Ksplice Uptrackクライアントの特定の有効なカーネル・バージョンへの更新

uptrack-upgradeがインストールする更新のセットを限定することもできます。たとえば、Ksplice更新を本番システムにインストールする場合は、事前に上級管理者がこれらの更新を承認することを、サイトのセキュリティ・ポリシーに規定できます。このような場合、使用可能な最新バージョンではなく、特定の有効カーネル・バージョンにアップグレードするよう、uptrack-upgradeに指示できます。

ノート:

オフラインKspliceクライアントおよびオフライン更新RPMパッケージを使用する場合にのみ、特定の有効なバージョンを選択できます。これにより、最新の更新を統合環境またはUAT環境でテストしながら、本番システムを一時的にテストした更新レベルに維持できます。

  1. 現在のカーネル用のuptrack-updatesパッケージをインストールします。
    sudo dnf -y install uptrack-updates-$(uname -r)

    重要:

    最新の使用可能なカーネルをブートし、Ksplice更新が使用できない場合、このコマンドが失敗するか、カーネル・バージョンがまだKsplice Uptrackでサポートされていないことを通知するエラー・メッセージが返される可能性があります。このコマンドは、システムが実行されているカーネルでKsplice更新が使用可能な場合にのみ成功します。

  2. uptrack-uname -rコマンドを使用して、有効なカーネル・バージョンを表示します。
    sudo uptrack-uname -r
  3. すべての有効なカーネル・バージョンをリストします。

    使用可能で有効なすべてのカーネル・バージョンをリストするには、uptrack-upgradeコマンドに--list-effectiveオプションを指定します。次に例を示します:

    sudo uptrack-upgrade --list-effective

    次のような出力が表示されます。

    Available effective kernel versions:
    
    5.15.0-205.149.5.4.el9uek.x86_64/#2 SMP Wed May 8 15:31:38 PDT 2024
    5.15.0-206.153.7.1.el9uek.x86_64/#2 SMP Wed May 22 20:24:12 PDT 2024
    5.15.0-207.156.6.el9uek.x86_64/#2 SMP Thu Jun 6 02:32:40 PDT 2024
  4. インストールされている更新を削除します。

    インストール済の更新を削除して、有効なカーネル・バージョンを使用可能な最も古いバージョン(この例では205.149.5.4)に戻します:

    sudo uptrack-remove --all
    sudo uptrack-uname -r
    現在の有効なカーネル・バージョンが表示されます。
    5.15.0-205.149.5.4.el9uek.x86_64
  5. 有効なカーネル・バージョンを設定します。

    システムで使用する有効なカーネル・バージョンを設定するには、次のいずれかの方法を利用できます。

    • uptrack-upgradeコマンドに--effectiveオプションを指定します。

      たとえば、205.149.5から最新の207.156.6ではなく206.153.7.1に更新するには、--effectiveオプションを使用して206.153.7.1を指定します。

      sudo uptrack-upgrade --effective="5.15.0-206.153.7.1.el9uek.x86_64/#2 SMP Wed May 22 20:24:12 PDT 2024"
      アップグレード後に、有効なカーネル・バージョンが表示されます。
      ...
      Effective kernel version is 5.15.0-206.153.7.1.el9uek
      有効なカーネル・バージョンが一致しているかどうかを確認できます。
      sudo uptrack-uname -r
      次のような出力が表示されます。
      5.15.0-206.153.7.1.el9uek.x86_64

      この方法は、個別のシステムで有効カーネルのバージョンを設定する場合に適しています。

    • /etc/uptrack/uptrack.confファイルのeffective_versionオプションを使用して、uptrack-upgradeコマンドの有効なパッケージ・バージョンを設定します。この方法は、コマンドラインで--effectiveを指定するのと同様に機能します。

      システム上でuptrack-updatesパッケージを更新すると必ずuptrack-upgradeが自動的に実行されます。次のように入力すると、有効なカーネル・バージョンが206.153.7.1に限定されます:

      effective_version = 5.15.0-206.153.7.1.el9uek.x86_64/#2 SMP Wed May 22 20:24:12 PDT 2024

      この方法は複数の本番システム上のパッケージに有効なバージョンを設定する場合に便利であり、集中管理されているプライマリ・コピーから/etc/uptrack/uptrack.confファイルの内容を取得できるようになります。