2. コマンドライン・リファレンス
  3. コンプライアンス・フレームワーク(Oracle OrachkおよびOracle Exachk)のコマンドライン・オプション
  4. クラスタ検証ユーティリティ(CVU)のコンプライアンス・チェックの実行

9.4.12 クラスタ検証ユーティリティ(CVU)のコンプライアンス・チェックの実行

クラスタ検証ユーティリティ(CVU)を実行して、インストール、パッチ更新またはその他のシステム変更に備えてシステム・チェックを実行します。

ノート:

CVUチェックは、rootまたはroot以外のユーザーとして実行できます。現在、CVUチェックの実行は、LinuxおよびSolarisに限定されています。
CVUは、Oracle OrachkおよびOracle Exachkに統合されています。デフォルトでは、次のようになっています
  • CVUヘルス・チェックは、Oracle RAC、Oracle RestartおよびOracle Database Appliance (ODA)でOracle Orachkを実行するときに実行されます。
  • Oracle Exachkの完全な実行にはCVUヘルス・チェックが含まれます。

Oracle OrachkおよびOracle Exachkでは、次のレポートにクラスタ検証ユーティリティ(CVU)のコンプライアンス・チェックの結果が含まれています:

  • Oracle RAC Assessmentレポート
  • Oracle RAC Upgrade Readinessレポート
  • Oracle Exadata Assessmentレポート

-profile preinstallコマンドを実行すると、Oracle DatabaseおよびOracle Clusterwareに対してインストール前の関連CVUチェックが実行されます。

アップグレード前モードでOracle OrachkおよびOracle Exachkを実行すると、Oracle DatabaseおよびOracle Clusterwareに対してアップグレード前の関連CVUチェックが実行されます。

Oracle OrachkおよびOracle Exachkを標準モードまたはアップグレード前モードで実行する場合、CVUは、CVUが使用可能であり、使用している状況で最新かつ有効であることがツールによって検出された場合にのみ使用されます。

CVUを検証するために実行されるチェックは次のとおりです。
  • CVUがahf_dir/common/cvuディレクトリ、または-cvuhomeオプションを使用して指定されたパスに存在します。
  • CVUパックが180日未満です。この値は、RAT_STALE_DAYS=n環境変数を設定することで変更できます。
  • CVUのバージョンがCRSのバージョン以上であるかどうか。
  • CVUのバージョンがアップグレード対象バージョン以上であるかどうか。

rootとして実行していて、前述の検証のいずれかが失敗した場合、ツールにより、最新のCVUをMy Oracle Supportからダウンロードするように求められます。My Oracle Support資格証明がすでにウォレット内に構成されている場合は、それが使用されます。そうでない場合は、ツールによってMy Oracle Supportのユーザー名とパスワードの入力を求められます。

新しいCVUパックをダウンロードした後、ツールはこれをクラスタ内のすべてのノードに自動的に配布します。デフォルトでは、このクラスタ配布はTFAセキュア・ソケット接続を介して行われます。TFAセキュア・ソケット接続を介した配布は、次の場合にのみ可能です。
  • ツールは完全インストールによってインストールされ、-extractオプションを使用していないか、root以外としてインストールされています。
  • Oracle Trace File Analyzerデーモンは停止していません。
元のOracle OrachkまたはOracle Exachkコマンドが、たとえば次のように-usesshオプションを指定して実行された場合は、CVUパック・クラスタの配布はパスワードなしのSSHで実行できます:
orachk -usessh 
orachk -preupgrade -usessh
exachk -usessh 
exachk -preupgrade -usessh
次のいずれかのオプションを使用すると、CVUアップグレードを求めるプロンプトを表示しないようにできます。
  • RAT_NOCVU_UPGRADE環境変数を1に設定します(たとえば、RAT_NOCVU_UPGRADE=1)。
  • RAT_NOUPGRADE環境変数を1に設定します(たとえば、RAT_NOUPGRADE=1)。
  • -noupgradeオプションを指定してOracle OrachkおよびOracle Exachkを実行します。
    たとえば:
    orachk -noupgrade
orachk -preupgrade -noupgrade
    exachk -noupgrade
exachk -preupgrade –noupgrade

Oracle OrachkおよびOracle ExachkレポートにはCVUバージョンおよびCVUチェックの結果が含まれます。

図9-1 CVUの結果

図9-1の説明が続きます。
「図9-1 CVUの結果」の説明

CVUパックが見つからない場合、または最新バージョンが使用できない場合、Oracle OrachkおよびOracle Exachkはメッセージを記録して、レポートにエントリを追加します。

