12 データベースのバックアップ、リストアおよびリカバリ

データベースのバックアップ操作、リストア操作およびリカバリ操作について確認します。

データベースのバックアップ・オプションとリカバリ・オプションについて

Oracle Database Applianceでデータベースをバックアップし、リストアおよびリカバリ機能を使用してデータベースを同じシステムまたは別のシステムにリストアするか、データベース・ファイルをリカバリします。

バックアップ・リカバリ計画の作成は、Oracle Database Applianceのデータベースをデータ損失から保護するために重要です。このようなデータ損失は、データベースの実行に必要なディスク・ファイルに対する読取りまたは書込みの失敗につながるディスクの物理的問題やユーザー・エラーによって発生します。バックアップ機能により、データベースのPITRリストア、SCNリカバリおよび最新リカバリを実行できます。バックアップ・ポリシーは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースで作成できます。

次のバックアップ・オプションを選択できます。

  • Oracle高速リカバリ領域(FRA)ディスクへのバックアップ(内部FRA)

  • Oracle Cloud Infrastructure Object Storage (Oracle Object Storage)へのバックアップ

  • ネットワーク・ファイル・システム(NFS)の場所へのバックアップ(外部FRA)

システムでバックアップ・ポリシーがアタッチされたデータベースでは、バックアップ、リストアおよびリカバリ機能を使用できます。バックアップの管理を選択すると、バックアップ、リストアおよびリカバリのオプションを設定できます。

バックアップ機能を使用すると、バックアップ・パラメータ(バックアップの場所、リカバリ・ウィンドウ、クロスチェックの有効化と無効化、ObjectStoreSwiftオブジェクトの詳細など)を使用したバックアップ・ポリシーを作成できます。新規および既存のデータベースには、日次バックアップを実行するためのバックアップ・ポリシーを作成してデータベースにアタッチできます。バックアップ・ポリシーがデータベースにアタッチされると、DCSエージェントはデータベースのデータベース・バックアップ・スケジューラとアーカイブ・ログ・バックアップ・スケジューラを自動的にスケジュール設定します。デフォルトでは、データベース・バックアップ・スケジューラの周期は1日に1回、アーカイブ・ログ・バックアップ・スケジューラの周期は30分です。データベース・バックアップ・スケジューラは毎週日曜日にレベル0のバックアップを実行して、月曜日から土曜日まではレベル1のバックアップを実行します。ただし、レベル0のバックアップ日は、デフォルトの日曜日から任意の曜日に変更できます。データベース・バックアップ・スケジューラとアーカイブ・ログ・バックアップ・スケジューラを編集することで、それらの無効化や頻度の変更ができます。

DCSエージェントは、バックアップごとにバックアップ・レポートを生成して保存します。バックアップ・レポートには、データベースのリカバリまたはリストアに必要なメタデータが含まれています。

Oracle Database Applianceのデータベースのリカバリは、RMANを使用したデータベースの完全または全体リカバリです。バックアップ・レポート、Point-in-Time (PITR)、システム変更番号(SCN)または最新バックアップからのリカバリが可能です。リカバリにバックアップ・レポートを使用すると、SCN値がバックアップ・レポートから読み取られてSCNリカバリが実行されます。データ・ブロック、表領域、データ・ファイル、PDBのリカバリについては、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス・ガイドを参照してください。

バックアップ・ポリシー

バックアップ・ポリシーでは、バックアップの詳細を定義します。バックアップ・ポリシーの作成時には、データベース・バックアップの保存先として内部FRA (ディスク)または外部FRA (NFSの場所)あるいはCloud Object Storageを定義して、リカバリ・ウィンドウを定義します。

バックアップおよびリカバリにOracle Object Storageを使用する場合は、ObjectStoreのリソースIDまたは名前が必要です。

バックアップ・ポリシーは、データベースの作成時にデータベースに割り当てることができます。バックアップ・ポリシーは既存のデータベースにアタッチできます。また、バックアップ・ポリシーは更新することもできます。

バックアップ・ポリシーの作成時には、圧縮アルゴリズムを指定することもできます。サポートされている圧縮アルゴリズムは、BASIC、LOW、MEDIUMおよびHIGHです。Objectstoreバックアップ・ポリシーでは、任意の圧縮アルゴリズムを指定できます。デフォルトでは、Objectstoreバックアップ・ポリシーの作成時に圧縮アルゴリズムを指定していないと、MEDIUM圧縮アルゴリズムが使用されます。デフォルトでは、ディスクまたはNFSバックアップ・ポリシーの作成時に圧縮アルゴリズムを指定していないと、BASIC圧縮アルゴリズムが使用されます。ディスクまたはNFSバックアップ・ポリシーにLOW、MEDIUM、またはHIGH圧縮アルゴリズムを使用する場合は、ライセンスに関する考慮事項があります。

バックアップ・レベル

バックアップ作成時にバックアップ・レベルを指定します。サポートされているバックアップ・レベルは、次のとおりです。

  • Level 0: このバックアップでは、データファイルのすべてのブロックを取得します。デフォルトでは、レベル0のバックアップが毎週日曜日に実行されます。バックアップの設定は、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドラインを使用してカスタマイズできます。レベル0バックアップは、完全バックアップであり、レベル1バックアップの親として使用されます。

  • Level 1: このバックアップは、各データファイルのバックアップ間で変更されたブロックのみを取得する増分バックアップです。デフォルトでは、月曜日から土曜日までの毎日レベル1のバックアップが実行され、データファイルで変更された各ブロックのイメージを取得します。レベル1バックアップは、差分バックアップです。このバックアップには、前回のレベル1またはレベル0バックアップからのブロックが含まれます。

  • LongTerm: このバックアップは、長期またはアーカイブのバックアップです。「LongTerm」は、バックアップの保存ポリシーから除外する包括的なバックアップを作成するために使用します。データベースのリストアとリカバリに必要なすべてのファイルが1つの場所にバックアップされるため、このバックアップは包括的になります。このバックアップは、リカバリ・ウィンドウで定義された保存ポリシーから除外されます。長期バックアップには、外部FRA (NFSの場所)またはObjectstoreバックアップ・ポリシーを使用する必要があります。

  • Archivelog: まだバックアップの保存先(内部FRA、外部FRA (NFSの場所)、Object Storeなど)にバックアップされていない、すべてのアーカイブ・ログのバックアップです。

AutoSchedulerは、レベル0バックアップ日(デフォルトでは日曜日)にレベル0のバックアップを作成し、それ以外の曜日にレベル1を作成します。スケジュールされたバックアップのリストの表示、バックアップ・スケジュールの編集、スケジュールされたバックアップの無効化が可能です。また、データベースのアーカイブ・ログ・バックアップ(デフォルトの周期は30分)も作成します。

ディスクへのバックアップ

ディスクにバックアップする場合は、ディスクのOracle高速リカバリ領域(FRA)を使用します。FRAは、Oracleデータベースでのバックアップ操作およびリカバリ操作を可能にするストレージ・ディレクトリです。このディレクトリには、アーカイブREDOログ、バックアップ・ピースとコピーおよび制御ファイルが格納されています。

ディスクへのバックアップには、次の利点があります。

  • ディスクに保存されたバックアップからの迅速なリカバリ

  • リカバリ関連ファイル(アーカイブ・ログなど)の管理の自動化

ノート:

