17 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの管理
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの概要と手順を確認します。
これらのトピックでは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャの概念、およびOracle Database Appliance仮想化プラットフォームのゲスト仮想マシンのデプロイ、可用性の管理、CPUプールの管理、ネットワーク設定方法の手順について説明します。Oracle Databaseドメイン(ODA_BASE)、特権のある仮想マシンのサイズ変更について学習します。
- Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームについて
Oracle VMを使用して、データベースとアプリケーションのシステム・リソースの使用を最適化できます。 - Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャ
これらのトピックを確認し、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム、およびプラットフォームのシステム・リソース使用量の最適化への使用方法を理解します。 - Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インフラストラクチャおよびVLANについて
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは、同じネットワーク・ポートまたはボンドの複数のVLANがサポートされます。 - 仮想化プラットフォームでの追加ネットワークの構成
oakcli configure additionalnet
コマンドを使用して、追加のネットワークを作成します。 - 仮想化プラットフォームへのネットワーク・インタフェースの追加
仮想化プラットフォームにネットワーク・インタフェースを追加する方法を理解します。 - 仮想化プラットフォームのネットワークの削除
仮想化プラットフォームで構成したネットワークを削除する方法を理解します。 - 仮想化プラットフォームでのネットワーク・インタフェースの削除
仮想化プラットフォームで構成したネットワーク・インタフェースを削除する方法を理解します。 - 共有リポジトリの作成と管理方法
これらのトピックでは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでOAKCLIを使用して共有リポジトリを作成および管理する方法について説明します。 - 共有リポジトリでの仮想ディスクの管理方法
これらのトピックでは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでOAKCLIを使用して仮想ディスクを作成、表示、クローニング、アタッチおよび削除する方法について説明します。 - 仮想マシン・テンプレートの管理方法
これらのトピックでは、OAKCLIを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシン・テンプレートをインポート、構成、変更およびチェックする方法について説明します。 - テンプレートのクローンおよびスナップ・クローンの作成方法
クローンおよびスナップ・クローンの概要、およびそのクローンの作成に使用する手順については、これらのトピックを確認してください。 - Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシンの管理方法
仮想マシンの概要、および仮想マシンの作成と管理の手順についてこれらのトピックを確認します。 - ドライバ・ドメイン仮想マシンを作成する方法
ドライバ・ドメイン仮想マシンを使用して、パフォーマンスを向上させます。 - Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで高可用性を管理する方法
oakcli configure vm
コマンドを使用して、ご使用の仮想マシンの高可用性を構成します。 - Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールの管理方法
これらのトピックでは、OAKCLIを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでCPUプールを作成および管理する方法について説明します。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームについて
Oracle VMを使用して、データベースとアプリケーションのシステム・リソースの使用を最適化できます。
Oracle Database Applianceで仮想化されたプラットフォームをデプロイできます。仮想化プラットフォームは、Oracle VMに基づきます。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは、Oracle VMの機能を使用して、同一の物理Oracle Database Appliance上で実行されているデータベースとアプリケーションに効果的にリソースを割り当てることができます。単に不要なサーバー・コアを無効にするのでなく、他のワークロードをホスティングするために余剰の容量を使用できます。これによりデータベースとアプリケーションを統合できる一方で、Oracle Database Applianceに関連するデプロイメントと管理は容易なままに保たれます。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームは、Oracle Database Applianceハードウェアのすべてのバージョン上でサポートされます。Oracle VMによってサポートされるテンプレートとオペレーティング・システムは、すべてOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上でもサポートされます。サポートされるオペレーティング・システムは、Linux、Windows、Solaris x86などです。
ノート:
現在、新しいシステムは、すべて仮想化されていないISOイメージで工場から出荷されています。
現在Oracle Database Applianceの仮想化されていないデプロイメントを使用しており、Oracle Database Applianceを仮想化プラットフォームとして使用する場合は、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームISOイメージを使用してサーバーを再イメージ化する必要があります。
仮想化を行う理由
Oracle Appliance Manager (oakcli)を使用すると、仮想化の専門知識がほとんどない場合でも、仮想化環境を容易に設定および管理できます。仮想化プラットフォームのデプロイメントでは、単一のOracle Database Applianceシステム内で複数層の環境全体を統合できます。
仮想化プラットフォームのオプションを使用してOracle Database Applianceをデプロイする利点の一部を次に示します。
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データベースとアプリケーションを単一のハードウェア環境にデプロイします。
-
事前構成済のVMアプリケーション・テンプレートを使用して、データベースとアプリケーションを迅速にデプロイします。
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(ネイティブ・パフォーマンスのために)ストレージに直接アクセスできる仮想マシン(ODA_BASE)でデータベースを実行します。
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必要な数のCPUコア(およびメモリー)を使用してODA_BASEドメインを構成することで、ライセンス済CPUを制御します。
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CPUコア(およびメモリー)を効率的に使用します。ODA_BASEドメインに割り当てられていないCPUコアは無駄にならず、他のデータベース以外の仮想マシンで使用できます。
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仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)を使用して、異なる仮想マシンに別々のネットワークを提供します。
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共有リポジトリを使用して、仮想マシン(VM)リポジトリのストレージを拡張します。
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より多くの空間を利用できるようになり、エネルギー消費と冷却コストが削減されるため、データセンターの効率性が向上します。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャ
これらのトピックを確認し、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム、およびプラットフォームのシステム・リソース使用量の最適化への使用方法を理解します。
- Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャについて
このトピックを確認し、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームがOracle Database Applianceハードウェアで機能する方法を理解します。 - 仮想マシンとOracle Database Appliance仮想化プラットフォームについて
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームは、仮想マシンを実行、デプロイしてシステム・リソースを管理するように設計されています。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャについて
このトピックを確認し、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームがOracle Database Applianceハードウェアで機能する方法を理解します。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームが提供する仮想化テクノロジを使用すると、分離された複数のデータベースとアプリケーションが同じ物理サーバーを共有できます。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームISOイメージは、Oracle Database Applianceハードウェア機能を活用するように特に設計されています。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャは次の図に示す仮想マシン・コンポーネントを使用します。
図17-1 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャ

「図17-1 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・アーキテクチャ」の説明
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Oracle Database Applianceベース・ドメイン(ODA_BASE): 特にデータベース用の、ベア・メタル・デプロイメントに類似したデータベース・パフォーマンスを提供する、特権を持つ仮想マシン・ドメイン。PCIパススルー・ドライバは、共有ストレージにODA_BASE直接アクセスを提供します。
-
ドメイン0 (Dom0): Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのプロビジョニング・プロセスを開始し、仮想マシン・テンプレートをホスティングするデフォルトのドメイン。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム環境でのハードウェア検出業務の大部分は、ドメイン・ゼロ(Dom0)と呼ばれる管理ドメインに渡されます。x86ベースのサーバーでは、Dom0カーネルは、様々なデバイス、ファイル・システムおよびソフトウェアRAIDとボリューム管理をサポートするフットプリントの小さいLinuxカーネルです。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは、Dom0は、多くのシステム・ハードウェアへのアクセスを提供し、ゲスト・オペレーティング・システムを作成、削除、管理し、これらのゲストに対して共通の仮想ハードウェアを使用可能にします。
