      • データベース・ロールの確認: データベース・ユーザー用に入力したデータベース・ロールを確認します。

    • プロパティ

      • バックアップ・パス(バックアップおよびリストア・ジョブの場合にはオプション): OEM用のMicrosoft SQL Serverプラグインを使用して生成されたバックアップの生成先とする必要があるパスを、一重引用符でカプセル化して挿入します。

      • Windowsの統合認証を使用して接続(はい/いいえ): Windowsの統合認証の場合は「はい」、SQL認証の場合は「いいえ」を選択します。

      • JDBCドライバ(オプション): Microsoft SQL ServerのJDBCドライバ・クラス名。

        たとえば、

        com.microsoft.sqlserver.jdbc.SQLServerDriver
        
      • JDBC URL: JDBCのURL。JDBC URLで指定されたホスト名は、完全修飾ドメイン名(FQDN)にすることをお薦めします。Microsoft SQL Serverのデフォルトのポート番号は1433です。IPアドレス、ホスト名のいずれも指定できます。Microsoft SQL Serverクラスタをモニターしている場合は、クラスタの仮想SQL ServerのIPアドレスまたはホスト名を指定します(ノート: これは、WindowsクラスタのIPアドレスまたはホスト名と同じではありません)。たとえば:

        jdbc:sqlserver://<hostname.domainname.com>:<port>
        

        インスタンスでデフォルトの1433を使用している場合は、ポート番号を含める必要はありません。

      ノート:

      JDBCのURLの場合、名前付きインスタンスを指定できますが、JDBC URL文字列を構築する際には次の点を考慮してください。

      • インストールされているSQL Serverの複数インスタンスを含むSQL Serverホストの場合、各インスタンスに一意のポート番号を指定して、各URL文字列にhostname:portのみを指定することをお薦めします。

      • オプションで、URLにインスタンス名を使用するには、サポートされている次のURL形式を使用します。

        jdbc:sqlserver://hostname:port;instanceName=nameofinstance
        
      • バックスラッシュ\を使用したり、ポート番号を使用せずにJDBC接続URLを構築することは、Microsoft SQL Serverプラグインではサポートされていません。

  3. 「接続テスト」をクリックして、入力したパラメータが正しいことを確認します。

図3-2 Microsoft SQL Serverの追加


Microsoft SQL Serverの追加

EMCLIを使用したターゲットの追加

EMCLIを使用してMicrosoft SQL Serverターゲットを追加するには、例3-1に示すように、add_target動詞を使用します。

次のオプションを指定する必要があります。

  • ターゲット名: *-name*

    アルファベット文字で開始し、英数字、マルチバイト文字、スペース、-、_、.、:、/、(、)のみを使用する必要があり、最大長は256文字です。

  • ターゲット・タイプ: *-type*

    常に"microsoft_sqlserver_database"を使用します(引用符を含む)。

  • ホスト名: *-host*

    このターゲット・インスタンスのデータを収集する管理エージェントを実行しているマシンのネットワーク名です。

  • ターゲット・インスタンス・プロパティ: *-properties*

    ターゲット・インスタンスのプロパティの名前と値のペアのリストです。使用可能なプロパティ名は次のとおりです。

    SysUserName
    SysPassword
    DBUserName
    DBpassword
    Role
    dbBackupPath
    WinSecurityEnabled
    jdbcdriver
    url
    
  • プロパティのセパレータ・デリミタ: *-separator=properties*

    -propertiesオプションの値で、名前と値のペアを区切る文字列デリミタを指定します。デフォルトのセパレータ・デリミタは「;」です。

  • プロパティのサブセパレータ・デリミタ:*-subseparator=properties*

    -propertiesオプションの値で、各名前と値のペアの名前と値を区別する文字列デリミタを指定します。デフォルトのセパレータ・デリミタは「:」です。SQL Serverプラグインの場合は、プラス+記号を使用することをお薦めします。

例3-1 EMCLIを使用したMicrosoft SQL Serverターゲットの追加

emcli.bat add_target 
          -name=“SqlServerTarget" 
          -type="microsoft_sqlserver_database" 
          -host=“HostTargetName"
          -properties="jdbcdriver+com.microsoft.sqlserver.jdbc.SQLServerDriver;
                       url+jdbc:sqlserver://SqlServerHost.domain.localnet:1433;
                       DBUserName+sa;DBpassword+password;
                       SysUserName+SqlServerHost.domain.localnet\Administrator;
                       SysPassword+password;WinSecurityEnabled+No;"
          -subseparator=properties="+"

プラグインの検査および検証

プラグインでデータの収集が開始するまで数分間待機した後、次のステップを使用して、プラグイン・ターゲットがEnterprise Managerで適切に監視されていることを検査および検証します。

  1. 「すべてのターゲット」ページでMicrosoft SQL Serverターゲット・リンクをクリックします。図3-3に示すように、Microsoft SQL Serverホーム・ページが表示されます。

    図3-3 Microsoft SQL Serverターゲット・ホーム・ページ


    Microsoft SQL Serverターゲット・ホーム・ページ

  2. 「ターゲット」メニューから「監視」「メトリック収集エラー」の順にクリックして、トリック収集エラーが報告されていないことを確認します。
  3. 「ターゲット」メニューで「情報パブリッシャ・レポート」をクリックして、「Microsoft SQL Server」ターゲット・タイプのレポートを表示し、レポートが表示されていること、およびエラーが報告されていないことを確認します。
  4. 「ターゲット」メニューで、「構成」「最新収集」をクリックし、構成データが表示されていることを確認します。構成データがすぐに表示されない場合は、「最新の構成」ページで「リフレッシュ」をクリックします。
  5. ターゲット名の下の「Microsoft SQL Server」ドロップダウンを選択し、「データベース」を選択して、データベース・ページを表示します。データベース・ページが表示されます(図3-4)。データベース・ページには、データベース固有のパフォーマンス・メトリックと構成メトリックおよびバックアップ機能とリストア機能が含まれています。データベースは、ドロップダウン・メニューから選択します。

    図3-4 Microsoft SQL Serverのデータベース・ページ


    Microsoft SQL Serverデータベース・ページ

  6. ターゲット名の下の「Microsoft SQL Server」ドロップダウンを選択し、「パフォーマンス」を選択して、パフォーマンス・ページを表示します。パフォーマンス・ページが表示されます(図3-5)。パフォーマンス・ページには、収集されたメトリックから構築された便利なパフォーマンス・グラフが含まれます。

    図3-5 Microsoft SQL Serverのパフォーマンス・ページ


    Microsoft SQL Serverパフォーマンス・ページ

  7. ターゲット名の下の「Microsoft SQL Server」ドロップダウンを選択し、「分析」を選択して、分析ページを表示します。分析ページが表示されます(図3-6)。分析ページには、SQL問合せとセッションの情報、および問題のあるセッションを即時に終了するための「セッションの中断」ジョブ・ボタンが表示されます。

    図3-6 Microsoft SQL Serverの分析ページ


    Microsoft SQL Serverの分析ページ

  8. ターゲット名の下の「Microsoft SQL Server」ドロップダウンを選択し、「索引」を選択して、索引ページを表示します。索引ページが表示されます(図3-7)。索引ページには、データベース索引に関するメトリックのグラフと表が表示されます。また、作成する索引を推奨する欠落している索引の表も含まれます。「索引の作成」をクリックして索引を作成します。

    図3-7 Microsoft SQL Serverの索引ページ


    Microsoft SQL Serverの索引ページ