ttBulkCp
ttBulkCpには、次の2つのモードがあります:
-
コピーイン・モード(
ttBulkCp -i)では、1つ以上のASCIIファイル(またはstdin)から、既存のTimesTen表に行がコピーされます。 -
コピーアウト・モード(
ttBulkCp -o)では、TimesTen表全体が単一のASCII出力ファイル(またはstdout)にコピーされます。
UNIXおよびLinuxシステムでは、このユーティリティはTimesTen Data Manager DSNでサポートされます。クライアントDSNでは、ttBulkCpCSユーティリティを使用します。
ノート:
クライアント/サーバー・プロトコルにおけるリリース間互換性はTimesTenでサポートされていますが、ツールttBulkCpCSは、下位リリース互換性および上位リリース互換性がありません。したがって、同じバージョンのクライアント/サーバー接続にのみ使用可能です。
このユーティリティは、その実行者であるユーザーが所有するオブジェクトおよび所有者がSELECT権限を持っているオブジェクトのみコピー・アウトします。ユーティリティを実行している所有者がADMIN権限を持っている場合、ttBulkCpはすべてのオブジェクトをコピー・アウトします。
必要な権限
このユーティリティを使用するには、情報のコピー先となる表に対するINSERT権限が必要です。また、情報のコピー元となる表に対するSELECT権限が必要です。
接続文字列またはDSNに認証情報が指定されていない場合、続行する前にユーザーIDおよびパスワードの入力が求められます。
TimesTen ScaleoutおよびTimesTen Classicでの使用
このユーティリティは、TimesTen ClassicとTimesTen Scaleoutの両方でサポートされています。構文
ttBulkCp {-h | -help | -? | -helpfull}
ttBulkCp {-V | -version}
ttBulkCp -i [-cp numTrans | final] [-d errLevel]
[-e errorFile] [-m maxErrs] [-s c] [-t errLevel]
[-u errLevel] [-v 0|1] [-xp numRows | rollback]
[-Cc | -Cnone] [-tformat timeFormat] [-tsformat timeStampFormat]
[-dformat | -D dateFormat] [-F firstRow] [-L lastRow]
[-N ncharEncoding] [-Q 0|1] [-S errLevel] [-dateMode dateMode][-numThreads numthreads][-[no]tblLock] [-localOnly] {-connStr connection_string | DSN}
[owner.]tableName [dataFile ...]
ttBulkCp -directLoad [-cp numTrans|final] [-d errLevel] [-e errorFile]
[-m maxErrs] [-s c] [-t errLevel] [-u errLevel]
[-v 0|1] [-xp numRows|rollback] [-Cc | -Cnone]
[-dformat formatStr] [-tformat formatStr]
[-tsformat formatStr] [-F firstRow] [-L lastRow]
[-N ncharEncoding] [-Q 0|1] [-S errLevel] [-dateMode mode]
{DSN | [-connstr] connection_string}
[owner.]tblName [dataFile ...]
ttBulkCp -o [-s c] [-v 0|1] [-A 0|1] [-Cc | -Cnone]
[-nullFormat formatStr] [-localOnly]
[-tformat timeFormat] [-tsformat timeStampFormat]
[-dateMode dateMode] [-dformat | -D dateFormat]
[-N ncharEncoding] [-noForceSerializable | -forceSerializable]
[-tsprec precision] [-Q 0|1] [-localOnly]
{-connStr connection_string | DSN} [owner.]tblName
[dataFile]オプション
ttBulkCpには次のオプションがあります。
| オプション | 説明 |
|---|---|
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データベースの場所、ドライバ、および必要に応じてその他の接続属性設定を指定するODBC接続文字列。 |
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コピーするデータベースのODBCデータソース名を指定します。 |
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日付書式を設定します。サポートされている固定値のリストは、「固定の日付、時刻およびタイムスタンプ書式」を参照してください。このオプションは 関連項目: |
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コピーイン・モードでは、表に挿入する行を含む1つ以上の コピーアウト・モードでは、行のコピー先のファイルのパス名を指定します。ファイルを指定しないと、標準出力が使用されます。単一のハイフン( |
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コピーイン・モードでは、入力のデフォルトの動作は日付です。 コピーアウト・モードでは、出力のデフォルトの動作はタイムスタンプです。 出力モードで このオプションは |
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データをASCIIファイルからデータベース表にコピーするコピーイン・モードを選択します。ただし、直接接続を使用するクライアントでのみ使用できます。クライアント/サーバー接続を使用する際に必要なオーバーヘッドの一部が回避され、 |
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使用方法についての短いメッセージを出力して終了します。 |
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使用方法についての長いメッセージを出力して終了します。 |
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データをASCIIファイルからデータベース表にコピーするコピーイン・モードを選択します。直接接続またはクライアント/サーバー接続のいずれかを使用するクライアントで使用できます。 |
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このオプションは、特定のインスタンスの行のみをロードします。グリッドに特定のインスタンスをロードしてから、このオプションを使用します。このオプションを使用すると、 このオプションは、TimesTen Scaleoutでのみサポートされます。 デフォルト値は |