図9-2 CVUの結果なし

図9-2の説明が続きます。
「図9-2 CVUの結果なし」の説明

構文

orachk [-cvuhome] [-cvuonly] [-includecvu] [-excludecvu]
exachk [-cvuhome] [-cvuonly] [-includecvu] [-excludecvu]

パラメータ

表9-125 CVUコンプライアンス・チェックの実行

オプション 説明

-cvuhome
zipファイルcvupack.zipの場所またはcvupack.zipファイルを解凍したディレクトリを指定します。
orachk -cvuhome gi_home
exachk -cvuhome gi_home
orachk -cvuhome path to cvu_zip
exachk -cvuhome path to cvu_zip
orachk -cvuhome path to unzipped cvupack
exachk -cvuhome path to unzipped cvupack
orachk -cvuhome location_of_file_or_directory
exachk -cvuhome location_of_file_or_directory
orachk -profile preinstall -cvuhome location_of_file_or_directory
exachk -profile preinstall -cvuhome location_of_file_or_directory
orachk -preupgrade -cvuhome location_of_file_or_directory
exachk -preupgrade -cvuhome location_of_file_or_directory
たとえば:
orachk -cvuhome /tmp/cvupack.zip
orachk -cvuhome /tmp/cvupack
orachk -profile preinstall -cvuhome /tmp/ cvupack.zip
orachk -profile preinstall -cvuhome /tmp/cvupack
orachk -preupgrade -cvuhome /tmp/cvupack.zip
orachk -preupgrade -cvuhome /tmp/cvupack

-cvuonly

-cvuonlyコマンド・オプションを使用して、CVUチェックのみを実行します。-cvuonlyコマンドを実行すると、Oracle OrachkおよびOracle Exachk関連のコンプライアンス・チェックは実行されません。

-excludecvu

-excludecvuコマンド・オプションを使用して、CVUチェックを除外します。

クラスタ検証ユーティリティ(CVU)の出力の確認

デフォルトでは、完全なOracle Exachkの実行でCVUがコールされ、レポートの個別のセクションに結果が表示されます。CVUの出力を確認するには、Oracle Exachkを実行し、提供されたレポートを確認します。また、デフォルトではFAIL項目のみが表示されるため、Oracle Exachkレポートの予想される出力(すべてのPASS結果)には、次のようなヘッダー情報のみが表示されます: 

Cluster Verification Utility (CVU 19.4.0.0.0 ) result
Status    Type    Message    Status On    Details

特定のCVU検証を表示する場合は、Oracle Exachkレポート・ヘッダー・セクションで「PASS」または「ALL」を選択すると、次のような出力が表示されます: 

Cluster Verification Utility (CVU 19.4.0.0.0 ) result
Status    Type    Message    Status On    Details
PASS   OS Check   Node Connectivity check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   Multicast or broadcast check check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   Time zone consistency check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   Cluster Manager Integrity check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   Cluster Integrity check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   CRS Integrity check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   Node Application Existence check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   Single Client Access Name (SCAN) check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   OLR Integrity check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   ASM Integrity check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   User Not In Group "root": grid check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   Clock Synchronization check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   VIP Subnet configuration check check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   Network configuration consistency checks check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   Package: psmisc-22.6-19 check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   File system mount options for path GI_HOME check passed   random01client01   View
PASS   OS Check   ACFS device special file check passed   random01client01   View

レポートのこのセクションで、「View」リンクをクリックして詳細を表示します。たとえば、前述の「Node Connectivity check passed」エントリは次のとおりです。 

Description   This is a prerequisite condition to test whether connectivity exists amongst all the nodes. 
The connectivity is being tested for the subnets "98.450.312.0,98.450.312.0,98.450.312.0,99.475.0.0"

Links   None

Needs attention on   -
Passed on   random01client01

Status on random01client01:
PASS => Node Connectivity check passed

CVUの問題がレポートされる場合は、デフォルトのレポートに次のような拡張された表が表示されます。

Cluster Verification Utility (CVU 19.4.0.0.0 ) result
Status    Type    Message    Status On    Details
FAIL   OS Check   Node Connectivity check failed   random01client01   View

「View」詳細セクションの追加情報で根本原因を調べ、適切な修正処理を実行してください。

ノート:

クラスタ検証ユーティリティの追加情報は、インストールされているOracle Databaseバージョンの適切なClusterware管理およびデプロイメント・ガイドのクラスタ検証ユーティリティ・リファレンスを参照してください。

ノート:

修正処理の完了後にOracle Exachkを完全に実行せずにCVUの出力を確認する場合は、Oracle Exachkがインストールされたディレクトリでrootとして次のコマンドを実行します: 

exachk -cvuonly

関連トピック

親トピック: コンプライアンス・フレームワーク(Oracle OrachkおよびOracle Exachk)のコマンドライン・オプション