3.1 インストールの準備

正しいバージョンのJavaがインストールされ、環境変数が正しく設定および構成されていることを確認して、Java環境を準備します。

3.1.1 Oracle GoldenGate for Distributed Applications and Analyticsのダウンロード

Oracle GoldenGate for Distributed Applications and Analytics (GG for DAA)は、Windows、LinuxおよびUNIXで使用できます。ダウンロードするには、最初にOracleサポート・サイトにアクセスし、使用するオペレーティング・システムおよびアーキテクチャに利用できるパッチがあるかどうかを確認します。GoldenGate動作保証マトリックスも参照してください。

ノート:

インストールに含まれている汎用ビルドを使用しない場合は、ダウンロードするGG for DAAのビルドのメジャー・リリースが、一緒に使用するOracle GoldenGateインスタンスのメジャー・リリースと一致する(互換性がある)ことを確認してください。

  1. http://support.oracle.comに移動します。

  2. Oracle IDとパスワードでサインインします。

  3. 「パッチと更新版」タブを選択します。

  4. 「検索」タブで、「製品またはファミリ」をクリックします。

  5. 「製品」フィールドに、Oracle GoldenGate for Distributed Applications and Analyticsと入力します。

  6. 「リリース」ドロップダウン・リストから、ダウンロードするリリースのバージョンを選択します。

  7. 次のフィールドに「プラットフォーム」がデフォルトで表示されていることを確認したら、ドロップダウン・リストからプラットフォームを選択します。

  8. 最後のフィールドは空のままにします。

  9. 「検索」をクリックします。

  10. 「パッチの詳細検索結果」リストで、指定した基準を満たす使用可能なビルドを選択します。

  11. 「ファイルのダウンロード」ダイアログ・ボックスで、ZIPファイルをクリックしてダウンロードを開始します。

利用可能なパッチがサポート・サイトにない場合は、リリースのダウンロード用のOracle配信サイトにアクセスします。

  1. http://edelivery.oracle.comに移動します。
  2. Oracle IDとパスワードでサインインします。
  3. 「条件および規制」ページで、次のようにします。
    • 「トライアル・ライセンス契約」を受諾します(永久ライセンスを所有している場合も受諾)。

    • 「輸出規制」を受諾します。

    • 「続行」をクリックします。

  4. 「メディア・パック検索」ページで次の操作を実行します。
    • 「Oracle Fusion Middleware Product Pack」を選択します。

    • ソフトウェアをインストールするプラットフォームを選択します。

    • 「実行」をクリックします。

  5. 「結果」リストで:
    • 「Oracle GoldenGate for Distributed Applications and Analytics」を選択します。

    • 「続行」をクリックします。

  6. 「ダウンロード」ページで次の操作を実行します。
    • Readmeファイルを表示します。

    • 該当する各コンポーネントの「ダウンロード」をクリックします。自動ダウンロード・プロセスに従って、zipファイルをシステムに転送します。

3.1.2 インストールの概要

この項では、インストールの内容およびOracle GoldenGate for Distributed Applications and Analytics (GG for DAA)とともに使用されるOracle GoldenGateインスタンスについて概要を示します。

3.1.2.1 インストールZIPファイルの内容

Oracle GoldenGate for Distributed Applications and Analytics (GG for DAA)のインストールZIPファイルには、次のものが含まれています:

  • Oracle GoldenGate Javaアダプタ

  • サポート対象のターゲットにデータをストリーミングするように設計されているOracle GoldenGateバージョン。このバージョンは、データベース固有ではなく、プラットフォーム依存であるため、汎用のラベルが付いています。詳細は、GoldenGate動作保証マトリクスを参照してください。

3.1.2.2 Oracle GoldenGateの汎用ビルドの使用

JMS取得の場合、JavaアダプタはOracle GoldenGateの汎用ビルドで実行する必要があります。ただし、証跡データをターゲットに配信するのにアダプタを使用する場合、汎用ビルドは不要です。この場合、Javaアダプタを任意のデータベース・バージョンのOracle GoldenGateで使用できます。

3.1.2.3 Oracle GoldenGateのGoldenGate for Distributed Applications and Analyticsインスタンスのカスタム・ビルドを使用する際の考慮事項

Oracle GoldenGateインスタンスのカスタム・ビルドをインストールする場合、メリットとデメリットの両方があります。また、GG for DAAのリリースと互換性のあるOracle GoldenGateのリリースにも制限があります。

メリット

  • 非汎用のインスタンスでは、メタデータのデータベースにログインするようにExtractを構成できます。これにより、ソース・データベースDDLと同期する必要のあるソース定義ファイルを使用する必要がなくなります。

