チャネルの管理

このトピックでは、ネットワーク内のチャネルを管理する方法について説明します。

チャネルとは

チャネルは、ピアと台帳データを分離して、ブロックチェーン・ネットワークで非公開の機密トランザクションを実現します。

メンバーは、特定のピアが同じブロックチェーン・ネットワーク上の他のメンバーが参照することもアクセスすることもできない非公開の機密トランザクションを実行できるように、チャネルを定義して構造化します。各チャネルには次のものが含まれます:
  • ピア
  • 共有台帳
  • チャネルでインスタンス化されたチェーンコード
  • 1つ以上のオーダリング・サービス・ノード
  • チャネル・ポリシー定義および定義が適用されるACL

チャネルに参加する各ピアは、チャネルのピアおよびサービスに対する認証に使用するアイデンティティをそれぞれ保持しています。ピアは複数のチャネルに属することができますが、トランザクション、台帳の状態およびチャネル・メンバーシップに関する情報は各チャネル内のピアに制限されます。

Oracle Blockchain PlatformコンソールまたはHyperledger Fabric SDKを使用して、ブロックチェーン・ネットワークにチャネルを作成できます。「チャネルの表示」を参照してください。

チャネルの表示

ネットワークのメンバーは、チャネルを使用してブロックチェーン・トランザクション情報を非公開で通信します。

チャネル・タブを使用して、ネットワーク内のチャネルのリストの表示、チャネルの作成および監視、アンカー・ピアの指定、およびチャネルで使用されるインスタンス化されたチェーンコードのアップグレードを行います。
  1. コンソールに移動し、チャネル・タブを選択します。
    チャネル・タブが表示され、チャネル表にネットワーク上のすべてのチャネルのリストが表示されます。
  2. チャネル表で、情報を表示するチャネル名をクリックします。チャネルに参加しているピアがすべて停止している場合、チャネルはリスト表示されますが、その情報を表示することはできません。
    チャネル情報ページが表示されます。
  3. チャネル情報ページのペインを使用して、チャネルに関する情報を得ます。
    セクション このペインでできること
    台帳 ブロック番号やブロック内のユーザー・トランザクション数など、チャネルの台帳アクティビティに関する情報を取得します。ブロック番号をクリックして、そのトランザクションの詳細情報を確認します。フィルタ・フィールドを使用して、表示するサマリー情報を指定(たとえば、前日または先月の情報)したり、カスタム・オプションを使用して開始時間と終了時間を入力できます。「チャネルの台帳アクティビティの表示」を参照してください。
    インスタンス化されたチェーンコード チャネルでインスタンス化されたチェーンコードのリストを表示します。
    オーダラ 現在アクティブなオーダラのリストを表示し、新しいOSNを追加してチャネルに参加できます。
    ピア チャネルに参加しているピアのリストを表示します。このセクションを使用して、チャネルのアンカー・ピアを設定します。
    組織 ピアがチャネルを使用して通信しているネットワーク・メンバーのリストを表示します。
    チャネル・ポリシー 標準ポリシーおよびチャネルに作成したポリシーのリストを表示します。このセクションを使用して、ポリシーを追加、変更および削除します。
    ACL チャネルのリソースにアクセスできる組織およびロールの管理に使用されるアクセス制御リスト(ACL)およびポリシーを表示します。

