TimesTenScaleoutSpecSpec

TimesTenScaleoutSpecSpecはTimesTenScaleoutSpecに表示されます。

次の表では、TimesTenScaleoutSpecSpecの構文について説明します。型が数量のフィールドがいくつかあります。指定する値の形式は、Kubernetesのリソース制限と同じです。たとえば、200Gi、200G、1000Mi、1000Mなどです。

ノート:

内部使用のために予約されており、この表には記載されていないデータ項目があります。これらのデータ項目の名前は通常、zzで始まります。たとえば、zzTestInfoは内部使用のために予約されています。

表19-7 TimesTenScaleoutSpecSpec

フィールド タイプ 説明

additionalMemoryRequest

数量

TimesTenデータベースの要素に必要な量以外の、リクエストするmemoryの量。

このメモリーは、TimesTenデーモン、サブデーモン、エージェントおよびクライアント/サーバー用に使用されます。

この値は、ユーザーが指定したか算出されたdatabaseMemorySizeに追加されます。この合計が、Kubernetesへのmemoryリクエストです。

デフォルトは2Giです。

agentGetTimeout

整数

オペレータがTimesTenエージェントによるhttps GETリクエストの処理を待機する時間(秒)。これには、TCPおよびTLS時間、およびTimesTenエージェントがGETリクエストを実装するのにかかる時間が含まれます。

デフォルトは60です。値0は、タイムアウトがないことを示します。タイムアウトを超えた場合、オペレータはエージェントを停止とみなします。

agentPostTimeout

整数

オペレータがTimesTenエージェントによるhttps POSTリクエストの処理を待機する時間(秒)。これには、TCPおよびTLS時間、およびTimesTenエージェントがPOSTリクエストを実装するのにかかる時間が含まれます。POSTリクエストには時間がかかる場合があり、時間はデータベースのサイズに比例する場合があります。(例として、データベースをアクティブからスタンバイに複製するPOSTリクエストがあります。)

デフォルトは600です。値0は、タイムアウトがないことを示します。タイムアウトを超えた場合、オペレータはPOSTリクエストが失敗したとみなします。

agentTcpTimeout

整数

オペレータがTimesTenエージェントとの通信時にTCPハンドシェイクを待機する時間(秒)。

デフォルトは10です。値0は、タイムアウトがないことを示します。タイムアウトを超えた場合、オペレータはエージェントを停止とみなします。

agentTlsTimeout

整数

オペレータがTimesTenエージェントとの通信時にTLS (https)資格証明交換を待機する時間(秒)。

デフォルトは10です。値0は、タイムアウトがないことを示します。タイムアウトを超えた場合、オペレータはエージェントを停止とみなします。

automaticMemoryRequests

ブール

オペレータによってTimesTenポッドに対する適切なメモリー制限およびリスエストの設定を試みるかどうかを指定します。

有効な値は次のとおりです。
  • true (デフォルト): オペレータによってメモリー制限およびリクエストの設定が試みられます。

  • false: オペレータによってメモリー制限およびリクエストは設定されません。

cacheCleanup

ブール

このTimesTenClassicオブジェクトの削除時にOracle Databaseのメタデータをクリーン・アップするかどうかを指定します。TimesTen Cacheにのみ使用します。

有効な値は次のとおりです。

  • true (または指定なし): メタデータはクリーン・アップされます。

  • false: メタデータはクリーン・アップされません。

『Oracle TimesTen In-Memory Databaseキャッシュ・ガイド』自動リフレッシュが有効になっているキャッシュ・グループで使用されるOracle Databaseオブジェクトの削除を参照してください。

daemonLogCPURequest

数量

daemonlogコンテナに対してリクエストされたCPUの量。

デフォルトは200m (CPUの5分の1)です。

daemonLogMemoryRequest

数量

daemonlogコンテナに対してリクエストされたメモリーの量。

デフォルトは200Miです。

daemonLogSidecar

ブール

各TimesTenポッドにデーモン・ログ・コンテナを作成するかどうかを指定します。このコンテナは、(ttmesg.logの) TimesTenデーモン・ログをstdoutに書き込みます。これにより、Kubernetesはこれらのログを記録します。

