Oracle Linux 9: Libvirtdサービスの管理

libvirtサービスの起動、有効化およびステータス確認を行う方法について説明します。

前提条件

手順

libvirtdサービスを起動および有効化するには、次の手順を実行します:

  1. 完全な仮想化機能のlibvirtdサービスを開始するには、次を実行します:
    for drv in qemu network nodedev nwfilter secret storage interface; 
      do
       sudo systemctl enable virt${drv}d.service
       sudo systemctl enable virt${drv}d{,-ro,-admin}.socket;
       sudo systemctl start virt${drv}d{,-ro,-admin}.socket; 
      done

    サービスは最初のソケットが確立されると自動的に開始されるため、デーモンごとにサービスを開始する必要はありません。

    ノート:

    レガシー・システムの場合、libvirtdソケットを使用してリモート仮想ゲスト接続を管理できます。
    1. virtproxydデーモンを有効にして、リモート・ホストがゲストに接続できるようにします。
      リモート・ホストからの接続が必要な場合は、virtproxydデーモンを有効にして起動する必要があります:
      sudo systemctl enable virtproxyd.service
      sudo systemctl enable virtproxyd-tls.socket
      sudo systemctl start virtproxyd-tls.socket
  2. libvirtdサービスのステータスを確認するには、次のように入力します:
    sudo systemctl list-units --type=socket virt*

    出力には、有効なすべてのユニットとその現在のステータスが表示されます。

Oracle Linux 9: libvirtドライバ・デーモンのタイプ

Oracle Linux 9には、2種類のlibvirtドライバ・デーモン(モジュラとモノリシック)の機能があります。個々の仮想化ドライバを構成できる詳細さは、使用するlibvirtデーモンによって異なります。次に例を示します:

  • モジュラlibvirt - Oracle Linux 9の新規インストール

    Oracle Linux 9で新しく導入されたモジュラlibvirtでは、ハイパーバイザ・ドライバごとに特定のデーモンが使用されます。これらには次のものがあります:

    • virtqemud: KVMで仮想マシンを実行するためのQEMU管理デーモンです。
    • virtnetworkd: 仮想ネットワーク管理デーモンです。
    • virtnodedevd: ホスト物理デバイス管理デーモンです。
    • virtnwfilterd: ホスト・ファイアウォール管理デーモンです。
    • virtsecretd: ホスト・シークレット管理デーモンです。
    • virtstoraged: ホスト・ストレージ管理デーモンです。
    • virtinterfaced: ホストのネットワーク・インタフェース・カード(NIC)管理デーモンです。
    • virtproxydは、リモート・クライアントがlibvirt APIに安全にアクセスできる仮想化プロキシ・デーモンです。

    デーモンの名前には、ホスト・ドライバの名前が反映されています(virt [DRIVER]dなど)。各ドライバ・デーモンには、libvirt ディレクトリに個別の構成ファイルがあります。たとえば、QEMU管理ドライバ・デーモンの構成ファイルのパスは/etc/libvirt/virtqemud.confです。

    モジュラ・ドライバ・デーモンでは、libvirtシステム・リソースを微調整および管理するためのより優れたオプションが提供されます。Oracle Linux 9の新規インストールを実行すると、デフォルトでlibvirtモジュラ仮想化ドライバ・デーモンが構成されます。

    ノート:

    virt$[DRIVER]dデーモンがsystemdによって管理されている場合、他の機能(特にソケットのアクティブ化)も使用できます。モジュラ・ソケットの使用およびsystemd統合の詳細は、https://libvirt.org/daemons.html#modular-socketsを参照してください。
  • モノリシックlibvirt - Oracle Linux 9への更新

    デフォルトでは、Oracle Linux 8からOracle Linux 9に更新すると、従来のモノリシック・デーモン(libvirtd)が構成されます。libvirtdデーモンは、単一の構成ファイル(/etc/libvirt/libvirtd.conf)を使用して、様々な仮想化ドライバを制御します。場合によっては、libvirtdの一元化された構成を使用すると、システム・リソースが非効率に使用されることがあります。このため、Oracle Linux 9ユーザーは、モジュラlibvirtドライバ・デーモンに切り替えることをお薦めします。手順については、https://libvirt.org/daemons.html#switching-to-modular-daemonsを参照してください

libvirtデーモンの使用方法の詳細は、https://libvirt.org/daemons.htmlを参照してください。