作成: KVMインスタンス
virt-install
ユーティリティを使用して仮想マシンを作成する方法について説明します。
前提条件
- 次のシステム要件を満たしている必要があります:
- 仮想化パッケージが、ホスト・システムにインストールされている。詳細は、「仮想化パッケージのインストール」を参照してください。
- 仮想マシンを作成するには、少なくとも1つの仮想ストレージ・プールが存在している必要があります。仮想化ストレージ・プールは、
/var/lib/libvirt/images
ディレクトリに自動的に配置されます。詳細は、「ストレージ・プール: 作成および管理」を参照してください。 - 仮想マシンを作成するには、互換性のあるゲストOSが必要です。詳細は、「KVMゲスト: オペレーティング・システム」を参照してください。
- KVMインスタンスを作成、実行および管理するには、ホスト・システムの最小ハードウェア要件をすべて満たしている必要があります。詳細は、「KVMホスト: システム要件」を参照してください。
libvirt
サービスを起動して有効にする必要があります。詳細は、「Libvirtdサービス: 管理タスク」を参照してください。
- 管理者権限。
手順
CLIを使用して、次の手順に従って仮想マシンを作成します。
Virt-Install: コマンドラインの例
virt-install
を使用して、ゲストOSに仮想マシン・インスタンスを作成するためのコマンドラインの例を示します。
ゲストOS: Oracle Linux 9
- シナリオ: ISOイメージ - テキストモードのみのインストール。
virt-install \ --name ol9-guest-demo --memory 16384 --vcpus 16 --disk size=280 \ --os-variant ol9.0 --location ol9.iso \ --graphics none --extra-args='console=ttyS0'
説明:
ol9.iso
イメージ・ファイルをグラフィックなしのテキストのみモードで使用して、ol9-guest-demoという名前のKVMインスタンスを作成します。ゲスト・コンソールがシリアル・コンソールに接続されます。VMには、16384 MiBのメモリー、16個のvCPUおよび280 GiBのディスクがあります。このゲスト・インストールの例は、低速なネットワーク・リンク経由でホストに接続する場合に役立つことがあります。 - シナリオ: URLインストール・ツリー・パス - 自動Kickstartインストール。
virt-install \ --graphics vnc \ --name ol9-guest-demo1 --memory 2048 --vcpus 2 --disk size=160 \ --os-variant ol9.0 --location http://example.com/OS-install \ --initrd-inject /home/uniquename/ks.cfg --extra-args="inst.ks=file:/ks.cfg console=tty0 console=ttyS0,115200n8"
説明:
http://example.com/OS-install
というURLからインストールするol9-guest-demo1という名前のVMを作成します。インストールを正常に開始するには、動作しているOSインストール・ツリーがURLに含まれている必要があります。OSは、参照されるキックスタート・ファイル(/home/uniquename/ks.cfg
)によって自動的に構成されます。最後に、VMは2048 MiBのRAM、2個のvCPUおよび160 GiBのqcow2仮想ディスクを使用して割り当てられます。ARM 64ホストベースのシナリオへの追加:
%packages -kernel kernel-64k %end
これらの行により、ol9-guest-demo1シナリオに示されているキックスタート・ファイルによって、
kernel-64k
パッケージが確実にインストールされます。
ゲストOS: Oracle Linux 8
- シナリオ: ISOイメージ - ライブCD
virt-install \ --name ol8-guest-demo --memory 4096 --vcpus 4 \ --disk none --livecd --os-variant ol8.0 \ --cdrom /home/uniquename/Downloads/ol8.iso
説明:
/home/uniquename/Downloads/ol8.iso
イメージを使用してライブCDからOracle Linux 8 OSを実行し、ol8-guest-demoという名前のVMを作成します。このVMにはディスク領域が割り当てられていないため、セッション中に行われた変更は維持されません。VMには、4096 MiBのRAMと4個のvCPUが割り当てられます。
ゲストOS: Oracle Linux 7
- シナリオ: ディスク・イメージのインポート - qcowファイル形式
virt-install \ --name ol7-guest-demo --memory 2048 --vcpus 2 \ --os-variant ol7.0 --import \ --disk /home/uniquename/backup/disk.qcow2
説明: 既存のディスク・イメージ(
/home/uniquename/backup/disk.qcow2
)に接続するol7-guest-demoという名前のVMを作成します。VMには、2048 MiBのRAMと2個のvCPUが割り当てられます。ディスク・イメージをインポートするときは、os-variant
オプションをお薦めします。os-variant
オプションが指定されていない場合、作成されたVMのパフォーマンスが悪影響を受けることがあります。