有効な値は次のとおりです。

  • true (または指定なし): デーモン・ログ・コンテナが作成されます。

  • false: デーモン・ログ・コンテナは作成されません。

databaseCPURequest

数量

この値を指定して、ttコンテナに必要なCPUの量をオペレータに示します。これには、TimesTenデーモン、サブデーモン、レプリケーション・エージェント、キャッシュ・エージェントおよびクライアント/サーバーによって使用されるCPUが含まれます。

デフォルト値はありません。

databaseMemorySize 数量

この値を指定すると、データベースの要素に必要な共有メモリーの量をオペレータに示すことができます。

値を指定した場合は、その値が使用されます。値を指定しなかった場合、オペレータでは、提供したdb.iniファイルが参照されて必要サイズの特定が試みられます。

オペレータでデータベース・サイズを特定できない場合は、値580911104が使用されます。これは、PermSizeが200MBであるデフォルト・データベースに必要なサイズであり、2Miに切り上げられます。これは実験の場合は役立つ可能性がありますが、本番環境では不十分である可能性があります。

TimesTenでは、ConfigMapまたはシークレットを使用することでオペレータにdb.iniファイルを提供することと、databaseMemorySizeを指定しないようにすることをお薦めします。

ノート:

初期化コンテナを使用することでdb.iniファイルを提供する場合は、databaseMemorySizeを指定する必要があります。

dataStorageClassName

文字列

グリッド内のTimesTenデータベースの要素の永続ボリュームをリクエストするために使用される記憶域クラスの名前。指定しない場合、デフォルトはstorageClassNameの値です。

dataStorageSelector

metav1.LabelSelector

永続ボリュームを使用してTimesTenデータベースの要素をグリッドに格納する場合、使用するボリュームの主要な決定要素は、指定するdataStorageClassNameです。オプションで、dataStorageSelectorフィールドを使用してラベル・セレクタを指定できます。このラベル・セレクタにより、ボリューム・セットがさらにフィルタ処理されます。参照:

https://kubernetes.io/docs/concepts/storage/persistent-volumes/#selector

dataStorageSize

文字列

グリッド内のTimesTenデータベースの要素ごとにプロビジョニングされる記憶域の量。

デフォルトは50Giです。このデフォルト値は、製品の試験やデモ目的で使用する場合に適しています。ただし、本番環境では、50Giより大きな値を選択することを検討してください。このマニュアルの例では、本番環境を想定して、250Giの値を使用しています。

dbConfigMap

文字列の配列

予測ボリュームに含める1つ以上のConfigMapの名前。この予測ボリュームは、TimesTenコンテナに/ttconfigとしてマウントされます。dbConfigMapまたはdbSecretを指定しない場合は、他の手段を使用してメタデータ・ファイルを/ttconfigディレクトリに配置する必要があります。「/ttconfigディレクトリの移入」を参照してください。

dbSecret

文字列の配列

予測ボリュームに含める1つ以上のシークレットの名前。この予測ボリュームは、TimesTenコンテナに/ttconfigとしてマウントされます。dbSecretまたはdbConfigMapを指定しない場合は、他の手段を使用してメタデータ・ファイルを/ttconfigディレクトリに配置する必要があります。「/ttconfigディレクトリの移入」を参照してください。

exporterCPURequest

数量

exporterコンテナに対してリクエストされたCPUの量(このコンテナがプロビジョニングされている場合)。

デフォルトは200m (CPUの5分の1)です。

exporterMemoryRequest

数量

exporterコンテナに対してリクエストされたメモリーの量(このコンテナがプロビジョニングされている場合)。

デフォルトは200Miです。

image

文字列

作成されたコンテナで実行されるTimesTenイメージの名前。

デフォルト値はありません。imageの名前を指定する必要があります。

imagePullPolicy

文字列

Kubernetesがイメージ・リポジトリからTimesTenイメージをプルするかどうか、およびいつプルするかを指定します。

有効な値は次のとおりです。

  • Always

  • IfNotPresent (デフォルト)

  • Never

ノート: 値の大/小文字は区別されます。

imagePullSecret

文字列

指定されたTimesTenイメージをそのイメージ・リポジトリからフェッチするための権限を認証してKubernetesに付与するために使用されるイメージ・プル・シークレット。