  • ディスクへのバックアップ時には、TDE以外のデータベースのデータは暗号化されず、RMANバックアップの暗号化は不可能です。また、ディスクへのバックアップには大量のディスク領域(データベースのサイズの2倍から3倍)が必要です。
  • データベースがTDE対応の場合、RMANバックアップの暗号化パスワードは、バックアップの保存先に関係なく不要です。

ディスクを使用する場合、バックアップとリカバリのワークフローの概要は次のとおりです。

  1. バックアップ・ポリシーを作成して、ディスクの保存先(ディスク)とリカバリ・ウィンドウを定義します。

  2. データベースを作成し、そのデータベースにバックアップ・ポリシーをアタッチします。データベースにバックアップ・ポリシーが関連付けられると、アーカイブ・ログのバックアップとデータベースのバックアップが自動的に作成されます。

  3. 不要になったバックアップを管理します。

  4. ディスクのバックアップからデータベースをリカバリします。

外部FRA (ネットワーク・ファイル・システム)へのバックアップ

バックアップにネットワーク・ファイル・システム(NFS)の場所を指定すると、いつでもデータベース・バックアップを安全に格納または取得できます。

NFSバックアップの場所の使用には、次の利点があります。

  • NFSでは、ネットワーク上にローカル・ファイル・システムをマウントすることで、リモート・ファイルにローカルにアクセスできます。

  • 手動によるリフレッシュが不要な、一元化されたバックアップの場所が得られます。

  • ファイアウォールとKerberosを使用する拡張セキュリティのオプションをサポートします。

  • パスワードを使用した暗号化バックアップをサポートします。オプションで、バックアップ・パスワードを設定して、リストア操作時には同じパスワードを指定します。

  • RMANバックアップ暗号化パスワードは、TDEに対応していないデータベースに適用されます。データベースがTDE対応の場合、RMANバックアップのパスワードは、バックアップの保存先に関係なく不要です。

NFSの場所を使用する場合、バックアップとリカバリのワークフローの概要は次のとおりです。

  1. NFSの場所のマウント・ポイントを作成します。

    このマウント・ポイントは、両方のノードからアクセスできる必要があります。oracleユーザーには、そのNFSの場所に対する読取り/書込み権限が必要です。リモート・サーバーにリクエストする場合は、そのサーバーが実行中であることを確認します。マウント・ポイントを作成する手順については、「NFSバックアップの場所用のマント・ポイントの作成」を参照してください。

  2. NFSの場所と、NFSの宛先のリカバリ・ウィンドウを指定するバックアップ・ポリシーを作成します。

  3. このバックアップ・ポリシーは、データベースの作成時に関連付けるか、データベースのバックアップ・ポリシーを更新することで関連付けます。

  4. バックアップは自動的にスケジュールされますが、手動によるバックアップも実行できます。手動によるバックアップのオプションは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはODACLIコマンドを使用して指定できます。

  5. 不要になったバックアップを管理します。

  6. バックアップからリストアします。NFSにバックアップを保存すると、同じシステムまたは別のシステムにデータベースをリストアできます。

  7. NFSのバックアップからデータベースをリカバリします。

Oracle Object Storageへのバックアップ

Oracle Object Storageは、非常にセキュアでスケーラブルなストレージ・プラットフォームであり、データベースのバックアップをいつでも安全に格納または取得できます。データおよび関連するメタデータは、オブジェクトとして論理コンテナ(バケット)に格納されます。Oracle Database Applianceは、バックアップ・レポートと各バックアップを識別するための一意のIDを作成します。

Oracle Object Storageは、Oracle Cloud Infrastructure Identity and Access Managementと密接に統合されています。データ、データに関連付けられたユーザーの定義メタデータおよび暗号化キーは、256ビットのAdvanced Encryption Standard (AES- 256)を使用して自動的に暗号化されます。暗号化キーは定期的にローテーションされ、無効化することはできません。デフォルトでは、特定のリソースへのアクセス権を明示的に付与された認証されたユーザーのみが、Oracle Object Storageに格納されたデータにアクセスできます。データは、HTTPSプロトコルを使用するSSLエンドポイント経由でアップロードおよびダウンロードされます。

Oracle Object Storageにバックアップする場合は、バックアップ・ポリシーとOracle ObjectStoreSwift資格証明を使用します。この資格証明は、暗号化されたOracleウォレットに格納されます。この資格証明は、1つ以上のバックアップ・ポリシーにアタッチできます。

ノート:

資格証明は、Oracle Object Storageを使用するバックアップ・ポリシーを作成するときに検証されます。資格証明は、URLとテナンシに対しては検証されません。

Oracle Object Storageを使用する利点は、次のとおりです。

  • TDEに対応していないデータベースの場合、バックアップはパスワードを使用して暗号化されます。TDE対応のデータベースの場合、バックアップはデフォルトで暗号化されるため、RMANバックアップの暗号化パスワードを個別に指定する必要はありません。

    注意:

    バックアップの作成時に使用したパスワードは安全な場所に保存してください。このパスワードはリカバリ操作時に指定する必要があります。
  • バックアップからの迅速なリカバリ。Oracle Object Storageでは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、いつでも安全にクラウド・プラットフォームから直接データを格納または取得できます。

  • リカバリ関連ファイル(アーカイブ・ログなど)の管理の自動化

  • Oracle Object Storageは、オペレーティング・システムによって直接アクセスされることはありません。このストレージには、APIを使用してアプリケーション・レベルでアクセスします。

Oracle Object Storageを使用する場合、バックアップとリカバリのワークフローの概要は次のとおりです。

  1. 資格証明を使用してObject Storeオブジェクトを作成します。

  2. バックアップ・ポリシーを作成して、バックアップの場所(Object Store)、Object Store資格証明の名前、バックアップを格納するコンテナ(バケット)の名前およびリカバリ・ウィンドウを定義します。

  3. データベースを作成し、データベース作成の一環としてバックアップ・ポリシーをアタッチするか、データベースの作成後にバックアップ・ポリシーでデータベースを更新します。バックアップ・ポリシーがデータベースに関連付けられると、自動的にバックアップが作成されます。

  4. 不要になったバックアップを管理します。

  5. バックアップからリストアします。Oracle Object Storageにバックアップを保存すると、同じシステムまたは別のシステムにデータベースをリストアできます。

  6. Oracle Object Storageのバックアップからデータベースをリカバリします。

ノート:

このバックアップ・オプションを使用するには、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageアカウントを作成しておく必要があります。アカウントの作成時に、アカウント資格証明、エンド・ポイントURLおよびバケットを定義します。Oracle Storeにアクセスして、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageにサインアップしてください。

バックアップ・レポート

バックアップごとに生成されるバックアップ・レポートは、リカバリ・カタログと同様のものですが置換されません。このレポートには、データベースのリストアまたはリカバリに必要なOracle Database Applianceの情報とメタデータが含まれています。バックアップ・レポートは、データベースのリストアやリカバリに必要なすべての情報を追跡するように設計されています。

