ttTraceMon

ttTraceMonユーティリティでは、TimesTenの内部トレース機能を有効および無効にできます。

データベースごとにトレース・オプションを有効および無効にできます。各データベースには、TimesTenの内部処理を説明するメッセージを書き込めるトレース・バッファが含まれています。デフォルトでは、トレースは無効になっています。ただし、このユーティリティを使用して有効にできます。

ttTraceMonユーティリティには、トレース情報を有効、無効、ダンプ、操作するためのサブコマンドが用意されています。ttTraceMonは対話的に実行する(プロンプトで複数のサブコマンドを入力できます)ことも、対話的に実行しない(ttTraceMonコマンド・ラインで1つのサブコマンドを指定できます)こともできます。

対話的に実行する場合、ttTraceMonは標準入力からテキスト行の入力を要求し、その行をトレース・コマンドとして解釈します。セミコロンで区切ることによって、複数のトレース・コマンドを同一の行に指定できます。ttTraceMonを終了するには、空白行を入力します。

対話モードでは、次のようにttTraceMonコマンドの出力をファイルにリダイレクトできます。

% ttTraceMon connection_string > filename

コンポーネント名の大/小文字は区別されません。一部のコマンド(dumpshowおよびflush)では、複数のコンポーネントを表示することができ、操作は各コンポーネントに対して行われます。各サブコマンドでは、コンポーネントを表示しないと、ユーティリティの操作はすべてのコンポーネントに対して行われます。

このユーティリティで使用できるコンポーネントの説明と、ttTraceMonが各コンポーネントに対して返す情報の説明は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseトラブルシューティング・ガイド』「ttTraceMonユーティリティの使用」を参照してください。

必要な権限

このユーティリティには、ADMIN権限が必要です。

TimesTen ScaleoutおよびTimesTen Classicでの使用

このユーティリティはTimesTen Classicでサポートされていますが、TimesTen Scaleoutではサポートされません。

構文

ttTraceMon {-h | -help | -?}
ttTraceMon {-V | -version}
ttTraceMon [-e subcommand] {-connStr connection_string | DSN}

オプション

ttTraceMonユーティリティには、次のオプションがあります。

オプション 説明

-connStr connection_string

データベースの場所、ドライバ、および必要に応じてその他の接続属性設定を指定するODBC接続文字列。

DSN

トレース情報の取得元となるデータベースのODBCデータソース名を示します。

-e subcommand

指定したデータベースに対してサブコマンドが実行されます。サブコマンドが2語以上で構成される場合は二重引用符で囲みます。例:

ttTraceMon -e "show err" database1

サブコマンドが完了すると、ttTraceMonは終了します。-eを指定しない場合は、ttTraceMonは対話モードで起動し、stdinからコマンドを読み込んで、stdoutに結果を表示します。

-h

-help

-?

使用方法のメッセージを出力して終了します。

-V | -version

ttTraceMonのリリース番号を出力し、終了します。

サブコマンド

ttTraceMonは、次のサブコマンドを使用してコールできます。

コマンド 説明

components

すべてのcomponentsの名前および内部識別子を表示します。

このユーティリティで使用できるコンポーネントの説明と、ttTraceMonが各コンポーネントに対して返す情報の説明は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseトラブルシューティング・ガイド』「ttTraceMonユーティリティの使用」を参照してください。

connection {all | self | connectionNum} [on |off]

指定した接続のトレース機能を有効または無効にします。データベースの作成時には、トレース機能はすべての接続に対して有効になっています。connectionNumの値は、接続スロット番号またはトランザクションIDの最初の数字です。

dump

現在バッファされているトレース・レコードをすべて出力します。SELECT権限またはデータベース・オブジェクトの所有権が必要です。

dump comp

コンポーネントcompのすべてのトレース・レコードを出力します。SELECT権限またはデータベース・オブジェクトの所有権が必要です。

flush

バッファ済のトレース・レコードをすべて破棄します。

flush comp

コンポーネントcompのバッファ済のトレース・レコードをすべて破棄します。

help

トレース・コマンドのサマリーを出力します。

level comp n

コンポーネントcompのトレース・レベルをnに設定します。ADMIN権限またはデータベース・オブジェクトの所有権が必要です。

outfile file

トレース出力を指定のファイルに出力します。fileに設定できる値は、0stdoutstderrまたはファイル名です。Windowsでは、ファイル名は8.3形式の短い名前である必要があります。fileに0を設定した場合、出力は停止します。TimesTenは通常どおりトレースのバッファを継続し、これらはttTailのようなユーティリティでアクセス可能です。fileを指定しない場合は、現在のoutfile設定が出力されます。

show

有効なトレース・レベルをすべて表示します。

show comp

コンポーネントcompのトレース・レベルを表示します。

tracefiles n

出力ファイルの最大数を設定します。

tracefilesize n[M|G]

出力ファイルのファイル・サイズ制限を設定します。

Mが指定されている場合は、ファイル・サイズをMB単位で指定することを示します。

Gが指定されている場合は、ファイル・サイズをGB単位で指定することを示します。

ノート:

トレース機能によってパフォーマンスが大幅に低下する可能性があるため、問題のデバッグに対してのみトレース機能を有効にしてください。この情報は、主にTimesTenカスタマ・サポートによる使用を目的としていますが、システム管理者およびシステム開発者に役立つ場合もあります。