Oracle GoldenGate Microservices Architecture用のパッチのインストール
Oracle GoldenGateのパッチ適用とは、一時的な個別ソフトウェア修正および累積ソフトウェア・バンドル・パッチを、適用されるパッチと同じリリース・ラベルにある既存の下位バージョンのソフトウェアに適用することです。Oracle GoldenGateの累積パッチおよび個別パッチは、基本リリースまたは以前にパッチを適用したリリースに加えて適用でき、また特定のOracle GoldenGateバージョンに適用する必要がある個別パッチであることもあります。
Oracle GoldenGateのパッチは、My Oracle Supportで入手可能な場合、MOSの「パッチと更新版」セクションにあります。
ノート:
すでにデプロイメントおよび共有Service Managerが構成されている複数のインストールにパッチを適用する場合、Service Managerにパッチが適用されるのは、Service Managerが最初に作成されたOracle GoldenGateインストールにパッチが適用されるときのみです。トピック:
- Oracle GoldenGateのパッチのダウンロード
- OPatchを使用したOracle GoldenGate Microservices Architectureへのパッチ適用
- Microservices ArchitectureのOracle Database以外のパッチ・インストール後のタスク
- OPatchを使用したOracleおよびOracle以外のデータベースのパッチのアンインストール
親トピック: インストールおよびパッチ
Oracle GoldenGateのパッチのダウンロード
Oracle GoldenGate構成の一部となる各システムのOracle GoldenGateのビルドに適したパッチをダウンロードします。
ノート:
パッチをインストールする前に、Oracle Databaseのリリース・ノートを参照し、新機能、パラメータの変更、パッチ適用要件、既知の問題、または現在の構成に影響するバグ修正がないか確認してください。
OPatchを使用したOracle GoldenGate Microservices Architectureへのパッチ適用
パッチをダウンロードしたら、パッチをインストールする前に、次の前提条件を設定します:
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OPatchの最新リリースをダウンロードしてインストールし、OPatchの最新リリースをインストールしたインストール・ディレクトリをメモします。
OPatchのダウンロード場所の詳細は、最新のOPatch (6880880)バージョンのダウンロードおよびインストール方法(ドキュメントID 274526.1)を参照してください。
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Oracle GoldenGateパッチをダウンロードし、パッチZIPファイルの内容を格納するための場所を維持します。この場所または絶対パスは、後続のステップでは
patch_top_dir
と呼ばれます。 -
patch_top_dir
ディレクトリに移動し、次のコマンドを実行して、パッチZIPファイルのコンテンツを以前に作成した場所に抽出します。cd patch_top_dir
unzip patch_number_version_platform.zip
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解凍したパッチ・ディレクトリに移動します:
cd patch_top_dir/patch_number_dir
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ORACLE_HOME
環境変数を、パッチを適用するOracle GoldenGateのインストール・ディレクトリに設定します。Linuxの場合:
$ export ORACLE_HOME=GoldenGate_Installation_Path
Windowsの場合:
> set ORACLE_HOME=GoldenGate_Installation_Path
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ORACLE_HOME
およびOPatch
ディレクトリの場所を含めるようにPATH
環境変数を設定します。Linuxの場合:
$ export PATH=$PATH:$ORACLE_HOME:/OPatch
Windowsの場合:
>set PATH=%PATH%;%ORACLE_HOME%;C:\OPatch
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パッチをインストールする際にOPatchがアクセスするOracleインベントリを確認します。インベントリを確認するには、次のコマンドを実行します。
opatch lsinventory
このコマンドでエラーが表示された場合は、Oracleサポート・サービスに問い合せて問題を解決してください。
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OPatchの前提条件チェックを実行し、成功することを確認します。
opatch prereq CheckConflictAgainstOHWithDetail -ph ./
エラーが表示された場合は、エラー・タイプを特定します。OPatchでは、競合は次のタイプに分けられます:
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ORACLE_HOME
にすでに適用されているパッチとの競合: この場合、パッチのインストールを停止し、Oracleサポート・サービスに連絡してください。