チャネルの作成

ネットワークにチャネルを追加し、そのチャネルを使用できるメンバーおよびそのチャネルに参加できるピアを指定できます。チャネルは削除できません。

このタスクを実行するには、管理者である必要があります。

  1. コンソールに移動し、チャネル・タブを選択します。
  2. チャネル・タブで、「新規チャネルの作成」をクリックします。
  3. チャネル名フィールドに、チャネルの一意の名前を入力します。チャネル名の長さは最大128文字です。
  4. アプリケーション機能フィールドで、チャネルの機能レベルとして1_4_2を選択します。1_1または1_3を選択しないでください。これらは製品の以前のバージョンで使用されていたため、選択すると新しい製品機能のサポートが削除されます。
  5. 作成者組織フィールドで、チャネルを管理する親組織または子組織を選択します。
  6. 組織セクションで、チャネルで通信する追加メンバーを選択します。
    参加者インスタンスで作業している場合、ファウンダのMSP IDが組織セクションに表示されるように、ファウンダをインスタンスに追加しておく必要があります。ファウンダ組織を追加するには、ネットワーク・タブに移動し、組織の追加ボタンをクリックしてファウンダの証明書をアップロードします。
  7. MSP ID ACLセクションで、チャネルにアクセスできる組織および選択した各組織の権限を指定します。必要に応じて、後でチャネルに対して組織を追加または削除できることに注意してください。
    組織の権限は書込み(ReaderWriter)に設定されており、この設定は変更できません。デフォルトでは、他のメンバーの権限は書込み(ReaderWriter)に設定されますが、メンバーがチェーンコードを呼び出せないようにしたり、チャネル情報とチャネル上のブロックの読取りのみを行うようにする場合、読取り(ReaderOnly)に変更できます。
  8. (オプション)チャネルに参加させるピア・フィールドで、ピアを1つ以上選択します。次の点に注意してください。
    • インスタンスには2つのVM(パーティション1およびパーティション2)があり、各パーティションから1つのピアをチャネルに参加させることが推奨されています。これは、一方のVMが利用できない場合でも、チャネルがエンドースメントおよびコミットを処理できるようにするためです。ピアの名前で、どのパーティションにあるかがわかります。たとえば、peer0–1およびpeer1–1はパーティション1にあります。また、peer0–2およびpeer1–2はパーティション2にあります。
    • パーティション1から最大7つのピアを、パーティション2から7つのピアを参加させることができます。
    • ネットワークに参加者が含まれる場合、参加者のピアはこのリストに表示されません。参加者はコンソールを使用してピアをチャネルに参加させる必要があります。参加者は、その組織がチャネルのMSP ID ACLセクションに追加されていない場合、ピアをチャネルに参加させることができません。
    • チャネルの作成のみを行う場合は、ピアを選択しないでください。ピアは後でチャネルに追加できます。
  9. 「送信」をクリックします。
    チャネル表に新しいチャネルが表示されます。
チャネルを作成すると、次のことができます:

チャネルの台帳アクティビティの表示

台帳を使用して、特定のチャネルのトランザクションに関するサマリー情報およびランタイム統計を検索します。

  1. コンソールに移動し、チャネル・タブを選択します。
  2. チャネル表で、トランザクション情報を表示するチャネル名をクリックします。チャネル情報ページで、台帳ペインが選択されていることを確認します。
  3. 台帳のサマリー領域を使用すると、台帳のチェーン内のブロックの合計数やチャネル上のユーザー・トランザクションの合計数などのチャネルのアクティビティに関する情報が一目でわかります。
  4. 前日や先週などの特定の時間に発生したブロックチェーン・アクティビティを表示するには、フィルタのドロップダウン・メニューに移動して、時間範囲を選択します。特定の一連のトランザクションを探して詳しく調べるには、「カスタム」を選択し、開始時間および終了時間の各フィールドに検索基準を入力するか、カレンダ・アイコンをクリックして日付を選択します。「適用」をクリックします。
    特定の期間(「前日」など)を選択した後、その期間を再度選択して問合せを再実行しても、問合せは再実行されません。最新の情報を取得するには、リフレッシュ・ボタンをクリックします。
    ブロックについて表示されることのある次のトランザクション・タイプに注意してください:
    • ジェネシス - 構成ブロックを実行してチャネルを初期化するトランザクション。

    • データ(sys) - チェーンコードを使用できるようにするためにチェーンコードのコンテナを起動するトランザクション。

    • データ - チャネルで実行するためにコールされたチェーンコード・トランザクション。

  5. 特定のトランザクションに関する詳細情報を得るには、問合せ台帳表でトランザクションを探してクリックします。トランザクション表にトランザクションの詳細が表示されます。
    トランザクション詳細 説明
    TxID トランザクションに割り当てられた一意の英数字ID。TxIDは、nonceと署名アイデンティティのシリアライズされたバイトを連結したもののハッシュとして算出されます。
    時間 トランザクションのタイムスタンプ(トランザクションが発生した日付と時間)。
    チェーンコード トランザクションを実行したチェーンコードの名前が表示されます。このフィールドには、記述、インストールおよびインスタンス化したチェーンコードの名前が表示されますが、システム・チェーンコードが表示される場合もあります。