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コピーアウト・モードを選択します。 |
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保存またはロードする表の所有者を指定します。ownerを省略すると、TimesTenは、まずユーザー名で、次にユーザー名 |
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文字列値を二重引用符で囲むかどうかを示します。
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デフォルトのフィールド区切り文字を |
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保存またはロードする表の名前を指定します。このパラメータでは大/小文字は区別されません。 |
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時刻書式を設定します。サポートされている固定値のリストは、「固定の日付、時刻およびタイムスタンプ書式」を参照してください。デフォルト値は 関連項目: |
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タイムスタンプ書式を設定します。サポートされている固定値のリストは、「固定の日付、時刻およびタイムスタンプ書式」を参照してください。デフォルト値は 関連項目: |
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冗長レベルを設定します。
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次のオプションは、コピーアウト・モード(-o)でのみ使用します。指定した表に対するSELECT権限が必要です。
| オプション | 説明 |
|---|---|
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Warning: This output was produced using a non-serializable isolation level. It may therefore not reflect a transaction-consistent state of the table. 分離モードの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』の「トランザクションの分離レベル」を参照してください。 |
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空のLOBは、引用符なしのモードでは |
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次のオプションは、コピーイン・モード(-i)およびダイレクトロード・モード(-directload)でのみ使用します。指定した表に対するINSERT権限が必要です。
| オプション | 説明 |
|---|---|
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コピーインのチェックポイント・ポリシーを設定します。
0以外の値は、numTransトランザクションごとに、さらにコピー全体が完了した後に、
デフォルト値は 定期的なコミットも有効になっている場合にのみ、定期的なチェックポイントを有効にできます。 ノート: このオプションは、TimesTen Scaleoutではサポートされません。 |
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デフォルトでは、
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エラーのためにTimesTen表にコピーできない行に関する情報を、 |
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コピーする最初の行の番号を示します。TimesTen表に行のサブセットをコピーするには、このオプションを(任意で |
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コピーする最後の行の番号を示します。 |
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レポートするエラーの最大数を指定します。 デフォルトは
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デフォルトでは、
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デフォルトでは、
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TimesTen表に行をコピーする際に、表レベル・ロックを使用するか行レベル・ロックを使用するかを指定します。
表への単一の入力ストリームの場合、 |
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デフォルトでは、real、floatまたはdouble属性のアンダーフロー時に、
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ロードのトランザクション・ポリシーを設定します。
0 (ゼロ)以外の値は、 デフォルト値は データベースの定期的なチェックポイントを有効にするには、 |
データ・ファイルの書式
この項では、dataFileパラメータの書式について説明します。
ttBulkCp入力ファイルの各行は、空白行、コメント行、属性行またはデータ行のいずれかです。
-
空白行とは、空白文字(スペースとタブ)を含む、文字がまったくない行のことです。空白行は
ttBulkCpによって無視されます。 -
コメント行はコメント文字で始まります。デフォルトのコメント文字は#です。このデフォルトは
-Cコマンドライン・オプションまたはCOMMENTCHARファイル属性(「ファイル属性行の書式」を参照)で上書きできます。コメント文字は行の先頭文字である必要があります。コメント行はttBulkCpによって無視されます。データ行の最後にあるコメントは、サポートされません。 -
ファイル属性行は、データファイルの書式を制御するファイル属性の設定に使用されます。属性行は10文字からなる文字列
##ttBulkCpで始まります。属性行の完全な構文については、「ファイル属性行の書式」の項を参照してください。属性行は、データファイルの任意の場所に記述できます。 -
データ行には、コピー元の表の行が含まれます。データファイルのデータ行と表の行は1対1で対応します(つまり各データ行は、1つの行を完全に記述します)。各データ行は、フィールド・セパレータ文字によって区切られた列値のリストで構成されます。デフォルトのフィールド・セパレータはカンマ(,)です。このデフォルトは、
-sコマンドライン・オプションまたはFSEPファイル属性によって上書きできます。データ行の完全な構文については、「データ行の書式」の項を参照してください。
ファイル属性行の書式
属性行の書式は次のとおりです。
##ttBulkCp[:attribute=value]...