次に、レベル1のバックアップ・レポートの例を示します。

{
  "id" : "2d82460c-d648-4e75-8c7d-72cc90bc442a",
  "dbResId" : "b5fc646e-01a6-4c8b-8286-7633346c4329",
  "tag" : null,
  "dbId" : "2717054291",
  "dbName" : "HRDbO",
  "dbUniqueName" : "HRDbOu",
  "backupType" : "REGULAR-L1",
  "keepDays" : null,
  "backupLocation" : "https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/dbaasimage/backupbucket",
  "cfBackupHandle" : "c-2717054291-20171108-04",
  "spfBackupHandle" : "c-2717054291-20171108-04",
  "pitrTimeStamp" : "November 08, 2017 12:43:14 PM UTC",
  "pitrSCN" : "1175058",
  "resetLogsTimeStamp" : "November 08, 2017 09:55:34 AM UTC",
  "resetLogsSCN" : "1112268",
  "oraHomeVersion" : "12.2.0.1.170814 (26723265, 26609817)",
  "sqlPatches" : "25811364,26609817",
  "backupLogLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/dbaasimage/backupbucket/scaoda702c1n1/rmanlog/HRDbOu/2717054291/2017-11-08/rman_backup_2017-11-08_12-42-41.0545.log",
  "tdeWalletLoc" : null,
  "dbConfigLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/dbaasimage/backupbucket/scaoda702c1n1/dbconfig/HRDbOu/2717054291/2017-11-08/DBCONFIG_TAG20171108T124407_2017-11-08_12-44-07.0533.tar.gz",
  "name" : "Backup_Report_HRDbO",
  "createTime" : "November 08, 2017 12:42:08 PM UTC",
  "state" : {
    "status" : "CONFIGURED"
  },
  "updatedTime" : "November 08, 2017 12:44:12 PM UTC",
  "backupReportLogDetail" : "https://swiftobjectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com/v1/dbaasimage/backupbucket/scaoda702c1n1/rmandetaillogreport/HRDbOu/2717054291/2017-11-08/rman_list_backup_detail_2017-11-08_12-44-04.0362.log",
  "dbInfo" : {
    "dbClass" : "OLTP",
    "dbType" : "RAC",
    "dbShape" : "odb1",
    "dbEdition" : "EE",
    "dbStorage" : "ASM"
  },
  "dbDataSize" : "1542M",
  "dbRedoSize" : "16403M"
}

リカバリ・オプションについて

Oracle Database Applianceでは、リカバリは常にフル・データベースのリストアまたはリカバリを実行します。リカバリ・オプションには、LATEST、PITR、SCNおよびBackupReportがあります。

次に示すタイプのリカバリを使用できます。

  • LATEST: 完全リカバリを実行します(有効なバックアップおよび必要なアーカイブ・ログとオンラインREDOログのすべてが利用可能になっている必要があります)

  • PITR: データベースの現在のインカネーション内で指定されたタイムスタンプへのリカバリを実行するPoint-in-Timeリカバリ

  • SCN: データベースの現在のインカネーション内で指定されたSCNへの不完全リカバリを実行するSCNベースのリカバリ。

  • BackupReport: バックアップ・レポートのSCNに基づくリカバリを実行します。BackupReportオプションはSCNに似ていますが、このリカバリでは、指定のSCNではなくバックアップ・レポートのSCNが使用されます。

Point-in-Timeデータベース・リカバリ

Point-in-Timeリカバリ(PITR)では、データベースを特定の時点にリカバリします。このタイプのリカバリには、タイムスタンプを指定する必要があります。

Point-in-Timeリカバリは、多くの場合、次の状況で使用されます。

  • ユーザー・エラーまたは管理エラーの前のSCNまでデータベースをリカバリする場合。

  • 一部の必要なアーカイブREDOログが使用できなかったため、完全なデータベース・リカバリに失敗した場合。

  • データベースのアップグレードが失敗した場合。

  • 本番データベースのバックアップからテスト・データベースまたはレポート・データベースを作成する場合。

システム変更番号リカバリ

システム変更番号(SCN)は、ある時点でコミットされたデータベースのバージョンを定義するスタンプです。コミットされたトランザクションごとに、Oracleによって一意のSCNが割り当てられます。データベースは、最新の時間またはSCNにリカバリできます。

データベースは、目標の時刻より前に作成されたバックアップからリストアされてから、増分バックアップとログを適用することで、データ・ファイル・バックアップの時刻とリカバリの終了時点の間のすべての変更を再生成します。終了時点がSCNとして指定された場合、データベースは、REDOログを適用し、各REDOスレッドの後か指定したSCNのどちらかの早いほうで停止します。終了時点が時刻として指定された場合、データベースは、指定した時刻に適したSCNを内部的に判別して、そのSCNまでリカバリします。

SCNは、Oracleデータベースのデータ整合性を維持するための主要なメカニズムです。実行ごとに、SCNのカウントが増加します。次に、SCNを使用する領域の例を示します。

  1. REDOレコード。すべてのREDOレコードは、REDOヘッダーにREDOレコードのSCNバージョンを保持しています(REDOレコードのSCNは一意でないことがあります)。2つのスレッドからのREDOレコードがあるとすると(RACの場合など)、リカバリではレコードがSCNの順序で並べ替えられて、基本的に厳密な順序が維持されます。

  2. データ・ブロック。すべてのデータ・ブロックに、ブロックSCN (ブロック・バージョン)があります。さらに、REDOレコードの変更ベクトルにもブロックSCNが要求されます。これは、変更ベクトルがブロックの唯一のバージョンにのみ適用できることを意味します。コードでは、REDOレコードを適用する前に、変更ベクトルのターゲットSCNがブロックSCNと一致しているかどうかをチェックします。不一致があると、破損のエラーがスローされます。

  3. 読取り一貫性。すべての問合せには、問合せの開始時のSCNが含まれている問合せ環境があります。セッションでは、トランザクションのコミットSCNが問合せ環境のSCNよりも小さい場合にのみ、トランザクションの変更を確認できます。

  4. コミット。すべてのコミットでは、トランザクション境界をマークするSCN (コミットSCN)が生成されます。これはグループ・コミットでも発生することがあります。

アーカイブ・ログのリストア

データベース自動バックアップ・ポリシーのRegular-L0およびRegular-L1削除アーカイブ・ログは、Oracle Data Guardの構成や回復操作など、今後のプロセスで必要になることがあります。Oracle Database Applianceでは、データベースのアーカイブ・ログのリストアをサポートしています。アーカイブ・ログは、あるSCNから別のSCNにリストアすることも、あるタイムスタンプから別のタイムスタンプにリストアすることも選択できます。

コマンドodacli restore-archivelogを実行する際に、SCNまたはタイムスタンプ期間を指定します。

不要になったデータベース・バックアップ

不要になった古いバックアップは、削除することが重要です。データベース・バックアップ・ポリシーで定義したバックアップのタイプとリカバリ・ウィンドウによって、データベース・バックアップが不要になるタイミングが決まります。

レベル0およびレベル1のバックアップの場合は、特定のデータベース・リソース識別子に向けてコマンドodacli delete-backupを実行することで、定義されたリカバリ・ウィンドウに基づいて不要になったバックアップとバックアップ・レポートを削除します。

長期バックアップの場合は、それに対応するバックアップ・レポートを入力として指定して、コマンドodacli delete-backupを使用することで、Oracle Object StorageまたはNFSのバックアップの場所とコマンドで指定したバックアップ・レポートからバックアップを削除します。

通常、古いレベル0およびレベル1のデータベース・バックアップは、定義されたリカバリ・ウィンドウに基づいて不要になったものとみなされます。odacli delete-backupコマンドを実行すると、それに該当する不要なバックアップが削除されます。次に、定義されたリカバリ・ウィンドウを示します。
  • ディスク: 1から14日

