4 DB2 for iのサポート対象の理解
この章では、DB2 for iのためのOracle GoldenGateでサポートされているデータベースと表の機能について説明します。
DB2 for iのOracle GoldenGateでは、このドキュメントに特に記載がないかぎり、データのフィルタ処理、マッピングおよび変換がサポートされます。
DB2 for iのためのOracle GoldenGateをDB2 for iソース・システムのLinuxシステムからリモートで実行し、レプリケーション用トランザクション・ジャーナルからターゲット・システムにデータを取得します。ターゲットDB2 for iデータベースにデータを適用するために、Oracle GoldenGateをLinuxシステムからリモートで実行できます。Oracle GoldenGateは、ODBC接続を使用してIBM iシステムと通信するため、DB2 for iターゲットにはOracle GoldenGateソフトウェアをインストールしません。
ノート:
DB2 for iプラットフォームでは、1つ以上のジャーナルを使用してトランザクション変更データのレコードが保持されます。Oracle GoldenGateの管理やリファレンスのサポート・ドキュメントの用語との一貫性を保つため、「ジャーナル」という語を使用する必要性がない場合は、「ログ」または「トランザクション・ログ」という語を「ジャーナル」と区別せずに使用します。
内容は次のとおりです。
サポートされているDB2 for iデータ型
Oracle GoldenGateでは、「サポートされていないDB2 for iデータ型」に示されているデータ型を除くすべてのDB2 for iデータ型がサポートされます。
サポートの制限事項
出力証跡の形式が19.1以降の場合、ExtractはTIMESTAMP(0)からTIMESTAMP(12)までのキャプチャと適用をサポートします。それ以外の場合、ExtractはTIMESTAMP(10)からTIMESTAMP(12)までのデータをナノ秒(最大9桁の小数単位の時間)にまで切り捨てして、レポート・ファイルに警告を発行します。
Oracle GoldenGateでは、0001/01/03:00:00:00.000000から9999/12/31:23:59:59.999999までのタイムスタンプ・データがサポートされます。タイムスタンプがGMTからローカル時間に変換されると、これらの制限も変換後のタイムスタンプに適用されます。タイムゾーンに応じて、変換により時間が追加または引かれる場合があり、これにより、タイムスタンプがサポートされている上限を超えたり、下回ったりすることがあります。
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サポートされていないDB2 for iデータ型
Oracle GoldenGateでは、次のDB2 for iデータ型はサポートされません。
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XML -
DATALINK -
ユーザー定義型
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DB2 for iについてサポートされているオブジェクトおよび操作
Oracle GoldenGateでは、次のDB2 for iオブジェクトと操作がサポートされます。
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DML操作の抽出およびレプリケーション
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行の最大長がデータベースでサポートされている表。
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データベースでサポートされている列の最大数、最大サイズまでの数およびサイズの列を含む表。
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TRUNCATE操作はサポートされており、WHERE句なしのDELETE FROMSQL文およびClear Physical File Member(CLRPFM).で表されます -
マテリアライズ問合せ表自体ではなく、MQTの基となるベース表。ターゲット・データベースは、Replicatによってベース表に適用された変更に基づいて、自動的にMQTの内容を整備します。
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メンバーを含むライブラリ(ネイティブ)名と、SQL名のどちらも使用できます。
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パーティション表
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SHOWTRANSでサポートされるオプション:SHOWTRANS [transaction_ID] [COUNT n] [DURATION duration unit] [TABULAR] [FILE file_name] | -
SKIPTRANSとFORCETRANSのオプション:SKIPTRANS transaction_ID [FORCE] FORCETRANS transaction_ID [FORCE] -
自動ハートビート表のサポートに関する制限事項は次のとおりです。
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ADD HEARTBEATTABLEコマンドは、ogghbfreqという新しいファイルをOracle GoldenGateのインストール・ディレクトリに作成します。paseハートビート・プログラムで頻度の値をこのファイルから読み取るため、このファイルは削除しないでください。 -
Oracle GoldenGateビルド・フォルダには、他にも
ogghbという実行可能ファイルがあります。 -