属性行は、コメント文字が#でない場合であっても、10文字からなる文字列##ttBulkCpで始まります。この文字列の後には、それぞれのファイル属性設定の前にコロンを付けて、0(ゼロ)または1つ以上の属性を指定できます。
ファイル属性設定が有効なのは、入力ファイルの終わりまで、または同じ入力ファイルで他の属性行によって変更されるまでです。属性行で省略されたファイル属性の値はそのままで変更されません。
ほとんどのコマンドライン・オプションは、ttBulkCpでサポートされるファイル属性の値よりも優先されます。CHARACTERSET属性は、コマンド・ライン・オプションを上書きできる唯一の属性です。
次のファイル属性があります。
-
CHARACTERSET: データファイルを解釈するために使用される文字セットを指定します。ファイル属性が設定されていない場合は、ConnectionCharacterSet接続属性で指定した文字セットがファイルの解釈に使用されます。最適なパフォーマンスを得るためには、DatabaseCharacterSet接続属性の値を、ConnectionCharacterSet接続属性またはこのファイル属性のいずれかと一致させます。ConnectionCharacterSet接続属性またはこのファイル属性で、ファイルの実際の文字セットとは異なる文字セットを指定すると、ttBulkCpはデータを正しく解釈できない場合があります。 -
VERSION: ファイルで使用されるファイル形式のバージョンを指定します(major.minorとして表されます)。サポートされるバージョンは1.0のみです。 -
DATEMODE: Oracle DatabaseのDATE型が日付として扱われるか、タイムスタンプとして扱われるかを指定します。 -
FSEP: ファイルで使用されるフィールド・セパレータ文字を指定します。フィールド・セパレータは、\t(タブ)、または~ ! @ # $ % ^ & * ( ) = : ; | < > ? , /のいずれかの文字に設定できます。 -
QUOTES: ファイル内の文字列値が二重引用符で囲まれるかどうかを示します。0の値は文字列が引用符で囲まれないことを示し、1の値は文字列が引用符で囲まれることを示します。この値は-Qオプションで上書きされます。 -
COMMENTCHAR: ファイルで使用されるコメント文字を指定します。コメント文字は、\t (タブ)、または~ ! @ # $ % ^ & * ( ) = : ; | < > ? , /のいずれかの文字に設定できます。
コメント文字は、データファイルでのコメントの使用を無効にする、値noneに設定することもできます。
-
DFORMAT: 日付書式を設定します。サポートされている値のリストは、「固定の日付、時刻およびタイムスタンプ書式」を参照してください。ユーザー定義の書式が使用されている場合は、一重引用符で囲む必要があります。この値は-D/-dformatコマンドライン・オプションで上書きされます。関連項目:TFORMATおよびTSFORMAT。 -
NCHARENCODING:NCHARとNVARCHAR2データ型に使用するエンコードを示します。値はASCIIまたはUTF-8です。 -
TFORMAT: 時刻書式を設定します。サポートされている値のリストは、「固定の日付、時刻およびタイムスタンプ書式」を参照してください。ユーザー定義の書式が使用されている場合は、一重引用符で囲む必要があります。この値は-tformatコマンドライン・オプションで上書きされます。関連項目:DFORMATおよびTSFORMAT。 -
TSFORMAT: タイムスタンプ書式を設定します。サポートされている値のリストは、「固定の日付、時刻およびタイムスタンプ書式」を参照してください。ユーザー定義の書式が使用されている場合は、一重引用符で囲む必要があります。この値は-tsformatコマンドライン・オプションで上書きされます。関連項目:DFORMATおよびTFORMAT。
例
次のヘッダー行はフィールド・セパレータ文字を$ に設定し、文字列を引用符で囲むことを無効にします。
##ttBulkCp:FSEP=$:QUOTES=0
次のヘッダー行はコメントを無効にし、日付書式をOracle書式に設定します。
##ttBulkCp:COMMENTCHAR=none:DFORMAT=Oracle
次のヘッダー行は、日付書式をカスタム書式に設定します。
##ttBulkCp:DFORMAT='Mon DD, YYYY'
データ行の書式
データ行には、コピー元の表の行データが含まれます。各データ行は表の行に対応します(行は複数の入力ファイル行にまたがることはできません)。データ行は、フィールド・セパレータ文字によって区切られる、列値のリストで構成されます。フィールド・セパレータの前後に、不要な空白文字を置くことはできません。それぞれの値の書式はその型によって決定されます。