  • Object Storage: 1から30日

NFSバックアップの場所用のマウント・ポイントの作成

NFSのバックアップとリカバリ・オプションを設定するために、ネットワーク・ファイル・システム(NFS)の場所用にマウント・ポイントを作成します。

次のステップを実行して、NFSの場所用にマウント・ポイントを作成します。
  1. 次のステップをソース・マシンで実行します。
    1. ソース・マシンに共有可能な場所を作成し、このディレクトリに完全な権限を付与します。
      # mkdir /tmp/nfs_test 
      chmod 774 /tmp/nfs_test 
    2. /etc/exportsファイルに、shared_location destination_IPs (permissions)という形式でエントリを追加します。
      次に例を示します。
      # cat /etc/exports
      /tmp/nfs_test 192.0.2.1(rw,sync)
      /tmp/nfs_test 192.0.2.2(rw,sync)
    3. ホストのNFSサーバーを再起動します。
      # service nfs  restart
    4. エントリについてエクスポート・リストを確認します。
      # showmount -e
      Export list for oda1:
      /tmp/nfs_test 192.0.2.1,192.0.2.2
  2. 次のステップをクライアント・マシンで実行します。
    1. oracleユーザーとして、クライアント・マシンにクライアントの場所を作成します。
      # sudo -E -u oracle mkdir /tmp/client_location
    2. この場所は、mount_server:source_folder client_locationという形式でソースの場所にマウントします。
      # mount -t nfs 192.0.2.3:/tmp/nfs_test /tmp/client_location
    3. マウントの詳細に間違いがないことを確認します。
      # mount 
      192.0.2.3:/tmp/nfs_test on /tmp/client_location type nfs 
      (rw,vers=4,addr=192.0.2.3,clientaddr=192.0.2.2)
      
ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはCLIコマンドのいずれかを使用して、このNFSの場所をバックアップ構成で指定します。

Object Storeアクセスのためのエージェント・プロキシ設定の構成

Oracle Database Applianceサーバーでプロキシ設定することでのみObject StoreのIPアドレスにアクセスできる場合は、Object Storeにエージェントがアクセスできるようにエージェントのプロキシ設定を定義します。

Object Storeの場所を使用するバックアップ・ポリシーを作成するには、エージェントがObject Store URLにアクセスできるようにしておく必要があります。
  1. update-agentconfig-parametersコマンドで、HttpProxyHostHttpProxyPortの設定を定義します。
     # odacli update-agentconfig-parameters -n HttpProxyHost -v www-proxy.test.com -n HttpProxyPort -v 80 -u
    
    Job details
    ----------------------------------------------------------------
    ID: 0b0cbf9b-b0ab-4523-a096-5da4e48fc825
    Description: Update agent configuration parameter values [HttpProxyHost, HttpProxyPort]
    Status: Created
    Created: October 23, 2018 4:56:53 PM IST
    Message:
    
    Task Name Start Time End Time Status
    ----------------------------------------

    update-agentconfig-parametersコマンドの使用方法の詳細は、「Oracle Database Applianceコマンドライン・インタフェース」を参照してください。

  2. 更新の成功を確認します。
    # odacli describe-job -i 0b0cbf9b-b0ab-4523-a096-5da4e48fc825
    
    Job details
    ----------------------------------------------------------------
    ID: 0b0cbf9b-b0ab-4523-a096-5da4e48fc825
    Description: Update agent configuration parameter values [HttpProxyHost, HttpProxyPort]
    Status: Success
    Created: October 23, 2018 4:56:53 PM IST
    Message:
    
    Task Name Start Time End Time Status
  3. list-agentconfigParametersコマンドを実行して、プロキシ設定の変更を確認します。
    # odacli list-agentConfigParameters
    
    Name Value Description Updated
    ------------------------------ ----------------------------------------
    HttpProxyHost www-proxy.test.com October 23, 2018 4:56:53 PM IST
    HttpProxyPort 80 October 23, 2018 4:56:53 PM IST
    HttpsProxyHost Https proxy server host October 23, 2018 12:23:21 AM IST
    HttpsProxyPort Https proxy server port October 23, 2018 12:23:21 AM IST
    OSPatchRepos Repo list for OS patching October 23, 2018 12:23:21 AM IST
この時点で、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して、バックアップにObjectStoreの場所を使用するバックアップ・ポリシーを作成できます。

データベース・バックアップ・ポリシーの作成

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、内部または外部のOracle高速リカバリ領域(FRA)の場所またはObject Storeにデータベースをバックアップするポリシーの作成方法について説明します。

バックアップ・ポリシーでは、バックアップを格納する場所やリカバリ・ウィンドウなどのバックアップを定義します。ディスクへのバックアップには大量のディスク領域(データベース・サイズの2倍から3倍)が必要です。

次のステップを実行して、ブラウザ・ユーザー・インタフェースからバックアップ・ポリシーを作成します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Database」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションで「Backup Policy」をクリックして、バックアップ・ポリシーのリストを表示します。
  3. 「Create Backup Policy」をクリックします。
  4. バックアップ・ポリシーの名前を入力して、リカバリ・ウィンドウの日数を選択します。「Enable Crosscheck」を選択して、ディスクまたはメディア管理カタログのファイルがRMANリポジトリのデータに対応しているかどうかを確認します。デフォルトでは、「Enable Compression」チェック・ボックスが選択されています。このオプションを選択することで、バックアップが圧縮されます。バックアップ先として、次のいずれかを選択します。
    • ディスクにバックアップする場合は、バックアップの保存先として「Internal FRA」を選択します。
    • クラウドにバックアップする場合は、バックアップ先として「ObjectStore」を選択します。複数のObject Storeがある場合は、リストからObject Storeの資格証明名を選択します。「Container Name」フィールドに名前を入力します。
    • NFSの場所にバックアップする場合は、バックアップの保存先として「External FRA」を選択して、NFSマウント・ポイントの場所を指定します。
    • バックアップ先を定義しない場合は、「None」を選択します。
    バックアップ・ポリシーの名前は、英文字で始まる必要があり、英数字のみを使用できます。
  5. バックアップ構成をTDE対応のデータベースに関連付けるには、「TDE Wallet Backup Location」を指定する必要があります。
  6. 「Create」をクリックします。「Yes」をクリックして、バックアップ・ポリシーの作成を確定します。
    ジョブへのリンクが表示されます。このジョブが正常に完了すると、バックアップ構成の準備が整います。
既存のデータベースを更新し、IDまたは名前を使用してバックアップ構成をデータベースにアタッチします。バックアップ構成をデータベースにアタッチすると、DCSエージェントはデータベースの日次自動バックアップとデータベースのアーカイブ・ログの自動バックアップをスケジュールします。

バックアップ・ポリシーによるデータベースの更新

データベースにバックアップ・ポリシーをアタッチして、データベースのバックアップ属性とバックアップ先を定義します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで、「Database」タブをクリックします。
  2. 変更するデータベースに対して、「Actions」ドロップダウン・リストで「Modify」を選択します。
  3. 「Modify Database」ページで、「Select Backup Policy」ドロップダウン・リストからバックアップ・ポリシーを選択します。
  4. 「Backup Encryption Password」を指定して確認します。
  5. 「Modify」をクリックしてジョブを発行します。
  6. 「Activity」タブをクリックして、ジョブ・ステータスを確認します。
    ジョブが正常に完了すると、データベースにバックアップ・ポリシーが関連付けられます。