ogghbという追加プロセスは、ADD HEARTBEATTABLEコマンドが実行されるとIBM iシステムで実行が開始され、DELETE HEARTBEATTABLEコマンドでハートビートを無効にするまで実行されます。このプロセスは、強制終了されたとしても、自動的に再開されます。このプロセスをシステムから削除するには、DELETE HEARTBEATTABLEコマンドを使用します。 -
PURGE_FREQUENCYオプションまたはRETENTION_TIMEオプションを指定したALTER HEARTBEATTABLEコマンドを使用して、ハートビートの頻度を変更すると、実施にはおよそ60秒 + 変更前の頻度(秒)が必要となります。 -
ADD HEARTBEATTABLE間には30秒の初期遅延があり、ハートビート・シード表の最初のレコードが更新されます。 -
[THREAD n]と[DETAIL]はサポートされていません。
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DB2 for iについてサポートされていないオブジェクトおよび操作
Oracle GoldenGateでは、次のDB2 for iに対するオブジェクトおよび操作はサポートされません。
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DDL操作
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末尾に空白を含むスキーマ名、表名および列名
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データベースの複数インスタンス
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DB2 for iに対してサポートされないOracle GoldenGateパラメータ
この項には、DB2 for iプラットフォームに対してサポートされないOracle GoldenGate構成パラメータの一部を示します。Oracle GoldenGateのパラメータとそのパラメータでサポートされるデータベースの詳細は、Oracle GoldenGateパラメータに関する項を参照してください。
BATCHSQLBRASCIITOEBCDICおよびEBCDICTOASCIIBINARYCHARSLOBMEMORYTRAILCHARSETEBCDIC
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サポートされているオブジェクト命名規則
Oracle GoldenGateでは、SQL命名規則がサポートされます。library/file(member)という形式のネイティブ・ファイル・システム名もサポートされます。
ネイティブ(システム)名の場合、Oracle GoldenGateでワイルドカードに関する標準のDB2 for i命名規則がサポートされ、*ALLまたは名前の一部分の後ろにアスタリスク(*)ワイルドカードを付加したものを使用できます。たとえば:
-
library/*all(*all) -
library/a*(a*) -
library/abcde*
メンバー名はオプションで省略できます。その場合、すべてのメンバーのデータが抽出されますが、ライブラリ名とファイル名のみが取得され、証跡に書き込まれるレコードに含められます。その結果、データは、ソースの1つのメンバーのみから取得されたように見え、メンバー間でキーの重複がある場合、ターゲットで整合性の競合が起きる可能性があることに注意してください。証跡のレコードにメンバー名を含めるには、メンバーを明示的に含めるか、ワイルドカードのメンバー指定を使用して含めます。
SQL名の場合、DB2 for iシステムでのSQLの標準の処理に従って、基になるネイティブ・ファイルの最初のメンバーのみが抽出されます。SQL名の場合、Oracle GoldenGateで、表名とスキーマ名の両方に対してワイルドカードの使用がサポートされます。ワイルドカードを使用したSQL名の詳細は、『Oracle GoldenGateの管理』のOracle GoldenGateの入力におけるオブジェクト名の指定に関する項を参照してください。
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DB2 for iのポート要件
Oracle GoldenGate for Db2 for iには、通常モードおよびSSLモードで次のポートが必要です。
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標準モード: 446、449、8470-8476
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SSLモード: 448、449、9470-9476
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DB2 for iのシステム・スキーマ
次のスキーマまたはオブジェクトは、ワイルドカードなしで明示的に指定した場合を除いて、Oracle GoldenGateによる自動レプリケートは実施されません。
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"Q*" -
"SYSIBM" -
"SYSIBMADM" "SYSPROC"-
"SYSTOOLS" -
"#LIBRARY" -
"#RPGLIB"
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サポートされる文字セット
DB2 for i Extractのデフォルトの動作では、すべての文字データがUnicodeに変換されます。テキスト・データをUTF-8に変換するパフォーマンスのオーバーヘッドがかなり低減されています。ただし、データをそのネイティブ文字セットで送信する必要がある場合は、パラメータ DBOPTIONS USEDATABASEENCODINGを使用して、デフォルトの動作を上書きできます。
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