NULL値
NULL値は、NULL(すべて大文字、引用符なし)、または空のフィールドとして表すことができます。
文字とUnicode文字列
CHAR、VARCHAR2、NCHAR、NVARCHAR2、CLOB、NCLOB: 文字列を引用符で囲むことが有効になっている場合(デフォルト)、文字列および文字は二重引用符で囲む必要があります。文字列を引用符で囲むことが無効になっている場合、文字列の中の二重引用符文字はどれも文字列自体の一部であるとみなされ、文字列を引用符で囲むことが有効になっているかどうかにかかわらず、ttBulkCpでは文字列の中の次のバックスラッシュ・エスケープ文字が認識されます。
-
\": 二重引用符文字。文字列を引用符で囲むことが有効になっている場合、文字列のすべての二重引用符文字はバックスラッシュでエスケープされる必要があります。文字列を引用符で囲むことが無効になっている場合、バックスラッシュの使用は許容されますが、必要ではありません。 -
\t: タブ文字。 -
\n: 改行文字。 -
\r: 改行文字。 -
\\: バックスラッシュ文字。 -
\xyz(CHARとVARCHAR2のみ):ASCII値がxyzである文字、xyzは、\033のような3文字の8進数です。 -
\
uxyzw(NCHARとNVARCHAR2のみ): Unicode値がxyzwである文字、xyzwは、\ufe4aのような4桁の16進数です。\uxyzw表記法はUTF-8とASCIIの両方のエンコード・モードでサポートされます。
また、~ ! @ # $ % ^ & * ( ) = : ; | < > ? , /文字のいずれもバックスラッシュでエスケープすることができます。多くの場合、これらの文字をエスケープする必要はありませんが、エスケープすると、文字列を引用符で囲むことが無効になっていても、コメント文字やフィールド・セパレータと解釈されるのを回避できます。
引用符で文字列を囲むことが有効になっている場合、空の文字列(" "として表される)はNULLと区別されます。引用符で文字列を囲むことが無効になっている場合、NULLと区別できないため、空の文字列を表すことはできません。
Unicode文字列の場合、UTF-8マルチバイト・シーケンスを使用してエンコードされるUnicode文字は、UTF-8エンコード・モードのみでサポートされます。これらのシーケンスがASCIIエンコード・モードで使用された場合、ttBulkCpはシーケンス内の各バイトを別々の文字として解釈します。
固定長のCHARとNCHARフィールドの場合、フィールド長よりも短い文字列は空白で埋められます。VARCHAR2およびNVARCHAR2フィールドの場合、文字列はデータファイルに指定されているとおり正確にTimesTenに入力されます。後続の空白は追加も削除されません。
バイナリ値
BINARY、VARBINARY, BLOB: 文字列を引用符で囲むことが有効になっている場合(デフォルト)、バイナリ値は中括弧({...})によって区切られます。文字列を引用符で囲むことが無効になっている場合、中括弧は使用されません。文字列を引用符で囲むことが有効か無効かにかかわらず、バイナリ値はオプションの0xまたは0Xで始めることができます。
バイナリ・データの各バイトは、2つの16進数として表されます。たとえば、次のような4バイトのバイナリ文字列があるとします。
01101000 11001010 01001001 11101111
このバイナリ文字列は、次の8文字の16進文字列として表されます。
68CA49EF
AからFの文字によって表される数字は、大文字でも小文字でもかまいません。16進文字列は空白を含むことができません。16進文字列の文字の各対が単一のバイナリ・バイトに変換されるため、16進文字列には偶数個の文字が含まれている必要があります。固定長バイナリ・フィールドでは、指定された値が列長よりも短い場合、値の右側に0(ゼロ)が埋め込まれます。VARBINARY値の場合、バイナリ値はデータファイルに指定されているとおり正確にTimesTenに挿入されます。
文字列を引用符で囲むことが有効になっている場合、長さが0(ゼロ)のバイナリ値({ }として表される)はNULLと区別されます。文字列を引用符で囲むことが無効になっている場合、NULLと区別できないため、長さが0(ゼロ)のバイナリ値を表すことはできません。
整数値
TINYINT、SMALLINT、INTEGER、BIGINT: 整数値は、オプションの符号とその後に続く1つ以上の数字で構成されます。整数値では、E表記法は使用できません。例:
-14 98765 +186
浮動小数点値
REAL、FLOAT、DOUBLE: 浮動小数点値は小数点の有無にかかわらず表すことができ、E表記法を使用することもできます。例:
3.1415 -0.00004 1.1e-3 5e3 .56 -682 -.62E-4 170.