バックアップ・ポリシーの更新

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、リカバリ・ウィンドウの更新、ObjectStore資格証明の変更、バックアップ・ポリシーのクロスチェック・オプションの変更を実施します。

クロスチェックにより、ディスク上のファイルがRMANリポジトリのデータに対応しているかどうかを確認します。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Database」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションで「Backup Policy」をクリックして、バックアップ・ポリシーのリストを表示します。
  3. バックアップ・ポリシーの「Actions」メニューを展開して、「Update」をクリックします。
  4. リカバリ・ウィンドウを変更する場合は、上矢印または下矢印を使用して日数を変更します。
  5. クロスチェックを有効または無効にするには、「Enable Crosscheck」を選択するか、その選択を解除します。
  6. 「Update」をクリックします。「Yes」をクリックして、バックアップ・ポリシーの更新を確定します。
    ジョブへのリンクが表示されます。このジョブが正常に完了すると、バックアップ構成の準備が整います。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したデータベースのバックアップ

データベースへのバックアップ・ポリシーの適用、手動バックアップの作成、データベース・バックアップ・スケジュールの更新、またはアーカイブ・ログ・バックアップ・スケジューラの更新を実施します。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースは、データベース・バックアップの作成に使用できます。コマンドライン・インタフェースで、指定したデータベースにコマンドodacli create-backupを使用します。
データベース・バックアップの作成前に、バックアップ・ポリシーが必要になります。バックアップ・ポリシーでは、リカバリ・ウィンドウおよびバックアップ先を定義します。バックアップ・ポリシーはデータベースに関連付ける必要があります。この関連付けがないと、バックアップを作成できません。

次のステップを実行して、ブラウザ・ユーザー・インタフェースからデータベースをバックアップします。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで、「Database」タブをクリックします。
  2. データベース名をクリックし、リストからデータベースを選択します。
  3. バックアップ・ポリシー名とバックアップ先の詳細を含むデータベース情報を確認します。データベースのバックアップ・ポリシーを選択するには、「Apply Backup Policy」をクリックします。ポリシーを選択して、「Backup Encryption Password」を指定します。TDE対応のデータベースの場合、バックアップはデフォルトで暗号化されるため、RMANバックアップの暗号化パスワードを個別に指定する必要はありません。TDEに対応していないデータベースの場合、「Backup Encryption Password」は、Objectstoreのバックアップ保存先に対して必須であり、NFSのバックアップ保存先に対してはオプションです。ディスクのバックアップ保存先の場合は必要ありません。
  4. 「Manual Backup」「Update Database Backup Schedule」または「Update Archive Log Backup Schedule」をクリックします。
    このアクションが無効になっている場合は、バックアップ・ポリシーを適用します。
  5. 「Yes」をクリックしてジョブを確定します。
    ジョブへのリンクが表示されます。このジョブが正常に完了すると、バックアップの準備が整います。バックアップのリストがページの下部に表示されます。

バックアップ・レポートの表示

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してバックアップ・レポートを表示する方法について説明します。

レポートは、データベース・バックアップの実行時に生成されます。バックアップ・レポートには、バックアップのタイプ、場所、日付およびタイムスタンプが一覧表示されます。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで、「Database」タブをクリックして、データベースのリストにあるデータベース名をクリックします。
    データベースに関する情報は、「Database Information」ページに表示されます。
  2. ページの下部までスクロールし、バックアップのリストを表示します。
  3. バックアップのジョブIDをクリックして、バックアップ・レポートを表示し、バックアップに関する詳細を確認します。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したデータベースのリカバリ

データベースのリカバリに使用できるリカバリ・オプションについて説明します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースで、「Database」タブをクリックし、リストからデータベースを選択します。
  2. 「Database Information」ページで、「Recover」をクリックします。
  3. 「Recover Database」ページで、次のいずれかのリカバリ・オプションを選択します。

    Recover Full Database to the specified Backup: データベースのリカバリ元にする既存のバックアップを選択します

    Recover Full Database to the Latest: このオプションは、過去の正常な状態(データ損失の可能性が最も低い状態)からデータベースをリカバリする場合に選択します。

    Recover Full Database to the specified Timestamp: データベースをリカバリするタイムスタンプを指定します。

    Recover Full Database to the System Change Number (SCN): データベースのリカバリ元にするバックアップのSCNを指定します。

  4. 透過的データベース暗号化(TDE)に対応していないデータベースには、「Backup Encryption Password」を指定して確定します。
  5. データベースがTDE対応の場合は、「TDE Wallet Backup Location」フィールドと「TDE Password」フィールドが表示されます。
  6. 「Activity」タブをクリックして、ジョブ・ステータスを確認します。
    このジョブが正常に完了すると、指定したリカバリ・オプションに応じてデータベースがリカバリされます。

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用したバックアップの削除

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用してデータベースのバックアップを削除します。

Level-0、Level-1およびアーカイブ・ログのバックアップは、いつでも削除できます。長期バックアップを削除するには、データベースのバックアップ・レポートを確認して、バックアップが不要になる時期を判断する必要があります。
  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Database」タブをクリックします。
  2. 青いフォントのデータベース名をクリックして、バックアップを削除するデータベースの詳細を表示します。
  3. 「Delete Backups」をクリックします。
  4. 削除するバックアップのタイプ(Level-0、Level-1およびアーカイブ・ログ・バックアップまたは長期バックアップ)を選択して、「Start」をクリックします。「Yes」をクリックして、バックアップの削除を確定します。
    ジョブへのリンクが表示されます。このジョブが正常に完了すると、バックアップが削除されます。

バックアップ・ポリシーの削除

ブラウザ・ユーザー・インタフェースを使用して、データベースのバックアップ・ポリシーを削除します。

  1. ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Database」タブをクリックします。
  2. 左側のナビゲーションで「Backup Policy」をクリックして、バックアップ・ポリシーのリストを表示します。
  3. バックアップ・ポリシーの「Actions」メニューを展開して、「Delete」をクリックします。「Yes」をクリックして、バックアップ・ポリシーの削除を確定します。
    ジョブへのリンクが表示されます。このジョブが正常に完了すると、バックアップ・ポリシーが削除されます。

CLIを使用したバックアップ、リストアおよびリカバリ

データベースのバックアップ、リストアおよびリカバリに、コマンドライン・インタフェースを使用します。

ディスクへのデータベース・バックアップの準備

コマンドライン・インタフェースを使用して、ディスクのOracle高速リカバリ領域(FRA)にデータベースをバックアップするポリシーを作成します。

バックアップ・ポリシーは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して作成できます。ほとんどのバックアップおよびリカバリ・コマンドでは、データベースを識別するためのリソース名またはリソースIDを指定できます。

ディスクへのバックアップまたはブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Backup to Internal FRA」オプションには、大量のディスク領域(データベース・サイズの2倍から3倍)が必要です。

次のステップを実行して、コマンドライン・インタフェースからバックアップ・ポリシーを作成します。

  1. コマンドodacli create-backupconfigを使用することで、BackupConfigオブジェクト(バックアップ構成)を作成します。
    バックアップ構成では、バックアップを格納する場所やリカバリ・ウィンドウなどのバックアップを定義します。