  • また、データベースの取得およびJMS配信を同じサーバーで実行する場合に、個別の2つのバージョンのOracle GoldenGateを管理する必要もありません。

デメリット

  • Oracle GoldenGateコア・インスタンスにパッチを適用する必要がある場合は、パッチを適用した新しいOracle GoldenGateのインストールにGG for DAAをコピーする必要もあります。

  • GG for DAAは、汎用バージョンのOracle GoldenGateコアでのみテストおよび動作保証されます。コアの新しいパッチにより、互換性がなくなる場合があります。

制限事項

  • GG for DAAターゲットに書き込むReplicatモジュールは、Oracle GoldenGateの汎用ディストリビューションでのみ使用できます。

  • これは、VAMをロードできるExtractのバージョンのみであるため、汎用ビルドはJMS取得で使用する必要があります。

  • DEFGENユーティリティは、GG for DAAに付属していません。ソース定義を生成するには、データベース・タイプに専用に構築されたOracle GoldenGateのバージョンが必要です。

3.1.2.4 Oracle GoldenGateの非汎用インスタンスのへのインストール

Javaユーザー・イグジットをOracle GoldenGateの非汎用インスタンスにインストールする場合は、最初に一時的な場所に解凍してから、アダプタ・ファイルをOracle GoldenGateインストールの場所にコピーします。

Oracle GoldenGateの非汎用インスタンスにJavaユーザー・イグジットをインストールするには、次の手順に従います。

  1. Oracle GoldenGateのインストール・ディレクトリ(C:/ggsなど)に移動します。
  2. 一時ディレクトリを作成し、Javaユーザー・イグジットのZIPファイルをそのサブディレクトリ(ggjavaなど)に解凍します。
  3. ggjavaサブディレクトリのファイルおよび共有ライブラリをOracle GoldenGateインストール・ディレクトリ(C:/ggs)にコピーまたは移動します。

    ノート:

    汎用ビルドでのみ動作するため、共有ライブラリggjava_vamをコピーする必要はありません。

3.1.3 Microservices Architectureのディレクトリおよび変数

Microservices Architectureの設計では、インストールとデプロイメントのディレクトリ構造は簡略化されています。

このディレクトリ構造は、Linux Foundation Filesystem Hierarchy Standardに基づいています。さらに柔軟性が向上しており、デプロイメントのサブディレクトリの一部をファイル・システムの別の場所や、共有ネットワーク・デバイスを含む別のデバイス上に配置することができます。この設計は、Oracle GoldenGate Microservices Architectureがインストールされている読取り専用のOracle GoldenGateホーム・ディレクトリからなり、カスタム・デプロイメント固有のディレクトリが次のように作成されます。

  • bin
  • cfgtoollogs
  • deinstall
  • diagnostics
  • include
  • install
  • inventory
  • jdk
  • jlib
  • lib
    • instantclient
    • sql
    • utl
  • OPatch
  • oraInst.loc
  • oui
  • srvm

次の図に、Services Manager (srvm)ディレクトリの下のファイルおよびディレクトリを示します。

図3-1 GoldenGate MAディレクトリ構造

$OGG_HOMEディレクトリ内のディレクトリとしては、bin、cfgtoollogs、deinstall、diagnostics、include、install、inventory、jdk、jlib、lib (instantclient、sql、utl)、OPatch、oraInst.loc、ouiおよびsrvm (Service Manager)があります。$OGG_HOMEディレクトリはService Managerに接続され、作成したソース・デプロイメント・ディレクトリとターゲット・デプロイメント・ディレクトリにも接続されます。それらのデプロイメント・ディレクトリはetc、varおよびlibです。

次の表に、主要なMAディレクトリと、Oracle GoldenGateのインストール中にそれらのディレクトリを参照するときに使用される変数を示します。例または手順にこれらの変数が含まれているときは、実際の組織のトポロジにおける対応するディレクトリ・パスのフル・パスで変数を置き換えます。

ディレクトリ名 変数 説明 デフォルト・ディレクトリ・パス

Oracle GoldenGateホーム

OGG_HOME

ホスト・コンピュータ上に作成されるOracle GoldenGateホームは、製品(ここでは、GoldenGate for Distributed Applications and Analytics (GG for DAA))をインストールする際に選択したディレクトリです。この読取り専用ディレクトリには、GG for DAAのバイナリ・ファイル、実行可能ファイルおよびライブラリ・ファイルが含まれています。