-
ゲスト・ドメイン(ドメインU): アプリケーションやミドルウェアなどの、非データベース・ワークロードをホスティングするためにプロビジョニングされる仮想マシン。各ゲスト・オペレーティング・システムには、「ユーザー・ドメイン」と呼ばれるそのシステムの管理ドメインがあり、「ドメインU」と省略されます。このドメインは、ハードウェアまたはデバイス・ドライバに直接アクセスする権限を持たないドメインです。各ドメインUは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上で
Dom0
が実行された後に開始されます。
仮想マシンとOracle Database Appliance仮想化プラットフォームについて
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームは、仮想マシンを実行、デプロイしてシステム・リソースを管理するように設計されています。
共有リポジトリのリソース(CPUプール、メモリーおよびその他の共有リソース)のアプリケーションによる使用を管理するようにOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上の仮想マシンを構成します。
仮想マシン・テンプレート
仮想マシンは、事前に構成された仮想マシンを含むテンプレートまたはアセンブリから作成できます。テンプレートからの仮想マシンの作成は、クローニングに基づきます。テンプレートはアーカイブとしてインポートされ、解凍されて、ディスク・イメージを使用して仮想マシン構成ファイルとして格納されます。これらのディスク・イメージはクローニングされ、仮想マシンの形で新しいインスタンスを作成します。同様に、既存の仮想マシンは、クローニングされて新しい仮想マシンを作成するか、クローニングされて新しいテンプレートを作成できます。
仮想マシンのアセンブリ
アセンブリは、しばしば仮想マシンのグループのテンプレート(複数の仮想マシン・テンプレートの集まり)と説明されます。アセンブリは、単一の仮想マシンまたは仮想マシン・テンプレートの集まりを含むことができます。
ドメイン、ゲストおよび仮想マシン
ドメイン、ゲスト,および仮想マシンは、ほぼ同じ意味に使用されていますが、若干の違いがあります。ドメインは、構成可能な一連のリソースで、メモリー、仮想CPU、仮想マシンを実行するネットワーク・デバイスおよびディスク・デバイスを含みます。ゲストは、ドメイン内で実行される仮想化されたオペレーティング・システムです。複数のゲストが、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの同一インスタンス上、それぞれ自身のドメイン内で実行できます。仮想マシンには仮想リソースが割り当てられ、独立して起動、停止、再起動ができます。
仮想ディスク
仮想マシンのほかに、共有リポジトリでは仮想ディスクを作成できます。仮想マシンに追加のブロック記憶域をアタッチすることで、仮想ディスクは仮想マシンに追加の記憶域オプションを提供します。同様に、追加の領域が不要になった場合は、記憶域をデタッチできます。記憶域ボリュームを仮想ディスクに拡張するか、または新規ファイル・システムを仮想ディスクに作成することで、仮想ディスクを使用して、既存のファイル・システム記憶域を仮想マシン内に拡張できます。仮想ディスクは、同じ共有リポジトリ上で実行されている複数の仮想マシンの共有もできます。
ドライバ・ドメインは、特定のハードウェアに対して特別な権限および責務を持つユーザー・ドメインです。ドライバ・ドメイン・オプションを使用すると、新しく作成された仮想ディスクがODA_BASE
から直接ゲスト仮想マシンにマウントされます。このオプションは、ゲスト仮想マシンがDom0
ではなくODA_BASE
を使用して仮想ディスクにアクセスできるようにすることで、パフォーマンスを向上させます。このドライバ・ドメイン・オプションは12.1.2.7.0以降で利用でき、Oracle Linux、WindowsおよびOracle Solaris x86ゲスト・オペレーティング・システムでサポートされます。ドライバ・ドメイン仮想マシンのライブ移行はサポートされていません。
共有リポジトリ
共有リポジトリは、仮想マシンの作成と管理にとって最重要のリソースを格納するための中心的な場所です。こういったリソースには、仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリ、ISOファイル(仮想DVDイメージ)、仮想マシン構成ファイルおよび仮想ディスクがあります。共有リポジトリは、Oracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)で構成され、その後、それらのリソースへのアクセスが必要なOracle Database Applianceノードに提供されます。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームは共有リポジトリを使用して、環境で使用可能なディスク・スペースの使用量を最適化し、物理サーバーで障害が発生したときに仮想マシンを簡単に再割当てできるようにします。仮想マシン・ファイルは共有ディスクに格納できるため、仮想マシンに共有ストレージを提供します。さらに、CPUプールおよびサイズ変更可能なOracle Databaseドメイン(ODA_BASE)を構成して、仮想マシンでは、互いのCPUコアからまたは割当て済のデータベースCPUコアからサイクルが消費されないようにできます。
-
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上の共有ディスクはODA_BASEに直接接続されています。
-
ODA_BASEには、
fs1
、fs2
およびfs3
という名前の3つの共有リポジトリがあります。 -
各共有リポジトリは、共有リポジトリの作成時に選択されたOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループ(DATAまたはRECO)の最上位に作成されたODA_BASEのOracle ACFSです。
-
共有リポジトリを作成するプロセスでは、プライベート・ネットワークを使用するそれぞれの
Dom0
への共有リポジトリのネットワーク・ファイル・システム(NFS)エクスポートも実行します。 -
エクスポートは、仮想マシン・ファイル用の共有ストレージを有効化します。
図17-2 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム(共有リポジトリあり)のアーキテクチャの概要

「図17-2 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム(共有リポジトリあり)のアーキテクチャの概要」の説明
図に示された構成を使用すると、次のことができます。
-
複数のリポジトリを作成します。
-
これらのリポジトリを、仮想マシンの実行が必要なノード(図の
fs2
およびfs3
など)または両方のノード(図のfs1
など)にマウントします。 -
共有リポジトリで、1つ以上の仮想マシンまたは仮想マシン・テンプレートを作成します。
-
OAKCLIコマンドを使用して、共有リポジトリ、仮想ディスクおよびそれらの仮想マシン、および図に示されている基礎アーキテクチャを作成および管理します。
ノート:
Oracle Database Applianceの仮想マシン(VM)リポジトリは、起動ドライブまたはOracle Database Appliance共有ストレージ・シェルフにのみ存在できます。外部ストレージは、Oracle Database ApplianceのVM共有リポジトリには使用できません。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インフラストラクチャおよびVLANについて
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでは、同じネットワーク・ポートまたはボンドの複数のVLANがサポートされます。
仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)は、単一の物理ネットワーク・スイッチ・ポートから作成される複数の論理ネットワークです。VLANは、共通のネットワークを共有する複数のワークロードのネットワーク・セキュリティの分離を提供します。たとえば、アプリケーション、バックアップ、管理ネットワークなどです。各VLANは、同じ物理接続上の他のVLANを使用して動作する独立した論理ネットワークとして機能します。これは、異なるネットワークにデプロイされた仮想マシン(同じOracle VM Serverポートまたはボンドを介して接続)で、異なるVLANにトラフィックを送ることができることを意味します。
デプロイメント時のシステムの物理ポート(銅線またはファイバー)は、bond0
からbond5
までとして結合されます。VLANは、bond0/net1
からbond5/net6
に作成されます(使用可能な場合)。
ネットワーク・インタフェースは、Oracle Database Applianceのハードウェアに応じて異なります。いずれの場合も、ユーザー・ドメインへの接続は、選択したインタフェースを介して行われます。タグ付けされたVLANをサポートするスイッチは、VLAN IDを使用して、パケットを識別します(パケットが属するネットワークを含む)。
Oracle Database Applianceの仮想マシン・ローカル・エリア・ネットワークの構成の概要
仮想マシンにアクセスするために使用するネットワークを指定するには、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インフラストラクチャ・コンポーネントを使用します。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームは、すべてのネットワークにブリッジを事前に作成して、上位レベルのネットワーク・インフラストラクチャ・コンポーネントをすべて管理します。仮想マシンにアクセスするためのフロント・エンド・ポイントは、Dom0
に定義されたブリッジの1つになります。
仮想マシンの構成時に、関連ブリッジを指定して、仮想マシンが使用するネットワークを定義します。
たとえば、myvm1
という名前の仮想マシンをnet1
ネットワークに接続するには、次のコマンドを使用します。
# oakcli modify vm myvm1 -addnetwork net1
「基本的な仮想マシン・ローカル・エリア・ネットワーク」の図は、この仮想マシン・ネットワーク構成の結果である標準的なOracle Database Applianceローカル・エリア・ネットワークの構成を示しています。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのインストールおよび構成中に、デフォルトのVLANをODA_BASEに割り当てます。「仮想ローカル・エリア・ネットワークを使用するOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム」の図では、VLANを使用した標準的なOracle Database Appliance構成を示します。図は「基本的な仮想マシン・ローカル・エリア・ネットワーク」と同じ構成を示していますが、バックアップ用(backup)、アプリケーション用(application)および管理用(mgnt)の3つのタグ付きVLANが追加されています。
図17-4 仮想ローカル・エリア・ネットワークを使用するOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム

「図17-4 仮想ローカル・エリア・ネットワークを使用するOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム」の説明
仮想化プラットフォームでの追加ネットワークの構成
oakcli configure additionalnet
コマンドを使用して、追加のネットワークを作成します。
oakcli configure additionalnet
コマンドは、インタフェース名、DHCP [Y/N]、IPアドレスおよびネットマスクを指定する必要がある対話型スクリプトを実行します。
追加ネットワークの作成の例
Dom0
上でコマンドを実行する場合、要求されるインタフェース名はネット名です。Dom1上でコマンドを実行する場合、要求されるインタフェース名はeth
の名前です。
# oakcli configure additionalnet
仮想化プラットフォームへのネットワーク・インタフェースの追加
仮想化プラットフォームにネットワーク・インタフェースを追加する方法を理解します。
仮想化プラットフォームのネットワークの削除
仮想化プラットフォームで構成したネットワークを削除する方法を理解します。
仮想化プラットフォームでのネットワーク・インタフェースの削除
仮想化プラットフォームで構成したネットワーク・インタフェースを削除する方法を理解します。
共有リポジトリの作成と管理方法