    次の例では、diskへのバックアップと1日間のリカバリ・ウィンドウを設定したmkg1dailydiskというバックアップ構成を作成します。

    # odacli create-backupconfig -d Disk -n mkg1dailydisk -w 1
  2. ジョブのステータスを確認します。
    # odacli describe-job -i job_id_from_step1
    このジョブが正常に完了すると、バックアップ構成の準備が整います。
  3. 既存のデータベースを更新し、IDまたは名前を使用してバックアップ構成をデータベースにアタッチします。
    データベースにバックアップ構成をアタッチすると、DCSエージェントはデータベースの日次自動バックアップとデータベースのアーカイブ・ログの自動バックアップをスケジュールします。

    次の例では、データベース・リソースIDとバックアップ構成IDを使用します。

    # odacli modify-database -i d3c4d8f6-5eb7-4f9e-ab27-7bdd5013ac90 -bi 9d942e0a-ba00-4cbc-9bfb-0de83ed279e5 -bp 

    次の例では、データベース・リソース名のmydbとバックアップ構成名のmydbを使用します。

    # odacli modify-database -in mydb -bin mybcfg

NFSの場所へのデータベース・バックアップの準備

コマンドライン・インタフェースを使用して、外部FRA (NFSの場所)にデータベースをバックアップするポリシーを作成します。

バックアップ・ポリシーは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースを使用して作成できます。ほとんどのバックアップおよびリカバリ・コマンドでは、データベースを識別するためのリソース名またはリソースIDを指定できます。

NFSの場所へのバックアップまたはブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Backup to External FRA」オプションには、NFSマウント・ポイントの作成が必要になります。

次のステップを実行して、コマンドライン・インタフェースからバックアップ・ポリシーを作成します。

  1. コマンドodacli create-backupconfigを使用することで、BackupConfigオブジェクト(バックアップ構成)を作成します。
    バックアップ構成では、バックアップを格納する場所やリカバリ・ウィンドウなどのバックアップを定義します。

    次の例では、diskへのバックアップと1日間のリカバリ・ウィンドウを設定したmkg1dailynfsというバックアップ構成を作成します。

    # odacli create-backupconfig -d NFS -n mkg1dailynfs -c absolute-path-to-parent-directory-for-NFS-destination -w 1
  2. ジョブのステータスを確認します。
    # odacli describe-job -i job_id_from_step1
    このジョブが正常に完了すると、バックアップ構成の準備が整います。
  3. (オプション)既存のデータベースを更新し、IDまたは名前を使用してバックアップ構成をデータベースにアタッチします。
    データベースにバックアップ構成をアタッチすると、DCSエージェントはデータベースの日次自動バックアップとデータベースのアーカイブ・ログの自動バックアップをスケジュールします。

    次の例では、データベース・リソースIDとバックアップ構成IDを使用します。

    #  odacli modify-database -i d3c4d8f6-5eb7-4f9e-ab27-7bdd5013ac90 -bi 9d942e0a-ba00-4cbc-9bfb-0de83ed279e5 -bp 

    次の例では、データベース・リソース名のmydbとバックアップ構成名のmydbを使用します。

    # odacli modify-database -in mydb -bin mybcfg -bp
    バックアップ・パスワードを指定する-bpオプションは任意であり、TDE対応のデータベースには適用されません。

Oracle Cloudへのデータベース・バックアップの準備

データベースをOracle Cloud Infrastructure Object Storageにバックアップするためのバックアップ構成を作成します。

Oracle Object Storageへのバックアップの前には、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageアカウントにサインアップして、Oracle Object Storage資格証明を知っておく必要があります。Oracle ObjectStoreSwiftオブジェクトを作成すると、コマンドによって資格証明の詳細がシステムに作成および格納され、パスワードが暗号化されたOracleウォレットに格納されます。このOracleウォレットに、Oracle Object Storageのパスワードが格納されます。

Oracle Storeにアクセスして、Oracle Cloud Infrastructure Object Storageにサインアップします。

  1. コマンドcreate-objectstoreswiftを使用して、Oracle ObjectStoreSwiftオブジェクトを作成します。
    # odacli  create-objectstoreswift -e swift end point URL -n Object Store Swift name -t Object Store tenant name -u Object Store user name

    次に例を示します。

    # odacli create-objectstoreswift -e https://swiftobjectstorage.r1.oracleiaas.com/v1 -n ossn1 -t mytenant -u user.name@example.com
    この出力には、ObjectStoreSwift資格証明を識別するobjectstoreswiftリソースIDが含まれています。
  2. コマンドodacli create-backupconfigを使用することで、BackupConfigオブジェクト(バックアップ構成)を作成します。
    バックアップ構成では、バックアップの格納先の場所(コンテナ)、リカバリ・ウィンドウ、暗号化されたOracleウォレットに定義されている資格証明などを含むバックアップを定義します。

    次の例では、ObjectStoreへのバックアップを設定したhr_7d_cloudという名前のバックアップ構成を作成します。バックアップの各パラメータにより、コンテナはhr_bucket、クロスチェックは有効化しない、リカバリ・ウィンドウは7日間と定義され、バックアップ構成にObjectStoreSwiftObjectをアタッチするObjectStoreSwiftリソースIDが指定されています。

     # odacli  create-backupconfig  -n hr_7d_cloud -d ObjectStore -w 7 -o b974f006-5503-4949-ab6c-6f1a56e4ac37 -c hr_bucket -no-cr  

    ノート:

    ObjectstoreSwiftオブジェクトの作成に有効な資格証明が使用されていないと、バックアップ構成の作成が失敗します。
  3. ジョブのステータスを確認します。
    odacli describe-job -i job_id_from_step2
    このジョブが正常に完了すると、バックアップ構成の準備が整います。
  4. 既存のデータベースを更新して、データベースにバックアップ構成をアタッチします。
    データベースにバックアップ構成をアタッチすると、DCSエージェントはデータベースの日次自動バックアップとデータベースのアーカイブ・ログの自動バックアップをスケジュールします。
    # odacli modify-database -i e3c4d8f6-5eb7-4f9e-ab27-7bdd5013ac10 -bi 7d942e0a-ba00-4cbc-9bfb-0de83ed279e5 -bp 

ノート:

新しいデータベースの作成時には、そのデータベースを任意のタイプのバックアップ構成に関連付けできます。

CLIによるデータベースのバックアップ

コマンドライン・インタフェースを使用して、レベル0、レベル1、LongTermデータベース・バックアップまたはアーカイブ・ログ・バックアップを作成します。

データベース・バックアップはブラウザ・ユーザー・インタフェースまたはコマンドライン・インタフェースで作成できます。データベースにバックアップ構成オブジェクトをアタッチすると、DCSエージェントは自動的にデータベースの日次バックアップをスケジュールします。日付と時刻は、Oracle Database Applianceのタイム・ゾーンに基づきます。AutoScheduleは、毎週日曜日にレベル0のバックアップと、それ以外の6日間にレベル1のバックアップをトリガーします。また、30分ごとのアーカイブ・ログ・バックアップもトリガーします。コマンドodacli update-scheduleを使用して、スケジュールされたバックアップ時間を無効化または変更します。

長期データベース・バックアップや自動バックアップ以外のレベル0またはレベル1のバックアップを作成するには、コマンドodacli create-backupを使用します。

ノート:

