24.10 ワンクリックでのリモート・アプリケーション・デプロイメントの理解

REST対応SQL参照を使用して、アプリケーションをリモートのOracle Application Expressインスタンスにデプロイします。

24.10.1 ワンクリックでのリモート・アプリケーション・デプロイメントについて

ワンクリックでのリモート・アプリケーション・デプロイメントは、Oracle REST Data Services (ORDS) REST対応SQLサービスと連携する既存のREST対応SQL参照を利用します。

ワンクリックでのリモート・アプリケーション・デプロイメントは、第一者認証(基本認証)、スキーマ認証(データベースのユーザー名とパスワード)またはOAuth 2のクライアント資格証明を使用して認証されます。「共有コンポーネント」でREST対応SQL参照を作成する場合は、既存の資格証明を指定するか、新しい資格証明を作成します。オプションで、REST対応SQL参照が使用されるたびに、クライアントIDとクライアント・シークレットの入力を求める空の資格証明として資格証明を作成します。

ノート:

Oracleでは、共有開発環境ではリモート・アプリケーション・デプロイメント用に空の資格証明を常に使用することをお薦めします。これにより、これらの資格証明を知るユーザーのみが、REST対応SQL参照でアプリケーションをデプロイしたり、SQLまたはPL/SQLを実行できます。

24.10.2 アプリケーションのリモート・デプロイ

アプリケーション・ビルダーのエクスポート/インポート・オプションから「リモート・デプロイメント」オプションにアクセスします。

アプリケーションをリモートでデプロイするには、次のステップを実行します。

  1. アプリケーションを作成します。
  2. オプション: 基礎となる表を作成し、行を挿入するために、サポートするオブジェクトのインストール・スクリプトを作成します。
  3. リモート・デプロイメント・ページにナビゲートします。
    1. ワークスペースのホームページで、「アプリケーション・ビルダー」アイコンをクリックします。
    2. アプリケーションを選択します。
    3. アプリケーションのホームページで、「エクスポート/インポート」をクリックします。
    4. 「リモート・デプロイメント」をクリックします。
  4. 「デプロイメント・サーバー」で、既存のREST対応SQLサービスを選択するか、プラス(+)アイコンをクリックして新しいものを作成します。
  5. REST対応SQLサービスを作成するには、次のステップを実行します。
    1. プラス記号のアイコン(+)をクリックします。
    2. 名前 - このREST対応SQLサービスのわかりやすい名前を入力します。
    3. エンドポイントURL - このREST対応SQLサービスのベースURLを入力します。ORDSコンテキスト・ルートおよびスキーマURL接頭辞を含めます(たとえば、 https://host:port/ords/schemaですが、 /_/sqlは追加しません)。
    4. 「次」をクリックします。
    5. 資格証明 - 認証のための資格証明を選択します。既存の資格証明を編集するには、「共有コンポーネント」の「資格証明」にナビゲートします。
      新しい資格証明を作成するには、「資格証明名」を入力して、「認証タイプ」を選択します。
    6. 「作成」をクリックします。
  6. 「リモート・デプロイメント」で、次のようにします。
    1. デプロイメント・サーバー - 既存のREST対応SQLサービスを選択します。
    2. クライアントID - 「基本認証」の場合、データベース・ユーザー名を入力します。「OAuth2」の場合は、クライアントIDを入力します。
      この情報は暗号化されません。基本認証のユーザー名は大文字に変換されます。大/小文字を区別するユーザー名を使用するには、接頭辞として感嘆符(!)を付けてください。
    3. クライアント・シークレット - パスワードまたはOAuth2クライアント・シークレットを入力します。この情報は、暗号化して保存されており、クリア・テキストで取得できません。
    4. 「次」をクリックします。
    リモート・デプロイメント・オプション・ページが表示されます。
  7. 「アプリケーションのデプロイ」で、次のようにします。
    1. ビルド・ステータス - アプリケーションのビルド・ステータスを設定します。オプションは次のとおりです。
      • アプリケーションの実行のみ: ユーザーはアプリケーションの実行のみ可能です。このオプションは、他の開発者がアプリケーションを変更できないようにするために効果的な方法です。