これらのトピックでは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでOAKCLIを使用して共有リポジトリを作成および管理する方法について説明します。
- 共有リポジトリの作成
oakcli create repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで共有リポジトリを作成します。 - 共有リポジトリのステータスの表示
oakcli show repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンのリポジトリに関する情報を表示します。 - 共有リポジトリの起動
oakcli start repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンを起動して、共有リポジトリに割り当てます - 共有リポジトリの停止
oakcli stop repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのノード上の共有リポジトリを停止します。 - 共有リポジトリの削除
oakcli delete repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで新規共有リポジトリを削除します。 - 共有リポジトリのサイズの増加
oakcli configure repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで共有リポジトリのサイズを増やします。
共有リポジトリの作成
oakcli create repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで共有リポジトリを作成します。
oakcli create repo
コマンドを実行する場合、repo
オプションを使用してリポジトリ名を指定し、-dg
オプションを使用してストレージ(DATAまたはRECO)に使用するディスク・グループを指定し、-size
オプションを使用してリポジトリのサイズをGBまたはMB単位で指定します(デフォルトのサイズ単位はGBです)。
既存のリポジトリを表示および停止(ディスマウント)するコマンドを含め、その他のOracle Appliance Manager共有リポジトリのコマンドは、非共有リポジトリで使用するコマンドに似ています。デフォルトの永続的なリポジトリとは異なり、アクティブな(マウント済の)仮想マシンがない共有リポジトリは削除できます。
共有リポジトリの作成の例
次のコマンドでは、repo1
という名前の共有リポジトリがASM DATAディスク・グループ(data
)に30GBの使用可能なストレージで作成されます。
# oakcli create repo repo1 -dg data -size 30
親トピック: 共有リポジトリの作成と管理方法
共有リポジトリのステータスの表示
oakcli show repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンのリポジトリに関する情報を表示します。
すべてのリポジトリを参照するには、リポジトリ名およびノード番号を省略します。特定の共有リポジトリを参照するには、リポジトリ名およびノード番号を指定します。
例17-1 すべての共有リポジトリのステータスの表示の例
すべての共有リポジトリのステータスを表示するには、oakcli show repo
コマンドを使用します。
# oakcli show repo NAME TYPE NODENUM FREE SPACE STATE SIZE odarepo1 local 0 N/A N/A N/A odarepo2 local 1 N/A N/A N/A srepo1 shared 0 76.24% ONLINE 1024000.0M srepo1 shared 1 76.24% ONLINE 1024000.0M
例17-2 選択した共有リポジトリのステータスの表示の例
共有リポジトリの特定のノードの情報を表示するには、コマンド構文の一部としてリポジトリ名とノード番号を指定します。次の例では、repo1
共有リポジトリの1の情報が表示されます。
# oakcli show repo srepo1 -node 0 The Resource is : srepo1_0 AutoStart : restore DG : RECO Device : /dev/asm/srepo1-402 ExpectedState : Online FreeSpace : 780688.2M MountPoint : /u01/app/sharedrepo/srepo1 Name : srepo1_0 PFreeSpace : 76.24% RepoType : shared Size : 1024000.0M State : Online Version : 2
親トピック: 共有リポジトリの作成と管理方法
共有リポジトリの起動
oakcli start repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンを起動して、共有リポジトリに割り当てます
共有リポジトリに仮想マシンを割り当てるには、その前にoakcli start repo
コマンドを使用してリポジトリを起動し、ストレージを使用可能にします。oakcli start repo
コマンドにより、自動的に起動するように定義したリポジトリに割り当てられている仮想マシンも起動されます。
リポジトリを事前に構成しておく必要があります。オプションreponame
を使用して、起動するリポジトリを識別します。name
はリポジトリ名です。オプション-node nodename
を使用して、リポジトリがあるノードを識別します。nodename
はリポジトリがあるノードの名前です。
例17-3 共有リポジトリの起動の例
このコマンドでは、ノード1上のrepo1
という名前の共有リポジトリを起動します。
# oakcli start repo repo1 -node 1
親トピック: 共有リポジトリの作成と管理方法
共有リポジトリの停止
oakcli stop repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのノード上の共有リポジトリを停止します。
repo reponame
オプションを使用して、停止するリポジトリを識別します。reponame
は停止するリポジトリの名前です。-node number
オプションを使用して、停止するリポジトリが実行されているノードを識別します。number
は停止するノード番号です。
ノート:
選択したノードのリポジトリで仮想マシンがアクティブなままである間は、oakcli stop repo
コマンドを発行しないでください。
例17-4 共有リポジトリの停止の例
次の例では、ノード0上のrepo1
という名前の共有リポジトリを停止します。
# oakcli stop repo repo1 -node 0
親トピック: 共有リポジトリの作成と管理方法
共有リポジトリの削除
oakcli delete repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで新規共有リポジトリを削除します。
repo reponame
オプションを使用して、削除するリポジトリを識別します。reponame
は削除するリポジトリの名前です。
ノート:
共有リポジトリの削除を試行するには、その前に両方のノード上でオフライン(停止)にする必要があります。
例17-5 共有リポジトリの削除の例
次のコマンドでは、両方のノード上のrepo1
という名前の共有リポジトリを削除します。
# oakcli delete repo repo1
親トピック: 共有リポジトリの作成と管理方法
共有リポジトリのサイズの増加
oakcli configure repo
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで共有リポジトリのサイズを増やします。
-repo reponame
オプションを使用して、拡張するリポジトリを指定します。ここで、reponame
は拡張するリポジトリを指定します。-incsize size
オプションを使用して、構成する増加のサイズを指定します。ここで、size
は構成されたサイズに追加するサイズ(GB単位)です。
例17-6 共有リポジトリのサイズの増加の例
次のコマンドは、repo1
共有リポジトリのサイズを2GB増やします。
# oakcli configure repo repo1 -incsize 2G Configured Shared Repo : repo1 with new size 3712.0.
親トピック: 共有リポジトリの作成と管理方法
共有リポジトリでの仮想ディスクの管理方法
これらのトピックでは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでOAKCLIを使用して仮想ディスクを作成、表示、クローニング、アタッチおよび削除する方法について説明します。
- 共有リポジトリで使用するための仮想ディスクの作成
oakcli create vdisk
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで共有リポジトリに仮想ディスクを作成します。 - 仮想ディスクに関する情報の表示
oakcli show vdisk
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想ディスクに関する情報を表示します。 - 仮想ディスクのクローニング
oakcli clone vdisk
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの仮想ディスクのクローンを作成します。 - 仮想マシンへの仮想ディスクのアタッチ
oakcli modify vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンに仮想ディスクをアタッチします。 - 仮想ディスクの削除
oakcli delete vdisk
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで共有リポジトリから仮想ディスクを削除します。
共有リポジトリで使用するための仮想ディスクの作成
oakcli create vdisk
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで共有リポジトリに仮想ディスクを作成します。
oakcli create vdisk
コマンドは、仮想ディスクのサイズ、ディスクが作成される共有リポジトリの定義、共有リポジトリ内のそのディスクの一意の名前の定義、およびディスクが1つの仮想マシンで使用されるか、複数の仮想マシンで共有できるかの定義をします。
作成するvdiskの名前は、oakcli create vdisk name
コマンドによって定義されます。ここで、name
は作成するvdiskの名前です。-repo reponame
オプションを使用して、vdiskを作成するリポジトリを指定します。ここで、reponame
はvdiskを作成するリポジトリを指定します。-size sizeG
オプションを使用して、vdiskのサイズを指定します(GB単位)。ここで、sizeG
は構成されたサイズに追加するサイズ(GB単位)です。vdiskを共有ディスクとして構成する場合は、-type shared
オプションを使用して、vdiskを共有ディスクとして指定します。
例 17-7 共有仮想ディスクの作成の例
この例では、repo2
共有リポジトリにsdisk1
という名前の仮想ディスクをサイズ1GBで作成し、複数の仮想マシンが共有できるようにします。
# oakcli create vdisk sdisk1 -repo repo2 -size 1G -type shared
親トピック: 共有リポジトリでの仮想ディスクの管理方法
仮想ディスクに関する情報の表示
oakcli show vdisk
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想ディスクに関する情報を表示します。
oakcli show vdisk
を単独で使用して、構成済のすべての仮想マシンの情報を表示できます。各仮想マシンの情報を表示するには、oakcli show vdisk diskname -repo reponame
コマンドを入力します。ここで、diskname
は確認するディスクの名前、reponame
は仮想ディスクが配置されている共有リポジトリの名前です。diskname
を指定する場合は、reponame
を指定する必要があります。
例17-8 すべてのvdiskの情報の表示の例
この例では、Oracle Database Appliance上に構成されたすべての仮想ディスクに関する情報を表示します。
# oakcli show vdisk
NAME SIZE TYPE REPOSITORY
ddomssdvd1 100G local srepo1
ddomssdvd2 10G local srepo1
vd11 10G local srepo1