データベースをリカバリする場合は、レベル0のバックアップを作成することで、バックアップ・レポートにベース・バックアップに関する情報が含まれるようにします。データベースを同じシステムに異なるDB名とDB一意名でリストアする場合や別のシステムにリストアする場合は、長期データベース・バックアップ・レポートが不要なこともあります。アーカイブ・ログ、レベル0またはレベル1のバックアップ・レポートを使用することもできます。アーカイブ・ログ・バックアップ・レポートを使用する場合、以前のデータベース・バックアップが存在している必要があります。別のシステムにデータベースをリストアするには、Oracle Object Storageに長期データベース・バックアップあることが必要です。
  1. バックアップ構成オブジェクトがデータベースに関連付けられていることを確認します。
  2. コマンドodacli create-backupを使用して、自動バックアップ以外の単一のバックアップを作成します。
    データベース・リソースIDまたはデータベース名を使用してバックアップするデータベースを特定し、バックアップのタイプを指定し、タグを使用してバックアップの名前を作成します。バックアップ名のタグには、最大30文字の英数字を使用できます。たとえば、リソースIDが20576eb1-bc32-4e34-bf97-fda0b60ca15b2018Jan02_HRLevel0という名前のレベル0のバックアップを作成するとします
    # odacli create-backup -i 20576eb1-bc32-4e34-bf97-fda0b60ca15b -bt Regular-L0 -t 2018Jan02_HRLevel0
    このジョブが終了すると、バックアップのバックアップ・レポートが生成されます。そのレポートには、データベースのリカバリに必要なメタデータがすべて含まれています。
  3. (オプション)バックアップ・レポートのリストを表示します。
    # odacli list-backupreports 

CLIによるデータベースのリカバリ

バックアップ・レポート、Point-in-Timeリカバリ(PITR)、システム変更番号(SCN)または最新のバックアップ時刻を使用して、データベースをシステムにリカバリします。

Oracle Database Applianceのデータベースのリカバリは、完全RMANデータベース・リカバリです。

バックアップ・レポートからのリカバリには、そのバックアップ・レポートに応じたJSON入力が必要です。

TDE対応データベースのリカバリ時には、バックアップ・パスワードを指定する必要がありません。

  1. バックアップ・レポートのリストを表示し、データベースの最新バックアップ・レポートを見つけて、バックアップ・レポートIDを保存します。
    # odacli list-backupreports
  2. バックアップ・レポートIDを使用することで、バックアップ・レポートの詳細を表示します。データベースのリカバリ方法(PITR、SCNまたは最新)を決定して、バックアップ・レポートから必要な情報を見つけます。
    # odacli describe-backupreport -i 7fbb06bf-e3a3-4aed-b617-4d1cd3d33387
    {
      "id" : "7fbb06bf-e3a3-4aed-b617-4d1cd3d33387",
      "dbResId" : "4903d18a-6c20-4860-9ed0-d2ea7bd3d7b9",
      "tag" : "auto", 
      "dbId" : "3022438697",
      "dbName" : "tdbasm1",
      "dbUniqueName" : "tdbasm1",
      "backupType" : "regular-l0",
      "keepDays" : null,
      "backupLocation" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups",
      "cfBackupHandle" : "c-3022438697-20201022-03",
      "spfBackupHandle" : "c-3022438697-20201022-03",
      "pitrTimeStamp" : "October 22, 2020 07:51:59 AM UTC",
      "pitrSCN" : "2549429",
      "resetLogsTimeStamp" : "October 22, 2020 05:23:56 AM UTC",
      "resetLogsSCN" : "2510142",
      "oraHomeVersion" : "19.8.0.0.200714",
      "sqlPatches" : "31281355",
      "backupLogLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/rmanlog/2020-10-22/rman_backup_auto_2020-10-22_07-51-06.0546.log",
      "tdeWalletLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/TestLtBackupFailur/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/tdewallet/ewallet_2020102207525186_tdbasm1.p12",
      "dbConfigLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/dbconfig/2020-10-22/DBCONFIG_auto_2020-10-22_07-52-43.0230.tar.gz",
      "name" : "Backup_Report_tdbasm1",
      "createTime" : "October 22, 2020 07:51:03 AM UTC",
      "state" : {
        "status" : "CONFIGURED"
      },
      "updatedTime" : "October 22, 2020 07:52:55 AM UTC",
      "backupReportLogDetail" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/rmandetaillogreport/2020-10-22/rman_list_backup_detail_auto_2020-10-22_07-52-33.0919.log",
      "dbInfo" : {
        "dbClass" : "OLTP",
        "dbType" : "SI",
        "dbShape" : "odb1",
        "dbEdition" : "EE",
        "dbStorage" : "ASM",
        "dbRedundancy" : null,
        "pdbName" : null,
        "isCdb" : false
      },
      "dbDataSize" : "1662M",
      "dbRedoSize" : "12298M",
      "rmanBackupPieces" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/backuppieces/2020-10-22/backupPieces_auto_4903d18a-6c20-4860-9ed0-d2ea7bd3d7b9_20201022075238.json",
      "compressionAlgo" : "MEDIUM",
      "cpuPool" : null,
      "numberOfCores" : null
    }
  3. バックアップ・レポートからSCNに基づいてリカバリするには、データベースIDとリカバリ用のバックアップ・レポートを指定します。

    次の例では、backupreport.jsonがバックアップ・レポート用のJSON入力ファイルです。

    # odacli recover-database -i b5fc646e-01a6-4c8b-8286-7633346c4 -br backupreport.json
  4. PITRに基づいてリカバリする場合は、データベースIDとリカバリの日時スタンプを指定します。
    # odacli recover-database -i b5fc646e-01a6-4c8b-8286-7633346c4 -t PITR -r 01/08/2018 12:57:33
  5. SCNに基づいてリカバリする場合は、データベースIDとSCN番号を指定します。
    # odacli recover-database -i b5fc646e-01a6-4c8b-8286-7633346c4 -t SCN -s 392375947
  6. 最新バックアップに基づいてリカバリする場合は、データベースIDを指定して、「Latest」オプションを使用します。
    # odacli recover-database -i b5fc646e-01a6-4c8b-8286-7633346c4 -t Latest
  7. ジョブの完了を確認します。ジョブは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Activity」タブで追跡できます。また、ジョブIDを指定してコマンドodacli describe-jobを実行することでも追跡できます。
    # odacli describe-job -i jobId
    このジョブが正常に完了すると、リカバリが完了します。

ノート:

データベース・バックアップがRMANバックアップ・パスワードを使用して暗号化されている場合にのみ、-pオプションを使用します。TDE対応のデータベースには、-pオプションは適用できません。

CLIによるデータベースのリストア

バックアップ・レポートとコマンドライン・インタフェースを使用して、Oracle Object StorageまたはNFSのバックアップの場所からシステムにデータベースをリストアできます。

データベースをリストアすると、環境および検証のチェックと設定のタスクが実行されます。データベースのリストアには、多数のタスクと構成詳細が必要になります。たとえば、データベース・ストレージの作成、Oracleホームの作成、制御ファイルの再作成、データベースの登録、RMANのリストアおよびリカバリの確立などが必要です。Oracle Database Applianceのバックアップ・レポートは、バックアップごとに生成されるもので、データベースのリストアに必要なメタデータが含まれます。このレポートは、データベースを迅速で効率的にリストアできるように設計されています。

データベースは、あるアプライアンスから別のアプライアンスにリストアできます。また、ソース・データベースの削除時には、同じアプライアンスにリストアできます。

  • 別のシステムにリストアする場合は、コマンドodacli create-backupで生成したバックアップ・レポートを別のマシンの任意のフォルダにコピーして、バックアップ・レポートを指定したコマンドodacli irestore-databaseを使用します。コマンドodacli irestore-databaseの実行時には、バックアップ・レポートの完全な場所を指定する必要があります。

