アップグレード前の要件
最新リリースのOracle Analytics Serverへのアップグレードを開始する前に、バックアップ、現在の環境のクローニング、システムが動作保証要件を満たしているかどうかの検証など、アップグレード前のタスクを実行する必要があります。
アップグレードは、サーバーがダウンしている間に実行されます。アップグレード前タスクには、時間を要するものが多くあります。少ないダウンタイムでアップグレードを成功させるため、これらのアップグレード前タスクを実行して、アップグレード向けに環境の計画と準備を行うことをお薦めします。
- アップグレード前のチェックリスト
アップグレード前のチェックリストは、アップグレードを成功させて停止時間を少なくするために、アップグレードを開始する前に実行する必要があるタスクを識別します。 - 完全なバックアップの作成
アップグレードを開始する前に、Oracle Fusion Middlewareスキーマをホストするすべてのデータベースを含め、システムに重要なファイルをすべてバックアップします。 - テストのための本番環境のクローニング
実際の本番環境のコピーを作成し、クローン環境をアップグレードし、アップグレードされたコンポーネントが予想どおりに動作することを確認してから(必ず確認した後で)、本番環境をアップグレードします。 - 動作保証およびシステム要件の確認
ご使用の環境がインストールに必要な要件を満たしていることを確認するには、動作保証マトリックスおよびシステム要件のドキュメントをレビューする必要があります。 - 強化された暗号化(AES 256)を使用する場合のポリシー・ファイルの更新
アップグレードされる環境で強化された暗号化(Advanced Encryption Standard (AES) 256など)を使用する予定の場合は、アップグレードする前に、最新の必要なポリシー・ファイルをJDKに適用することをお薦めします。 - 未使用データのパージ
アップグレード前に未使用データをパージしてパージ方法を管理すると、アップグレード・プロセスを最適化できます。 - アップグレード・アシスタントを実行するための非SYSDBAユーザーの作成
アップグレード・アシスタントを実行するには、FMW
という非SYSDBA
ユーザーを作成することをお薦めします。このユーザーには、スキーマを変更するために必要な権限を付与しますが、完全な管理者権限は付与しません。 - 内部SSLの無効化
アップグレード・プロセスを開始する前に、内部通信リンクに関するSSLを無効化する必要があります。
アップグレード前のチェックリスト
アップグレード前のチェックリストは、アップグレードを成功させて停止時間を少なくするために、アップグレードを開始する前に実行する必要があるタスクを識別します。
アップグレードは、サーバーがダウンしている間に実行されます。チェックリストは、アップグレード前の重要な(かつ時間がかかる)タスクを識別するためのものであり、これをアップグレード前に実行することで停止時間を短縮できます。アップグレード・プロセスの開始前により多くの準備を実施できると、オフラインの時間が短くなります。
ノート:
GUIモードを許可するようにDISPLAY
環境変数を適切に設定していない場合、次のエラーが発生することがあります。Xlib: connection to ":1.0" refused by server Xlib: No protocol specified
この問題を解決するには、使用するローカル・ワークステーションのシステム名またはIPアドレスにDISPLAY
環境変数を設定して、アップグレード・アシスタントを再実行します。
DISPLAY
を設定してもこのエラーが引き続き発生する場合は、vncconfig
などの他のGUIツールの起動を試みてください。同じエラーが表示される場合は、DISPLAY
環境変数がまだ正しく設定されていない可能性があります。
実行するアップグレード前の手順は、既存のシステムの構成、アップグレードするコンポーネントおよびアップグレードと構成プロセスの最後に作成する環境によって異なります。各自の構成またはユースケースに当てはまるタスクのみを完了してください。
表2-2 アップグレードする前に実行するタスク
タスク | 説明 |
---|---|
必須 既存の環境の完全なバックアップを作成します。 |
アップグレードしようとしているスキーマを含めてシステムに重要なファイルとデータベースをすべてバックアップします。アップグレードに失敗した場合は、アップグレード前の環境をリストアして、アップグレードを再開する必要があります。 「完全なバックアップの作成」を参照してください。
|
オプションです 使用する本番環境を、アップグレードのテスト用プラットフォームとしてクローンします。 |
システム・ファイルの完全なバックアップを作成することに加え、本番環境のクローンを作成することをお薦めします。この環境は、アップグレードをテストするために使用されます。 「本番環境のテスト用クローニング」を参照してください。 |
必須 サポートされているハードウェアおよびソフトウェア構成上で、製品をインストールおよびアップグレードしていることを確認します。 注意: サポートされている最新のオペレーティング・システムを使用できない場合はアップグレードしないでください。サポート対象のすべての構成と同様、こうした要件を守れない場合は、アップグレードが失敗する可能性があります。 |