      • アプリケーションの実行および構築: 開発者とユーザーのどちらもアプリケーションを実行および開発できます。

      この設定は、Application Express Webインタフェースを使用してインポートするときに変更できますが、コマンドライン・インタフェースでは変更できません。
    2. 現在から: 何分前まで遡ってエクスポートするかを指定します。このオプションを使用すると、削除されたオブジェクトを元に戻すなどのために、アプリケーションの前の時点に戻ることができます。
      このユーティリティは、DBMS_FLASHBACKパッケージを使用します。システム変更番号(SCN)マッピングへのタイムスタンプが約5分ごとにリフレッシュされるため、検索しているバージョンの検出にはそれと同じ時間がかかる場合があります。元に戻す情報が保持される時間は、起動パラメータUNDO_RETENTION(デフォルトは3時間)に影響されます。ただし、このパラメータはUNDO表領域のサイズにのみ影響します。2つのデータベースに同じUNDO_RETENTIONパラメータが含まれている場合でも、トランザクション数が少ないデータベースでは、UNDO表領域が一杯ではなく、以前のデータが強制的にアーカイブされるため、より前の時点に戻ることができます。
  8. 「プリファレンスのエクスポート」で、次のようにします。
    1. サポートするオブジェクトの定義をエクスポート - サポートするオブジェクトの定義にはすべての構成オプションとスクリプトが含まれ、アプリケーションのエクスポートにデータベース・オブジェクト定義、イメージ定義およびおよびシード・データSQL文を単一のファイルにカプセル化して含めることができます。オプションは次のとおりです。
      • はい: サポートするオブジェクトの定義をアプリケーションのエクスポートに含めます。コマンドラインから起動した場合、サポートするオブジェクトは自動的にロードされません。

      • いいえ: サポートするオブジェクトの定義をエクスポートに含めません。

      • インポート時に自動的にインストール: サポートするオブジェクトの定義とサポートするオブジェクトのインストールのコールをアプリケーションのエクスポートに含めます。

    2. パブリック・レポートのエクスポート - アプリケーションにパブリック・レポートを含めるかどうかを指定します。パブリック・レポートは、ユーザーが対話モード・レポートまたは対話グリッドから保存した、パブリックで共有されるレポート設定です。
      • オン - パブリック・レポートをアプリケーションのエクスポートに含めます。

      • オフ - パブリック・レポートをアプリケーションのエクスポートに含めません。

    3. プライベート・レポートのエクスポート - アプリケーションにプライベート・レポートを含めるかどうかを指定します。プライベート・レポートは、ユーザーが対話モード・レポートまたは対話グリッドから保存した、カスタマイズされたプライベート設定です。
      • オン - プライベート・レポートをアプリケーションのエクスポートに含めます。

      • オフ - プライベート・レポートをアプリケーションのエクスポートに含めません。

    4. レポート・サブスクリプションのエクスポート - アプリケーションに対話モード・レポートまたは対話グリッドのサブスクリプション設定を含めるかどうかを指定します。このことは、アプリケーションのすべての対話モード・レポートまたは対話グリッドの、すべてのユーザーの期限が切れていないサブスクリプション設定に限定されます。
      • オン - エクスポートするレポートのレポート・サブスクリプションをアプリケーションのエクスポートに含めます。

      • オフ - レポートのレポート・サブスクリプションをアプリケーションのエクスポートに含めません。

    5. 開発者コメントのエクスポート - アプリケーションのエクスポートに開発者コメントを含めるかどうかを指定します。
      • オン - 開発者コメントをアプリケーションのエクスポートに含めます。

      • オフ - 開発者コメントをアプリケーションのエクスポートに含めません。

    6. 翻訳のエクスポート - アプリケーションのエクスポートに翻訳を含めるかどうかを指定します。翻訳テキスト・メッセージおよび動的翻訳は、アプリケーションのエクスポートに常に含められます。
      • オン - 翻訳マッピングおよび翻訳リポジトリのすべてのテキストを含めます。

      • オフ - 翻訳マッピングおよび翻訳リポジトリを含めません。

  9. 「デプロイメントのオーバーライド」で、次のようにします。
    1. 所有者のオーバーライド - この属性を使用して、REST対応SQL接続で定義されている使用可能なスキーマにこのアプリケーションをインポートします。選択するエントリがない場合、この接続はどのワークスペースにもマップされず、アプリケーションをデプロイできません。
    2. ワークスペースのオーバーライド - リストから、アプリケーションをデプロイする必要のあるワークスペースを選択します。リストにエントリがない場合、REST対応SQL接続に関連付けられたデータベース・ユーザーはワークスペースにマップされません。
    3. 既存のアプリケーションを上書き - ターゲット・システム上のアプリケーションを上書きするかどうかを指定します。使用可能なオプションは次のとおりです。
      • オン - アプリケーションはこのアプリケーションと同じアプリケーションIDでデプロイされ、そのアプリケーションはターゲット・システム上で上書きされます。

      • オフ - ターゲット・システムのアプリケーションIDを指定する必要があります。

    4. アプリケーションIDのオーバーライド - ターゲット・システム上のアプリケーションに新しいアプリケーションIDを指定します。
    5. アプリケーションの別名のオーバーライド - 新しい代替の英数字アプリケーション識別子を指定します。アプリケーションIDのかわりにこの識別子を使用できます。値は、デフォルトで現在のアプリケーションのアプリケーション別名に設定されます。
  10. 「デプロイ」をクリックします。