  • 同じシステムにリストアする場合は、ソース・データベースを削除して、コマンドodacli create-backupで生成したバックアップ・レポートを使用します。

Object Storeバックアップからデータベースをリストアする場合は、そのバックアップに対応するバックアップ・レポートがターゲット・システムに存在する必要があります。また、Object Storeバックアップにアクセスできる資格証明を持つObjectStoreSwiftオブジェクトを作成しておき、データベースのリストア時に指定する必要があります。

ノート:

Standard Edition Oracle Database 19c以降の場合、Oracle RACまたはOracle RAC One Node Databaseのリストアはできません。

次のステップを実行し、コマンドライン(CLI)を使用してデータベースをリストアします。

  1. バックアップ・レポートのリストを表示し、Oracle Object Storage内にあるデータベースの最新バックアップ・レポートを見つけて、バックアップ・レポートIDを保存します。
    # odacli list-backupreports
  2. 最新のバックアップ・レポートIDを使用することで、バックアップ・レポートの詳細を表示します。
    #  odacli  describe-backupreport -i 7fbb06bf-e3a3-4aed-b617-4d1cd3d33387
    {
      "id" : "7fbb06bf-e3a3-4aed-b617-4d1cd3d33387",
      "dbResId" : "4903d18a-6c20-4860-9ed0-d2ea7bd3d7b9",
      "tag" : "auto", 
      "dbId" : "3022438697",
      "dbName" : "tdbasm1",
      "dbUniqueName" : "tdbasm1",
      "backupType" : "regular-l0",
      "keepDays" : null,
      "backupLocation" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups",
      "cfBackupHandle" : "c-3022438697-20201022-03",
      "spfBackupHandle" : "c-3022438697-20201022-03",
      "pitrTimeStamp" : "October 22, 2020 07:51:59 AM UTC",
      "pitrSCN" : "2549429",
      "resetLogsTimeStamp" : "October 22, 2020 05:23:56 AM UTC",
      "resetLogsSCN" : "2510142",
      "oraHomeVersion" : "19.8.0.0.200714",
      "sqlPatches" : "31281355",
      "backupLogLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/rmanlog/2020-10-22/rman_backup_auto_2020-10-22_07-51-06.0546.log",
      "tdeWalletLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/TestLtBackupFailur/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/tdewallet/ewallet_2020102207525186_tdbasm1.p12",
      "dbConfigLoc" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/dbconfig/2020-10-22/DBCONFIG_auto_2020-10-22_07-52-43.0230.tar.gz",
      "name" : "Backup_Report_tdbasm1",
      "createTime" : "October 22, 2020 07:51:03 AM UTC",
      "state" : {
        "status" : "CONFIGURED"
      },
      "updatedTime" : "October 22, 2020 07:52:55 AM UTC",
      "backupReportLogDetail" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/rmandetaillogreport/2020-10-22/rman_list_backup_detail_auto_2020-10-22_07-52-33.0919.log",
      "dbInfo" : {
        "dbClass" : "OLTP",
        "dbType" : "SI",
        "dbShape" : "odb1",
        "dbEdition" : "EE",
        "dbStorage" : "ASM",
        "dbRedundancy" : null,
        "pdbName" : null,
        "isCdb" : false
      },
      "dbDataSize" : "1662M",
      "dbRedoSize" : "12298M",
      "rmanBackupPieces" : "https://swiftobjectstorage.us-ashburn-1.oraclecloud.com/v1/paasdevdbcssi/Bha_Backups/scaoda8s002-c/database/3022438697/tdbasm1/backuppieces/2020-10-22/backupPieces_auto_4903d18a-6c20-4860-9ed0-d2ea7bd3d7b9_20201022075238.json",
      "compressionAlgo" : "MEDIUM",
      "cpuPool" : null,
      "numberOfCores" : null
    }
  3. (オプション)新しいバックアップ・レポートを生成する必要がある場合は、odacli create-backupコマンドを使用します。
    # odacli create-backup
  4. データベース・バックアップに対応するSwift Object Store資格証明IDを見つけます。
    # odacli list-objectstoreswifts 
  5. バックアップ・レポートをJSONファイルとしてアプライアンスの任意のディレクトリに保存します。たとえば、backupreport.jsonとします。
  6. コマンドodacli irestore-databaseでJSONファイルを使用して、システムにデータベースをリストアします。このJSONファイルへの絶対パスを指定する必要があります。
    コマンドを実行して、要求に応じてSYSユーザー・パスワードを入力します。
    # odacli irestore-database -r backupreport.json -oid Object Store ID
    TDE対応データベースをリストアする場合は、TDEウォレットのパスワードを指定する必要があります。コマンドodacli irestore-databaseに、-tオプションを指定する必要があります。ソース・データベースがTDE対応の場合は、リストアされたターゲット・データベースもTDE対応になります。
  7. ジョブの完了を確認します。ジョブは、ブラウザ・ユーザー・インタフェースの「Activity」タブで追跡できます。また、ジョブIDを指定してコマンドodacli describe-jobを実行することでも追跡できます。
    # odacli describe-job -i jobId

CLIによるアーカイブ・ログのリストア

コマンドライン・インタフェースを使用して、あるSCNから別のSCNにアーカイブ・ログをリストアすることも、あるタイムスタンプから別のタイムスタンプにアーカイブ・ログをリストアすることもできます。

次のステップを実行し、コマンドライン(CLI)を使用してアーカイブ・ログをリストアします。

  1. 次のようにして、あるSCNから別のSCNにアーカイブ・ログをリストアするか、あるタイムスタンプから別のタイムスタンプにリストアします。
    # odacli restore-archivelog -fs from_scn -ts to_scn 
    # odacli restore-archivelog -ft from_timestamp -tt to_timestamp 

CLIによるバックアップの削除

古く不要になったレベル0、レベル1および長期バックアップを削除します。

レベル0およびレベル1のバックアップについては、バックアップ構成で定義されたリカバリ・ウィンドウによって、バックアップが不要になる時期が決まります。この範囲は次のとおりです。

  • ディスクへのバックアップ: 1日から14日間

  • Oracle Object Storageへのバックアップ: 1日から31日間

Oracle Object Storageへの長期バックアップについては、データベースのバックアップ・レポートを表示して、バックアップが不要になる時期を確認します。長期バックアップを削除する場合は、データベース・リソースIDまたはデータベース名とバックアップ・レポートが必要です。

次のステップを実行して、odacliコマンドを使用してデータベース・バックアップを削除します。

  1. すべてのバックアップ・レポートのリストを表示します。
    # odacli  list-backupreports 
  2. データベースIDおよびバックアップのタイプを取得します。
    # odacli  describe-backupreport -i Backup Report ID
  3. 不要になったレベル0およびレベル1のバックアップを削除する場合は、そのバックアップを削除するためにデータベースIDまたはデータベース名を使用します。
    # odacli delete-backup -i 20576eb1-bc32-4e34-bf97-fda0b60ca15b
  4. 長期バックアップを削除する場合は、そのバックアップを削除するためにバックアップ・レポートおよびJSONファイルを使用します。

    次の例では、backupreport.jsonがバックアップ・レポート用のJSON入力ファイルです。

    # odacli delete-backup -i 20576eb1-bc32-4e34-bf97-fda0b60ca15b -br backupreport.json