    システム・チェーンコードのオプションは次のとおりです:

    • LSCC - インスタンス化、インストール、アップグレードなどのライフサイクル・リクエスト用。

    • QSCC - 問合せ用。このチェーンコードには、台帳問合せ用のAPIが含まれています。

    ステータス トランザクションが成功したか失敗したかを示します。
  6. TxIDの横にある三角形をクリックすると、関数名、引数、検証結果、レスポンス・ステータス、イニシエータ、エンドーサなど、トランザクションの詳細情報が表示されます。
    トランザクションが失敗した場合、TxIDを使用して、ピア・ノードまたはオーダラ・ノードのエラー・ログを検索して詳細を調べることができます。

チャネルの組織リストの表示または更新

チャネルにアクセスできる組織のリストを表示できます。チャネルの作成者の場合、チャネルに対する組織の権限を変更したり、チャネルに対して組織を追加または削除できます

  1. コンソールに移動し、チャネル・タブを選択します。
    チャネル・タブが表示され、チャネル表にネットワーク内のすべてのチャネルのリストが表示されます。
  2. チャネル表で、情報が必要なチャネルを探し、チャネルのその他のアクション・ボタンをクリックして、「チャネル組織の編集」をクリックします。
    組織の編集ページが表示されます。
  3. MSP ID ACLセクションで、次のことができます:
    • 組織の権限を変更します。チャネルを作成した組織は書込み(ReaderWriter)に設定されます。この設定は変更できません。

    • ネットワーク・ファウンダは、組織のチェック・ボックスをクリアして組織をチャネルから削除できます。ネットワーク参加者は、削除ボタンを使用して組織をチャネルから削除します。組織をチャネルから削除した場合、組織とそのピアはチャネルでチェーンコードの問合せ、呼出しおよびインスタンス化をできなくなります。また、削除された組織のピアはチャネルに参加できません。

    • 組織のチェックボックスを選択して、チャネルに組織を追加して権限を設定します。デフォルトでは、各メンバーの権限は書込み(ReaderWriter)に設定されますが、メンバーがチェーンコードを呼び出せないようにしたり、チャネル情報とチャネル上のブロックの読取りのみを行うようにする場合、読取り(ReaderOnly)に変更できます。

  4. 「送信」をクリックして変更を保存します。

チャネルへのピアの参加

ノードがプライベート・トランザクション情報をチャネル上の他のピア・ノードと交換するのに使用できるように、ピア・ノードをチャネルに追加できます。

次の点に注意してください。
  • チャネルの作成時、チャネルに参加できるローカル・ピア・ノードを指定します。

  • 参加者が含まれるネットワークを作成する場合は、チャネルのメンバーとしてその参加者を選択します。または、チャネルの作成後に参加者を追加できます。

  • インスタンスに複数の可用性ドメインまたはフォルト・ドメインがあるため、Oracleでは、各パーティションからチャネルにピアを参加させることをお薦めします。これは、一方のVMが利用できない場合でも、チャネルがエンドースメントおよびコミットをできるようにするためです。ピアが配置されているドメインを確認するには、「その他のアクション」メニューでAD情報の表示を選択して可用性ドメイン情報を表示します。

  • 各ドメインから最大7つのピアに参加できます。

「チャネルの作成」を参照してください。

このタスクを実行するには、管理者である必要があります。

  1. コンソールに移動し、ノード・タブを選択します。
  2. ノード・タブで、チャネルに追加するピア・ノードをクリックします。
  3. ノード情報ページで、チャネル・ペインをクリックしてピアがすでに使用しているチャネルのリストを表示します。
  4. 「新規チャネルへの参加」をクリックします。
    新規チャネルへの参加ダイアログが表示されます。
  5. チャネル名フィールドをクリックし、参加するチャネルの名前をリストから選択します。別のチャネルを選択するには、フィールドを再度クリックします。「参加」をクリックします。

アンカー・ピアの追加

チャネルを使用する各メンバーは、1つ以上のアンカー・ピアを指定する必要があります。アンカー・ピアは、プライマリ・ネットワークのコンタクト・ポイントで、チャネル上の他のネットワーク・ピアを検出して通信するために使用されます。

