DELETE

DELETE文は、表から行を削除します。

必要な権限

表の所有者に必要な権限はありません。

別のユーザーの表の場合は表に対するDELETEが必要です。

TimesTen Scaleoutでの使用

この文は、TimesTen Scaleoutでサポートされています。

SQL構文

DELETE [hint] [FIRST NumRows] FROM [Owner.]TableName [CorrelationName] 
[WHERE SearchCondition]
[RETURNING|RETURN Expression[,...]INTO DataItem[,...]]

パラメータ

パラメータ 説明

hint

DELETE文に文レベルのオプティマイザ・ヒントを指定します。オプティマイザ・ヒントの詳細は、「文レベルのオプティマイザ・ヒント」を参照してください。

FIRST NumRows

削除する行の数を指定します。FIRST NumRowsは、副問合せの文ではサポートされていません。NumRowsには、正のINTEGERか動的パラメータのプレースホルダを指定する必要があります。動的パラメータのプレースホルダの構文は、?または:DynamicParameterです。動的パラメータの値は、文の実行時に設定されます。

[Owner.]TableName [CorrelationName]

検索条件を満たす行を削除する表を指定します。

[Owner.]TableNameは、削除する表を識別します。

CorrelationNameは、直前で指定した表の別名を指定します。相関名を使用して、DELETE文の他の場所で表を参照します。CorrelationNameの有効範囲は、それが使用されているSQL文です。基本名の構文ルールを満たしている必要があります。詳細は、「基本名」を参照してください。

SearchCondition

削除する行を指定します。検索条件に一致する行がない場合、表は変更されません。WHERE句を省略した場合は、すべての行が削除されます。検索条件には副問合せを含めることができます。

Expression

有効な式の構文。詳細は、「式」を参照してください。

DataItem

取得したExpression値を格納するホスト変数またはPL/SQL変数。

説明

  • 表の行をすべて削除した場合、表は空になりますが、DROP TABLE文を実行しないかぎり、表自体は削除されません。

  • 表にアウトライン列があり、削除する数百万の行がある場合、ttCompact組込みプロシージャを呼び出してメモリーを解放することを検討してください。

  • 外部キー制約に違反するDELETE処理はエラーになります。外部キー制約の詳細は、「CREATE TABLE」を参照してください。

  • DELETE文によって報告される行の総数には、ON DELETE CASCADEアクションの結果、子表から削除された行は含まれません。

  • 子表の外部キー制約でON DELETE CASCADEを指定している場合、ユーザーは、子表のDELETE権限を明示的に必要とせずに、DELETE権限を持つ親表から行を削除できます。

  • RETURNING句の制限:

    • Expressionは単純な式である必要があります。集計関数はサポートされません。

    • 順序番号はOUTパラメータに戻せません。

    • ROWNUMおよび副問合せは、RETURNING句では使用できません。

    • RETURNING句のパラメータは、DELETE文のいずれの場所とも重複できません。

    • RETURNING句を使用して複数行を戻すには、PL/SQL BULK COLLECT機能が必要です。BULK COLLECTの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Database PL/SQL開発者ガイド』「FORALL操作およびBULK COLLECT操作」を参照してください。

    • PL/SQLでは、RETURNING句はWHERE CURRENT処理と一緒には使用できません。

発注件数が50未満の行をすべて削除します。

DELETE FROM purchasing.orderitems
WHERE quantity < 50;

idが主キーでない場合、次の問合せはすべての重複する注文を削除します。

DELETE FROM orders a
WHERE EXISTS (SELECT 1 FROM orders b
WHERE a.id = b.id and a.rowid < b.rowid);

次の順序で文を指定すると、外部キー違反が発生します。

CREATE TABLE master (name CHAR(30), id CHAR(4) NOT NULL PRIMARY KEY);
CREATE TABLE details
  (masterid CHAR(4),description VARCHAR(200), 
   FOREIGN KEY (masterid) REFERENCES master(id));
INSERT INTO master('Elephant', '0001');
INSERT INTO details('0001', 'A VERY BIG ANIMAL');
DELETE FROM master WHERE id = '0001';

ビジーな表を削除しようとするとエラーが発生します。この例では、t1はビジーな表であり、親表とそれに基づく外部キー制約となっています。

CREATE TABLE t1 (a INT NOT NULL, b INT NOT NULL,
       PRIMARY KEY (a));
CREATE TABLE t2 (c INT NOT NULL, 
       FOREIGN KEY (c) REFERENCES t1(a));
INSERT INTO t1 VALUES (1,1);
INSERT INTO t2 VALUES (1);
DELETE FROM t1;

次のエラーが返されます。

SQL ERROR (3001):  Foreign key violation [TTFOREIGN_0] a row in child table T2 
has a parent in the delete range.

employeesから従業員を削除します。empidおよびnameemployee_idおよびlast_nameと同じデータ型の変数として宣言します。行を削除し、employee_idおよびlast_nameを変数内に戻します。正しい行が削除されたことを確認します。

Command> VARIABLE empid NUMBER(6) NOT NULL;
Command> VARIABLE name VARCHAR2(25) INLINE NOT NULL;
Command> DELETE FROM employees WHERE last_name='Ernst'
           RETURNING employee_id, last_name INTO :empid,:name;
1 row deleted.
Command> PRINT empid name;
EMPID                : 104
NAME                 : Ernst