インポート・ファイルの生成
Oracle Database Metadata Generatorは、Oracle BIサーバーからSQLアクセス・アドバイザへのメタデータのインポートに必要なファイルを作成します。
この項では、ジェネレータに共通する次のトピックについて説明します。
ジェネレータの実行
Oracle Database Metadata Generatorは、コマンドラインから起動されるか、バッチ・ファイルに埋め込まれています。
コマンドラインの実行可能ファイルは、sametaexport
と呼ばれます。
sametaexport
ユーティリティは、WindowsシステムとLinuxシステムの両方で使用できます。ただし、sametaexport
は、リポジトリ形式のバイナリ・リポジトリでのみ使用できます。
sametaexport
ユーティリティの場所は、次のとおりです。
ORACLE_HOME/bi/bifoundation/server/bin
sametaexport -r "PathAndRepositoryFileName" [-p repository_password]
-f "InputFileNameAndPath" [options]
この表は、コマンドライン実行可能ファイルのパラメータを示しています。
パラメータ | 定義 | 詳細情報 |
---|---|---|
-r |
リポジトリ・ファイル名とフルパス |
ファイル・パスが長い形式の場合または空白が含まれる場合のみ、ファイル名とパスに引用符が必要です。ファイルが現行ディレクトリにない場合は、フルパスを使用します。 |
-p |
リポジトリ・パスワード |
特定のリポジトリのパスワード。 パスワード引数はオプションです。パスワード引数を指定しないと、コマンドを実行するとき、パスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。セキュリティ侵害のリスクを最小化するために、パスワード引数をコマンドラインやスクリプトで指定しないことをお薦めします。スクリプト上の理由から、標準入力によってパスワードを指定できます。 |
-f |
入力ファイル名とフルパス |
ファイル・パスが長い形式の場合または空白が含まれる場合のみ、ファイル名とパスに引用符が必要です。ファイルが現行ディレクトリにない場合は、フルパスを使用します。入力ファイルは、コマンドラインに必要な情報のすべてを入力しないで済むように、また国際文字を入力できるように指定します。「メタデータ入力ファイルについて」を参照してください。 |
入力ファイルまたはコマンドラインで追加パラメータを組み込むことによって、Oracle Database Metadata Generatorの様々なデフォルトを変更できます。入力ファイルで指定したパラメータは、コマンドラインで指定したパラメータより優先されます。これらのパラメータの組込みは、デフォルト値を変更する必要がある場合のみに限定してください。
この表は、これらのオプション・パラメータを示しています。
パラメータ定義 | 詳細情報 | 入力ファイルの使用例 | コマンドラインの使用例 |
---|---|---|---|
Oracle BIリポジトリのスキーマ名を使用します |
|
|
|
デフォルト・スキーマ名 |
|
|
|
Oracleスキーマ名 |
Oracle Database Metadata Generatorからのメタデータはこのスキーマで作成されます。デフォルト値は |
|
|
ロギング有効 |
メタデータ・エクスポート・プロセスのログを保持するかどうかを指定します。有効値は |
|
|
ログ・ファイル名 |
ログ・ファイルへのパス。無効なパスを指定すると、エラーが発生します。 このパラメータを指定しない場合は、デフォルトのログ・ファイルのパスが使用されます。デフォルトのパスは次のとおりです。 ORACLE_INSTANCE\diagnostics\logs\ OracleBIServerComponent\ coreapplication_obisn\ OraDimExp.log |
|
|
パラメータ定義 | 詳細情報 | 入力ファイルの使用例 | コマンドラインの使用例 |
---|---|---|---|
個別カウントのサポート |
|
|
|
統計関数のサポート |
|
|
|
スキーマ名の使用 |
|
|
|
Oracle BIリポジトリのスキーマ名を使用します |
|
|
|
デフォルト・スキーマ名 |
|
|
|
キューブ・ビュー・スキーマ名 |
Cube Viewsメタデータが作成されるスキーマの名前。デフォルト値は |
|
|
ログ・ファイル名 |
ログ・ファイルへのパス。無効なパスを指定すると、エラーが発生します。 このパラメータを指定しない場合は、デフォルトのログ・ファイルのパスが使用されます。デフォルトのパスは次のとおりです。 ORACLE_INSTANCE\diagnostics\logs\ OracleBIServerComponent\ coreapplication_obisn\ CubeViews.log |
|
|
失敗のログ記録 |
|
|
|
成功のログ記録 |
|
|
|
メタデータ入力ファイルについて
この表は、メタデータ入力ファイルのパラメータを示しています。
入力ファイルは、次の表に示すパラメータが記載されたテキスト・ファイルです。
入力ファイル名 | 説明 |
---|---|
BUSINESS_MODEL |
エクスポート対象のメタデータが格納されたOracle BIリポジトリの論理レイヤーにあるビジネス・モデル名。リポジトリでビジネス・モデルが見つからない場合はエラー・メッセージが表示されます。 入力ファイルではビジネス・モデル名を1つだけ指定できます。複数のビジネス・モデルのメタデータを生成するには、別の入力ファイルを作成して、Oracle Database Metadata Generatorを再度実行します。 |