組織内の1つ以上のピアをチャネルのアンカー・ピアとして指定できます。高可用性ネットワークでは、アンカー・ピアを2つ以上指定できます。ネットワーク・チャネルを使用するすべてのメンバーは、コンソールを使用して1つ以上のピア・ノードをアンカー・ピアとして指定する必要があります。

このタスクを実行するには、管理者である必要があります。

  1. コンソールに移動し、チャネル・タブを選択します。
    チャネル・タブが表示され、チャネル表にネットワーク上のすべてのチャネルのリストが表示されます。
  2. チャネル表で、アンカー・ピアを追加するチャネル名をクリックします。
    チャネル情報ページが表示されます。
  3. チャネル情報ページで、ピア・ペインをクリックします。
  4. アンカー・ピアとして指定するピアを特定し、そのアンカー・ピア・チェックボックスをクリックして選択します。
  5. 「適用」ボタンをクリックします。

アンカー・ピアの変更または削除

(19.2.1での新機能)チャネルのアンカー・ピアを変更または削除できます。アンカー・ピアは、プライマリ・ネットワークのコンタクト・ポイントで、チャネル上の他のネットワーク・ピアを検出して通信するために使用されます。

チャネルのアンカー・ピアを変更または削除する前に、次の情報に注意してください:

  • チャネルで通信するには、組織内の1つ以上のピアをアンカー・ピアとして指定する必要があります。
  • 高可用性ネットワークでは、アンカー・ピアを2つ以上指定できます。
  • ネットワーク・チャネルを使用するすべてのメンバーは、コンソールを使用して1つ以上のピア・ノードをアンカー・ピアとして指定する必要があります。

このタスクを実行するには、管理者である必要があります。

  1. コンソールに移動し、チャネル・タブを選択します。
    チャネル・タブが表示され、チャネル表にネットワーク上のすべてのチャネルのリストが表示されます。
  2. チャネル表で、アンカー・ピアを削除するチャネル名をクリックします。
    チャネル情報ページが表示されます。
  3. チャネル情報ページで、ピア・ペインをクリックします。
  4. アンカー・ピアとして削除するピアを特定し、そのアンカー・ピア・チェックボックスをクリアします。または、アンカー・ピアとして別のピアを追加するには、そのアンカー・ピア・チェックボックスをクリックして選択します。
  5. 「適用」ボタンをクリックします。

インスタンス化されたチェーンコードに関する情報の表示

ネットワーク内の様々なチャネルでインスタンス化されたチェーンコードに関する情報を表示できます。

インスタンス化されたチェーンコードに関する情報が必要な場合の例としては、チェーンコードをアップグレードする必要があるかどうかを判断する場合や、チェーンコードがインスタンス化されたチャネルを見つける場合などがあります。
  1. コンソールに移動し、チャネル・タブを選択します。
  2. チャネル表で、情報を表示するチェーンコードを使用するチャネル名をクリックします。
  3. チャネル情報ページで、インスタンス化されたチェーンコード・ペインが選択されていることを確認します。
  4. チェーンコード表では、次のことができます:
    • チェーンコードをクリックしてチェーンコード・タブに移動し、チェーンコードがインストールされているピアやチェーンコードがインスタンス化されているチャネルなどについてさらに学習します。
    • チェーンコードのその他のアクション・メニューで、「エンドースメント・ポリシーの表示」をクリックして、チェーンコードをエンドースする必要があるユーザーや署名者式文字列など、チェーンコードのエンドースメント・ポリシーの詳細を確認します。
  5. (オプション)チェーンコードなしのチャネルがリスト表示されている場合は、チェーンコード・タブに移動してチャネルに対してチェーンコードをインスタンス化できます。「チェーンコードのインスタンス化」を参照してください。

チャネル・ポリシーとACLの使用

(19.1.3以降のバージョンのみ)このトピックには、チャネルのポリシーおよびACLに関する情報が含まれています。

チャネル・ポリシーとは

ポリシーは、一連の条件を定義します。署名が有効とみなされ、対応するリクエストがネットワーク上で実行されるには、その当事者がポリシーの条件を満たしている必要があります。