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適用しようとしているパッチのサブセットである、
ORACLE_HOME
にすでに適用されているパッチとの競合: この場合、新しいパッチにはORACLE_HOME
の既存のパッチの修正がすべて含まれているため、パッチのインストールを続けます。サブセットのパッチは、新しいパッチのインストール前に自動的にロールバックされます。
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Oracle GoldenGateにパッチを適用する前に、インストール用のデプロイメントがある場合は、Extract、Replicat、分散パスなどのすべてのプロセスを停止し、デプロイメントのすべてのサービスを停止してください。
これは、管理サービスおよびサービス・マネージャのWebUIまたは管理クライアントで実行できます。
管理クライアントを使用している場合は、次のステップを実行して各デプロイメントに接続し、すべてのプロセスを停止します。
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管理クライアントを使用している場合は、各デプロイメントに接続し、すべてのプロセスを停止します。
-
管理クライアントを起動し、デプロイメントに接続します。
/GoldenGate_Installation_Path/bin/adminclient
OGG (not connected) 1>CONNECT https://host:srv_mgrport
DEPLOYMENT <deployment-name> AS <user> PASSWORD <password>
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ExtractおよびReplicatプロセスおよび分散パスを停止します。
STOP ER * STOP DISTPATH ALL
-
デプロイメントのサービスを停止し、すべて停止していることを確認します:
STOP SERVICE * STATUS SERVICE *
-
管理クライアントを終了し、サービス・マネージャを停止します:
OGG (https://host:port deployment-name) exit
##Command for Service Manager not registered as a service/daemon
export OGG_VAR_HOME=OGG_SRVMGR_DIRECTORY/var
export OGG_ETC_HOME=OGG_SRVMGR_DIRECTORY/etc
OGG_SRVMGR_DIRECTORY/bin/stopSM.sh
##Command for Service Manager registered as a service/daemon
Linuxの場合: $ sudo systemctl stop OracleGoldenGate
Windowsの場合: To stop the Service Manager for Windows, use the Windows Services applet (services.msc) and stop the Oracle GoldenGate Service Manager service.
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-
デプロイメントに対するすべてのユーザー・セッションを切断し、実行中のすべてのOracle GoldenGateプログラム(管理クライアントを含む)をクローズします。
次のステップを実行してパッチをインストールします:
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次のコマンドを実行してパッチをインストールします。
opatch apply
OPatch
コマンドが起動すると、パッチが検証され、Oracle GoldenGateリリースのORACLE_HOME
にすでにインストールされているソフトウェアと競合しないことが確認されます。 -
パッチのインストールが完了したら、次のコマンドを実行して、Oracleインベントリにインストールされたパッチが含まれていることを確認します:
opatch lsinventory
ノート:
Oracle GoldenGate for PostgreSQLインストールにパッチを適用してリリース・バージョン21.8.0.0.2以降にした場合は、ExtractやReplicatを再起動する前に、新しいドライバ・バージョンを利用するようにodbc.ini
ファイル内のDSNエントリを更新します。詳細は、「Oracle GoldenGate for PostgreSQLにパッチを適用してリリース21.8.0.0.2以降にする場合」を参照してください。 -
パッチのインストールが完了したら、サービス・マネージャ、サービスおよびOracle GoldenGateプロセスを起動します。
-
サービス・マネージャを起動します。
Linuxの場合:
##Command for Service Manager not registered as a service/daemon
$ export OGG_VAR_HOME=OGG_SRVMGR_DIRECTORY/var
$ export OGG_ETC_HOME=OGG_SRVMGR_DIRECTORY/etc
$ OGG_SRVMGR_DIRECTORY/bin/startSM.sh
##Command for Service Manager registered as a service/daemon
$ sudo systemctl start OracleGoldenGate
Windowsの場合: Use the Windows Services applet (services.msc) and start the Oracle GoldenGate Service Manager service.
