ttBackup

データベースのバックアップ・コピーを作成します(これにより、後でttRestoreユーティリティを使用してそのデータベースをリストアできます)。

TimesTenのバックアップとリストア機能の概要は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseインストレーション、移行およびアップグレード・ガイド』「TimesTen Classicでのデータのバックアップ、リストアおよび移行」を参照してください。

必要な権限

このユーティリティには、ADMIN権限が必要です。

接続文字列またはDSNに認証情報が指定されていない場合、続行する前にユーザーIDおよびパスワードの入力が求められます。

TimesTen ScaleoutおよびTimesTen Classicでの使用

このユーティリティはTimesTen Classicでサポートされていますが、TimesTen Scaleoutではサポートされません。

構文

ttBackup {-h | -help | -?}
ttBackup {-V | -version}
ttBackup -dir directory [-type backupType]
[-fname fileprefix] [-force]
{-connStr connection_string | DSN} 

オプション

ttBackupには次のオプションがあります。

オプション 説明

-connStr connection_string

データベースの場所、ドライバ、および必要に応じてその他の接続属性設定を指定するODBC接続文字列。

DSN

バックアップするデータベースのODBCデータソース名を指定します。

-dir directory

バックアップ・ファイルが格納されるディレクトリを指定します。

-fname fileprefix

バックアップ・ディレクトリのバックアップ・ファイルのファイル接頭辞を指定します。このオプションのデフォルト値は、データベースのODBC定義のDataStoreパラメータのファイル名の部分です。

-force

指定したディレクトリにバックアップを強制的に作成します。そのディレクトリにバックアップが存在している場合は、ttBackupによって上書きされます。このオプションが指定されておらず、指定したディレクトリに前にバックアップしたデータベース以外のデータベースからバックアップを作成する場合、ttBackupは既存のファイルを上書きせずに終了メッセージを返して終了します。

-h -help -?

使用方法のメッセージを出力して終了します。

-type backupType

実行するバックアップの種類を指定します。有効な値は次のとおりです:

fileFull (デフォルト) - directoryおよびfileprefixパラメータで指定されたバックアップ・パスに対して、ファイルの全体バックアップを実行します。作成されたバックアップは、増分バックアップでは使用できません。

fileFullEnable - directoryおよびfileprefixパラメータで指定されたバックアップ・パスで、ファイルの全体バックアップを実行します。作成されたバックアップは、増分バックアップで使用できます。

fileIncremental - directoryおよびfileprefixパラメータで指定されたバックアップ・パスにデータベースの増分可能バックアップが含まれている場合は、そのバックアップ・パスでファイルの増分バックアップを実行します。それ以外の場合は、エラーが返されます。

fileIncrOrFull - directoryおよびfileprefixパラメータで指定されたバックアップ・パスにデータベースの増分可能バックアップが含まれている場合は、そのバックアップ・パスでファイルの増分バックアップを実行します。それ以外の場合は、データベースのファイルの完全バックアップを実行し、増分可能のマークを付けます。

streamFull - 標準出力するストリーム・バックアップを実行します。

incrementalStop : バックアップを実行しません。directoryおよびfileprefixパラメータで指定されたバックアップ・パスに対して、増分バックアップを無効にします。これにより、増分バックアップでトランザクション・ログ・ファイルが蓄積することを回避します。

-V | -version

ttBackupのリリース番号を出力し、終了します。

FastInsデータベースのファイルの完全バックアップをバックアップ・ディレクトリ/users/pat/TimesTen/backupsに対して実行するには、次のコマンドを使用します。

% ttBackup -type fileFullEnable -dir /users/pat/TimesTen/backups FastIns

FastInsデータベースをFastIns.backファイルにコピーするには、次のコマンドを実行します。

% ttBackup -type streamFull FastIns > FastIns.back

UNIXおよびLinuxシステムでFastInsデータベースをバックアップ・テープに保存するには、次のコマンドを実行します。

% ttBackup -type streamFull FastIns | dd bs=64k of=/dev/rmt0

origDSNというデータベースをディレクトリ/users/rob/tmpにバックアップし、それをrestoredDSNというデータベースにリストアするには、次のコマンドを実行します。

% ttBackup -type fileFull -dir /users/rob/tmp -fname restored origDSN
ttRestore -dir /users/rob/tmp -fname restored restoredDSN

ノート

ttBackupユーティリティおよびttRestoreユーティリティは、TimesTenリリースとプラットフォームの2つの部分が同じ場合にのみ、データベースのバックアップおよびリストアを行います。たとえば、TimesTenのリリース22.1.1.21.022.1.1.22.0の間でファイルをバックアップし、リストアできます。リリース11.2.2.8.35と18.1.2.1.0の間ではファイルのバックアップとリストアはできません。ttBulkCpユーティリティまたはCSユーティリティ(UNIXおよびLinuxのみ)を使用して、各メジャー・リリースまたは各種オペレーティング・システムをまたいでデータベースを移行できます。

増分バックアップが有効になっている場合、TimesTenではトランザクション・ログ・ファイルにバックアップ保持が作成されます。ttLogHolds組込みプロシージャをコールして、この保持に関する情報を確認します。バックアップ保持は、後続の増分バックアップでバックアップするログ・レコードを判断する場合に使用されます。前回の増分バックアップ以降の変更内容のみが更新されます。ただし、バックアップ保持を作成すると、その保持が別の増分バックアップの実行によって進められるまで、または増分バックアップを無効にすることによって削除されるまで、チェックポイント処理時にトランザクション・ログ・ファイルを消去できなくなります。

バックアップ操作の開始後にコミットされたトランザクションは、バックアップに反映されません。

最大で、1つのチェックポイントおよび1つのバックアップを同時にアクティブにできますが、次の制限があります。

  • チェックポイントが完了するまでバックアップを待機させる必要はありません。

  • 別のバックアップが完了するまでバックアップを待機させる必要があります。

  • バックアップが完了するまでチェックポイントを待機させる必要があります。

キャッシュ・グループを含むデータベースは、ttBackupユーティリティを使用して正常にバックアップできます。ただし、そのようなバックアップをリストアする場合は、キャッシュ・グループ内のリストアされたデータが古くなっていたり、バックエンドOracle Databaseのデータと同期していないことがあるため、特別な注意が必要です。詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseキャッシュ・ガイド』「キャッシュ・グループを含むTimesTen Classicデータベースのバックアップおよびリストア」を参照してください。

一時データベースはバックアップできません。