ブロックチェーン・ネットワークは、これらのポリシーによって管理されます。ポリシーは、リクエストに関連付けられたアイデンティティを、リクエストを実行するために必要なリソースに関連付けられたポリシーと照らし合せてチェックします。ポリシーはチャネルの構成内にあります。

チャネルのポリシーの構成後、それらのポリシーをチャネルのACLリソースに割り当て、チャネルで変更または処理が実行されるために署名する必要があるメンバーを決定します。たとえば、組織Aまたは組織Bのメンバーを含めるようにライター・ポリシーを変更したとします。次に、ライター・ポリシーをチャネルのcscc/GetConfigBlock ACLリソースに割り当てます。これで、組織Aまたは組織Bのメンバーのみがcsccコンポーネントに対してGetConfigBlockをコールできるようになります。

ポリシー・タイプとは

ポリシー・タイプには、署名とImplicitMetaの2つがあります。

  • 署名 - 評価ルールの組合せを指定します。ANDORおよびNOutOfの組合せがサポートされます。たとえば、"組織Aの管理者1名と他の2名の管理者"や"20名の組織管理者のうち11名"などのような定義が可能です。

    Oracle Blockchain Platformのデフォルトの管理者ポリシー(ImplicitMetaポリシーとして作成されている)を変更する場合、署名ポリシーを使用することに注意してください。新たに作成するポリシーは、署名ポリシーになります。

  • ImplicitMeta — このポリシー・タイプは、構成のコンテキストでのみ有効です。署名ポリシーで定義されているポリシーを構成階層の深くで評価した結果が集約されます。"大半の組織管理ポリシー"などのデフォルト・ルールがサポートされます。

    Oracle Blockchain Platformでは、ImplicitMetaポリシー・タイプを使用して管理者ポリシーが作成されます。管理者ポリシーを変更する場合、署名ポリシーを使用します。ImplicitMetaポリシーを使用してポリシーを作成または変更することはできません。Oracle Blockchain Platformでは、署名ポリシー・タイプを使用したポリシーの変更または作成のみがサポートされます。

ポリシーが作成される場合

ネットワークにチャネルを追加すると、Oracle Blockchain Platformによって新しいデフォルトのポリシーが作成されます。デフォルトのポリシーは、管理者(ImplicitMetaポリシー)、作成者、ライターおよびリーダー(署名ポリシー)です。必要に応じて、これらのポリシーを変更したり、新しいポリシーを作成したりできます。

チャネル・ポリシーに関する次の重要な問題に注意してください:

  • コンソールを使用して、チャネルを作成し、組織のACLをReaderOnlyに設定できます。新しいチャネルを保存した後、このACL設定をチャネルの組織の編集オプションから更新することはできません。

    ただし、コンソールのチャネル・ポリシーの管理機能を使用して組織をライター・ポリシーに追加し、チャネルのReaderOnlyのACL設定を上書きできます。

  • Hyperledger Fabric SDKを使用してチャネルを作成する場合、FabricはImplicitMetaポリシーをリーダーおよびライターのデフォルト・チャネル・ポリシーとして使用します。チャネルでこれらのポリシーが使用されている場合、Oracle Blockchain Platformコンソールでは、管理操作(組織の編集など)が正常に処理されることを保証できません。

    この問題を修正するには、リーダーおよびライターのポリシーを署名ポリシーに更新し、必要に応じてポリシー・ルールを定義します。https://hyperledger-fabric.readthedocs.io/en/release-1.3/access_control.htmlを参照してください

  • Hyperledger Fabric SDKまたはCLIを使用してチャネルを作成する場合、作成者ポリシーはconfigtx.yamlファイルに含まれません。Oracle Blockchain Platformは、チャネル作成者がチャネルの構成を編集できるようにするために作成者ポリシーを必要とします。configtx.yamlファイルを手動で編集し、作成者ポリシーを追加する必要があります。

チャネルのポリシーの追加または変更

(19.1.3以降のバージョンのみ)チャネルのポリシーを追加または変更して、チャネルで特定のアクションを実行する必要のあるメンバーを指定できます。ポリシーを定義したら、それらをチャネルのACLに割り当てます。

