認証なしのTimesTenエクスポータおよびPrometheusの構成について

認証なしでTimesTenエクスポータおよびPrometheusを使用するには、認証なしで使用するようPrometheusを構成してから、(認証なしで)エクスポータを起動する必要があります。

Prometheusでは、prometheus.ymlという名前のファイルにサンプル構成が提供されています。このファイルはPrometheusをダウンロードすると使用できます。このファイルにはscrape_configsというセクション(ブロック)があります。このブロックのパラメータの設定を変更して、エクスポータからメトリックをスクレイプするように、そして認証なしでそのようなメトリックをスクレイプするようにPrometheusを構成します。

とりわけ、scrape_configsブロックで次の設定を変更します。
  • job_name: これは、エクスポータからメトリックをスクレイプするために割り当てるジョブ名です。job_nameには任意の名前を指定できます。
  • metrics_path: これは、PrometheusがエクスポータからTimesTenメトリックをフェッチするHTTPリソース・パスです。エクスポータは/metrics HTTPリソース・パスを使用します。これはPrometheusのデフォルトのHTTPリソース・パスでもあります。したがって、metrics_pathパラメータを設定する必要はありません。設定されていない場合、PrometheusはHTTPリソース・パスにデフォルトの/metricsを使用します。

  • scheme: これは、リクエストに使用されるプロトコル・スキームです。認証なしでエクスポータとPrometheusを構成した場合はHTTPプロトコルが使用されます。これはPrometheusのデフォルトでもあります。したがって、schemeパラメータを設定する必要はありません。

  • static_configsブロック: このブロックにはtargetsパラメータが含まれます。targetsパラメータには、エクスポータが実行されるホストおよびエクスポータがリスニングするポート番号を指定します。命名規則はhost:portnumberとなります。たとえば、エクスポータがmyhostホストで実行され、12346ポート番号でリスニングする場合、targetsパラメータをmyhost:12346と設定します。

Prometheus構成ファイルを変更したら、次のステップはエクスポータを起動することです。TimesTen ttExporterユーティリティを-insecureオプションとともに使用して、エクスポータを起動します。-insecureオプションは認証なしを示します。-port pオプションは、エクスポータの起動時に必要です(pは、エクスポータがリスニングするポート番号です)。このポート番号は、Prometheus構成ファイルで指定するポート番号と一致する必要があります。(とりわけ、Prometheus構成ファイルでは、ポート番号はstatic_configsブロックのtargetsパラメータに指定するポート番号です。)

エクスポータを起動すると、エクスポータはSIGINTRSIGTERMなどのシグナルにより停止するまで実行を継続します。エクスポータの起動時に、ttExporterでプロセスIDをファイルに書き込むこともできます。これを行うには、ttExporterユーティリティを-pid-file pidfilenameオプションとともに使用します。その後、pidfilenameファイルに格納されているttExporterプロセスIDを終了することで、エクスポータを停止できます。

PrometheusがエクスポータからTimesTenメトリックを(認証なしで)スクレイプするようにエクスポータおよびPrometheusを構成する方法を示す完全な例は、「クライアント証明書認証なしのTimesTenエクスポータおよびPrometheusの構成」を参照してください。

ttExporterユーティリティの詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseリファレンス』「ttExporter」を参照してください。

Prometheus構成ファイルの詳細は、https://prometheus.io/docs/prometheus/latest/configuration/configuration/およびhttps://prometheus.io/docs/prometheus/latest/configuration/configuration/#scrape_configを参照してください。