TimesTenデータベース・パフォーマンスの概要

従来のRDBMSによる作業の多くは、データが主にファイル・システムに存在するという前提に基づいて行われます。この基本的な前提に基づいて、最適化アルゴリズム、バッファ・プール管理、および索引検索技法が設計されています。

ファイル・システム・ベースのRDBMSがそのすべてのデータをメイン・メモリー内に保持するように構成されている場合でも、データの常駐という前提がパフォーマンスの足かせになります。これらの前提は、処理ロジック、索引付けスキーム、データ・アクセス・メカニズムなどについてハードコードされているため、簡単に変更できません。

TimesTenは、データがメイン・メモリーに常駐するという認識で設計されているため、データへのより直接的な経路を選択し、コード・パスの長さを短縮してアルゴリズムおよび構造を簡素化できます。

ファイル・システムの前提がなくなると、複雑さは大幅に軽減されます。マシンのコマンド数は減少し、バッファ・プール管理や余分なコピーは不要となり、索引ページも縮小し、これらの構造は簡素化されます。設計は単純でコンパクトになり、リクエストが高速に処理されます。図1-1に、TimesTenの設計の簡素さを示します。

図1-1 ファイル・システムベースのRDBMSとTimesTen Classicの比較

図1-1の説明が続きます。
「図1-1 ファイル・システムベースのRDBMSとTimesTen Classicの比較」の説明

TimesTen ScaleoutとTimesTen Classicの両方で、そのRDBMSとしてOracle TimesTen In-Memory Databaseが使用されているため、どちらでも高いパフォーマンスが実現されます。TimesTen Scaleoutが最適なスループットを実現し、TimesTen Classicが最善の待機時間を実現します。TimesTen In-Memory Databaseでは、実行時にデータが存在する場所に関する前提を変更することによって高いパフォーマンスが実現されます。TimesTen In-Memory Databaseでは、メモリー内のデータが管理され、それに応じてデータ構造およびアクセス・アルゴリズムが最適化されます。この結果、データベース操作は最大効率で実行され、完全にキャッシュされたファイル・システム・ベースのリレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)と比較しても、応答性とスループットが劇的に向上します。