固定小数点値
DECIMAL、NUMERIC: 10進値は小数点の有無にかかわらず表すことができます。10進値ではE表記法を使用できません。例:
5 -19.5 -11 000 -.1234 45. -57.0 0.8888
Inf、-InfおよびNaN値
Inf、-InfおよびNan値: 無限大および数字以外の値は、文字列で表現して対応する定数値を表すことができます(すべて大/小文字は区別されません)。
| 文字列 | 値 |
|---|---|
|
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|
|
|
|
|
|
|
TimesTenでは、値がNAN、INFおよび-Infとして出力されます。
固定の日付、時刻およびタイムスタンプ書式
日付値の場合、固定書式は次のとおりです。
| 書式 | 説明 |
|---|---|
|
ODBC |
例: (デフォルト値) |
|
Oracle |
例: |
|
SYBASE1 |
例: |
|
SYBASE2 |
例: |
|
SYBASE3 |
例: |
時刻値の場合、固定書式はODBCのみです。
| 書式 | 説明 |
|---|---|
|
ODBC |
例: |
タイムスタンプ値の場合、固定書式は次のとおりです。
| 書式 | 説明 |
|---|---|
|
ODBC |
例: |
|
Oracle |
例: |
|
SYBASE1 |
例: |
|
SYBASE2 |
例: |
|
SYBASE3 |
例: |
デフォルトのタイムスタンプ値は、'DF*TF+FF'です
日付、時刻およびタイムスタンプの値
日付、時刻およびタイムスタンプの値は、固定日時書式を選択するか、カスタムの日時書式を定義することによって指定できます。カスタムの日時書式は、TO_DATEおよびTO_CHAR SQL関数で使用されるものに類似した書式指定子を使用して定義されます。
デフォルトのTimesTenの書式(DF*TF+FF)は日付および時刻書式に関して定義されているため、多くの場合、カスタムの日付または時刻書式が使用されている場合にもタイムスタンプ書式を定義する必要はありません。このため、日付書式を設定すると、日付値の書式のみでなく、タイムスタンプ値の日付部分も設定されます。同様に、タイムスタンプ書式を設定すると、時刻値とタイムスタンプ値の時刻部分の両方が影響を受けます。
| 指定子 | 説明および制限 |
|---|---|
|
|
四半期。コピーイン・モードでは使用できません。 |
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年(4桁)。 |
|
|
年(カンマ付き)。 |
|
|
年(末尾3桁)。コピーイン・モードでは使用できません。 |
|
|
年(末尾1桁)。コピーイン・モードでは使用できません。 |
|
|
月(空白が埋め込まれた9文字の正式名、大/小文字の区別なし)。 |
|
|
月(3文字の接頭辞、大/小文字の区別なし)。 |
|
|
月(01から12)。 |
|
|
日付(01から31)。 |
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|
時刻(00から23)。 |
|
|
時刻(01から12)。コピーイン・モードでは、AM/PMを指定する必要があります。 |
|
|
時刻(01から12)。コピーイン・モードでは、AM/PMを指定する必要があります。 |
|
|
分(00から59)。 |
|
|
秒(00から59)。 |
|
|
小数秒。6桁( |
|
|
小数秒(nで指定される桁数)。 |
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|
コピーイン・モードでは、オプションの小数点に加えて、1つ以上の小数秒と一致します。コピーアウト・モードでは、 |
|
|
コピーイン・モードでは、 |
|
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ドットなしの正午標識。コピーイン・モードでは、 |
|
A.M. P.M. |
ドット付きの正午標識。コピーイン・モードでは、 |
|
|
現在の日付書式(タイムスタンプ書式でのみ使用できます)。 |
|
|
現在の時刻書式(タイムスタンプ書式でのみ使用できます)。 |
|
|
コピーイン・モードで一致するか、コピーアウト・モードで出力される記号。 |
|
" |
入力モードで一致するか、コピーアウト・モードで出力されるテキスト。 |
|
|
コピーイン・モードで0個以上の空白文字(スペースまたはタブ)と一致するか、コピーアウト・モードで1つの空白を出力します。 |
例
次の入力ファイルは、5つの列(2つのCHAR列と、double列、integer列およびVARBINARY列を1つずつ)を持つ表のためのものです。Mountain View行には、最後の3つの列にNULL値が存在します。
