第3章 Gluster Storage for Oracle Linuxのアップグレード
この項では、リリース6、5、4.1、3.12などの以前のリリースからのGluster Storage for Oracle Linuxのリリース8へのアップグレードについて説明します。
アップグレードを実行する前に、Oracle Linux yumサーバー・リポジトリまたはULNチャネルを構成します。リポジトリまたはチャネルへのアクセスの設定の詳細は、2.3項「Gluster Storage for Oracle Linuxパッケージへのアクセスの有効化」を参照してください。
また、以前のリリースのGluster Storage for Oracle Linuxリポジトリおよびチャネルを無効にしてください。
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リリース6。
ol7_gluster6
リポジトリまたはol7_
ULNチャネル。arch
_gluster6 -
リリース5。
ol7_gluster5
リポジトリまたはol7_
ULNチャネル。arch
_gluster5 -
リリース4.1。
ol7_gluster41
リポジトリまたはol7_
ULNチャネル。arch
_gluster41 -
リリース3.12。
ol7_gluster312
リポジトリまたはol7_
ULNチャネル。arch
_gluster312
アップグレード中は構成を変更しないでください。クライアントをアップグレードする前に、まずサーバーをアップグレードします。アップグレード後に、Glusterデプロイメント全体で、同じGlusterサーバー・バージョンおよびクライアント・バージョンが実行されるようにします。
3.1 オンライン・アップグレードの実行
オンライン・アップグレードでは、ボリュームの停止時間は必要ありません。アップグレード中、Glusterクライアントは引き続きボリュームにアクセスできます。
オンラインでアップグレードできるのは、複製ボリュームと分散複製ボリュームのみです。その他のタイプのボリュームは、オフラインでアップグレードする必要があります。オフライン・アップグレードの実行の詳細は、3.2項「オフライン・アップグレードの実行」を参照してください。
各Glusterノードで次の手順を実行します。この手順では、レプリカ・セットの複数のレプリカが、信頼できるストレージ・プール内の同じサーバーの一部ではないことを前提としています。
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システムでオペレーティング・システムの最新の更新レベルが実行されていることを確認します。
そうでない場合は、次のコマンドを実行します。
sudo yum update sudo reboot
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Gluster Storage for Oracle Linuxのリリース8で導入された新しいディレクトリ構造に更新します。
新しいディレクトリ構造で、地理レプリケーションに関連する変更ログ・ファイルが明確に提供されます。スクリプトによって、これらのファイルが、新しい必要な場所に移動します。
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次のいずれかのリンクを使用して、
glusterfs-georep-upgrade.py
スクリプトをダウンロードします。 -
地理レプリケーション・セッションを停止します。
sudo gluster volume geo-replication
primary_volume
georep@secondary-node1.example.com::secondaryvol
stop -
スクリプトを使用して、地理レプリケーションの
changelogs
を新しい構造に移行します。sudo glusterfs-georep-upgrade.py
path-to-brick
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Gluster Storage for Oracle Linuxリリース3.12からアップグレードする場合は、いくつかの非推奨の機能の設定を解除する必要があります。次を実行します。
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lock-heal
またはgrace-timeout
機能が使用されているかどうかを確認します。sudo gluster volume info
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これらのパラメータが出力の
Options Reconfigured
セクションにリストされている場合は、次のコマンドを使用してこれらのパラメータの設定を解除します。sudo gluster volume reset
myvolume
features.lock-heal sudo gluster volume resetmyvolume
features.grace-timeout
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GlusterサービスおよびすべてのGlusterファイル・システム・プロセスを停止し、関連するプロセスが実行されていないことを確認します。
sudo systemctl stop glusterd sudo killall glusterfs glusterfsd sudo ps aux | grep gluster
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SambaやNFS-Ganeshaなどの、すべてのGluster関連サービスを停止します。
sudo systemctl stop smb sudo systemctl stop nfs-ganesha
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Gluster Storage for Oracle Linuxパッケージを更新します。
sudo yum update glusterfs-server
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(オプション) NFS-Ganeshaを使用している場合は、パッケージをアップグレードします。
sudo yum update nfs-ganesha-gluster
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Glusterサービスおよび使用しているGluster関連サービス(SambaやNFS-Ganeshaなど)を起動します。
sudo systemctl daemon-reload sudo systemctl start glusterd sudo systemctl start smb sudo systemctl start nfs-ganesha
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オフラインになっている可能性があるブリックを確認し、オンラインにします。
sudo gluster volume status sudo gluster volume start
volume_name
force -
(オプション)複製ボリュームについては、FIPS準拠システムでGlusterを実行できるように、ボリューム修復中にMD5チェックサムの使用をオフにする必要があります。
sudo gluster volume set
myvolume
fips-mode-rchecksum on -
すべてのブリックがオンラインの場合、ボリュームを修復し、オプションで各ボリュームの修復情報を表示します。
sudo for i in `gluster volume list`; do gluster volume heal $i; done sudo gluster volume heal
volume_name
info -
デプロイ済の地理レプリケーション・セッションがアップグレードのために停止された場合は、セッションを再起動します。
sudo gluster volume geo-replication
primary_volume
georep@secondary-node1.example.com::secondaryvol
start
3.2 オフライン・アップグレードの実行
オフライン・アップグレードでは、ボリュームの停止時間が必要です。アップグレード中、Glusterクライアントはボリュームにアクセスできません。Glusterノードのアップグレードをパラレルに実行すると、ボリュームの停止時間を最小限に抑えることができます。
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ボリュームを停止します。
sudo gluster volume stop
myvolume
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3.1項「オンライン・アップグレードの実行」のステップを使用して、すべてのGlusterノードをアップグレードします。
ノートボリュームを修復するオンライン・アップグレード手順の最後のステップを実行する必要はありません。アップグレード中にボリュームがオフラインになるため、ボリューム修復は必要ありません。
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アップグレード後に、ボリュームを再起動します。
sudo gluster volume start
myvolume
3.3 アップグレード後の要件
オンラインまたはオフラインのアップグレード後に、この手順を実行します。
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すべてのボリュームの操作バージョン番号を確認します。
sudo gluster volume get all cluster.op-version Option Value ------ ----- cluster.op-version 60000
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パラメータ値が6000でない場合は、それに応じてバージョン番号を設定します。
sudo gluster volume set all cluster.op-version 60000
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ボリュームにアクセスするクライアントをアップグレードします。Glusterクライアントのアップグレードの詳細は、3.4項「Glusterクライアントのアップグレード」を参照してください。
3.4 Glusterクライアントのアップグレード
Glusterサーバー・ノードがアップグレードされたら、Glusterクライアントをアップグレードする必要があります。すべてのクライアントでこの手順を実行します。
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クライアントのすべてのGlusterマウント・ポイントをアンマウントします。
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ボリュームにアクセスするアプリケーションをすべて停止します。
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Glusterネイティブ・クライアント(FUSE)の場合は、Glusterを更新します。
sudo yum update glusterfs glusterfs-fuse
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すべてのGluster共有をマウントします。
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アップグレードのために停止したアプリケーションを起動します。