デフォルト値はありません。image pull secretの名前を指定する必要があります。

k

整数

このTimesTenグリッドのK-Safety値。この値により、TimesTenデータベースのデータのコピー数が決まります。また、この値により、TimesTenオペレータによって作成されるStatefulSetの数も決まります。StatefulSetは、グリッドに単一のデータ領域を実装するために使用されるポッドを提供します。たとえば、k2に設定した場合、オペレータは2つのStatefulSetを作成します。1つのStatefulSetは、データ領域1のデータ・インスタンスのポッドを提供します。もう1つのStatefulSetは、データ領域2のデータ・インスタンスのポッドを提供します。また、オペレータは、管理インスタンスのStatefulSetおよびZooKeeperのStatefulSetも作成します。

デフォルトは2です。

K-Safetyの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Database Scaleoutユーザーズ・ガイド』K-Safetyを参照してください。

logStorageClassName

文字列

TimesTenデータベース・トランザクション・ログ・ファイルの永続ボリュームをリクエストするために使用される記憶域クラスの名前。このフィールドはオプションであり、データ・インスタンスにのみ有効です。

logStorageSelector

metav1.LabelSelector

永続ボリュームを使用してTimesTenトランザクション・ログ・ファイルを格納する場合、使用するボリュームの主要な決定要因は、指定するlogStorageClassNameです。オプションで、logStorageSelectorフィールドを使用してラベル・セレクタを指定できます。このラベル・セレクタにより、ボリューム・セットがさらにフィルタ処理されます。データ・インスタンスにのみ有効です。参照:

https://kubernetes.io/docs/concepts/storage/persistent-volumes/#selector

logStorageSize

文字列

TimesTenトランザクション・ログ・ファイルにプロビジョニングされる記憶域の量。この値は、グリッド内のTimesTenデータベースの各要素に対する値です。データ・インスタンスにのみ有効です。

memoryWarningPercent

整数

実行時に、コンテナのメモリー使用量がその制限のパーセンテージ(両方ともcgroupによって報告される)を超える場合は、オペレータによって、この発生を通知するイベントが生成されます。

このメモリー使用量とは、コンテナのmemory割当てを指しています。

デフォルトは90です。

mgmtCPURequest

数量

管理インスタンスのttコンテナに対してリクエストされたcpuの量。

デフォルトは1です。

mgmtMemoryRequest

数量

管理インスタンスのttコンテナに対してリクエストされたmemoryの量。

デフォルトは3Giです。

mgmtStorageClassName

文字列

管理インスタンスのデータベースの永続ボリュームをリクエストするために使用される記憶域クラスの名前。指定しない場合、デフォルトはstorageClassNameの値です。

mgmtStorageSelector

metav1.LabelSelector

永続ボリュームを使用して管理インスタンスのデータベースを格納する場合、使用するボリュームの主要な決定要素は、指定するmgmtStorageClassNameです。オプションで、mgmtstorageSelectorフィールドを使用してラベル・セレクタを指定できます。このラベル・セレクタにより、ボリューム・セットがさらにフィルタ処理されます。mgmtstorageSelectorを指定しない場合、値はStorageSelectorの値になります。参照:

https://kubernetes.io/docs/concepts/storage/persistent-volumes/#selector

mgmtStorageSize

文字列

管理インスタンスのデータベースにプロビジョニングされる記憶域の量。

デフォルトは50Giです。

nReplicaSets

整数

グリッド内のレプリカ・セットの数。レプリカ・セットにはk要素が含まれます(各要素は、レプリカ・セット内の他の要素の正確なコピーです)。nReplicaSetsの値により、各StatefulSetのレプリカの数が決まります。たとえば、k2に設定した場合、TimesTenオペレータはデータ・インスタンスに対して2つのStatefulSetを作成します。nReplicaSets3に設定した場合、各StatefulSetには3つのレプリカが含まれ、グリッド内のレプリカ・セットの合計数は3になります。

デフォルトは1です。

レプリカ・セットの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Database Scaleoutユーザーズ・ガイド』レプリカ・セットの理解を参照してください。

nZookeeper

整数

StatefulSetでプロビジョニングするZooKeeperポッドの数。

有効な値は次のとおりです。

  • 1

  • 3 (デフォルト)

  • 5

pollingInterval

整数

オペレータがTimesTenScaleoutオブジェクトのステータスをチェックする頻度(秒単位)を指定します。たとえば、この値を10に設定すると、オペレータは10秒ごとにTimesTenScaleoutオブジェクトのステータスをチェックします。

