3 Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsのインストール

Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsのインストールには、Microsoft Windowsポリシーの構成、インストール・プログラムの実行およびインストールの検証が伴われます。

既存のMicrosoft WindowsゲストへのOracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsのインストール

既存のMicrosoft WindowsゲストにOracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsをインストールする場合は、次の手順を実行します。

デバイスのインストールに関するポリシーの構成

Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsのインストールを許可するようにMicrosoft Windowsのポリシーを構成します(該当するポリシーが構成されていない場合)。このタスクにより、次のエラーがインストール中に発生しないようにします。

The installation of this device is forbidden by system policy. 
Contact your system administrator. 

インストールのポリシーを構成するには:

  1. Oracle VirtIO Drivers for Microsoft WindowsをインストールするMicrosoft Windows仮想マシンを開きます。

  2. 「スタート」メニューで、「実行」を選択します。

  3. gpedit.mscと入力して、「OK」をクリックします。

    「ローカル グループ ポリシー エディター」表示されます。

  4. コンソール・ツリーから、次のようにして、デバイスのインストール制限のリスト(「デバイスのインストールの制限」)を表示します。

    1. 「コンピューターの構成」を展開してから、「管理用テンプレート」を展開します。

    2. 「システム」を展開してから、「デバイスのインストール」を展開します。

    3. 「デバイスのインストールの制限」を選択します。

  5. デバイスのインストールの制限がなくなるようにポリシー設定を編集します。

    または、各ポリシー設定を確認して、ビジネス・ニーズに適した構成を決定します。

  6. 「ローカル グループ ポリシー エディター」を閉じます。

  7. Microsoft Windows仮想マシンを再起動します。

デバイスのインストールに関するポリシー設定の構成を終了すると、Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsのインストールを続行できます。

Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsのインストール

開始する前に

インストール・プロセスを開始する前に、次の手順を実行します。

注意:

Oracle Cloud Infrastructure ClassicからOracle Cloud InfrastructureにWindowsゲストを移行する場合、インストーラはOracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsファイルをコピーして、ゲストにドライバをインストールし、Oracle Cloud Infrastructure ClassicからOracle Cloud Infrastructureへの移行をサポートするようにゲストを構成します。

Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsをインストールする場合は、GUIのインストール・プログラムを使用することも、サイレント・インストールを実行することもできます。Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsの単一インスタンスをインストールする場合は、グラフィカル・インストール・プログラムを使用します。Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsの複数のインスタンスをサイレント・インストールする場合は、レスポンス・ファイルを作成するために、少なくとも1つのMicrosoft Windowsゲストのコマンドライン・ウィンドウでGUIのインストール・プログラムを実行する必要があります。このレスポンス・ファイルを使用すると、その後のすべてのインストールをサイレントに実行できます。

Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsをインストールするには:

  1. Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsインストール・プログラムSetup.exeをゲストにコピーします。

  2. インストールを開始するために、次のいずれかの方法でSetup.exeを実行します。

    • 単一インストールを実行する場合は、Setup.exeをダブルクリックして、Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsインストーラを起動します。

    • 複数のシステムへの自動インストールのためにレスポンス・ファイルを記録するには:

      1. コマンドライン・ウィンドウを開きます。

      2. Setup.exe ファイルがあるディレクトリに移動します。

      3. Setup.exe -rを実行して、Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsインストーラを起動し、サイレント・インストール用のレスポンス・ファイルを作成します。

  3. 「ユーザー アカウント制御」ダイアログが表示された場合は「はい」を選択して、Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsインストーラの続行を許可します。

    「ようこそ」ウィンドウが表示されます。

  4. 「次へ」をクリックします。

    Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsリリース2.1.0のインストールの開始ウィンドウに、選択内容に関する情報が表示されます。

  5. 「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

    インストーラによってOracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsファイルがコピーされ、ゲストにドライバがインストールされます。

  6. インストールが完了したら、「終了」をクリックします。

    仮想マシンが再起動されます。

    注意:

    WindowsゲストをOracle Cloud Infrastructure ClassicからOracle Cloud Infrastructureに移行する場合は、Oracle Cloud Infrastructure Classic環境内のWindowsゲストVMを停止し、Oracle Cloud Infrastructure環境内のWindowsゲストVMを起動します。

Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsは、次のディレクトリにインストールされます。

  • 32ビット・システムの場合: C:\Program Files\Oracle Corporation\Oracle Windows VirtIO Drivers

  • 64ビット・システムの場合: C:\Program Files (x86)\Oracle Corporation\Oracle Windows VirtIO Drivers

コマンドラインで-rオプションを使用した場合は、インストール・プログラムによってC:\Windowsディレクトリにレスポンス・ファイルが作成されます。このレスポンス・ファイルsetup.issを使用して、その他のMicrosoft Windowsゲストでサイレント・インストールを実行します。Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsのサイレント・インストールまたはアップグレードを参照してください。

Microsoft Windowsゲスト・インストール時のOracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsのインストール

開始する前に

インストール・プロセスを開始する前に、次の手順を実行します。

Microsoft Windowsゲストのインストール時にOracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsをインストールする場合は、次の手順を実行します。

  1. 仮想マシンを作成します(起動しません)。

  2. Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windows ISOファイルをエミュレートされたIDEデバイスとして仮想マシンにアタッチします。winvirtio.isoファイルは、ダウンロードしたOracle VirtIO Drivers for Microsoft Windows zipファイル内にあります。