例17-9 単一のvdiskの情報の表示の例
この例では、myvdisk1:
という名前の仮想ディスクに関する情報を表示します。
# oakcli show vdisk vd11 -repo srepo1
The Resource is : vd11_srepo1
Name : vd11_srepo1
RepoName : srepo1
Size : 10G
Type : local
VmAttached : 1
親トピック: 共有リポジトリでの仮想ディスクの管理方法
仮想ディスクのクローニング
oakcli clone vdisk
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームの仮想ディスクのクローンを作成します。
コマンドoakcli clone vdisk
は、仮想ディスクのサイズ、そのディスクが作成される共有リポジトリ、その共有リポジトリ内のそのディスクの一意の名前、ディスクが1台の仮想マシンで使用されるか、または複数の仮想マシンによって共有できるかを定義します。
作成するvdiskの名前は、コマンドoakcli clone vdisk name
によって定義されます。name
は作成するvdiskの名前です。-repo reponame
オプションを使用して、vdiskを作成するリポジトリを識別します。reponame
は元のvdiskがあるリポジトリの名前です。オプション-src sourcevdiskname
を使用します。sourcevdiskname
はクローニングする仮想ディスクの名前です。オプション-h
を追加して、このコマンドのヘルプを表示します。
ノート:
仮想ディスクが仮想マシンにアタッチされると、システム管理者は新しく追加されたストレージをその仮想マシンで使用できるよう、オペレーティング・システムにおいて通常のディスク追加タスクを実行する必要があります。構文
# oakcli clone vdisk name -repo reponame -src sourcevdiskname [-h]
例17-10 仮想ディスクのクローニングの例
この例は、vrepo1
というリポジトリに格納されたvdisk1
という既存の仮想ディスクからmy_vdisk2
という仮想ディスクのクローンを作成します。
# oakcli clone vdisk my_vdisk2 -repo vrepo1 -src vdisk1
親トピック: 共有リポジトリでの仮想ディスクの管理方法
仮想マシンへの仮想ディスクのアタッチ
oakcli modify vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンに仮想ディスクをアタッチします。
oakcli modify vm name
コマンドにより、仮想マシンを変更できます。ここで、name
は変更する仮想マシンの名前です。ディスクを仮想マシンにアタッチするには、-attachvdisk vdiskname
オプションを使用します。ここで、vdiskname
は仮想マシンにアタッチする仮想ディスクの名前です。
例17-11 仮想マシンへの仮想ディスクのアタッチの例
この例では、sdisk1
という仮想ディスクをmyol6u_test
という仮想マシンにアタッチします。
# oakcli modify vm myo16u_test -attachvdisk sdisk1
親トピック: 共有リポジトリでの仮想ディスクの管理方法
仮想ディスクの削除
oakcli delete vdisk
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで共有リポジトリから仮想ディスクを削除します。
oakcli delete vdisk vdiskname
コマンドは仮想ディスクを削除しますが、vdiskname
は削除する仮想ディスクの名前です。-repo reponame
オプションは、仮想ディスクがある共有リポジトリを示します。ここで、reponame
は共有リポジトリの名前です。
例17-12 共有リポジトリからの仮想ディスクの削除の例
この例では、repoprod1
という共有リポジトリからt2g
という仮想ディスクを削除します。
# oakcli delete vdisk t2g -repo repoprod1
親トピック: 共有リポジトリでの仮想ディスクの管理方法
仮想マシン・テンプレートの管理方法
これらのトピックでは、OAKCLIを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシン・テンプレートをインポート、構成、変更およびチェックする方法について説明します。
- 仮想マシン・テンプレートの管理について
仮想マシン・テンプレートは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームにデプロイされている仮想マシンのソースとしてインポートして構成します。 - 仮想マシン・テンプレートの一覧表示
oakcli show vmtemplate
コマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートの詳細を表示します。 - 仮想マシン・テンプレートのインポート
oakcli import vmtemplate
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリをインポートします。 - 仮想マシン・テンプレートの構成
oakcli configure vmtemplate
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシン・テンプレートを構成します。 - 仮想マシン・テンプレートの構成済値の表示
oakcli show vmtemplate
コマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートの構成可能オプションの値を表示します。 - 仮想マシン・テンプレート構成の変更
oakcli modify vmtemplate
コマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートを変更します。 - 仮想マシン・テンプレートの削除
oakcli delete vmtemplate
コマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートを削除します。
仮想マシン・テンプレートの管理について
仮想マシン・テンプレートは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームにデプロイされている仮想マシンのソースとしてインポートして構成します。
共有リポジトリの作成が完了したら、共有リポジトリのいずれかにテンプレートをインポートします。共有リポジトリを作成していない場合は、いずれかのローカル・ノード上のローカル・リポジトリにテンプレートをインポートします。
また、1つ以上のテンプレートを格納できるアセンブリをインポートできます。共有リポジトリにテンプレートまたはアセンブリをインポートするときに、操作を実行するノードを選択します。ノードは慎重に選択して、ノードの過負荷を避けてください。リポジトリを作成すると、どちらのノードがインポートを実行するかに関係なく、リポジトリが両方のノードで利用できるようになります。
ローカル・ノードにインポートされたテンプレートでは、importコマンドで指定されたリポジトリ名を使用し、インポートを完了してストレージを提供する対象のノードを識別します。ノード0のローカル・リポジトリの名前はodarepo1
、ノード1のローカル・リポジトリの名前はodarepo2
です。テンプレートを両方のローカル・リポジトリにインポートする場合は、2番目のノードにインポートするときに別のテンプレート名を指定する必要があります。
ノート:
テンプレートは、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで直接作成することもクローニングすることもできません。Oracle Software Deliveryで取得可能なOracle VMテンプレートを使用する必要があります。複数のテンプレートが格納されたアセンブリをインポートすると、すべてのテンプレート名を一意に保つように、指定したテンプレート名が自動的に変更されます。最初にインポートするテンプレートは、名前に数字「1」が追加されます。2番目のテンプレートには「2」が追加され、追加されるテンプレートに3、4、5のように順に追加されていきます。
仮想マシン・テンプレートをインポートした後、OAKCLIコマンドを使用してテンプレートをカスタマイズできます。
親トピック: 仮想マシン・テンプレートの管理方法
仮想マシン・テンプレートの一覧表示
oakcli show vmtemplate
コマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートの詳細を表示します。
oakcli show vmtemplate
コマンドは、各仮想マシン・テンプレートの名前およびリポジトリと、テンプレートから作成された仮想マシンにOracle Database Appliance仮想化プラットフォームによって割り当てられるデフォルトのCPUの数およびメモリー容量を表示します。
例
仮想テンプレートsample1_odarepo1
の情報を表示します。
# oakcli show vmtemplate sample_odarepo1
Resource: sample1_odarepo1
CPUPriority : 100
Disks : |file:/OVS/Repositories/odarepo1/Te
mplates/otml_sample1_odarepo1/Syste
m.img,xvda,w||file:/OVS/Repositorie
s/odarepo1/Templates/otml_sample1_o
darepo1/u01.img,xvdb,w|
Domain : XEN_PVM
Keyboard : en-us
MaxMemory : 2048
MaxVcpu : 2
Memory : 2048
Mouse : OS_DEFAULT
Name : sample1_odarepo1
Networks : |bridge=priv1||bridge=net1||bridge=
net2|
NodeNum : 0
OS : OL_5
ProcessorCap : 100
RepoName : odarepo1
Vcpu : 2
親トピック: 仮想マシン・テンプレートの管理方法
仮想マシン・テンプレートのインポート
oakcli import vmtemplate
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリをインポートします。
外部テンプレート・リポジトリのアセンブリ・ファイルに格納されている仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリがインポートされます。共有リポジトリの名前を使用し、テンプレートまたはアセンブリをインポートするノードを識別するには-node句を指定します。
仮想マシン・テンプレートおよびアセンブリは、ファイルのソースを特定するURLを使用して、リモート・リポジトリから直接インポートできます。リモート・コピー・コマンドの使用を選択してリモート・リポジトリからDom0
/OVS
ディレクトリにファイルをコピーし、ダウンロード済ファイルを特定するパスおよび名前を使用してファイルをインポートします。
ノート:
ローカル・リポジトリにテンプレートまたはアセンブリをインポートするときは、-node
オプションを使用しないでください。ターゲット・ノードは、リポジトリの名前で暗黙的に決まります。
構文
# oakcli import vmtemplate vmtemplatename -files image_files | -assembly assembly_file -repo repo_name [- node 0 | 1 ]
例17-13 外部リポジトリのアセンブリ・ファイルからの仮想マシン・テンプレートのインポート例
oakcli import vmteplate vmtemplatename -assembly assembly_file -repo repo_name
コマンドを使用して、外部テンプレート・リポジトリのアセンブリ・ファイルに仮想マシン・テンプレートをインポートします。
この例では、URL 'http://example.com/assemblies/OEL6/OVM_OL6U1_x86_PVHVM.ova'
にある外部テンプレート・リポジトリのアセンブリ・ファイルのテンプレートを、odarepo1
という名の新しいリポジトリにあるOL6U1
という名の新しいテンプレートにインポートします。
# oakcli import vmtemplate OL6U1 -assembly 'http://example.com/assemblies/OEL6/OVM_OL6U1_x86_PVHVM.ova' -repo odarepo1
URLを囲む一重引用符に注意してください。
例17-14 Dom0からの仮想マシン・テンプレートのインポート例