ハードウェアとソフトウェア(オペレーティング・システムも含む)の構成が最新の動作保証および要件のドキュメントでサポートされていることを確認してください。また、Oracle Analyticsサーバー製品ディストリビューションをインストールする前に、サポートされているJDKバージョンを使用していることを確認します。 動作保証要件は頻繁に更新されるため、この情報は、アップグレードの開始直前に確認することをお薦めします。 アップグレードの前に、コンポーネントに最新のパッチが適用されていることを確認します。 動作保証とシステム要件の確認に関する項を参照してください。 |
32ビット・オペレーティング・システムの場合にのみ必須 アップグレードする前に、64ビット・オペレーティング・システムに移行します。 |
詳細は、32ビットから64ビット・オペレーティング・システムへの移行を参照してください。 |
オプションです 強化された暗号化(AES 256)を使用する場合は、セキュリティ・ポリシー・ファイルを更新します。 |
Fusion Middleware 12cで使用されているセキュリティ・アルゴリズムには、JDK用の追加のポリシー・ファイルが必要になるものがあります。 強化された暗号化(AES 256など)を使用する予定がある場合は、アップグレードの前に、必要な最新のファイルをJDKに適用することをお薦めします。 「強化された暗号化(AES 256)を使用する場合のポリシー・ファイルの更新」を参照してください。 |
オプションです アップグレードする前に期限切れまたは未使用のデータをパージします。 |
パフォーマンスの最適化のために、アップグレードされた環境で使用しないデータおよびオブジェクトをパージすることを検討してください。 インスタンスのアップグレードを開始する前に、パージ・スクリプトを使用して、最新のOracle Analyticsサーバー環境では不要になるクローズされたBIインスタンスをパージします。 「未使用データのパージ」を参照してください。 |
オプションです Upgrade Assistantを実行するために非SYSDBAユーザーを作成します。 |
Upgrade Assistantを実行するには、FMWユーザーを作成することをお薦めします。ユーザーFMWは、システムの管理者権限がなくてもUpgrade Assistantを実行できます。 |
必須 内部SSLを無効化します。 |
アップグレード・プロセスを開始する前に、内部通信リンクに関するSSLを無効化する必要があることに注意してください。 「内部SSLの無効化」を参照してください。 |
親トピック: アップグレード前の要件
完全なバックアップの作成
アップグレードを開始する前に、Oracle Fusion Middlewareスキーマをホストするデータベースを含め、システムに重要なファイルをすべてバックアップします。
バックアップには、SYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表を含める必要があります。これにより、アップグレードが失敗したときに、コンテンツをアップグレード前の状態にリストアできるようになります。
Upgrade Assistantの「前提条件」画面では、アップグレードを実際に進める前に、バックアップが実行されていることについての確認を求められます。ただし、Upgrade Assistantは、バックアップが作成されていることを検証しない点に注意してください。
- スキーマ・バージョン・レジストリ表のバックアップ
システム・バックアップには、SYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表またはFMWREGISTRY.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表を含める必要があります。 - カスタマイズされたドメイン設定および環境設定のメンテナンス
アップグレード前の環境で、ドメインで生成されたスクリプト、サーバー起動スクリプトまたは構成ファイルを変更した場合、これらの変更内容がインストール、ドメイン・アップグレードおよび再構成の操作中に上書きされることに注意する必要があります。カスタマイズしたファイルは共有ライブラリの場所に保存し、アップグレード後にもそれらを継続して使用できるようにします。
親トピック: アップグレード前の要件
スキーマ・バージョン・レジストリ表のバックアップ
システム・バックアップには、SYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表またはFMWREGISTRY.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表を含める必要があります。
SYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$
表には、各Fusion Middlewareスキーマの行があります。Upgrade Assistantを実行して既存のスキーマを更新する際、正常に更新できなかった場合は、元のスキーマをリストアしてからやりなおす必要があります。Upgrade Assistantを実行する前に、既存のデータベース・スキーマおよびスキーマ・バージョン・レジストリを必ずバックアップします。
ノート:
Upgrade Assistantを使用してスキーマをアップグレードする前に、完全なデータベースのバックアップを実行する必要があります。アップグレード中に、バックアップが実行されていることを確認する必要があります。親トピック: 完全なバックアップの作成
