ttAdoptStores

UNIXおよびLinuxシステム上で、TimesTenインスタンスのデータベースを、メジャー・リリースが同じだがパッチセットまたはパッチ・リリースが異なる新しいTimesTenインスタンスに移動します。 たとえば、TimesTen 22.1.1.21.0のデータをTimesTen 22.1.1.22.0に移動できます。

ノート:

リリース番号の最初の2つの部分(22.1以上)は、メジャー・リリースを指します。リリース番号の3番目の部分は、パッチセット・リリースを表します。

このユーティリティは、既存のデータベースを使用してTimesのパッチ・セットまたはパッチ・リリースをテストするのに役立ちます。TimesTenの新しいリリースをインストールし、1つ以上のデータベースを新しいリリースに移行して、TimesTenの旧リリースをアンインストールせずにテストできます。

ttAdoptStoresユーティリティは、移行先のインスタンスで実行する必要があります。

必要な権限

このユーティリティは、TimesTenインスタンス管理者が実行する必要があります。インスタンス管理者は、新旧両方のTimesTenインスタンスで同じユーザーである必要があります。

TimesTen ScaleoutおよびTimesTen Classicでの使用

このユーティリティはTimesTen Classicでサポートされていますが、TimesTen Scaleoutではサポートされません。

構文

ttadoptstores {-h | -help | -?}
ttadoptstores {-V | -version}
ttadoptstores [-quiet] -dspath path
ttadoptstores [-quiet] -instpath path

オプション

ttAdoptStoresには次のオプションがあります。

オプション 説明

-dspath path

1つのデータベースを移行します。path引数は、データベース・ファイル(拡張子は含みません)のパスであることが必要です。

-h

-help

?

使用方法のメッセージを出力して終了します。

-instpath path

インスタンスの全データベースを移行します。path引数は、デーモンの作業ディレクトリ(infoディレクトリ)のパスである必要があります。

使用中のデータベースがある場合は、ユーティリティは変更を行わずに失敗します。操作全体が完了するまで、ソース・インスタンスのデータベースには新規に接続できません。

-quiet

冗長メッセージは返されません。

-V | -version

ttAdoptStoresのリリース番号を出力し、終了します。

データベース/my/data/stores/dsを移行するには、次のコマンドを実行します。

% ttadoptstores -dspath /my/data/stores/ds

ディレクトリ/opt/TimesTen/instance1のデータベースすべてを移行するには、次のコマンドを実行します。

% ttadoptstores -instpath /opt/TimesTen/instance1

ノート

  • 一時データベースは移行できません。

  • 移行しようとしているインスタンスがレプリケーション・スキームの一部である場合、ttRepAdmin -duplicateの操作時に、-remoteDaemonPortオプションにポート番号が指定されていないかぎり、移行する側とされる側のレプリケーション・スキームのポート番号は一致している必要があります。通常、レプリケーション・スキームに含まれるインスタンスは、すべて同時に更新する必要があります。

  • このユーティリティで、sys.odbc.iniのエントリはコピーされません。これらのファイルは手動で移動する必要があります。