ttExporter
ttExporter
ユーティリティを使用するとPrometheusでTimesTenのヘルスと操作を監視できます。Prometheusは、オープン・ソース・システムの監視およびアラート・ツールキットです。様々なソースからメトリックを収集して格納します。独自の時系列データベースと時系列問合せ言語があります。
TimesTenエクスポータは、TimesTenメトリックをPrometheusによって使用される形式に変換します。この統合により、Prometheusで監視するシステムにTimesTenを追加できます。
Prometheusの構成および監視されるメトリックの詳細とメトリックの表示方法については、Oracle TimesTen In-Memoryモニタリングおよびトラブルシューティング・ガイドのTimesTen Prometheusエクスポータを参照してください。
必要な権限
ttExporter
を実行する場合、さらに権限は必要ありません。ただし、ttExporter
を別のオペレーティング・システム・ユーザーとして実行する場合は、そのユーザーがPrometheusによって監視されるインスタンスの各TimesTenデータベースに存在する必要があります。また、オペレーティング・システム・ユーザーにはCREATE
SESSION
権限が付与されている必要があります。たとえば、osuser1
オペレーティング・システム・ユーザーがttExporter
を実行する場合、Prometheusによって監視されるインスタンス内の各TimesTenデータベースで次の操作を実行する必要があります。Command> CREATE USER osuser1 IDENTIFIED EXTERNALLY;
User created.
Command> GRANT CREATE SESSION TO osuser1;
TimesTen ScaleoutおよびTimesTen Classicでの使用
このユーティリティは、TimesTen ClassicとTimesTen Scaleoutの両方でサポートされています。
TimesTen Scaleoutでは、データ・インスタンスまたは管理インスタンスのいずれかを実行している各ホストでエクスポータがサポートされています。1つのホストに複数のデータ・インスタンスがある場合は、データ・インスタンスごとに1つのエクスポータをデプロイします。
構文
ttExporter -h | -help ttExporter -create-server-certificate [-rsa-key-size bits][-certificate-common-name dnsip1] [-certificate-alt-names dnsip2] [-certificate-directory mycertdir] ttExporter -export-server-certificate serverfilename [-certificate-directory mycertdir] ttExporter -export-client-certificate clientfilename -export-client-private-key keyfile [-certificate-directory mycertdir] ttExporter [-insecure] [-limit-rate r] -port p [-pid-file pidfilename] [-d] [-certificate-directory mycertdir]
オプション
ttExporter
には次のオプションがあります。
オプション | 説明 |
---|---|
|
使用方法のメッセージを出力して終了します。 |
-certificate-directory mycertdir |
エクスポータが使用する証明書情報を含むOracleウォレットが格納されるディレクトリを定義します。( ディレクトリを指定しない場合、証明書はユーザーのホーム・ディレクトリ( |
-create-server-certificate [-rsa-key-size bits] |
新規サーバー証明書を作成します。エクスポータはサーバー証明書を使用して、クライアントに対する自己認証とクライアント証明書の認証を行います。 新しいサーバー証明書を作成すると、以前にエクスポートされたクライアント証明書が無効になります。
このオプションを指定すると、エクスポータが起動しません。 |
[ -certificate-common-name dnsip1 ] [ -certificate-alt-names dnsip2 ] |
サーバー証明書を作成するための追加オプションを定義します。
|
-d |
エクスポータをデバッグ・モードで起動し、ログ・メッセージをsyslog ではなく標準出力に書き込みます。(デフォルトでは、ログ・メッセージはsyslog に書き込まれます。)
|
-export-server-certificate serverfilename |
サーバー証明書をPEM形式でエクスポートします。この例では、証明書を このオプションを指定すると、エクスポータが起動しません。 |
-export-client-certificate clientfilename -export-client-private-key keyfile |
クライアント証明書を作成してファイル(この例では このオプションを指定すると、エクスポータが起動しません。 |
-insecure |
HTTPプロトコルを使用して、セキュアでないモード(認証なし)でエクスポータを起動します。
このモードでは、エクスポータはサーバー証明書を使用して自身を認証せず、クライアント証明書も認証しません。 |
-limit-rate r |
1分当たりのHTTP (またはHTTPS) このオプションを指定しない場合、エクスポータは1分当たり最大10個のHTTP (またはHTTPS) |
-pid-file pidfilename |
エクスポータの起動時に、オプションで |
-port p |
エクスポータのリスニング・ポート番号(この例ではp )を設定します。エクスポータを起動するたびにポート番号を設定する必要があります。
|
例
認証なしでエクスポータを起動するには、次を使用します。
% ttExporter -insecure -port 12345
クライアント証明書認証を使用するには:
サーバー証明書を1回作成します。-certificate-directory
で指定されたディレクトリにあるOracleウォレットに証明書を格納します。この例では、ディレクトリはmycertdir
です。
% ttExporter -create-server-certificate -certificate-directory mycertdir
サーバー証明書を作成したら、PEM形式でファイルにエクスポートします。-certificate-directory
オプションは、(サーバー証明書の作成時に指定されたとおりに)指定する必要があります。
% ttExporter -export-server-certificate mycertdir/server.crt -certificate-directory mycertdir
サーバー証明書をエクスポートした後、クライアント証明書とクライアント秘密キーの両方を作成してエクスポートします。エクスポータからメトリックをスクレイプするPrometheusインスタンスごとに、クライアント証明書とクライアント秘密キーを作成してエクスポートする必要があります。-certificate-directory
オプションは、(サーバー証明書の作成時に指定されたとおりに)指定する必要があります。
% ttExporter -export-client-certificate mycertdir/client.crt
-export-client-private-key mycertdir/key.crt -certificate-directory mycertdir
クライアント証明書とクライアント秘密キーを作成してエクスポートした後、エクスポータを起動します。ttExporter
でファイル(この例では、/tmp/ttexporter.pid
)にプロセスIDを書き込む場合は、-pid-file
オプションを指定します。-certificate-directory
オプションは、(サーバー証明書の作成時に指定されたとおりに)指定する必要があります。
% ttExporter -port 12345 -pid-file /tmp/ttexporter.pid -certificate-directory mycertdir