認証なしのTimesTenエクスポータおよびPrometheusの構成

この例はまず、認証なしでPrometheusを構成する方法を示します。次に、ttExporterユーティリティを使用してTimesTenエクスポータを起動します。ttExporterユーティリティの-insecureオプションは、認証なしを示すために使用されます。Prometheusが構成されてエクスポータが起動されると、Prometheusはエクスポータが公開するTimesTenメトリックをスクレイプできます。

  1. Prometheusの構成ファイル(この例ではprometheus.yml)のscrape_configブロックを変更して、TimesTenエクスポータからメトリックをスクレイプするようにPrometheusを構成します。
    Prometheus構成ファイル(この例ではprometheus.yml)のscrape_configsブロックで、次のパラメータを変更します。
    • job_name: メトリックをスクレイプするために割り当てられるジョブ名を指定します(この例ではtt_12346)。
    • metrics_path: エクスポータは/metricsをHTTPリソース・パスとして使用します。これは、Prometheusのデフォルトでもあります。したがって、metrics_pathパラメータを設定する必要はありません。
    • scheme: エクスポータは、認証なしの場合に使用されるスキームであるHTTPプロトコル・スキームを使用します。これはPrometheusのデフォルトでもあります。したがって、schemeパラメータを設定する必要はありません。
    • static_configsセクション: ホストの名前とポート番号をtargetsパラメータに指定する必要があります。このホストはエクスポータが実行されるサーバーであり、ポート番号はエクスポータがリスニングするポートです(この例ではmyhost:12346)。

      ノート:

      ポート番号は、エクスポータの起動に使用するポート番号と同じである必要があります。
    vi prometheus.yml
    ...
    scrape_configs:
    - job_name: 'tt_12346'
      # metrics_path defaults to '/metrics'
      # scheme defaults to 'http'.
      static_configs:
        - targets: ['myhost:12346']
    ...
  2. ttExporterユーティリティを使用してエクスポータを起動します。-insecureおよび-portオプションを指定します。これらのオプションはどちらも必須です。Prometheus構成ファイルで指定したものと同じポートを指定してください(この例では12346)。オプションで、-pid-fileオプションを指定して、ttExporterのプロセスIDをファイルに格納します。この例では、ファイルは/tmp/ttexporter.pid2で、プロセスIDは942です。
    % ttExporter -insecure -port 12346 -pid-file /tmp/ttExporter2.pid
    % cat /tmp/ttexporter2.pid
    942
  3. オプション: ブラウザで、http://myhost:12346/metricsと入力します。これにより、エクスポータによってTimesTenメトリックがPrometheusにおいて必要とされる形式に変換されたことを確認できます。サポートされているTimesTenメトリックについては、「TimesTenエクスポータでサポートされるメトリック」を参照してください。
    In browser: http://myhost:12346/metrics
    ...
    # HELP timesten_perm_in_use_bytes Bytes of permanent space used
    # TYPE timesten_perm_in_use_bytes gauge
    timesten_perm_in_use_bytes{dsn="mydsn",instancename="myinstance"} 20385792
    # HELP timesten_perm_in_use_high_water_bytes Maximum bytes of permanent space used
    # TYPE timesten_perm_in_use_high_water_bytes gauge
    timesten_perm_in_use_high_water_bytes{dsn="mydsn",instancename="myinstance"} 20385792
    ...
  4. オプション: このステップは、エクスポータを停止できることを示しています。これにより、ttExporterプロセスが終了します。Prometheusはエンドポイントをスクレイプしなくなります。エクスポータの起動時に-pid-fileオプションが指定されていたことを思い出してください。Linuxのpkill -Fコマンドを使用して、プロセスIDを終了します。この例では、/tmp/ttexporter2.pidファイルにプロセスIDが格納され、プロセスIDは942であることを思い出してください。
    % pkill -F /tmp/ttexporter2.pid
    % cat /tmp/ttexporter2.pid
    942
    % ps 942
      PID TTY      STAT   TIME COMMAND
    
Prometheusが正常に構成され、エクスポータが起動しました。Prometheusは/metricsエンドポイントでエクスポータが公開するTimesTenメトリックをスクレイピングしています。Prometheusは、エクスポータを停止するまで、TimesTenメトリックをスクレイプし続けます。