作成: KVMインスタンス

virt-installユーティリティを使用して仮想マシンを作成する方法について説明します。

前提条件

  • 次のシステム要件を満たしている必要があります:
  • 管理者権限。

手順

CLIを使用して、次の手順に従って仮想マシンを作成します。

  1. 仮想マシンを作成するには、virt-installコマンドとそのオプションを使用して、必要なリソースを定義します。次に例を示します:

    仮想マシンの作成: オプション

     virt-install \
     --name [unique-virtual-machine-name]
     --memory [allocated-MiB-memory-size] 
     --vcpus [integer-vcpus-value-for-guest]
     --location [installation-source-path] 
     --disk [type-and-size]
     --os-variant=[os-verison]
     --network [default]
     --graphics [none]

    ノート:

    virt-installオプションの完全なリストについては、virt-install(1)のマニュアル・ページを参照してください。または、virt-installオプションのクイック・リストを表示するには、virt-install --helpと入力します。
    説明:
    --name [unique-virtual-machine-name] 必須オプション:

    仮想マシンに一意の名前を指定します。割り当てられた名前は、 libvirt内のドメインとして登録されます。

    --memory [allocated-MiB-memory-size] 必須オプション:

    ゲストに割り当てるメモリー量(MiB)を指定します。

    --vcpus [integer-vcpus-value-for-guest] 必須オプション:

    ゲストOSで使用できる仮想CPUの数を指定します。

    --disk [type-and-size] 必須オプション:

    ディスクのタイプとサイズに適切な値を指定します。次に例を示します:

    • ディスクのハードウェアのサイズ:
      --disk size=[capacity size in gigabytes]
    • ディスクのストレージ・プールのパス
      --disk /storage-pool-path/volume-path,size=#
    • ディスク・イメージのメディア・ファイルのパス
      --disk=/iso-images/ol8-dvd.iso,device=cdrom
    特別な考慮事項:
    • pathを指定しない場合、ディスク・イメージはqcowファイル形式として自動的に作成されます。
    • virt-installをrootとして実行すると、ディスク・イメージは/var/lib/libvirt/images/に作成され、インストール時にVMに指定された名前を使用して名前が付けられます。
    • virt-installを通常ユーザーとして実行すると、ディスクイメージは$HOME/.local/share/libvirt/images/に作成されます
    --location [installation-source-path] 必須オプション

    OSインストールのソースの場所を指定します。次に例を示します:

    • ISOファイル
    • ローカル・パスでホストされている展開されたインストール・リソース
    • HTTPまたはNFSサーバー上でリモートでホストされている展開されたインストール・リソース。

    ノート:

    その他のソース・インストールのオプションの一覧については、Linuxのvirt-install (1)のマニュアル・ページを参照してください。
    --os-variant [os-version]

    os-variantオプションはオプションです。このオプションを使用して、ゲスト構成のパフォーマンスを最適化できます。

    有効な「--os-variant」値を取得するには、osinfo-query osと入力します。

    --network [default]

    ネットワーク・オプションはオプションです。「--network」オプションが指定されていない場合、または「--network default」オプションが指定されている場合、ゲストはデフォルトのネットワークに接続します。

    その他のネットワーク構成オプションについては、Linuxのvirt-install (1)のマニュアル・ページを参照してください。

    --graphics [none]

    グラフィック・オプションはオプションです。

    このオプションを使用すると、対話型のゲストのインストールに使用する表示タイプを指定できます。

    「–-graphics none」を指定すると、テキストのみのインストール表示が使用可能になります。

    ゲスト・インストールのグラフィカル・コンソールを表示するには、virt-viewerツールを使用します。virt-viewerの構成の詳細は、Linuxのvirt-viewer(1)のマニュアル・ページを参照してください。

    指定されたvirt-installオプションに基づいて、仮想マシンが作成され、ゲストOSが自動的にインストールされます。

    仮想マシンの作成の例: 「Virt-Install: コマンドラインの例」を参照してください

  2. 仮想マシンを作成すると、次の操作を実行できます:
    1. 仮想マシンを起動します。

      詳細は、「KVM: インスタンスの起動」を参照してください。

    2. 仮想マシンに接続します。

Virt-Install: コマンドラインの例

virt-installを使用して、ゲストOSに仮想マシン・インスタンスを作成するためのコマンドラインの例を示します。

ゲストOS: Oracle Linux 9

  • シナリオ: ISOイメージ - テキストモードのみのインストール。
    virt-install \
        --name ol9-guest-demo --memory 16384 --vcpus 16 --disk size=280 \
        --os-variant ol9.0 --location ol9.iso \
        --graphics none --extra-args='console=ttyS0'

    説明: ol9.isoイメージ・ファイルをグラフィックなしのテキストのみモードで使用して、ol9-guest-demoという名前のKVMインスタンスを作成します。ゲスト・コンソールがシリアル・コンソールに接続されます。VMには、16384 MiBのメモリー、16個のvCPUおよび280 GiBのディスクがあります。このゲスト・インストールの例は、低速なネットワーク・リンク経由でホストに接続する場合に役立つことがあります。

  • シナリオ: URLインストール・ツリー・パス - 自動Kickstartインストール。
    virt-install \
        --graphics vnc \
        --name ol9-guest-demo1 --memory 2048 --vcpus 2 --disk size=160 \
        --os-variant ol9.0 --location http://example.com/OS-install \
        --initrd-inject /home/uniquename/ks.cfg --extra-args="inst.ks=file:/ks.cfg console=tty0 console=ttyS0,115200n8"

    説明: http://example.com/OS-installというURLからインストールするol9-guest-demo1という名前のVMを作成します。インストールを正常に開始するには、動作しているOSインストール・ツリーがURLに含まれている必要があります。OSは、参照されるキックスタート・ファイル(/home/uniquename/ks.cfg)によって自動的に構成されます。最後に、VMは2048 MiBのRAM、2個のvCPUおよび160 GiBのqcow2仮想ディスクを使用して割り当てられます。

    ARM 64ホストベースのシナリオへの追加:

    %packages
    -kernel
    kernel-64k
    %end

    これらの行により、ol9-guest-demo1シナリオに示されているキックスタート・ファイルによって、kernel-64kパッケージが確実にインストールされます。

ゲストOS: Oracle Linux 8

  • シナリオ: ISOイメージ - ライブCD
    virt-install \
        --name ol8-guest-demo --memory 4096 --vcpus 4 \
        --disk none --livecd --os-variant ol8.0 \
        --cdrom /home/uniquename/Downloads/ol8.iso

    説明: /home/uniquename/Downloads/ol8.isoイメージを使用してライブCDからOracle Linux 8 OSを実行し、ol8-guest-demoという名前のVMを作成します。このVMにはディスク領域が割り当てられていないため、セッション中に行われた変更は維持されません。VMには、4096 MiBのRAMと4個のvCPUが割り当てられます。

ゲストOS: Oracle Linux 7

  • シナリオ: ディスク・イメージのインポート - qcowファイル形式
    virt-install \
        --name ol7-guest-demo --memory 2048 --vcpus 2 \
        --os-variant ol7.0 --import \
        --disk /home/uniquename/backup/disk.qcow2

    説明: 既存のディスク・イメージ(/home/uniquename/backup/disk.qcow2)に接続するol7-guest-demoという名前のVMを作成します。VMには、2048 MiBのRAMと2個のvCPUが割り当てられます。ディスク・イメージをインポートするときは、os-variantオプションをお薦めします。os-variantオプションが指定されていない場合、作成されたVMのパフォーマンスが悪影響を受けることがあります。