このコマンド構文を使用して、仮想マシン・テンプレートをDom0上の/OVSファイル・システムからインポートします。
# oakcli import vmtemplate vmtemplatename -files image_files -repo repo_name
この例では、Dom0
の/OVS
からOVM_OL5U7_X86_64_PVM_10GB.tgz
という名の仮想マシン・テンプレートをodarepo1
リポジトリにインポートします。テンプレートには、OL5U7
という名前が割り当てられます。
# oakcli import vmtemplate OL5U7 -files /OVS/OVM_OL5U7_X86_64_PVM_10GB.tgz -repo odarepo1
例17-15 外部リポジトリURLを使用した仮想マシン・テンプレートのインポート例
oakcli import vmtemplate vmtemplatename -files image_files -repo repo_name
コマンドを使用して、外部テンプレート・リポジトリから仮想マシン・テンプレート・ファイルをインポートします。
この例では、URL 'http://example.com/assemblies/OEL6/OVM_OL6U1_x86_PVHVM.tgz'
にある外部テンプレート・リポジトリからOVM_OL5U7_X86_64_PVM_10GB.tgz
という名前の仮想マシン・テンプレートをインポートします。URLを囲む一重引用符に注意してください。テンプレートには名前OL5U7
が割り当てられ、odarpo1
リポジトリにインポートされます。
# oakcli import vmtemplate OL5U7 -files 'http://example.com/assemblies/OEL6/OVM_OL6U1_x86_PVHVM.tgz'-repo odarepo1
親トピック: 仮想マシン・テンプレートの管理方法
仮想マシン・テンプレートの構成
oakcli configure vmtemplate
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシン・テンプレートを構成します。
これらの値は、このテンプレートからクローニングされるすべての仮想マシンのデフォルト値になります。それらはすべて、oakcli configure vm
コマンドで後から変更できます。
例
myol5u7_10gb
という名の仮想マシン・テンプレートの値を設定します。
# oakcli configure vmtemplate myol5u7_10gb -vcpu 2 -maxvcpu 4 -cpucap 40 -memory 1536M -maxmemory 2G -os OTHER_LINUX
-
-vcpu 2
は、仮想マシンの起動時に割り当てられるCPUの数を最大2に設定します。 -
-maxvcpu 4
は、仮想マシンに割り当てることができるCPUの最大数を4に設定します。 -
-cpucap 40
は、仮想マシンに割り当てられるCPUの容量の最大比率を40%に設定します。 -
-memory 1536M
は、仮想マシンの起動時に割り当てられるメモリー容量を、最高1536MBに設定します。 -
-maxmemory 2G
は、仮想マシンに割り当てることができるメモリーの最大容量を2 GBに設定します。 -
-os OTHER_LINUX
は、仮想マシンにより使用されるオペレーティング・システムとしてOTHER_LINUXを設定します。
親トピック: 仮想マシン・テンプレートの管理方法
仮想マシン・テンプレートの構成済値の表示
oakcli show vmtemplate
コマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートの構成可能オプションの値を表示します。
例
仮想テンプレートsample1_odarepo1
の情報を表示します。
# oakcli show vmtemplate sample_odarepo1 Resource: sample1_odarepo1 CPUPriority : 100 Disks : |file:/OVS/Repositories/odarepo1/Te mplates/otml_sample1_odarepo1/Syste m.img,xvda,w||file:/OVS/Repositorie s/odarepo1/Templates/otml_sample1_o darepo1/u01.img,xvdb,w| Domain : XEN_PVM Keyboard : en-us MaxMemory : 2048 MaxVcpu : 2 Memory : 2048 Mouse : OS_DEFAULT Name : sample1_odarepo1 Networks : |bridge=priv1||bridge=net1||bridge= net2| NodeNum : 0 OS : OL_5 ProcessorCap : 100 RepoName : odarepo1 Vcpu : 2
親トピック: 仮想マシン・テンプレートの管理方法
仮想マシン・テンプレート構成の変更
oakcli modify vmtemplate
コマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートを変更します。
記憶域リポジトリに仮想マシン・テンプレートをインポートした後で、oakcli show vmtemplate
コマンドでテンプレート構成パラメータを調べます。特定の要件に合せてテンプレートを再構成する必要がある場合、oakcli configure vmtemplate
コマンドを使用します。これは、単一のテンプレートから同じ特性を持つ複数の仮想マシンをデプロイする場合に使用すると便利です。仮想マシンを1つしかデプロイしない場合、または異なる特性の複数の仮想マシンをデプロイする場合は、テンプレートをデプロイした後で、oakcli configure vm
コマンドを使用して必要な値を仮想マシンに設定します。
仮想マシン・テンプレートの構成に満足したら、oakcli modify
コマンドを使用して、新しいネットワークを仮想マシン・テンプレートに割り当てます。
例
gc_11g
仮想マシン・テンプレートに割り当てられているネットワークをnet1
ネットワークに置き換えます。
# oakcli modify vmtemplate gc_11g -addnetwork net1
親トピック: 仮想マシン・テンプレートの管理方法
仮想マシン・テンプレートの削除
oakcli delete vmtemplate
コマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートを削除します。
以前に保存済のテンプレートが不要になった場合は、リポジトリからテンプレートを削除できます。
例
myol6u_15gb3
という名前の仮想マシン・テンプレートをOracle Database Appliance仮想化プラットフォームから削除します。
# oakcli delete vmtemplate my0l6u_15gb3
親トピック: 仮想マシン・テンプレートの管理方法
テンプレートのクローンおよびスナップ・クローンの作成方法
クローンおよびスナップ・クローンの概要、およびそのクローンの作成に使用する手順については、これらのトピックを確認してください。
- テンプレートのクローンおよびスナップ・クローンの作成について
インポートしたテンプレート(またはアセンブリ)から、またはOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上の既存の仮想マシンから仮想マシンを作成(クローニング)できます。 - OAKCLIを使用したテンプレートのクローニング
oakcli clone vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想ディスクをアタッチしている仮想マシンをクローニングします。 - OAKCLIを使用したテンプレートからのスナップ・クローンの作成
oakcli clone vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで、仮想マシン・テンプレートのスナップ・クローンを作成します。 - OAKCLIを使用した既存の仮想マシンのスナップ・クローンの作成
oakcli clone vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで既存の仮想マシンのスナップ・クローンを作成します。
テンプレートのクローンおよびスナップ・クローンの作成について
インポートしたテンプレート(またはアセンブリ)から、またはOracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上の既存の仮想マシンから仮想マシンを作成(クローニング)できます。
クローンおよびスナップ・クローンは、新しいデータベースをテストおよび開発のシステムにプロビジョニングおよびクローニングする効果的な方法の1つです。これはRMANスクリプト、またはその他のクローニング方法を使用するより効果的な作成方法です。
テンプレートまたはアセンブリの完全なクローンとして仮想マシンを作成するか、スナップ・クローンとして仮想マシンを作成できます。スナップ・クローンには仮想マシンで定義したメタデータのみが含まれています。
スナップ・クローンの作成は、テンプレートまたはアセンブリ全体のクローニングと比較して、非常に高速な処理です。ただし、スナップ・クローンの内容を更新する場合は、記憶域の要件を確認する必要があります。スナップ・クローンの変更が共有仮想ディスクで行われないかぎり、元の内容と変更された内容の両方を保持するため、クローン用に追加の記憶域が必要になります。
親トピック: テンプレートのクローンおよびスナップ・クローンの作成方法
OAKCLIを使用したテンプレートのクローニング
oakcli clone vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想ディスクをアタッチしている仮想マシンをクローニングします。
仮想ディスクがアタッチされている仮想マシンをクローニングする場合、仮想マシンのクローンには、ローカルにアタッチされた仮想ディスクの内容が含まれますが、共有モードでアタッチされた仮想ディスクは含まれません。必要に応じて、別のステップで、クローニングされた仮想マシンに必要な仮想ディスクをクローニングできます。
oakcli clone vm
コマンドを使用して、仮想マシン・テンプレートから仮想マシンを作成します。-repo name
オプションを使用して、共有リポジトリの名前を指定します。ここで、name
はリポジトリの名前です。-node number
オプションを使用して、クローニング・プロセスを実行するノードを指定するための句を指定します。ここで、number
はノードの番号です。
ノート:
-node
オプションは、クローニング・アクティビティが実行されるノードを指定します。このノード値は、仮想マシンのデフォルトの起動ノードを割り当てません。 oakcli configure vm
コマンドを使用して、起動の割当てを設定します。
例17-16 仮想マシン・テンプレートから仮想マシンのクローンを作成する例
この例では、Node 0
のrepo2
という名前の共有リポジトリにあるmyol6u_15gb1
という名前の仮想マシン・テンプレートから、myol6u_test
という名前の仮想マシンを作成します。
# oakcli clone vm myol6u_test -vmtemplate myol6u_15gb1 -repo repo2 -node 0
親トピック: テンプレートのクローンおよびスナップ・クローンの作成方法
OAKCLIを使用したテンプレートからのスナップ・クローンの作成
oakcli clone vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで、仮想マシン・テンプレートのスナップ・クローンを作成します。
-vmtemplate name
オプションを使用して、クローニングする仮想マシン・テンプレートの名前を指定します。ここで、name
はそのテンプレートの名前です。-snap
オプションを使用して、スナップ・クローンの作成を指定します。
例17-17 仮想マシン・テンプレートからスナップ・クローンを作成する例
この例では、myol15u_snap
という名前のスナップ・クローンを、myol5u
という名前の仮想マシン・テンプレートから作成します。
# oakcli clone vm myol15u_snap -vmtemplate myol5u -snap
親トピック: テンプレートのクローンおよびスナップ・クローンの作成方法
OAKCLIを使用した既存の仮想マシンのスナップ・クローンの作成
oakcli clone vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで既存の仮想マシンのスナップ・クローンを作成します。
-vm name
オプションを使用して、クローニングする仮想マシンの名前を指定します。ここで、name