ポリシーを追加または更新する前に、Oracle Blockchain Platformでデフォルト・チャネル・ポリシーがどのように作成されるのかを理解する必要があります。「チャネル・ポリシーとは」を参照してください

このタスクを実行するには、管理者である必要があります。

  1. コンソールに移動し、チャネル・タブを選択します。

    チャネル・タブが表示され、チャネル表にネットワーク上のすべてのチャネルのリストが表示されます。

  2. チャネル表で、ポリシーを追加またはポリシーを変更するチャネル名をクリックします。

    チャネル情報ページが表示されます。

  3. チャネル情報ページで、チャネル・ポリシー・ペインをクリックします。
  4. 次のいずれかの操作を行います。
    • 新規ポリシーを追加するには、新規ポリシーの作成ボタンをクリックします。ポリシーの作成ダイアログが表示されます。ポリシー名フィールドに名前を入力し、ポリシー・タイプ・フィールドで署名を選択します。署名ポリシー・セクションを展開します。
    • 既存のポリシーを変更するには、ポリシー名をクリックします。ポリシーの更新ダイアログが表示されます。
  5. アイデンティティの追加ボタンをクリックして組織を追加します。または、必要に応じて、既存の署名ポリシーを変更します。次の点に注意してください。
    フィールド 説明
    MSP ID ドロップダウン・メニューから、ポリシーに署名する必要のある組織を選択します。
    ロール ポリシーに必要な対応するピア・ロールを選択します。通常、これはメンバーです。ピアのロールは、その構成情報を表示することで確認できます。
    ポリシー式モード ほとんどの場合、「基本」を使用します。「拡張」を選択し、ANDORおよびNOutOfを使用して式文字列を記述します。有効なポリシー式文字列を記述する方法については、Hyperledger Fabricのドキュメントを参照してください。
    署名者 リクエストを実行するためにポリシーに署名する必要のあるメンバーの数を選択します。
  6. 新しいポリシーを追加する場合、「作成」をクリックします。ポリシーを変更する場合、「更新」をクリックします。

チャネルのポリシーの削除

(19.1.3以降のバージョンのみ)チャネルからポリシーを削除できます。

チャネル・ポリシーがACLに割り当てられている場合、そのチャネル・ポリシーは削除できません。チャネル・ポリシーを削除する前に、ポリシーが割り当てられていないことを確認します。

このタスクを実行するには、管理者である必要があります。

  1. コンソールに移動し、チャネル・タブを選択します。

    チャネル・タブが表示され、チャネル表にネットワーク上のすべてのチャネルのリストが表示されます。

  2. チャネル表で、ポリシーを削除するチャネルをクリックします。

    チャネル情報ページが表示されます。

  3. チャネル情報ページで、チャネル・ポリシー・ペインをクリックします。
  4. 削除するポリシーを特定し、その詳細オプション・ボタンをクリックします。
  5. 「削除」をクリックし、削除を確定します。

チャネルACLとは

(19.1.3以降のバージョンのみ)アクセス制御リスト(ACL)では、ポリシーを使用してチャネルのリソースにアクセスできる組織およびロールを管理します。

ユーザーは、問合せシステム・チェーンコード(qscc)、ライフサイクル・システム・チェーンコード(lscc)、構成システム・チェーンコード(cscc)、ピア、イベントなどのコンポーネントをターゲットにすることで、ブロックチェーン・ネットワークと対話します。これらのコンポーネントは、チャネル・レベルでポリシーを割り当てることができる特定のリソース(GetConfigBlockやGetChaincodeDataなど)に関連付けられています。これらのポリシーは、チャネルの構成の一部です。

ポリシーは、リソースをリクエストできる組織およびロールを定義します。リクエストがあると、システムはリクエスタのアイデンティティを確認し、ポリシーでそのリクエスタにリクエストの作成が許可されているかどうかを判断します。チャネルの作成時、Oracle Blockchain PlatformによってデフォルトのHyperledger Fabric ACLがチャネルに付けられます。また、Oracle Blockchain Platformは、チャネルに対して4つのデフォルト・ポリシー(管理者、作成者、ライターおよびリーダー)を作成します。必要に応じて、これらのポリシーを変更したり、新しいポリシーを作成したりできます。「チャネル・ポリシーとは」を参照してください