    Microsoft WindowsインストールISOが、最初のIDEデバイスとして仮想マシンにアタッチされていることを確認します。Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windows ISOファイルは、通常は、2番目のIDEデバイスである必要があります。

  3. 仮想マシンを起動して、Microsoft Windowsのインストール・プロセスを開始します。

  4. ディスクまたはパーティションの画面が表示されたら、プロンプトに従ってドライバを参照してロードします。

  5. Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windows ISOファイルの該当するドライバの場所に移動して選択します。

    Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windows ISOファイルの内容は、次のとおりです。

    autorun.inf      # File that automatically runs the installation program.
    fwcfg            # Directory that contains the license file for fwcfg null drivers.
    Setup.exe        # The main graphical installation program.
    NetKVM           # Directory that contains the license file for NetKVM drivers.
    pvpanic          # Directory that contains the license file for pvpanic drivers.
    viogpu           # Directory that contains the license file for viogpu drivers.
    vioscsi          # Directory that contains the license file for vioscsi drivers.
    vioserial        # Directory that contains the license file for vioserial drivers.
    viostore         # Directory that contains the license file for viostore drivers.
    vio              # Base directory for drivers.
    
    vio/Common       # Fwcfg null drivers for all Windows versions.
    
    vio/Win10        # Drivers for Windows 10, Windows 11, Windows Server 2016, Windows Server 2019 and Windows Server 2022
    vio/Win10/amd64  # 64-bit drivers.
    vio/Win10/i386   # 32-bit drivers. {only Windows 10)
    
    vio/Win8.1       # Drivers for Windows 8.1 and Windows Server 2012 R2.
    vio/Win8.1/amd64 # 64-bit drivers.
    vio/Win8.1/i386  # 32-bit drivers. (only Windows 8.1)
    
    vio/Win8         # Drivers for Windows 8 and Windows Server 2012.
    vio/Win8/amd64   # 64-bit drivers.
    vio/Win8/i386    # 32-bit drivers. (only Windows 8)
  6. 前述のステップを繰り返して必要に応じてその他のドライバをインストールしてから、Microsoft Windowsのインストール・プロセスを続行します。

Microsoft Windowsゲストのインストール後には、Microsoft Windowsポリシーの構成が必要になります。サポートされているゲスト・オペレーティング・システムを参照してください。

オプションの構成変更

この項では、インストール完了後の構成に対してオプションで実行できる変更について説明します。

注意:

オプションの構成変更は、デフォルト・タイプのインストールを完了し、Oracle Linuxを実行してホスト・システムを制御している場合にのみ意味があります。カスタムのインストールが完了して、OCI-CからOracle Cloud Infrastructure環境にVMを移行した場合は、ホストへのアクセス権がありません。

ここで説明する変更には、ホスト・システムが最新のサポートされている仮想化パッケージを実行している必要があります。このパッケージは、Oracle Linux yumサーバーのol7_kvm_utils Yumリポジトリか、ULNのol7_x86_64_kvm_utilsチャネルまたはol7_aarch64_kvm_utilsチャネルで使用可能になっています。

作業を進める前に、適切なチャネルまたはリポジトリを有効にして、その場所からパッケージをインストールします(まだ実施していない場合)。仮想化パッケージのアップグレードを実行する場合は、実行中の仮想マシンを再起動して変更内容を反映させる必要があります。

ブロック・ドライバの構成

Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsには、Microsoft Windowsゲストのディスク・パフォーマンスを向上させるブロック・ドライバがあります。ただし、インストール後にゲストがOracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsストレージ・ドライバを使用して自動的に起動することはありません。その結果として、ゲストはブート・ディスクに準仮想化ストレージ・ドライバを使用できなくなります。インストール後、各ゲストを、エミュレートされたディスクではなく準仮想化ストレージ・ドライバを使用するように構成します。

インストール後にブロック・ドライバを構成するには:

  1. Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsがインストールされていることを確認します。

  2. ゲストが実行中の場合は停止します。

  3. ゲストに2番目のディスクとして追加できる新しい一時イメージを作成します。たとえば、次を実行します。

    sudo qemu-img create -f qcow2 disk_name.qcow2 1G
  4. ゲストに作成したディスクを追加します。

  5. 追加したディスクのバス・タイプとしてvirtioを指定してから、ゲストを起動します。この時点で、Microsoft Windowsによってディスク・ドライバが検出されてインストールが完了します。

  6. ブート・ディスクのバス・タイプをvirtioに変更してから、ゲストを起動します。

    Microsoft Windowsによって、ブート・ディスクにOracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsブロック・ドライバがインストールされます。

  7. ゲストから一時ディスクをデタッチします。

仮想マシンのMTUサイズの設定

Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsによって、Microsoft Windowsゲストの仮想ネットワーク・アダプタの最大転送単位(MTU)設定が上書きされます。Oracle VirtIO Drivers for Microsoft Windowsのインストールと検証に成功したら、次のようにしてゲストごとにMTUを設定します。

  1. Microsoft Windows仮想マシンを開きます。

  2. コントロール パネルを開いて、「デバイス マネージャー」ウィンドウを見つけて開きます。

  3. 「ネットワーク アダプター」を展開して、適切なOracle VirtIO Ethernet Adapterを選択します。

  4. アダプタを右クリックし、「プロパティ」を選択してから「詳細」タブを選択します。

  5. 「MTU」プロパティを選択して適切な値に設定します。

  6. 「OK」をクリックして変更を保存します。