は仮想マシンの名前です。-snap
オプションを使用して、スナップ・クローンの作成を指定します。
例17-18 既存の仮想マシンからスナップ・クローンを作成する例
この例では、myol15u_test1
という名前のスナップ・クローンを、myol15u_test
という名前の仮想マシンから作成します。
# oakcli clone vm myol15u_test1 -vm myol15u_test1 -snap
親トピック: テンプレートのクローンおよびスナップ・クローンの作成方法
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシンの管理方法
仮想マシンの概要、および仮想マシンの作成と管理の手順についてこれらのトピックを確認します。
- Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシンの管理について
ODA_BASEで稼働しているデータベースとは無関係にその他のワークロードを実行するには、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームに仮想マシンをデプロイします - リポジトリ内の仮想マシンの一覧表示
oakcli show vm
コマンドを使用して、既存のすべての仮想マシンの詳細を表示したり、特定の仮想マシンの詳細を表示します。 - 仮想マシンの作成
インポートされたテンプレートのクローニング、構成済の仮想マシンを含むアセンブリのクローニング、または既存の仮想マシンのクローニングによって、仮想マシンを作成します。 - 仮想マシンの構成
oakcli configure vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンを構成します。 - 仮想マシンの起動および停止
oakcli start vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンを起動し、oakcli stop vm
コマンドを使用して仮想マシンを停止します。 - 外部での仮想マシンの構成
最初は、Oracle VM Guest Additionsを使用してキーと値のペアを仮想マシンに渡すことで、仮想マシンを仮想マシン・コンソールに接続せずに外部に構成できます。 - 仮想マシン用の仮想マシン・コンソールのオープン
oakcli show vmconsole
コマンドを使用して、アクティブな仮想マシンの仮想マシン・コンソール・ウィンドウを開きます - 新規仮想マシンのイメージの作成
oakcli clone vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上に、新しい仮想マシンのイメージを作成します。 - IPアドレスを使用した、eth0からのアクセスに対する仮想マシンの設定
仮想マシンのIPアドレスを使用してネットワーク・デバイス(eth0
)を構成します。 - 仮想マシンに対する仮想ディスクの追加または削除
oakcli modify vm
コマンドを使用して、仮想マシンに対して仮想ディスク(vdisk)を追加または削除します。 - 仮想マシンの共有リポジトリからの削除
oakcli delete vm
コマンドを使用して、仮想マシンを削除し、そのストレージとリソースを再利用できます。 - Oracle Database Applianceのライブ・マイグレーションの実行
システムがライブ・マイグレーションの要件を満たしている場合は、oakcli migrate vm
コマンドを使用して、現在実行中のノードから別のノードに仮想マシンを移行できます。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシンの管理について
ODA_BASEで稼働しているデータベースとは無関係にその他のワークロードを実行するには、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームに仮想マシンをデプロイします
OAKCLIコマンドを使用して、仮想マシンを作成および管理します(起動、停止、グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)用のコンソールのオープンなど)。
ノート:
仮想ネットワーク・コンピューティング(VNC)セッションを使用して、仮想マシンのGUIコンソールを開くことができます。
アクティブな仮想マシンを再構成できます。ただし、変更内容は仮想マシンを停止して再起動するまで有効になりません。すべての仮想マシンの概要情報や、単一仮想マシンの構成に関する詳細情報を表示できます。特定の仮想マシンが不要になった場合は、記憶域を回復するために仮想マシンを削除します。
ノート:
ゲスト仮想マシンの次のパラメータのデフォルト設定を変更しないでください。
-
xen_blkfront.max: 間接記述子の最大数、デフォルトは32
-
xen_blkback.max_ring_page_order: 共有リング・ページ順序、デフォルトは0
リポジトリ内の仮想マシンの一覧表示
oakcli show vm
コマンドを使用して、既存のすべての仮想マシンの詳細を表示したり、特定の仮想マシンの詳細を表示します。
このコマンドでは、各仮想マシンの名前、リポジトリおよび現在の状態(オンラインまたはオフライン)が表示されます。出力には、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームによって各仮想マシンに割り当てられるデフォルトのCPUの数およびメモリー容量も含まれます。
仮想マシンの作成
インポートされたテンプレートのクローニング、構成済の仮想マシンを含むアセンブリのクローニング、または既存の仮想マシンのクローニングによって、仮想マシンを作成します。
仮想マシンは、仮想リソースが割り当てられたコンピュータ・システムのソフトウェア・エミュレーションであり、独立して起動、停止、再起動ができます。
テンプレートをクローニングすると、テンプレートはアーカイブとしてインポートされ、解凍されて、ディスク・イメージを使用して仮想マシン構成ファイルとして格納されます。ディスク・イメージはクローニングされ、仮想マシンの形で新しいインスタンスを作成します。
テンプレートまたはアセンブリの完全なクローンを作成するのではなく、仮想マシンに定義されているメタデータのみを含むスナップ・クローンを作成できます。
仮想マシンの構成
oakcli configure vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンを構成します。
デフォルトで仮想マシンを実行するノードを指定するには-prefnode
句を、(起動時またはすでにアクティブであるとき)優先ノードが使用不可能な場合に仮想マシンで他のノードを使用するかどうかを指定するには-failover
句を指定します。
現在稼働している仮想マシンを再構成した場合、変更は仮想マシンを停止して再起動するまで有効になりません。
表17-1 仮想マシンの構成に使用可能なパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
起動時に仮想マシンに割り当てられるCPU数として、2を設定します |
|
CPUアクセスの優先度を150に設定します |
|
仮想マシンに割り当てられるCPUの容量の最大比率を20%に設定します |
|
仮想マシンの起動時に割り当てられるメモリー容量を1GBに設定します |
|
仮想マシンに割り当てられるCPUプールに、 |
|
仮想マシンにアクセスするために使用されるキーボード・タイプを |
|
仮想マシンにアクセスするために使用されるマウス・タイプをUSBマウスと定義します |
これらの値は、この仮想マシンの導出元となった仮想マシン・テンプレートの同じパラメータに割り当てられた値に優先します。仮想マシンは、親テンプレートまたは構成コマンドのいずれにも定義されていないパラメータにデフォルト値を使用します。
ノート:
CPUの容量は、-cpupool
パラメータで仮想マシンに割り当てられるCPUプールによって、または(-cpupool
パラメータで仮想マシンが構成されていない場合は)、default_unpinned_pool
によって制御されます。-vcpu
パラメータと-maxvcpu
パラメータの値が割当済のCPUプール内のCPUの数より大きい場合は無視されます。
oakcli configure
コマンドおよびパラメータを使用して、仮想マシンを構成します。
# oakcli modify vm vmname parameters
例17-19 仮想マシンの構成の例
myol15u
という名前の仮想マシンにある特定のリソースに値を設定します。
# oakcli configure vm myol5u
-vcpu 2 -cpuprio 150 -cpucap 20 -memory 1G
-cpupool linpool -keyboard en-us -mouse USB_MOUSE
仮想マシンの起動および停止
oakcli start vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで仮想マシンを起動し、oakcli stop vm
コマンドを使用して仮想マシンを停止します。
ノート:
現在稼働している仮想マシンを再構成した場合、変更は仮想マシンを停止して再起動するまで有効になりません。
外部での仮想マシンの構成
最初は、Oracle VM Guest Additionsを使用してキーと値のペアを仮想マシンに渡すことで、仮想マシンを仮想マシン・コンソールに接続せずに外部に構成できます。
oakcli modify vm -s
コマンドを使用して、仮想マシンにパラメータを渡します。
# oakcli modify vm vmname -s 'key1:value1;key2:value2...'
次の例には、2つの値ペアが含まれています。
# oakcli modify vm vmo16u3 -s 'com.oracle.linux.network.device.0:eth0;com.oracle.linux.network.ipaddr.0:192.1.2.18'
ノート:
-
Oracle VM Guest Additionsの詳細は、http://docs.oracle.com/cd/E35328_01/E35333/html/vmutl-guestadd.htmlにあるOracle VMユーティリティ(for x86)に関するガイドのOracle VM Guest Additionsの使用方法を参照してください。
-
詳細は、ホワイトペーパーOracle Database Appliance: 仮想マシンの自動プロビジョニングを参照してください。
仮想マシン用の仮想マシン・コンソールのオープン
oakcli show vmconsole
コマンドを使用して、アクティブな仮想マシンの仮想マシン・コンソール・ウィンドウを開きます
コンソールが正しく表示されない場合は、コンソールを閉じ、DISPLAY
環境変数をモニターに適した値に設定した後、oakcli show vmconsole
コマンドを再実行します。
グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)仮想マシン・コンソールのかわりにOAKCLIコマンドラインからのアクセスを許可するように、(-s
パラメータを指定したoakcli modify vm
コマンドを使用して)仮想マシンを構成することもできます。
oakcli show vmconsole vm name
を使用して、仮想マシンのコンソールを開きます。たとえば、次のコマンドを使用して、vm1_odarepo1
という名前の仮想マシンのコンソールを開きます。# oakcli show vmconsole vm1_odarepo1
新規仮想マシンのイメージの作成
oakcli clone vm
コマンドを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム上に、新しい仮想マシンのイメージを作成します。
デフォルトでは、このイメージは、テンプレートまたはクローニングする仮想マシンからコンテンツおよび構成情報を継承し、ソースと同じリポジトリに格納されます。仮想マシンにローカル・リポジトリを使用している場合を除き、oakcli clone
コマンドに-node
句を指定して、クローニング・プロセスを実行する必要があるノードを指定します。構成メタデータのみを含むスナップ・クローンを作成するには、oakcli clone
コマンドに-snap
句を指定します。
IPアドレスを使用した、eth0からのアクセスに対する仮想マシンの設定
仮想マシンのIPアドレスを使用してネットワーク・デバイス(eth0
)を構成します。
次の一連のコマンドは、eth0
インタフェースにIPアドレス192.168.16.51
を設定して仮想マシンvmol6u3
(ovmd
あり)を構成し、root
パスワードを設定します。
