ttInstanceModify

ttInstanceModifyユーティリティを使用して、インスタンスの特定の属性を変更します。

変更できる属性は次のとおりです:

  • このインスタンスに関連付けられているインストール。

  • デーモンおよびサーバーのポート番号。

  • インスタンスのTNS_ADMIN

  • このインスタンスのOracle ClusterwareでのTimesTenレプリケーションの構成。

  • TLS設定(存在する場合)。
  • システムの起動スクリプト。

変更されるインスタンスは、$TIMESTEN_HOMEで参照されるインスタンスです。

このユーティリティでオプションを指定しなかった場合、ttInstanceModifyによって各属性の現在値と、値を保持または変更できるプロンプトが表示されます。

設定のいずれかを変更した場合は、ユーティリティによって次のことが実行されます。

  1. インスタンスのTimesTenデーモンを停止します。
  2. timesten_home/confディレクトリのtimesten.confファイルを編集します。
  3. インスタンスのTimesTenメイン・デーモンを起動します。

必要な権限

このユーティリティには、インスタンス管理者の権限が必要です。

TimesTen ScaleoutおよびTimesTen Classicでの使用

このユーティリティはTimesTen Classicでサポートされていますが、TimesTen Scaleoutではサポートされません。

構文

ttInstanceModify [-h | -help | -?] [-verbose]

ttInstanceModify [-port daemonport] [-serverport cs_port] 
[-serverEncryption {accepted|rejected|requested|required} -serverCipherSuites {comma-separated list} -serverWallet {new_wallet_dir}] [-tnsadmin location] [-crs] [-install installation_dir]

オプション

ttInstanceModifyには次のオプションがあります。

オプション 説明

-h

-help

-?

ヘルプ情報を表示します。

-daemonport daemonport

TimesTenメイン・デーモンのポート番号を更新します。

-crs

インスタンスのOracle Clusterware構成を作成または変更します。

-install installation_dir

インスタンスが使用するインストールを変更します。

-installオプションを使用すると、インスタンスを別のTimesTenインストール環境に関連付けることができます。通常、これはインスタンスを新しいメンテナンスまたはパッチ・リリースにアップグレードするために使用します。

このオプションは、18.1から22.1へのアップグレードなど、新しいメジャー・リリースへのアップグレードには使用できません。

-serverEncryption {accepted|rejected|requested|required}

暗号化をクライアント/サーバー接続で受け入れるか、拒否するか、リクエストするか、または必須にするかを決定します。

  • accepted: クライアントによって必要とされる場合またはリクエストされた場合は、暗号化されたセッションを有効にします。それ以外の場合は、暗号化されていないセッションを使用します。これはデフォルトです。
  • rejected: 暗号化されていないセッションを要求します。(サーバーが暗号化をサポートしていない場合、TimesTenは、これがサーバー上の設定であるかのように動作します。)クライアントが暗号化を必要とする場合、接続は拒否されます。
  • requested: クライアントで許可されている場合は暗号化されたセッションをリクエストします(クライアントでrejected以外の設定が使用されている場合)。それ以外の場合は暗号化されていないセッションを使用します。
  • required: 暗号化されたセッションを要求します。クライアントが暗号化を拒否している場合、接続を拒否します。

-serverEncryptionおよび-serverCipherSuitesの値は、timesten.confファイルのインスタンス作成レベルで設定され、そのインスタンスで作成されたデータベースのデフォルト値として使用されます。ただし、データベース定義で対応する接続属性を設定することで、それらをオーバーライドできます。

-serverEncryptionおよび-serverCipherSuitesオプションの使用方法は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイド』「タスク2: TimesTen ClassicでのTLSのサーバー構成の設定」を参照してください。

-serverCipherSuites {suites}

クライアントの設定にも応じて、Transport Layer Securityに使用できる暗号スイートまたはスイートがリストされますこれらのスイートの1つ以上を(カンマ区切りで優先順に)指定します。

SSL_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_128_GCM_SHA256
SSL_ECDHE_ECDSA_WITH_AES_256_GCM_SHA384
SSL_RSA_WITH_AES_128_CBC_SHA256 

デフォルト設定はありません。TLSを使用するには、サーバーおよびクライアント設定に1つ以上の共通スイートが含まれている必要があります。詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイド』「TimesTen Client/Server用のTransport Layer Security」を参照してください。

-serverWallet new_wallet_dir

サーバー・ウォレットを別の場所に移動またはコピーする場合は、timesten.confファイルにこの新しい場所を指定する必要があります。これを行うには、新しいサーバー・ウォレット・ディレクトリが有効かどうかを判断する-serverWalletを使用し、有効である場合はtimesten.confファイルのエントリを変更します。

詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイド』「タスク2: TimesTen ClassicでのTLSのサーバー構成の設定」を参照してください。

-systemd | -nosystemd

このオプションを使用して、systemdを使用してインスタンスのメイン・デーモンを管理するかどうかを変更できます。

このオプションは、Clusterwareでは使用できません。

-tnsadmin location

インスタンスのTNS_ADMIN設定(キャッシュ用)を更新します。