ADFビジネス・コンポーネントとは
Oracle Application Development Framework (Oracle ADF)は、J2EEビジネス・サービスを作成し、基礎となるデータベース・オブジェクトを公開するために使用するオブジェクト・リレーショナル・フレームワークです。
このフレームワークによって、アプリケーション開発者が簡単かつ効率的にアプリケーションを作成できる抽象化レイヤーが提供されます。
Oracle ADFを使用してサービス指向のJava EEアプリケーションを作成する際、コア・ビジネス・ロジックを1つ以上のビジネス・サービスとして実装します。これらのバックエンド・サービスは、適切なビジネス・ルールを施行し、かつ必要に応じてビジネス・データの問合せ、挿入、更新および削除を行う手段をクライアントに提供します。ADFビジネス・コンポーネントは、Java EEの設計パターンとベスト・プラクティスを即座に実装できるビルトイン・アプリケーション・オブジェクトです。
ADFモデルは、通常は設計時に構成および定義される、エンティティ・オブジェクトとビュー・オブジェクトと呼ばれるADFビジネス・コンポーネントの構成メンバーを使用して表されます。
-
エンティティ・オブジェクト
エンティティ・オブジェクトとは、データベース表内の行を表し、そのデータの変更を簡略化するADFフレームワーク・コンポーネントです。エンティティ・オブジェクトを使用すると、これらの行のドメイン・ビジネス・ロジックをカプセル化できるため、ビジネス・ポリシーおよびビジネス・ルールが確実に一貫して検証されます。
-
ビュー・オブジェクト
ビュー・オブジェクトとは、SQL問合せをカプセル化し、その結果の操作を簡略化するADFフレームワーク・コンポーネントです。読取り専用のビュー・オブジェクトに加えて、更新可能な行をサポートするエンティティ・ベースのビュー・オブジェクトがあります。このビュー・オブジェクトは、クライアントが直面している当面のタスクに必要なデータに対してのみ問合せを実行し、ビジネス・ドメイン・レイヤーの1つ以上のエンティティ・オブジェクトと連携して、そのビュー行に加えられた変更を自動的に検証し、保存します。エンティティ・ベースのビュー・オブジェクトでは、SQL問合せをカプセル化します。ビュー・リンクを使用して、エンティティ・オブジェクトをマスター/ディテール階層にリンクできます。アプリケーション・モジュールのデータ・モデルでエンティティ・オブジェクトを使用できます。
ADFを使用して作成されたアプリケーションがデータを取得する際には、ADF APIを使用して、定義されたビュー・オブジェクトに対して問合せを実行します。
ADFモデルには、アプリケーション・モジュールも含まれます。アプリケーション・モジュールは、UIクライアントがアプリケーション・データの操作に使用するトランザクション・コンポーネントです。これによって、エンド・ユーザーのタスクに関連した作業論理ユニットに関連する、更新可能なデータ・モデルやトップレベルのプロシージャおよびファンクション、すなわち,サービス・メソッド,を定義します。
アプリケーション・モジュールは、複数のビュー・オブジェクトおよびエンティティ・オブジェクトのコンテナとして機能するほか、JDBCデータ・ソースに関連する構成も格納します。
ADFビジネス・コンポーネントを使用した業務レポートについて
統合されたADFビジネス・コンポーネントを使用して、アプリケーション内のデータに関するレポートを生成できます。
たとえば、経費アプリケーションに入力された経費データに基づいてレポートを生成できます。管理ツールを使用して、経費アプリケーションのメタデータをOracle BIリポジトリにインポートし、「物理」レイヤーから「ビジネス・モデルとマッピング」レイヤーにデータをマップし、次にデータを「プレゼンテーション」レイヤーにマップします。Oracle BIサーバーを再起動し、Oracle BIプレゼンテーション・サービスにメタデータをリロードしたら、アンサーにログインし、列をドラッグ・アンド・ドロップして、経費アプリケーションのデータを使用してレポートを生成できます。列を選択して、航空旅費など、特定のカテゴリを基準にグループ化した経費のレポートを表示できます。