ttclassic Helmチャートの使用について

ttclassic Helmチャートには、レプリケートされたTimesTenデータベースおよびレプリケートされないTimesTenデータベースをKubernetesネームスペースにデプロイするために必要な情報が含まれています。好みの構成にあわせて、多くのカスタマイズを使用できます。このようなカスタマイズには、ttclassicチャートに固有の変数があります。「TimesTenデータベースの作成について」の項では、これらのカスタマイズの一部について説明します。その他のカスタマイズについては、「ttclassicチャート」を参照してください。

TimesTenオペレータは、データベースをさらにカスタマイズするためのメタデータ・ファイルを提供します。特に重要なファイルの1つは、testUserです。TimesTenのデプロイ後、helm testコマンドを使用してTimesTenをテストできます。テスト操作では、TimesTen testユーザーがTimesTenデータベースに存在している必要があります。このユーザーは、テスト・プロセスの一環としてデータベースに接続します。ttclassicチャートをインストールする前に、このユーザーを定義する必要があります。TimesTenオペレータは、この目的のためにtestUserメタデータ・ファイルを提供します。このファイルには、次の形式の1行が含まれています:
testuser/testuserpassword

ここで、testuserはTimesTenのテストに使用するTimesTenユーザーの名前で、testuserpasswordはこのtestユーザーのパスワードです。詳細は、「構成メタデータの使用」を参照してください。

メタデータ・ファイルをTimesTenコンテナに配置する機能としてKubernetes ConfigMapsまたはシークレットを使用している場合は、それらを作成する必要はありません。かわりに、ttclassicチャートをインストールすると、インストール・プロセスの一部としてConfigMapsおよびシークレットが自動的に作成されます。プロセスを容易にするには、ttclassicチャート・ディレクトリ・ツリー内にディレクトリを作成し、このディレクトリにメタデータ・ファイルを作成する必要があります。この項の後半で、これを実行する方法を示す例があります。

構成の必要性を決定し、これらのカスタマイズに使用する変数を確認した後、ttclassicチャートのインストール・プロセスの一部としてこれらの変数を指定するために次のオプションがあります:
  • 変数のYAMLファイルを作成します。ttclassicチャートをインストールする場合は、-fオプションを指定して、このYAMLファイルをhelm installコマンドに渡します。

  • --setオプションを指定してhelm installコマンドを実行し、コマンド・ラインで変数を指定します。

この例ではYAMLファイルを使用します。構文を含むこれらのオプションの詳細は、Helmドキュメントのhttps://helm.sh/docs/intro/using_helm/を参照してください。

この例では、ttclassic Helmチャートを使用して、レプリケートされたTimesTenデータベースおよびレプリケートされないTimesTenデータベースを定義およびデプロイする方法を示します。どちらの例も同じメタデータ・ファイル・セットを使用し、どちらもKubernetes ConfigMapsを使用してメタデータ・ファイルをttコンテナに取り込みます。

わかりやすくするために、例で使用されているメタデータ・ファイルおよびConfigMapsを作成します。メタデータ・ファイルの詳細は、「構成メタデータの使用」および「/ttconfigディレクトリの移入」を参照してください。

  1. 開発ホストで、ttclassicディレクトリに変更します。この例では、ディレクトリの場所はkube_files/helm/ttclassicです。
    cd kube_files/helm/ttclassic
  2. メタデータ・ファイルのディレクトリを作成します。
    mkdir -p cm
  3. 例で使用するメタデータ・ファイルを作成します。
    1. testUserファイルを作成します。
      vi testUser
      
      sampletestuser/sampletestuserpwd1
    2. db.iniファイルを作成します。
      vi db.ini
      
      PermSize=200
      DatabaseCharacterSet=AL32UTF8
    3. adminUserファイルを作成します。
      vi adminUser
      
      adminuser/adminuserpwd
    4. schema.sqlファイルを作成します。
      vi schema.sql
      
      create table adminuser.emp (id number not null primary key, name char (32));
メタデータ・ファイルとそれらのディレクトリが作成されました。ディレクトリの場所を保存します。後で必要になります。