-
管理クライアントを起動し、デプロイメントに接続します。
/GoldenGate_Installation_Path/bin/adminclient
OGG (not connected) 1>CONNECT https://host:srvmgr_port DEPLOYMENT deployment-name AS user PASSWORD password
-
デプロイメントのサービスを起動し、すべて実行されていることを確認します:
START SERVICE * STATUS SERVICE *
-
Extract、Replicatおよび分散パスを起動します:
START ER * START DISTPATH ALL
-
Microservices ArchitectureのOracle Database以外のパッチ・インストール後のタスク
このトピックでは、Oracle以外のデータベース、Microsoft SQL ServerおよびMySQLのパッチ・インストール後のタスクを示します。
トピック:
DDLレプリケーションが有効にされているOracle GoldenGate MySQL 5.7へのパッチ適用
DDLレプリケーションが有効にされているOracle GoldenGate MySQL 5.7にパッチを適用するには:
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次のDDLインストール・スクリプトの
stop
オプションを使用して、メタデータ・サーバーを停止します。./ddl_install.sh stop user-id password port-number
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インストール・ディレクトリ内の
metadata_server
実行可能ファイルを置換します。 -
DDLインストール・スクリプトのstartオプションを使用して、現在実行されているメタデータ・サーバーを起動します。
./ddl_install.sh start user-id password port-number
ノート:
metadata_server
の開始と停止の間に発行されたDDL操作は失われます。
SQL ServerのためのOracle GoldenGateへのパッチ適用 - Extractの要件
TRANDATA
が有効化されている各表についてADD TRANDATA
を再実行する必要があります。
-
すべてのOracle GoldenGateプロセスを停止します。
-
バイナリ置換の通常のパッチ手順に従いますが、Oracle GoldenGateプロセスは開始しません。詳細は、「Oracle GoldenGate Microservices Architecture用のパッチのインストール」を参照してください。
-
手動でデータベースのSQL Server CDCキャプチャ・ジョブを停止します。ジョブが大規模なトランザクションを処理している場合は、実際に停止するまでに時間がかかる場合があります。
-
Extractが停止したことを確認します。
-
管理クライアントを使用して、以前に有効にしたすべての表に対して
ADD TRANDATA
を再度実行します。これらの表には、ハートビート表およびアクティブ/アクティブ構成のFILTERTABLE
オブジェクトとして使用されるReplicatチェックポイント表が含まれます。ノート:
DELETE TRANDATA
コマンドは実行しないでください。 -
手動でSQL Server CDCキャプチャ・ジョブを再起動します。
-
Extract、Replicat、ManagerなどのOracle GoldenGateプロセスを手動で再起動します。
Oracle GoldenGate for PostgreSQLにパッチを適用してリリース21.8.0.0.2以降にする場合
Oracle GoldenGate for PostgreSQLにパッチを適用して21.8.0.0.2より前のリリース・バージョンからバージョン21.8.0.0.2以降にする場合は、それらのパッチの一部として提供される新しいドライバを利用するように、odbc.ini
ファイル内のDSNエントリを更新する必要があります。
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odbc.ini
ファイル内の既存のDSNエントリを更新し、各DSNエントリのドライバ属性を次の値に変更します。-
Driver - Oracle GoldenGateリリース・バージョン21.8.0.0.2以降の場合は、この値を
/<GoldenGate_Installation_Folder>/datadirect/lib/ggpsql25.so
に設定します。
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Oracle GoldenGateにパッチを適用するための通常の手順を済ませます。
OPatchを使用したOracleおよびOracle以外のデータベースのパッチのアンインストール
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最新のOPatchバージョンをインストールし、必要な環境変数を設定し、Oracle GoldenGateのプロセスおよびサービスを停止します。パッチのインストール手順は、前のトピックに記載されています。
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patch_top_dir/patch_number
ディレクトリに移動します。$ cd patch_top_dir/patch_number
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次のコマンドを実行してパッチをアンインストールします。
$ opatch rollback -id patch_number
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Oracle GoldenGateホームからサービスを開始します。