4.7 Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureのログの管理

この項では、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureの診断データおよびディスク使用量のスナップショットを管理する方法について説明します。

4.7.1 自動診断リポジトリのログおよびトレース・ファイルの管理

managelogsコマンドを使用して、自動診断リポジトリのログおよびトレース・ファイルを管理します。

-purgeコマンド・オプションは、自動診断リポジトリで管理されているファイルを削除します。このコマンドは、診断先のALERTINCIDENTTRACECDUMPHMUTSCDMPLOGからファイルをクリアします。-purgeコマンドは、ファイル・システム領域での変更の詳細も示します。

診断先に多数のファイルが含まれていると、コマンドの実行に時間がかかります。対応するディレクトリから、進行中のファイルの削除を確認します。

ファイルを削除するには、対応する診断先に対するオペレーティング・システム権限が必要です。

自動診断リポジトリのログおよびトレース・ファイルを管理するには:

  1. パージ操作または表示操作を特定の時間よりも古いファイルのみに制限するには、次のようにします。
    $ tfactl managelogs -older nm|h|d Files from past 'n' [d]ays or 'n' [h]ours or 'n' [m]inutes
    たとえば:
    $ tfactl managelogs -purge -older 30d -dryrun 
    
    $ tfactl managelogs -purge -older 30d
  2. 削除されるファイル数および解放される領域を推定するには、–dryrunオプションを使用します。
    たとえば:
    $ tfactl managelogs -purge -older 30d -dryrun
  3. ファイルを削除してディスク領域をクリーン・アップするには、次のようにします。
    たとえば:
    $ tfactl managelogs -purge -older 30d 
    
    $ tfactl managelogs -purge -older 30d –gi
    
    $ tfactl managelogs -purge -older 30d -database
    
  4. 個々の診断先の領域使用量を表示するには、次のようにします。
    たとえば:
    $ tfactl managelogs -show usage
    
    $ tfactl managelogs -show usage –gi
    
    $ tfactl managelogs -show usage -database
    

関連トピック

4.7.2 ディスク使用量のスナップショットの管理

tfactlコマンドを使用して、Oracle Trace File Analyzerのディスク使用量のスナップショットを管理します。

Oracle Trace File Analyzerは、ディスク使用量を自動的に監視し、スナップショットを記録して、それらのスナップショットをtfa_install_dir/tfa/repository/suptools/node/managelogs/usage_snapshot/の下に格納します

デフォルトでは、スナップショットの時間間隔は60分です。

ディスク使用量のスナップショットを管理するには:

  1. スナップショットのデフォルトの時間間隔を変更するには、次のようにします。
    $ tfactl set diskUsageMonInterval=minutes

    ここで、minutesはスナップショット間の分数です。

  2. ディスク使用量の監視をオンまたはオフにするには、次のようにします。
    $ tfactl set diskUsageMon=ON|OFF

4.7.3 Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureのログのパージ

これらのtfactlコマンドを使用して、Oracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureのログのログ・ファイル・パージ・ポリシーを管理します。

自動パージは、ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)ではデフォルトで有効になっており、それ以外ではデフォルトで無効になっています。自動パージが有効になっている場合、Oracle Trace File Analyzerは、30日より古いログを60分ごとに自動的にパージします。

Oracle Trace File Analyzerログを自動的にパージするには:

  1. 自動パージをオンまたはオフにするには、次のようにします。
    $ tfactl set manageLogsAutoPurge=ON|OFF
  2. パージするログの経過期間を調整するには、次のようにします。
    $ tfactl set manageLogsAutoPurgePolicyAge=nd|h
  3. ページの頻度を調整するには、次のようにします。
    $ tfactl set manageLogsAutoPurgeInterval=minutes

4.7.4 診断収集へのアクセスの保護

tfactlコマンドの実行は、認可されたユーザーに制限されています。

tfactlは、次を行うためのコマンドライン・インタフェースとシェルを提供します。

  • 診断を実行し、選択した時間のすべての関連ログ・データを収集します

  • ログ・ファイルを切り捨て、診断に必要なデータのみを収集します

  • クラスタ内の目的のノードから、切り捨てられたすべての診断を収集してパッケージ化し、単一ノード上の1つのパッケージにすべてを統合します

認可されたroot以外のユーザーは、tfactlコマンドのサブセットを実行できます。他のすべてのtfactlコマンドには、rootアクセスが必要です。認可されていないユーザーはtfactlコマンドを実行できません。

デフォルトでは、次のユーザーがtfactlコマンドのサブセットにアクセスできます。

  • Oracle Grid Infrastructureホーム所有者

  • Oracle Databaseホーム所有者

LinuxおよびUNIXでは、ユーザー・アクセスはOracle Trace File Analyzerがrootとしてインストールされている場合にのみ適用されます。Oracle Trace File Analyzerがroot以外として、またはMicrosoft Windowsにインストールされている場合、ユーザー・アクセスは適用されません。

ノート:

AHFアクセス制御リストに追加されたオペレーティング・システム・ユーザーが削除され、AHFからは削除されていない場合、後で同じユーザー名で作成されたユーザーは、削除されたユーザーの権限を継承します。このような状況を回避するために、オペレーティング・システム・ユーザーが削除された場合は、そのユーザーがAHFアクセス制御リストから削除されていることを確認してください。

tfactlへのユーザー・アクセスをプロビジョニングするには:

  • tfactlへのアクセス権を持つユーザーをリストするには、次のようにします。

    tfactl access lsusers
  • tfactlにアクセスするユーザーを追加するには、次のようにします。

    tfactl access add –user user [-local]

    デフォルトでは、accessコマンドは–localコマンド・オプションを指定してローカル・ノードに制限しないかぎり、クラスタ全体に適用されます。

  • tfactlへのアクセスからユーザーを削除するには、次のようにします。

    tfactl access remove –user user [-local]
  • tfactlへのアクセスからすべてのユーザーを削除するには、次のようにします。

    tfactl access removeall [-local]
  • ユーザー・アクセスをデフォルトにリセットするには、次のようにします。

    tfactl access reset

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