PHYSICAL_DATABASE |
エクスポート対象のメタデータが格納されたOracle BIリポジトリの物理レイヤーにあるデータベースの名前。ビジネス・モデルが複数のデータベースから導出されている場合は、ここで指定されたデータベース以外のすべてのデータベースのメタデータが排除されます。リポジトリで物理データベースが見つからない場合は、エラー・メッセージが表示されます。 |
RUN_AS_USER |
データベース・ユーザーのユーザー名です。メタデータ・エクスポート時にはこのユーザーの表示モードを複製する必要があります。このパラメータは空白にできません。このユーザーはリポジトリ内のユーザー・リファレンスに存在している必要があります。 |
OUTPUT_FOLDER |
SQLファイルが格納されているフォルダのフル・パスおよびファイル名。Oracle Database Metadata Generatorの実行時にこのフォルダが存在しない場合は、このプロセスで作成されます。「出力ファイルについて」を参照してください。 |
次のテキストはメタデータ入力ファイルのサンプルを示しています。
BUSINESS_MODEL = "1 - Sample App" PHYSICAL_DATABASE = "1 - Sample App Data" RUN_AS_USER = "Administrator" OUTPUT_FOLDER = "C:\OracleBI"
出力ファイルについて
ジェネレータごとに、異なるタイプの出力ファイルが作成されます。
次のリストは、出力ファイルを示しています。
-
Oracle Database Metadata Generatorは、UTF-8でエンコードされ、指定された出力フォルダに格納されるSQLファイルを作成します。ファイル名は、入力ファイルで指定したmy_business_model.sqlなどのビジネス・モデルの名前をベースにします。
ジェネレータのエラーのトラブルシューティング
エラー・メッセージは、ジェネレータがタスクの一部またはすべてを完了できなかったことを示します。
ジェネレータの起動後に次のエラー・メッセージが表示されることがあります。
-
Unable to write to Log file: log_file_name
入力ファイルまたはコマンドラインで指定したログ・ファイルのパスに誤りがある、ユーザーに当該のフォルダに対する書込み権限がない、ディスクの空き容量が不足しているなどの可能性があります。
-
Run_as_user user_nameが無効です。
ユーザー名が正しくありません。
-
リポジトリrepository_name.rpdが無効または破損しています。
リポジトリ名が正しくない、指定のパスに存在しない、ユーザーに読取り権限がないなどの可能性があります。
-
物理データベースdatabase_nameが無効です。
物理データベース名が、リポジトリの有効な物理データベース・オブジェクトと一致していません。
-
ビジネス・モデルmodel_nameが無効です。
ビジネス・モデル名が、リポジトリの有効なビジネス・モデル・オブジェクトと一致していません。
-
指定した認証情報は無効です。
コマンドラインで指定したリポジトリ・パスワードが正しくありません。
-
パス: "path_name"が無効です。
パスまたはファイル名が正しくないか、現在のユーザーに読取りアクセス権がありません。
メタデータ変換ルールとエラー・メッセージ
ジェネレータは、出力ファイルを作成するときにOracle BIリポジトリのメタデータ・オブジェクトをOracle Databaseのメタデータの類似オブジェクトにマップします。
この項では、SQLまたはXML形式に翻訳(変換)できないメタデータの識別に使用されるルールについて説明します。Oracle Analytics Serverで使用可能なメタデータ構成の中に、Oracle DatabaseおよびIBM Cube Viewsではサポートされないものがあるために、このようなルールが必要になります。
SQLまたはXMLファイルのディメンション・メタデータは、論理ファクト表のソース・レベルで生成されます。論理ファクト表のソースに無効な論理ディメンション表ソースが存在する場合、その論理ディメンション表ソースは無効化されます。論理ファクト表ソースが無効の場合は、マッピングされているすべての論理ディメンション表ソースも無効化されます。無効なリポジトリ・メタデータ要素は、SQLまたはXMLファイルのキューブに変換されません。
ルール違反が発生した場合、ジェネレータではログ・ファイルにエラー・メッセージとルールに違反したメタデータが書き込まれます。
Oracle Databaseの変換ルール
Oracle BIメタデータをオブジェクトに変換するためのルールについて学習します。
Oracle Analytics ServerメタデータからOracle Databaseのオブジェクトへの変換ルールは次のとおりです。
-
論理表の式を含む属性はエクスポートできません。
-
複合結合を使用して結合された表は考慮されません。
-
不透明なビューである表は考慮されません。
-
特定のレベルのキーの構成部分として使用される列を別のレベルのキーの構成部分として使用することはできません。
Oracle Databaseでは、列を複数のレベルのキーとして使用することが禁じられています。この禁止により、Oracle Database Metadata Generatorでは、2つの結合のいずれかを削除する必要があります。通常は最初に検出された結合が削除されます。このため、その他の結合が失われ、エクスポートされないことになります。