カスタマイズされたドメイン設定および環境設定のメンテナンス
アップグレード前の環境で、ドメインで生成されたスクリプト、サーバー起動スクリプトまたは構成ファイルを変更した場合、これらの変更内容がインストール、ドメイン・アップグレードおよび再構成の操作中に上書きされることに注意する必要があります。カスタマイズしたファイルは共有ライブラリの場所に保存し、アップグレード後にもそれらを継続して使用できるようにします。
どのドメインのインストールにも、動的に生成されたドメインおよびサーバーの起動スクリプト(setDomainEnv
など)が含まれています。これらのファイルは、インストールとアップグレードのプロセスで新しいバージョンに置き換えられます。カスタムのドメインレベルの環境設定を維持する場合は、スクリプトを直接変更するのではなく、アップグレード前に、カスタムのドメイン情報を保存しておく個別のファイルを作成することをお薦めします。
たとえば、ドメインのすべてのサーバーに適用されるサーバー起動パラメータをカスタマイズする場合は、setUserOverrides.cmd
(Windows)またはsetUserOverrides.sh
(Linux)というファイルを作成することにより、WebLogic Serverクラスパスにカスタム・ライブラリを追加する、サーバー実行用の追加のコマンドライン・オプションを指定する、または追加の環境変数を指定するなどの構成が可能です。pack
およびunpack
コマンドを使用する際、このファイルに追加されたカスタム設定はドメインのアップグレード操作中に保存されてリモート・サーバーに継承されます。
setUserOverrides
ファイルでの起動のカスタマイズを示しています。# add custom libraries to the WebLogic Server system claspath
if [ "${POST_CLASSPATH}" != "" ] ; then
POST_CLASSPATH="${POST_CLASSPATH}${CLASSPATHSEP}${HOME}/foo/fooBar.jar"
export POST_CLASSPATH
else
POST_CLASSPATH="${HOME}/foo/fooBar.jar"
export POST_CLASSPATH
fi
# specify additional java command-line options for servers
JAVA_OPTIONS="${JAVA_OPTIONS} -Dcustom.property.key=custom.value"
サーバーの起動中にsetUserOverrides
ファイルが存在する場合、このファイルが起動シーケンスに含まれ、このファイルにオーバーライドがあれば、有効になります。setUserOverrides
ファイルは、EXISTING_DOMAIN_HOME/bin
ディレクトリに格納する必要があります。
ノート:
アップグレード前に、setUserOverrides
スクリプトを作成できない場合は、Oracle WebLogic Serverのアップグレードの起動スクリプトへのカスタマイズの再適用の説明に従って、設定を再適用する必要があります。
親トピック: 完全なバックアップの作成
テストのための本番環境のクローニング
実際の本番環境の完全な作業用コピーを作成し、クローン環境をアップグレードし、アップグレードされたコンポーネントが期待どおりに動作することを確認してから(必ず確認した後で)、本番環境をアップグレードします。
テストのために本番環境のクローンを作成することをお薦めします。ただし、必須ではありません。
ノート:
アップグレードは元に戻せません。ほとんどの場合、エラーが発生したときには、アップグレードを中止してバックアップから環境全体をリストアし、アップグレード・プロセスを最初からやり直す必要があります。潜在的なアップグレードの問題を開発環境で特定しておくと、無駄な停止時間を排除できます。すべてのコンポーネントおよびオペレーティング・システムのクローニング手順について、このドキュメントでは説明していません。クローニング手順は、コンポーネントおよびオペレーティング・システムに固有のものです。概略としては、アップグレード前のバージョンのコンポーネント・ドメインをテスト・マシンにインストールし、リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を使用して必要なスキーマを作成し、アップグレードを実行します。-
アップグレードに関する問題を明らかにし、修正します。
-
エンドツーエンドのアップグレードを完了させる練習をします。
-
アップグレードのパフォーマンスおよびパージ・スクリプトがどのように役立つかを理解します。
-
アップグレードの完了までに必要な時間を理解します。
-
データベース・リソースの使用(一時表領域やPGAなど)について理解します。
ノート:
クローニングした本番環境でアップグレード前の準備状況チェックを実行すれば、データで発生しうるアップグレード時の問題は特定できますが、正常なアップグレードの万全を期すためには、クローニングした環境で完全なテスト・アップグレードを実行する必要があります。親トピック: アップグレード前の要件
動作保証およびシステム要件の確認
ご使用の環境がインストールに必要な要件を満たしていることを確認するには、動作保証マトリックスおよびシステム要件のドキュメントをレビューする必要があります。
ノート:
動作保証、システム要件および相互運用性情報を確認する場合、特に32ビットまたは64ビットのシステム要件を確認するようにしてください。64ビットの環境専用として明示的に設計されているソフトウェアをダウンロードすることが重要です。アップグレードを開始する前に、現在の環境に最新のパッチが適用されていることを確認してください。動作保証は、特に指定がないかぎり、完全にパッチが適用された環境に基づいています。- 環境が動作保証要件を満たしていることの確認
Oracleでは、動作保証済のすべてのシステムおよび環境で製品のパフォーマンスをテストおよび検証しています。製品をインストールする場合、サポートされているハードウェアまたはソフトウェア構成を使用します。 - システム要件と仕様の確認
ディスク領域、使用可能なメモリー、特定のプラットフォーム・パッケージおよびパッチ、その他のオペレーティング・システム固有の項目などのシステム要件が満たされていることを確認することが重要です。 - Oracle Fusion Middlewareをホストしているデータベースがサポートされていることの確認
Oracle Analytics Serverを実行する前に、サポートされるOracle Databaseを必須のスキーマで構成しておく必要があります。 - このリリースのOracle Fusion MiddlewareでJDKが動作保証されていることの確認
このドキュメントの発行時点で、動作保証されているJDKは1.8.0_221です。
親トピック: アップグレード前の要件
環境が動作保証要件を満たしていることの確認
Oracleでは、動作保証済のすべてのシステムおよび環境で製品のパフォーマンスをテストおよび検証しています。製品をインストールする場合、サポートされているハードウェアまたはソフトウェア構成を使用します。
新しい動作保証要件が確認されると、その要件はすぐに該当する動作保証に関するドキュメントに追加されます。新しい動作保証情報は随時発表されます。Oracle Analytics Serverの管理の動作保証情報を参照してください。
親トピック: 動作保証およびシステム要件の確認
システム要件と仕様の確認
ディスク領域、使用可能なメモリー、特定のプラットフォーム・パッケージおよびパッチ、その他のオペレーティング・システム固有の項目などのシステム要件が満たされていることを確認することが重要です。
動作保証の要件を満たしていることを確認するには、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様のドキュメントを参照してください。たとえば、動作保証情報に、ご使用の製品を64ビットOracle Linux 7上にインストールすることが動作保証されていると示されている場合、システム要件と仕様のドキュメントを使用して、Oracle Linux 7システムが最低限必要な仕様(ディスク領域、使用可能なメモリー、特定のプラットフォーム・パッケージとパッチおよびその他のオペレーティング・システム固有のアイテムなど)を満たしていることを確認します。
ノート:
アップグレード準備の一環としてOracle Analyticsサーバー・ソフトウェアをインストールする際は、アップグレード前の既存のOracle Fusion Middlewareソフトウェアのインストールおよび構成に使用したものと同じユーザー・アカウントを使用する必要があります。これによって、正しい所有者とグループが新しいOracle Analytics Serverのファイルおよびディレクトリに確実に適用されます。32ビット環境を実行している場合は、追加の一連のステップを実行する必要があります。
- 32ビットから64ビット・オペレーティング・システムへの移行
32ビットのオペレーティング・システムを使用している場合は、アップグレード前に、32ビット環境を64ビット・ソフトウェア環境に移行する必要があります。
親トピック: 動作保証およびシステム要件の確認
32ビットから64ビット・オペレーティング・システムへの移行
オペレーティング・システムが32ビットの場合は、アップグレード前に、32ビット環境を64ビット・ソフトウェア環境に移行する必要があります。
移行を検証して、Oracle Fusion Middleware 12c (12.2.1.4.0)ソフトウェアがすべて適切に64ビット・マシンで動作することを確認してから、Oracle Analyticsサーバーへのアップグレードを実行してください。
ノート:
これらのステップは、データベースが別のホスト上にあり、移動されないことを前提としています。警告:
これらのステップは、オペレーティング・システム・アップグレード・プロセスの例として説明されているため、特定のオペレーティング・システムを更新する場合に実行する必要がある手順がすべて含まれている場合と含まれていない場合があります。詳細は、使用しているオペレーティング・システムのアップグレード・ドキュメントを参照してください。- すべてのプロセスを停止する
アップグレードの前に、すべてのプロセスを停止する必要があります。ホスト上で管理対象サーバー、管理サーバーおよびノード・マネージャが起動されている場合は、これらも含めて停止する必要があります。 - ホスト・マシンからのすべてのファイルのバックアップ
ホスト・デプロイメント全体の完全バックアップを作成したことを確認してから、アップグレード・プロセスを開始する必要があります。移行中に問題が発生した場合、これらのファイルを使用してプロセスを再度開始する必要があります。 - ホスト名およびIPアドレスを使用してターゲットの64ビット・マシンを設定する
ターゲット・マシンのホスト名およびIPアドレスはホストと同一にする必要があります。そのため、ソース・マシンのIPアドレスおよび名前を変更するか、ソース・マシンを停止してネットワークの干渉を回避する必要があります。 - バックアップの32ビット・ホストから64ビット・ホストへのリストア
ホストで使用したものと同じディレクトリ構造を使用して、32ビットのホスト・マシンからバックアップしたファイルをリストアします。ターゲット・マシンのディレクトリ構造は、ホスト・マシンのディレクトリ構造と同じである必要があります。 - 製品ディストリビューションのターゲット・マシンへのインストール
製品ディストリビューションは、ターゲット・マシン上の新しいOracleホームにインストールする必要があります。 - 標準的なアップグレード手順を使用してターゲットの64ビット環境をアップグレードする
ターゲット・マシンに製品をインストールしたら、コンポーネント固有のアップグレード・ガイドで指定されたアップグレード・ユーティリティを使用して各製品コンポーネントを個々にアップグレードし、アップグレード後のタスクを実行する必要があります。
親トピック: システム要件と仕様の確認
すべてのプロセスを停止する
アップグレードの前に、すべてのプロセスを停止する必要があります。ホスト上で管理対象サーバー、管理サーバーおよびノード・マネージャが起動されている場合は、これらも含めて停止する必要があります。
管理対象サーバーを停止します
WebLogic Server管理対象サーバーを停止するには、stopManagedWebLogic
スクリプトを使用します。
-
(UNIX)
EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/stopManagedWebLogic.sh managed_server_name admin_url
(Windows)
EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\stopManagedWebLogic.cmd managed_server_name admin_url
プロンプトが表示されたらユーザー名とパスワードを入力します。
管理サーバーを停止します
管理サーバーを停止するときには、WebLogic Server管理コンソールおよびFusion Middleware Controlなど、管理サーバーで実行されているプロセスも停止します。
管理サーバーを停止するには、stopWebLogic
スクリプトを使用します。
-
(UNIX)
EXISTING_DOMAIN_HOME/bin/stopWebLogic.sh
(Windows)
EXISTING_DOMAIN_HOME\bin\stopWebLogic.cmd
プロンプトが表示されたら、管理サーバーのユーザー名、パスワードおよびURLを入力します。
ノード・マネージャを停止します
ノード・マネージャを停止するには、それが実行されているコマンド・シェルを閉じます。
またはnodemanager.properties
のQuitEnabled
の属性をtrue
に設定した後(デフォルトはfalse
です)、WLSTを使用して、ノード・マネージャに接続して停止できます。WebLogic Server WLSTコマンド・リファレンスのstopNodeManagerを参照してください。
ホスト・マシンからすべてのファイルをバックアップする
ホスト・デプロイメント全体の完全バックアップを作成したことを確認してから、アップグレード・プロセスを開始する必要があります。移行中に問題が発生した場合、これらのファイルを使用してプロセスを再度開始する必要があります。
『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の環境のバックアップに関する項を参照してください。
アップグレード時に、次のコンテンツにアクセスする必要があります。
-
HOST_DOMAIN_HOME
-
HOST_ORACLE_HOME/wlserver/common/
にあるnodemanager
ディレクトリ
『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の環境のバックアップに関する項で説明されている一部のバックアップおよびリカバリ手順は、製品に固有です。完全バックアップを作成するまでアップグレードを続行しないでください。
ホスト名およびIPアドレスを使用してターゲットの64ビット・マシンを設定する
ターゲット・マシンのホスト名およびIPアドレスはホストと同一にする必要があります。そのため、ソース・マシンのIPアドレスおよび名前を変更するか、ソース・マシンを停止してネットワークの干渉を回避する必要があります。
IPアドレスおよびホスト名を変更するプロセスは、オペレーティング・システムによって異なります。詳細は、オペレーティング・システムの管理ドキュメントを参照してください。
バックアップを32ビット・ホストから64ビット・ホストにリストアする
ホストで使用したものと同じディレクトリ構造を使用して、32ビットのホスト・マシンからバックアップしたファイルをリストアします。ターゲット・マシンのディレクトリ構造は、ホスト・マシンのディレクトリ構造と同じである必要があります。
『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』の環境のリカバリに関する項を参照してください。
製品ディストリビューションをターゲット・マシンにインストールする
製品ディストリビューションは、ターゲット・マシン上の新しいOracleホームにインストールする必要があります。
インストールするコンポーネントの詳細は、コンポーネント固有のインストール・ガイドを参照してください。
Oracle Fusion Middlewareをホストしているデータベースがサポートされていることの確認
Oracle Analyticsサーバーを実行する前に、サポートされるOracle Databaseを必須のスキーマで構成しておく必要があります。
ノート:
サポート対象外になったデータベース・バージョンを使用している場合は、アップグレードの開始前に、サポート対象バージョンにアップグレードする必要があります。『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』の「12c (12.2.1.4.0)のためのOracle Databaseのアップグレードおよび準備」を参照してください。親トピック: 動作保証およびシステム要件の確認
このリリースのOracle Fusion MiddlewareでJDKが動作保証されていることの確認
このドキュメントの発行時点で、動作保証されているJDKは1.8.0_221です。
Oracle Technology Network (OTN)で、Oracle Fusion Middlewareのサポート対象システム構成 に関する情報を参照して、現在使用しているJDKがサポートされていることを確認します。
http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.html
JDKは、Oracleホームの外部にインストールしてください。Oracle Universal Installerにより指定されたOracleホーム・ディレクトリが空であることが検証され、空のディレクトリが指定されていなければインストールは行われません。JDKをOracleホームにインストールした場合、今後の操作で問題が発生することがあります。このため、JDKは/usr/java
ディレクトリ(UNIX)にインストールすることをお薦めします。
汎用インストーラとプラットフォーム固有のインストーラの相違点の詳細は、Oracle Fusion Middlewareのダウンロード、インストールおよび構成のREADMEファイルの汎用とプラットフォーム固有のディストリビューションとの相違点の理解に関する項を参照してください。
親トピック: 動作保証およびシステム要件の確認
強化された暗号化(AES 256)を使用する際のポリシー・ファイルの更新
アップグレードされる環境で強化された暗号化(Advanced Encryption Standard (AES) 256など)を使用する予定の場合は、アップグレードする前に、最新の必要なポリシー・ファイルをJDKに適用することをお薦めします。
Javaプラットフォームでは、暗号化、公開キーインフラストラクチャ、認証、安全な通信、アクセス制御など、主要なセキュリティ分野に渡る一連のAPIが定義されています。これらのAPIによって、開発者はアプリケーション・コードにセキュリティ・メカニズムを簡単に統合できます。
Fusion Middleware 12cで使用されているセキュリティ・アルゴリズムには、JDK用の追加のポリシー・ファイルが必要になるものがあります。「Java暗号化アーキテクチャOracleプロバイダのドキュメント」を参照してください。
ノート:
アップグレードの開始前に、これらのポリシー・ファイルをJDKに適用せずに強化された暗号化を使用しようとすると、アップグレードに失敗することがあり、その場合は、アップグレード前の環境全体をリストアして、アップグレードを最初からやり直す必要があります。親トピック: アップグレード前の要件
未使用データのパージ
アップグレード前に未使用データをパージしてパージ方法を管理すると、アップグレード・プロセスを最適化できます。
一部のコンポーネントには自動化されたパージ・スクリプトがあります。パージ・スクリプトを使用する場合、パージが完了するまで待ってから、アップグレード・プロセスを開始してください。Upgrade Assistantを使用してスキーマをアップグレードするときに、パージ・スクリプトを実行していると、アップグレードは失敗する可能性があります。
親トピック: アップグレード前の要件
Upgrade Assistantを実行するための非SYSDBAユーザーの作成
アップグレード・アシスタントを実行するには、FMW
という非SYSDBA
ユーザーを作成することをお薦めします。このユーザーには、スキーマを変更するために必要な権限を付与しますが、完全な管理者権限は付与しません。
SYSDBA
はデータベースの作成、起動、停止、バックアップまたはリカバリなどの高度な管理操作を実行するために必要な管理権限です。SYSDBA
システム権限は、完全な権限を持つデータベース管理者が使用します。SYSDBA
権限で接続すると、一般的にユーザー名に関連付けられているスキーマではなく、デフォルトのスキーマで接続が確立されます。SYSDBA
の場合、このスキーマはSYS
です。デフォルト・スキーマへのアクセスは非常に強力な権限となる場合があります。たとえば、ユーザーSYS
として接続する場合、データ・ディクショナリの表における権限は無制限となります。このため、非SYSDBA
ユーザーを作成してスキーマをアップグレードすることをお薦めします。アップグレード・アシスタントを起動する前に、次に示す権限をユーザーFMW
に付与する必要があります。
ノート:
非SYSDBA
ユーザーFMW
は、アップグレード・アシスタントを実行するためにのみ作成されます。このステップが完了したら、FMW
ユーザーを削除してください。アップグレード・アシスタントを実行するために必要な権限は、リリースごとに異なる可能性があります。
v$xatrans$
表は存在しません。ユーザーを作成する前に、XAVIEW.SQL
スクリプトを実行して、この表を作成する必要があります。さらに、 v$xatrans$
表のgrant select
権限は、Oracle Identity Governanceでのみ必要です。構成にOracle Identity Governanceが必要ない場合、またはv$xatrans$
表が存在しない場合は、次の行をスクリプトから削除します。 grant select on v$xatrans$ to FMW with grant option;
FMW
ユーザーに対して設定されたパスワードです。権限を付与する際に、実際のパスワードを指定していることを確認します。create user FMW identified by <password>;
grant dba to FMW;
grant execute on DBMS_LOB to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_OUTPUT to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_STATS to FMW with grant option;
grant execute on sys.dbms_aqadm to FMW with grant option;
grant execute on sys.dbms_aqin to FMW with grant option;
grant execute on sys.dbms_aqjms to FMW with grant option;
grant execute on sys.dbms_aq to FMW with grant option;
grant execute on utl_file to FMW with grant option;
grant execute on dbms_lock to FMW with grant option;
grant select on sys.V_$INSTANCE to FMW with grant option;
grant select on sys.GV_$INSTANCE to FMW with grant option;
grant select on sys.V_$SESSION to FMW with grant option;
grant select on sys.GV_$SESSION to FMW with grant option;
grant select on dba_scheduler_jobs to FMW with grant option;
grant select on dba_scheduler_job_run_details to FMW with grant option;
grant select on dba_scheduler_running_jobs to FMW with grant option;
grant select on dba_aq_agents to FMW with grant option;
grant execute on sys.DBMS_SHARED_POOL to FMW with grant option;
grant select on dba_2pc_pending to FMW with grant option;
grant select on dba_pending_transactions to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_FLASHBACK to FMW with grant option;
grant execute on dbms_crypto to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_REPUTIL to FMW with grant option;
grant execute on dbms_job to FMW with grant option;
grant select on pending_trans$ to FMW with grant option;
grant select on dba_scheduler_job_classes to fmw with grant option;
grant select on SYS.DBA_DATA_FILES to FMW with grant option;
grant select on SYS.V_$ASM_DISKGROUP to FMW with grant option;
grant select on v$xatrans$ to FMW with grant option;
grant execute on sys.dbms_system to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_SCHEDULER to FMW with grant option;
grant select on dba_data_files to FMW with grant option;
grant execute on UTL_RAW to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_XMLDOM to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_APPLICATION_INFO to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_UTILITY to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_SESSION to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_METADATA to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_XMLGEN to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_DATAPUMP to FMW with grant option;
grant execute on DBMS_MVIEW to FMW with grant option;
grant select on ALL_ENCRYPTED_COLUMNS to FMW with grant option;
grant select on dba_queue_subscribers to FMW with grant option;
grant execute on SYS.DBMS_ASSERT to FMW with grant option;
grant select on dba_subscr_registrations to FMW with grant option;
grant manage scheduler to FMW;
Oracle Identity Manager (OIM)スキーマをアップグレードする場合は、FMW
ユーザーに次の追加の権限が付与されていることを確認します。
grant execute on SYS.DBMS_FLASHBACK to fmw with grant option;
grant execute on sys.DBMS_SHARED_POOL to fmw with grant option;
grant execute on SYS.DBMS_XMLGEN to FMW with grant option;
grant execute on SYS.DBMS_DB_VERSION to FMW with grant option;
grant execute on SYS.DBMS_SCHEDULER to FMW with grant option;
grant execute on SYS.DBMS_SQL to FMW with grant option;
grant execute on SYS.DBMS_UTILITY to FMW with grant option;
grant ctxapp to FMW with admin option;
grant execute on SYS.DBMS_FLASHBACK TO FMW with grant option;
grant create MATERIALIZED VIEW to FMW with admin option;
grant all on SCHEMA_VERSION_REGISTRY TO FMW with grant option;
grant create SYNONYM to FMW with admin option;
grant execute on CTXSYS.CTX_ADM to FMW with grant option;
grant execute on CTXSYS.CTX_CLS TO FMW with grant option;
grant execute on CTXSYS.CTX_DDL TO FMW with grant option;
grant execute on CTXSYS.CTX_DOC TO FMW with grant option;
grant execute on CTXSYS.CTX_OUTPUT TO FMW with grant option;
grant execute on CTXSYS.CTX_QUERY TO FMW with grant option;
grant execute on CTXSYS.CTX_REPORT TO FMW with grant option;
grant execute on CTXSYS.CTX_THES TO FMW with grant option;
grant execute on CTXSYS.CTX_ULEXER TO FMW with grant option;
grant create JOB to FMW with admin option;
親トピック: アップグレード前の要件