# oakcli clone vm vmol6u3 -vmtemplate ol6u3 -repo shrepo -node 0
# oakcli modify vm vmol6u3 -addnetwork priv1
# oakcli start vm vmol6u3
# oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.device.0:eth0'
# oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.onboot.0:yes'
# oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.bootproto.0:static'
# oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.ipaddr.0:192.168.16.51'
# oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.network.netmask.0:255.255.255.0'
# oakcli modify vm vmol6u3 -s 'com.oracle.linux.root-password:password'
仮想マシンに対する仮想ディスクの追加または削除
oakcli modify vm
コマンドを使用して、仮想マシンに対して仮想ディスク(vdisk)を追加または削除します。
-attachvdisk
または-detachvdisk
オプションは、-addnetwork
、-deletenetwork
または-s
のキー/値ペアのパラメータとともに使用しないでください。
仮想マシンの共有リポジトリからの削除
oakcli delete vm
コマンドを使用して、仮想マシンを削除し、そのストレージとリソースを再利用できます。
特定の仮想マシンが不要になった場合は、マシンを削除します。マシンを削除するときに、仮想マシンを削除するOracle Database Applianceノードを指定できます。このオプション・パラメータが指定されない場合、両方のノードから仮想マシンが削除されます。
Oracle Database Applianceのライブ・マイグレーションの実行
システムがライブ・マイグレーションの要件を満たしている場合は、oakcli migrate vm
コマンドを使用して、現在実行中のノードから別のノードに仮想マシンを移行できます。
ライブ・マイグレーションは、仮想マシンで実行しているクライアントやアプリケーションを切断することなく、稼働している仮想マシンを別の物理マシンに移動するプロセスを指します。仮想マシンのメモリー、記憶域およびネットワーク接続は、元のホスト・マシンから移動先に転送されます。
ライブ・マイグレーションを実行する前に、次の要件を満たすことが必要です。
-
仮想マシンは共有リポジトリ上にある必要があり、リポジトリは両方のノード上でオンラインである必要があります。
-
仮想マシンが動作している必要があります。
-
以降が成功するには、宛先ホストに、必要なリソース(メモリー、CPUなど)がある必要があります。
-
宛先ホストには、移行する仮想マシンのCPUプールと同名のCPUプールが必要です。
oakcli migrate vm vmname
コマンドを使用して、現在実行しているノードから別のノードに仮想マシンを移行します。vmname
は、移行する仮想マシンの名前です。
このコマンドを実行する場合、仮想マシンがオンラインで、応答している必要があり、共有リポジトリは両方のノード上でオンラインである必要があります。仮想マシンが移行の過程にある場合、OAKCLIでは仮想マシンの状態が「MIGRATING
」と表示されます。
例17-20 現在実行しているノードから別のノードへの仮想マシンの移行の例
この例は、myvm1
という名前の仮想マシンを移行します。
# oakcli migrate vm myvm1
ドライバ・ドメイン仮想マシンを作成する方法
ドライバ・ドメイン仮想マシンを使用して、パフォーマンスを向上させます。
- ドライバ・ドメイン仮想マシンについて
ドライバ・ドメイン仮想マシンを使用して、ゲスト仮想マシン(VM)がDom0
ではなくODA_BASE
を使用して仮想ディスクにアクセスできるようにすることで、パフォーマンスを向上させます。 - テンプレートからのドライバ・ドメイン仮想マシンの作成
仮想マシン・テンプレートからドライバ・ドメイン仮想マシンを作成します。 - 仮想マシンのドライバ・ドメイン仮想マシンへの変換
パフォーマンスを向上させるために、ゲスト仮想マシンをドライバ・ドメイン仮想マシンに変換します。 - ルート・ディスクからドライバ・ドメイン・ディスクへの変換
ゲスト仮想マシン(ゲストVM)ルート・ディスクをドライバ・ドメインとして設定し、起動ドライバとして新しいディスクを作成します。
ドライバ・ドメイン仮想マシンについて
ドライバ・ドメイン仮想マシンを使用して、ゲスト仮想マシン(VM)がDom0
ではなくODA_BASE
を使用して仮想ディスクにアクセスできるようにすることで、パフォーマンスを向上させます。
ドライバ・ドメインは、特定のハードウェアに対して特別な権限および責務を持つユーザー・ドメインです。ドライバ・ドメイン・オプションを使用すると、新しく作成された仮想ディスクがODA_BASE
から直接ゲスト仮想マシンにマウントされます。このオプションは、ゲスト仮想マシンがDom0
ではなくODA_BASE
を使用して仮想ディスクにアクセスできるようにすることで、I/Oパフォーマンスを向上させます。
ドライバ・ドメイン機能は非システム・ディスクに適用されます。ドライバ・ドメイン・モードで仮想マシンを作成すると、新しいvDiskがドライバ・ドメイン・モードで追加されます。新しく作成された仮想ディスクがODA_BASE
から直接ゲスト仮想マシンにマウントされます。仮想マシンがドライバ・ドメイン・モードで構成されているかどうかを確認するには、oakcli show vm
vmnameコマンドを使用します。仮想マシンがドライバ・モードの場合、DriverDomain属性の出力はTRUEになります。
仮想ディスクおよびvm.cfg
ファイルは次のディレクトリに格納されます。
-
Dom0
:/Repositories/vm_repo_name/.ACFS/snaps/vm_name/VirtualMachines/vm_name
-
ODA_BASE
:/app/sharedrepo/vm_repo_name/.ACFS/snaps/vm_name/VirtualMachines/vm_name
ドライバ・ドメインはゲスト仮想マシンに仮想ディスクを追加する場合のみ機能します。仮想マシンがドライバ・ドメイン・モードの場合、対応する仮想マシン構成ファイル、vm.cfg
には次のディスク・エントリがあります。
-driverdomain
を指定すると、クローニングされた仮想マシンがドライバ・ドメインで構成されます。対応する仮想マシン構成ファイル、vm.cfg
には次のディスク・エントリがあります。
disk = [u'file:/OVS/Repositories/repo5/.ACFS/snaps/vm10/VirtualMachines/
vm10/System.img,xvda,w',
u'file:/u01/app/sharedrepo/repo5/.ACFS/snaps/
vm10/VirtualMachines/vm10/u01.img,xvdb,w,oakDom1']
xvda
ブート・ディスクを除き、すべてのディスクにoakDom1
からのパス、つまりodabase
があります。
ドライバ・ドメイン仮想マシンでは、次のゲスト・オペレーティング・システムがサポートされています。
-
最新のUnbreakable Enterprise Kernel 2 (UEK2)またはUnbreakable Enterprise Kernel 3 (UEK3)を備えたOracle Linux。
-
Microsoft Windows with Oracle VM Windows PV Driver 3.4.2。Oracle VM Windows PV Driver 3.4.2リリースは、My Oracle Supportでパッチ番号23346086としてダウンロードできます。
-
Oracle Solaris 11.3以降x86。
親トピック: ドライバ・ドメイン仮想マシンを作成する方法
テンプレートからのドライバ・ドメイン仮想マシンの作成
仮想マシン・テンプレートからドライバ・ドメイン仮想マシンを作成します。
クローンの作成に使用するテンプレートの作成またはインポートには、いくつかのオプションを使用できます。必要な仮想マシン・テンプレート、テンプレートをインポートする方法およびテンプレートの命名規則を決定します。
この例では、Dom0
から仮想マシン・テンプレートをインポートし、そのテンプレートを使用してドライバ・ドメイン仮想マシンを作成します。ドライバ・ドメイン・モードのノード0のrepo2 (odarepo1)
という名前の共有リポジトリに格納されている、myol6u_15gb1 (OL5U7)
という名前の仮想マシン・テンプレートから、myol6u_test myol6u_ ol5u7_vm_alpha
という名前が仮想マシン・イメージに付けられます。
親トピック: ドライバ・ドメイン仮想マシンを作成する方法
仮想マシンのドライバ・ドメイン仮想マシンへの変換
パフォーマンスを向上させるために、ゲスト仮想マシンをドライバ・ドメイン仮想マシンに変換します。
Dom0
を使用する既存の仮想マシンをクローニングして、Dom0ではなくドライバ・ドメインのODA_BASE
を使用するクローン仮想マシンを作成できます。
この例では、仮想マシンvm–dom0_ol5u7
はDom0にあり、ドライバ・ドメイン仮想マシンではありません。この例では、ドライバ・ドメインのODA_BASE
を使用するvm–dd1_ol5u7
という名前のクローン仮想マシンを作成します。
親トピック: ドライバ・ドメイン仮想マシンを作成する方法
ルート・ディスクからドライバ・ドメイン・ディスクへの変換
ゲスト仮想マシン(ゲストVM)ルート・ディスクをドライバ・ドメインとして設定し、起動ドライバとして新しいディスクを作成します。
この例では、既存のゲスト仮想マシンをドライバ・ドメイン・ゲストVMとしてクローニングしてから、OL6U7_x86_64_PVHVM
テンプレートを使用してゲストVMを作成し、起動ドライバ用の新しいディスクを作成します。
ドライバ・ドメインを使用すると、ゲストVMディスクのIOパフォーマンスが向上します。ただし、ドライバ・ドメインは起動ディスクであるゲストVM仮想ディスクには適用できません。起動ディスクは通常はルート・ディスクであるため、起動ドライバとなる新しいディスクを作成する必要があります。
ゲスト仮想マシンを作成するには、既存のゲストをクローニングするか、Dom0の/OVS
ディレクトリで使用可能なテンプレート(OL6U7_x86_64_PVHVM
やOVM_OL5U7_X86_64_PVM_10GB.tgz
など)のいずれかを使用します。
この例では、元のOL6U7
仮想マシンのディスクのレイアウトを次に示します。
- boot/root disk '/dev/xvda' (echo -e "p" | fdisk /dev/xvda):
Device Boot Start End Blocks Id System
/dev/xvda1 * 2 503 514048 83 Linux
/dev/xvda2 504 11264 11019264 83 Linux
/dev/xvda3 11265 15360 4194304 82 Linux swap / Solaris
- u01 disk '/dev/xvdb' (echo -e "p" | fdisk /dev/xvdb):
Device Boot Start End Blocks Id System
/dev/xvdb1 1 13054 104856223+ 83 Linux
/etc/fstab
は次のとおりです。
# cat /etc/fstab
UUID=b072e1e9-05a9-4544-a4dd-b15ba49cea2f / ext4 defaults 1 1
UUID=301e09e2-78e4-47d6-b501-d4f1098b419d /boot ext4 defaults 1 2
UUID=39e5a125-a1d8-48f4-9e81-f9e89b4dd51b swap swap defaults 0 0
tmpfs /dev/shm tmpfs defaults 0 0
devpts /dev/pts devpts gid=5,mode=620 0 0
sysfs /sys sysfs defaults 0 0
proc /proc proc defaults 0 0
UUID=770078eb-c083-4d52-81bf-e026ab3f3fa7 /u01 ext4 defaults 1 2
df -h
は次のとおりです。
# df -h
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/xvda2 11G 814M 8.9G 9%
/tmpfs 3.9G 0 3.9G 0% /dev/shm
/dev/xvda1 479M 51M 399M 12% /boot
/dev/xvdb1 92G 55G 33G 63% /u01