##ttBulkCp
# This is a comment.
###### So is this.
# The following line is a blank line.
"New York","New York",-345.09,12,{12EF87A4E5}
"Milan","Italy",0,0,{0x458F}
"Paris","France",1.4E12,NULL,{F009}
"Tokyo","Japan",-4.5E-18,26,{0x00}
"Mountain View","California",,,
上記の入力ファイルと同等の入力ファイルを次に示します。このファイルでは、引用符が無効、コメント文字が「$」、フィールド・セパレータが「|」です。
##ttBulkCp:QUOTES=0:COMMENTCHAR=$:FSEP=| $ This is a comment. $$$$$$ So is this. $ The following line is a blank line. New York|New York|-345.09|12|12EF87A4E5 Milan|Italy|0|0|0x458F Paris|France|1.4E12|NULL|F009 Tokyo|Japan|-4.5E-18|26|0x00 Mountain View|California|||
次のコマンドは、表mytblの内容をデータベースmystoreからファイルmytbl.dumpにダンプします。
% ttBulkCp -o mystore mytbl mytbl.dump
次のコマンドは、mytbl.dumpファイルにリストされている行を、データベースmystoreのmytblという表にロードします。エラー・メッセージは、mytbl.errファイルに格納されます。
% ttBulkCp -i -e mytbl.err mystore mytbl mytbl.dump
前述のコマンドは、最初のエラーの発生後に終了します。入力ファイルの終わりまで(または、リカバリ不能なエラーが発生するまで)コピーを続行させるには、次のように-m 0を使用します。
% ttBulkCp -i -e mytbl.err -m 0 mystore mytbl mytbl.dump
制約違反によって発生するエラーを無視するには、つぎのように-d ignoreを使用します。
% ttBulkCp -i -e mytbl.err -d ignore mystore mytbl mytbl.dump
ノート
データベースの不慮の破損を防ぐため、ttBulkCpではOverwrite接続属性は明示的に0に設定されます。詳細は、「Overwrite」を参照してください。
浮動小数点数が小さい場合、real、floatまたはdoubleの値は0(ゼロ)に切り捨てられる場合があります。
このユーティリティでは、0以外の値を指定したPassThrough接続属性はサポートされていないため、0以外の値を指定するとエラーが返されます。
日付、時刻およびタイムスタンプの書式を設定する場合、入力モードでは不完全または冗長な書式は使用できません。データ型に存在しないフィールド(日付書式の分の指定子など)を参照すると、コピーアウト・モードではエラーを返します。コピーイン・モードでは、それらの指定子の値は無視されます。
ttBulkCpデータファイル内の引用符で囲まれた文字列を無効にする場合は、次の注意事項が適用されます。
-
NULLと区別できないため、空の文字列と長さが0(ゼロ)のバイナリ値は表すことができません。 -
フィールド・セパレータ文字が文字列にある場合は、バックスラッシュでエスケープさせる必要があります。そうしないと、実際のフィールド・セパレータとして扱われます。
-
データ行が文字列で始まり、その文字列がコメント文字で始まる場合、その文字をバックスラッシュでエスケープさせないと、その行はコメントとして扱われます。ファイル内に実際のコメントがない場合、コメント文字を
noneに設定して文字がコメント文字として誤読されないようにします。
UTF-8の場合、NCHARはUTF-8エンコードに変換されてから出力されます。UTF-8入力はNCHARに変換されます。
ASCIIの場合、ASCII文字に対応するNCHAR値はASCIIとして出力されます。ASCII以外のNCHAR値では、エスケープされたUnicode書式が使用されます。
このユーティリティは、TimesTen表で特に使用されます。Oracle Databaseへのパススルーではサポートされていません。
Windowsでは、すべてのTimesTen Data ManagerおよびクライアントDSNで、このユーティリティがサポートされています。
アプリケーションのロックの競合問題を回避するために、ttBulkCp実行中はDDL SQLを実行しないことをお薦めします。