/ogg_install_location

デプロイメントetcホーム

OGG_ETC_HOME

デプロイメントの構成ファイル(パラメータ・ファイルも含む)が格納される場所。

/ogg_deployment_location/etc

デプロイメント構成ホーム

OGG_CONF_HOME

各デプロイメントの情報および構成アーティファクトが格納される場所。

/ogg_deployment_location/etc/conf

デプロイメント・セキュリティ・ホーム

OGG_SSL_HOME

各デプロイメントのセキュリティ・アーティファクト(証明書、ウォレット)が格納される場所。

/ogg_deployment_location/etc/ssl

デプロイメント変数ホーム

OGG_VAR_HOME

各デプロイメントのロギングおよびレポート処理アーティファクトが格納される場所。

/ogg_deployment_location/var

デプロイメント・データ・ホーム

OGG_DATA_HOME

各デプロイメントのデータ・アーティファクト(証跡ファイル)が格納される場所。

/ogg_deployment_location/var/lib/data

これらのファイルの格納場所をカスタマイズするために、これらすべてのデフォルトの場所を変更できます。

OGG_VAR_HOMEがローカル・ディレクトリ、OGG_HOMEが共有の読取り専用リモート・ディレクトリという構成では、ローカルOGG_VAR_HOMEを含む多くのデプロイメントが1つの読取り専用共有OGG_HOMEを共有できます。

このディレクトリ設計では単純な手動アップグレードが促進されます。アップグレードするには、サービスを停止し、Webインタフェース(またはRESTコマンド)でOGG_HOMEを設定して、プロセスを再起動します。再起動時に、更新された環境変数がOracle GoldenGateによって採用されます。Service ManagerのOracle GoldenGate homeディレクトリ・パスを新しいOracle GoldenGateホーム・ディレクトリに変更すると、アップグレードが完了し、デプロイメントが新しいOracle GoldenGateリリースを使用するように簡単に切り替えられます。マイクロサービス、ExtractおよびReplicatプロセスを再起動します。

3.1.4 環境変数の設定

Oracle GoldenGate for JavaのJava環境を構成する手順:

  • Java Runtimeを検索できるようにPATH環境変数を構成する必要があります。

  • 共有(動的にリンクされた) Java仮想マシン(JVM)ライブラリも特定する必要があります。

Windowsでは、これらの環境変数をシステム変数として設定し、Linux/UNIXでは、グローバルまたはOracle GoldenGateプロセスを実行しているユーザーに設定する必要があります。Windows、UNIXおよびLinuxでこれらの環境変数を設定する例を、次以降の項で示します。

ノート:

バージョンは2つあり、1つはJAVA_HOME/.../client、もう1つはJAVA_HOME/.../serverにあります。パフォーマンスの改善のために、サーバー・バージョンが利用可能な場合は使用します。Windowsでは、(JDKではなく) JREのみがインストールされている場合に、クライアントJVMがそこに存在する可能性があります。

3.1.4.1 Linux/UNIX上のJava

PATHでJREを特定できるように環境を構成し、システムの適切な環境変数を使用してJVM共有ライブラリを構成します。たとえば、Linux (およびSolaris)では、次のように、JVM共有ライブラリを格納するディレクトリが含まれるようにLD_LIBRARY_PATHを設定します(sh/ksh/bash)。

ノート:

AIXプラットフォームでは、LIBPATH=を設定します。HP-UX IA64プラットフォームでは、SHLIB_PATH=を設定します。

例3-1 LinuxでのJavaのパスの構成

export JAVA_HOME=/opt/jdk1.8 
export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH 
export LD_LIBRARY_PATH=$JAVA_HOME/jre/lib/amd64/server:$LD_LIBRARY_PATH

この例では、ディレクトリ$JAVA_HOME/jre/lib/i386/serverにファイルlibjvm.soおよびlibjsig.soが含まれるようにしてください。JVMライブラリを格納する実際のディレクトリは、オペレーティング・システムと、64ビットJVMを使用しているかどうかによって異なります。

次の例のように、コマンド・プロンプトを開いて、Javaバージョンをチェックし、環境設定を確認します。

$ java -version 
java version "1.8.0_92" 
Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_92-b14) 

3.1.4.2 Windows上のJava

Javaをインストールしたら、JREおよびJVM DLL (jvm.dll)を特定できるようにPATHを構成します。

例3-2 WindowsでのJavaのパスの構成

set JAVA_HOME=C:\Program Files\Java\jdk1.8.0 
set PATH=%JAVA_HOME%\bin;%PATH% 
set PATH=%JAVA_HOME%\jre\bin\server;%PATH% 

前述の例では、ディレクトリ%JAVA_HOME%\jre\bin\serverにファイルjvm.dll.が含まれるようにしてください。

次の例のように、コマンド・プロンプトを開いて、Javaバージョンをチェックし、環境設定を確認します。

C:\> java -version 
java version "1.8.0_92" Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_92-b14))