この値は正の整数にする必要があります(0より大きな値)。デフォルトは5です。

prometheus

TimesTenScaleoutSpecSpecPrometheus

TimesTenエクスポータをデプロイするかどうかを指定します。指定した場合、エクスポータはデプロイされます。prometheusオブジェクトのデータ項目は、TimesTenScaleoutSpecSpecPrometheusで定義されます。

reexamine

文字列

TimesTenScaleoutオブジェクトがManualInterventionRequired状態である場合は、オペレータによってpollingInterval秒ごとにreexamineの値が確認されます。その値がこのオブジェクトの最後の反復以降に変更されていた場合は、オペレータによってTimesTenScaleoutオブジェクトが再確認され、そのオブジェクトの管理の再開が試みられます。

replicaSetRecovery

文字列

レプリカ・セット全体の障害が発生したときのオペレータの動作を制御します。

有効な値は次のとおりです。

  • Restart (デフォルト): レプリカ・セット全体の障害が発生すると、オペレータによってデータベースが強制的にアンロードされリロードされます。

  • Manual: レプリカ・セット全体の障害が発生すると、オペレータによってTimesTenScaleoutオブジェクトの状態がManualInterventionRequiredに変更されます。

stopManaging

文字列

TimesTenScaleoutオブジェクトのstopManagingの値を変更した場合は、オペレータによってそのオブジェクトがManualInterventionRequired状態に移されます。

storageClassName

文字列

TimesTenデータベースの永続ボリュームをリクエストするために使用される記憶域クラスの名前。

storageClassNameの値がdataStorageClassNamemgmtStorageClassNameおよびzookeeperStorageClassNameの値と同じ場合、storageClassNameを指定するだけです。この場合、dataStorageClassNamemgmtStorageClassNameおよびzookeeperStorageClassNameの値は、storageClassNameの値に設定されます。

storageSelector

metav1.LabelSelector

永続ボリュームを使用してTimesTenデータベースの要素をグリッドに格納する場合、使用するボリュームの主要な決定要因は、指定するStorageClassNameです。オプションで、storageSelectorフィールドを使用してラベル・セレクタを指定できます。このラベル・セレクタにより、ボリューム・セットがさらにフィルタ処理されます。

storageSelectorの値がdataStorageSelectormgmtStorageSelectorおよびzookeeperStorageSelectorの値と同じ場合、storageSelectorを指定するだけです。この場合、dataStorageSelectormgmtStorageSelectorおよびzookeeperStorageSelectorの値は、storageSelectorの値に設定されます。参照:

https://kubernetes.io/docs/concepts/storage/persistent-volumes/#selector

storageSize

文字列

グリッド内のTimesTenデータベースの各要素に使用される記憶域の量。

storageSizeの値がdataStorageSizemgmtStorageSizeおよびzookeeperStorageSizeの値と同じ場合、storageSizeを指定するだけです。この場合、dataStorageSizemgmtStorageSizeおよびzookeeperStorageSizeの値はstorageSizeの値に設定されます。

デフォルトは50Giです。

TimesTenに必要な記憶域の量の決定の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』TimesTenの記憶域のプロビジョニングを参照してください。

zookeeperCPURequest

数量

Zookeeperポッドのzookeeperコンテナに対してリクエストされたcpuの量。

デフォルトは500mです。

zookeeperMemoryRequest

数量

Zookeeperポッドのzookeeperコンテナに対してリクエストされたmemoryの量。

デフォルトは1Giです。

zookeeperStorageClassName

文字列

ZooKeeperの永続データの永続ボリュームをリクエストするために使用される記憶域クラスの名前。

指定しない場合、デフォルトはstorageClassNameの値です。

zookeeperStorageSelector

metav1.LabelSelector

永続ボリュームを使用してZooKeeperの永続データを格納する場合、使用するボリュームの主要な決定要素は、指定するzookeeperStorageClassNameです。オプションで、zookeeperStorageSelectorフィールドを使用してラベル・セレクタを指定できます。このラベル・セレクタにより、ボリューム・セットがさらにフィルタ処理されます。参照:

https://kubernetes.io/docs/concepts/storage/persistent-volumes/#selector

zookeeperStorageSize

文字列

ZooKeeperの永続データにプロビジョニングされる記憶域の量。

デフォルトは50Giです。