チャネルACLの更新

(19.1.3以降のバージョンのみ)チャネルのリソースにポリシーを割り当てることで、チャネルのACLを更新できます。ポリシーは、リソースをリクエストできる組織およびロールを定義します

チャネルのACLを更新する前に、ポリシーおよびACLとは何かを理解する必要があります。「チャネル・ポリシーとは」および「チャネルACLとは」を参照してください。

  1. コンソールに移動し、チャネル・タブを選択します。

    チャネル・タブが表示され、チャネル表にネットワーク上のすべてのチャネルのリストが表示されます。

  2. チャネル表で、ACLを更新するチャネルの名前をクリックします。

    チャネル情報ページが表示されます。

  3. チャネル情報ページで、ACLペインをクリックします。
  4. リソース表で、更新するリソースを特定します。リソースの展開ボタンをクリックし、リソースに割り当てるポリシーを選択します。
  5. 必要に応じて、他のリソースのポリシーを変更します。
  6. 「ACLの更新」をクリックします。

チャネルに対するオーダラの追加または削除

オーダラ管理組織は、チャネルに対してオーダラを追加または削除できます。

チャネルにオーダラを追加するには:
  1. ファウンダ・コンソールで、「チャネル」タブを開き、チャネルを選択してその詳細ビューを表示します。
  2. オーダラ・サブタブを開きます。現在チャネルに参加しているオーダラ・ノードがすべてリストされます。
  3. チャネルに参加をクリックします。このチャネルにまだないOSNを選択し、「参加」をクリックします。
チャネルからオーダラを削除するには:
  1. ファウンダ・コンソールで、「チャネル」タブを開き、チャネルを選択してその詳細ビューを表示します。
  2. オーダラ・サブタブを開きます。現在チャネルに参加しているオーダラ・ノードがすべてリストされます。
  3. チャネルから削除するオーダラを選択し、その「その他のアクション」メニューから、「削除」を選択します。

オーダラ管理者組織の設定

チャネル内のOSNの管理を任意の組織に割り当てることができます。通常は、ファウンダまたはチャネル作成者が割り当てられます。

  1. ファウンダ・コンソールで、チャネル・タブを開きます。
  2. オーダラ管理者組織を設定するチャネルを選択し、「アクション」メニューからOSN管理者の管理を選択します。
  3. 使用可能な組織のリストから選択してから、「送信」をクリックします。

チャネルのオーダリング・サービス設定の編集

特定のチャネルのオーダリング・サービス設定を更新できます。

チャネルのオーダリング・サービス設定の編集に関する次の重要な情報に注意してください:
このタスクを実行するには、管理者である必要があります。
  1. ファウンダのコンソールに移動し、チャネル・タブを選択します。
  2. チャネルを特定し、「その他のアクション」メニューをクリックして、オーダリング・サービス設定の更新を選択します。
    オーダリング・サービス設定ダイアログが表示されます。
  3. 必要に応じて設定を更新します。
    フィールド 説明
    バッチ・タイムアウト(ミリ秒) バッチが作成されるまでシステムが待機する時間をミリ秒単位で指定します。1から3600000までの数値を入力します。
    最大メッセージ数 バッチに含めるメッセージの最大数を指定します。1から4294967295までの数値を入力します。
    絶対メッセージ・バイト数 バッチ内のシリアライズされたメッセージに許容される最大バイト数を指定します。

    この数値は、優先メッセージ・バイト数・フィールドに入力する値より大きくする必要があります。

    優先メッセージ・バイト数 バッチ内のシリアライズされたメッセージに許容される優先バイト数を指定します。このサイズよりも大きいメッセージはより大きなバッチになりますが、バッチ・サイズは絶対メッセージ・バイト数フィールドで指定したバイト数以下になります。

    この値は1MB以下に設定することをお薦めします。

    このフィールドに入力する値は、絶対メッセージ・バイト数フィールドに入力する値より小さくする必要があります。

    スナップショット間隔のサイズ スナップショットが取得されるMB数を定義します。
  4. 「更新」をクリックします。
    更新された設定が保存されます。