親トピック: ドライバ・ドメイン仮想マシンを作成する方法
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームで高可用性を管理する方法
oakcli configure vm
コマンドを使用して、ご使用の仮想マシンの高可用性を構成します。
1年を通して重要な期間、1日のほとんどの時間および1週間のほとんどの曜日に中断されることのないコンピューティング・サービスを提供するために、可用性の高いシステムが設計されています。信頼性、リカバリ可能性、タイムリなエラー検出および継続的な操作は、高可用性ソリューションの主な特性です。高可用性の2つの重要な要素は、自動再起動とフェイルオーバーです。
ローカル・リポジトリを使用している場合を除き、仮想マシンの高可用性オプションを設定できます。高可用性オプションは、デフォルトで仮想マシンを起動する必要があるノードと、仮想マシンが他のノードにフェイルオーバーする必要があるかどうかを指定します。フェイルオーバーは、仮想マシンがすでに稼働しているノードに障害が発生した場合や仮想マシンが起動しようとしたときに優先ノードが使用不可能である場合に発生する可能性があります。
高可用性のための自動再起動の構成
仮想マシンは、ハードウェア障害またはソフトウェア障害の後に、またはデータベース・ホスト・コンピュータが再起動されたときに、自動的に再起動されます。oakcli configure vm
コマンドを使用して優先ノードで仮想マシンを起動するには、-prefnode
オプションを使用します。
高可用性のためのフェイルオーバーの構成
不測の失敗の後、手動で介入しなくても仮想マシンを他のノードで起動できるようフェイルオーバーを構成することで、高可用性が実現されます。コマンドoakcli configure vm
で-failover
オプションを使用して、あるノードから別のノードへのフェイルオーバーを構成します。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールの管理方法
これらのトピックでは、OAKCLIを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでCPUプールを作成および管理する方法について説明します。
- リソース割当て用のCPUプールの管理について
CPUプールを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシンのワークロードに対してリソース割当てをケージングし、管理します。 - オーバーサブスクライブされたCPUプールについて
CPUプールで利用できるリソースよりも多くのCPUリソースをサブスクライブしないように仮想マシンを構成します。 - Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ノードでの新規CPUプールの作成
oakcli create cpupool
コマンドを使用して、CPUプールを作成します。 - Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのノードで構成されたCPUプールの表示
oakcli show cpupool
コマンドを使用して、定義済の各CPUプールに割り当てられたCPUを表示します。 - Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールに割り当てられるCPUの数の変更
oakcli configure cpupool
コマンドを使用して、CPUプールに割り当てられるCPUの数を変更します。 - Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールへの仮想マシンの割当て
oakcli configure vm
コマンドを使用して、仮想マシンをCPUプールに割り当てます。
リソース割当て用のCPUプールの管理について
CPUプールを使用して、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシンのワークロードに対してリソース割当てをケージングし、管理します。
ワークロードを分離するには、CPUプールを作成して特定のCPUプールに仮想マシンを割り当て(ピン留め)ます。CPUプールに仮想マシンをピン留めすると、仮想マシンがそのCPUプールのCPUのみを使用するようになります。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームを初めて構成すると、default-unpinned-poolが各ノードに作成されます。このプールのサイズは、ハードウェア・モデルによって異なります。
ODA_BASEドメインを作成する場合は、新しいCPUプールが両方のノードに作成されます。プールはodaBaseCpuPool
という名前になります。このプールに必要なCPUは、default-unpinned-poolから削除されます。ODA_BASEは、odaBaseCpuPool
のCPUを使用できる唯一のドメインです。他の仮想マシンを起動すると、仮想マシンはdefault-unpinned-poolに残されたCPUで稼働し、これらの仮想マシンで実行される作業では事実上、ODA_BASEが除外されます。
仮想マシンは、CPUプールを追加作成してグループでケージングすることもできます。これらの追加プールを使用すると、1つ以上の仮想マシンを独自のCPUプールにピン留めできます。特定のCPUプールで稼働している仮想マシンは、他のCPUプールで稼働している仮想マシンとCPUサイクルを共有しません。CPUプールは必要な数だけ定義できます(上限はシステムの使用可能なCPUの数です)。
アプリケーション要件が時間とともに変化する場合は、必要に応じてCPUプールのサイズを変更したり、プールを追加または削除してリソースを最大限に活用することをお薦めします。ODA_BASEのサイズを変更することもできます。ただし、ODA_BASEのサイズを変更する場合、Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ライセンスの更新も行う特殊なコマンドを使用する必要があります。
例17-21 ノード上のCPUプールの表示例
次のoakcli show cpupool
コマンドでノードごとに示しているように、各ノードのCPUプールは同じサイズでなくてもかまいません(odaBaseCpuPool
を除く)。
# oakcli show cpupool -node 0
Pool Cpu List
default-unpinned-pool [14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 2
1, 22, 23]
twocpu [12, 13]
odaBaseCpuPool [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9,
10, 11]
# oakcli show cpupool -node 1
Pool Cpu List
default-unpinned-pool [12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 1
9, 20, 21, 22, 23]
odaBaseCpuPool [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9,
10,11]
オーバーサブスクライブされたCPUプールについて
CPUプールで利用できるリソースよりも多くのCPUリソースをサブスクライブしないように仮想マシンを構成します。
CPUリソースを1つのCPUプールに割り当てることはできますが、1つのCPUプールにしか属せません。複数の仮想マシンを、同じCPUプールに割り当てることができます。CPUプールは、プール内のアクティブな仮想マシンがプールに構成された数を超えるCPUを必要とする場合、オーバーサブスクライブになります。たとえば、CPUプールに4つのCPUがある場合、それぞれ4つのCPUを使用するように定義された2つの仮想マシンを起動できます。この場合、4つのCPUそれぞれが2つの仮想マシンをサポートしているため、CPUプールはオーバーサブスクライブされます。
これらの仮想マシンのいずれかを停止したとしても、2つのCPUが必要な別の仮想マシンを起動する場合、CPUプールはオーバーサブスクライブされたままになります。これは、CPUの2つが両方の仮想マシンをサポートしているためです。CPUプールをオーバーサブスクライブした場合、そのプール内の仮想マシンのパフォーマンスを評価します。オーバーサブスクライブされたプールの共有によって許容できないレベルまでパフォーマンスが低下している場合は、1つ以上の仮想マシンを異なるCPUプールに再度割り当てます。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ノードでの新規CPUプールの作成
oakcli create cpupool
コマンドを使用して、CPUプールを作成します。
CPUプールを作成することによってリソースの使用量を管理し、このリソースを仮想マシンに割り当てます。
例17-22 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ノードでの新規CPUプールの作成の例
この例では、4つのCPUが割り当てられているwinpool
という名のCPUプールをノード0上に作成します。
# oakcli create cpupool winpool -numcpu 4 -node 0
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのノードで構成されたCPUプールの表示
oakcli show cpupool
コマンドを使用して、定義済の各CPUプールに割り当てられたCPUを表示します。
oakcli show cpupool
を使用すると、各CPUプールに割り当てられている仮想マシンを表示できます。
例17-23 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・ノードで定義済のCPUプールに割り当てられたCPUの数の表示例
このoakcli show cpupool
の例は、ノード0で定義済の各CPUプールに割り当てられたCPUを示しています。
# oakcli show cpupool -node 0
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールに割り当てられるCPUの数の変更
oakcli configure cpupool
コマンドを使用して、CPUプールに割り当てられるCPUの数を変更します。
Oracle VM Serverは、1つの仮想プールにのみ割り当てることができます。しかし、仮想プールに割り当てられているリソースを変更して、仮想マシンで使用できるCPUリソースを増やすことができます。
例17-24 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールに割り当てられるCPUの数の変更の例
このoakcli configure cpupool
の例は、ノード1のlinpool
という名前のCPUプールに割り当てられるCPUの数を変更します。コマンドを実行すると、CPUに割り当てられる新しいCPUリソースの数は6になります。
# oakcli configure cpupool linpool -numcpu 6 -node 1
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールへの仮想マシンの割当て
oakcli configure vm
コマンドを使用して、仮想マシンをCPUプールに割り当てます。
Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでの仮想マシンの配置ポリシーの一環として、ノード上のCPUプールの可用性を確認します。
仮想マシンが特定のCPUプールに割り当てられており、フェイルオーバーが可能な場合、この仮想マシンはセカンダリ・ノードで同じCPUプールを使用しようとします。他のノードにCPUプールが存在してもサイズが異なる場合、仮想マシンがセカンダリ・ノードで稼働すると、その仮想マシンのパフォーマンスに影響することがあります。割り当てられたCPUプールがセカンダリ・ノードに存在しない場合、仮想マシンはフェイルオーバーできません。
ノート:
oakcli cpupool
コマンドを使用してodaBaseCpuPool
を管理しないでください。かわりに、「ODA_BASEのサイズ変更方法」で説明されているように、ODA_BASEを構成するコマンドを使用します。
例17-25 Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでのCPUプールへの仮想マシンの割当て例
このoakcli configure vm
例では、wintest
という名の仮想マシンをwinpool
という名のCPUプールにピン留めする方法を示しています。
# oakcli configure vm wintest -cpupool winpool