18 Application Expressアプリケーションのアップグレード
Oracle Application Expressの新しいリリースをインストールすると、既存のアプリケーションは最新リリースに更新されますが、アプリケーション・ユーザー・インタフェースまたはアプリケーション・コンポーネントは変更されません。
以前のリリースからOracle Application Expressインスタンスをアップグレードすると、既存のアプリケーションは変更しなくても機能します。ただし、アプリケーションを保守可能な最新の状態に保って、新しい機能を活用するには、アップグレード後または以前のリリースからエクスポートされたアプリケーションのインポート後に次のステップを実行します。
ヒント:
ここで説明する各タスクの完了時に、アプリケーションの実行と全面的なテストをお薦めします。- リリース・ノートの確認
以前のOracle Application Expressリリースからアップグレードした後、Oracle APEXリリース・ノートを確認してください。 - ユニバーサル・テーマのリフレッシュ
最新のユニバーサル・テーマを使用するようにアプリケーションを更新して、新しい機能、拡張機能、バグ修正および新しいApplication Expressコンポーネントのスタイリングを利用します。 - アプリケーションの互換性モードの更新
「互換性モード」属性は、アプリケーション実行時のApplication Expressランタイム・エンジンの下位互換性を制御します。 - アプリケーションのアップグレードの実行
新しいリリースにアップグレードした後、「アプリケーションのアップグレード」ウィザードを使用すると、アプリケーションを一括更新して、非推奨の機能ではなく新しい機能を利用したり、既存のコンポーネントに対して新機能を自動的に有効にすることができます。 - 古いJavaScriptの確認
jQuery移行またはレガシーJavaScriptを使用しているアプリケーションについて、「ユーザー・インタフェース」の「JavaScript」設定を確認します。
18.1 リリース・ノートの確認
以前のOracle Application Expressリリースからアップグレードした後、Oracle APEXリリース・ノートを確認してください。
Oracle APEXリリース・ノートには、Oracle Application Expressのドキュメントに記載されていない重要な情報が含まれています。確認する主な項は次のとおりです。
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変更された動作 - 以前のリリースと比較したアプリケーションおよびコンポーネントの動作における変更について説明します。
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非推奨となった機能 - 今後のOracle Application Expressリリースでサポートが終了するか削除する予定の機能を示します。機能がアプリケーション・メタデータまたはAPIに関連する場合、既存のアプリケーションはこの機能を引き続き使用できますが、この項の説明に従って開発者がアプリケーションを変更することをお薦めします。Application Express Advisorを使用して、非推奨となった属性に関して既存のアプリケーションをスキャンします。
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以前のリリースで非推奨 - 以前のリリースで非推奨になりましたが、Oracle Application Expressで完全には削除またはサポートが終了していない機能を示します。この項の説明に従って開発者がアプリケーションの変更を開始することをお薦めします。Oracle Application Express Advisorを実行して、非推奨となった属性に関して既存のアプリケーションをスキャンします。
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サポートが終了した機能 - 使用できなくなった機能を示します。サポートが終了した機能がアプリケーション・メタデータまたはAPIに関連している場合、既存のアプリケーションが以前のように機能しないことがあります。機能を置き換えるようにアプリケーションを変更することをお薦めします。
18.2 ユニバーサル・テーマのリフレッシュ
最新のユニバーサル・テーマを使用するようにアプリケーションを更新して、新しい機能、拡張機能、バグ修正および新しいApplication Expressコンポーネントのスタイリングを利用します。
ヒント:
この手順を開始する前に、アプリケーションをエクスポートするかコピーを作成して、バックアップすることをお薦めします。詳細は、アプリケーションのエクスポートおよびデータベース・アプリケーションのコピーを参照してください。
アプリケーションを更新して最新のユニバーサル・テーマを使用するには、次のようにします。
18.3 アプリケーションの互換性モードの更新
「互換性モード」属性は、アプリケーション実行時のApplication Expressランタイム・エンジンの下位互換性を制御します。
特定のランタイム動作は、リリース間で異なります。既存のアプリケーションの動作を中断または変更しないように、必要に応じて、この属性はアップグレード中に自動的に設定されます。
アプリケーションを保守可能な状態に保つには、変更された動作をリリース・ノートで確認して必要な変更を行った後、「互換性モード」を最新リリースに設定します。
アプリケーション内で互換性モードを更新するには:
18.4 アプリケーションのアップグレードの実行
新しいリリースにアップグレードした後、「アプリケーションのアップグレード」ウィザードを使用すると、アプリケーションを一括更新して、非推奨の機能ではなく新しい機能を利用したり、既存のコンポーネントに対して新機能を自動的に有効にすることができます。
「アプリケーションのアップグレード」ページには、使用可能なアップグレード・タイプとアップグレード可能なオブジェクトの数が表示されます。「候補オブジェクト」で数字をクリックして、候補とアップグレードを確認します。
新しいコンポーネントを使用するようにアプリケーションをアップグレードするには:
18.5 古いJavaScriptの確認
jQuery移行またはレガシーJavaScriptを使用しているアプリケーションについて、「ユーザー・インタフェース」の「JavaScript」設定を確認します。
アプリケーションでjQuery移行またはレガシーJavaScriptを使用している場合は、このロジックを確認して、まだ必要かどうかを判断します。この依存性を削除すると、現在サポートされているテクノロジのみに依存するようになるだけでなく、Oracle Application Expressで対応するライブラリ・コードをロードする必要がないのでパフォーマンスも向上するため、アプリケーションにメリットがあります。
jQuery 3.xで、以前の2.xバージョンとの互換性が失われます。アプリケーションが削除された2.x機能に依存している場合は、jQuery移行プラグインを使用できます(このプラグインを含めるには、デスクトップ・ユーザー・インタフェースの詳細属性「jQuery移行を含める」を「はい」に設定します)。
アプリケーションが削除された1.x jQuery APIに依存している場合、その機能はOracle Application Expressリース18.1では機能しなくなります。jQuery 3.1 (以降)のAPIのみを使用するようにJavaScriptを更新する必要があります。さらに、jQuery UI 1.12.xは、バージョン1.10.4と比較してライブラリを構成するフォルダ構造およびファイルが変更されています。詳細は、Oracle APEXリリース・ノートのjQuery UIおよびjQueryアップグレードの既知の問題を参照してください。
「ユーザー・インタフェース」の「JavaScript」設定を確認するには: