高可用性とクラスタ

このOracle Linux 9リリースでは、高可用性に関連する次の機能、拡張機能および変更が導入されています。

Pacemakerの更新

Pacemakerの更新内容は次のとおりです:
  • pcs status waitコマンド:

    このstatus waitコマンドにより、Pacemakerはクラスタ情報ベース(CIB)の変更に必要なアクションの完了を待機するため、実際のクラスタ状態を要求されたクラスタ状態と照合するために、これ以上のアクションを実行する必要はありません。

  • pcsには、クラスタ内のリソースのステータスを取得するための新しいコマンドが含まれています
    pcs CLIで、次の情報を取得できるようになりました:
    • リソース

    • リソース・タイプ

    • リソースの状態

    • 集合リソース・メンバー

    • リソースのノード

    これらのコマンドは、プレーン・テキスト出力の解析を必要としないため、pcsベースのスクリプトで使用できます。
  • pcsには、テキスト、JSONおよびコマンド形式で構成を表示するためのresource defaultsおよびresource op defaultオプションが含まれています。pcs resource defaultsコマンドとresource op defaultsコマンド、およびそれらの別名であるpcs stonith defaultsとpcs stonith op defaultsにより、--output-formatオプションが指定されるようになりました。
    • --output-format=textを指定すると、構成済のリソース・デフォルトまたは操作デフォルトがプレーン・テキスト形式で表示されます。これは、このオプションのデフォルト値です。

    • --output-format=cmdを指定すると、現在のクラスタのデフォルト構成から作成されたpcs resource defaultsコマンドまたはpcs resource op defaultsコマンドが表示されます。これらのコマンドを使用して、別のシステムで構成済のリソースのデフォルトまたはリソース操作のデフォルトを再作成できます。

    • --output-format=jsonを指定すると、構成されたリソースのデフォルトまたはリソース操作のデフォルトがJSON形式で表示されます。これはマシンの解析に適しています。

  • Pacemakerには、パニック状態のノードを自動的にリブートせずに停止するオプションがあります。/etc/sysconfig/pacemaker構成ファイルのPCMK_panic_action変数に、offまたはsync-offオプションが含まれるようになり、パニック状態の後でもノードは停止したままになり、自動的にリブートされません。

高可用性Web UI

高可用性Web UIに次の機能が含まれるようになりました:
  • placement-strategyクラスタ・プロパティをdefaultに設定すると、Web UIでは、ノードおよびリソースの使用率属性付近に警告が表示されます。この警告は、placement-strategy構成のために使用率が影響しないことを示しています。

  • Web UIには、ユーザー・メニューから設定できるダーク・モードが含まれるようになりました。