7 DNFコマンド・リファレンス

次の表に、dnfコマンドを使用してパッケージとパッケージ・グループを管理することで実行できる、一般的なタスクの例を示します。

表7-1 DNFコマンド

コマンド 説明

dnf repolist

有効なすべてのリポジトリをリストします。

dnf list

有効なすべてのリポジトリで使用可能なすべてのパッケージと、システムにインストールされているすべてのパッケージをリストします。

dnf list installed

システムにインストールされているすべてのパッケージをリストします。

dnf list available

すべての有効なリポジトリにインストールできるすべてのパッケージをリストします。

dnf search string

パッケージの説明で、指定されたstringを検索します。

dnf provides feature

指定されたファイルまたは機能が属するパッケージの名前を検索します。次に例を示します。

dnf provides /etc/dnf/automatic.conf

dnf info package

パッケージの詳細情報を表示します。次に例を示します。

dnf info dnf-automatic

dnf repoquery -l パッケージ

パッケージに含まれていて、そのパッケージのインストール時にインストールされるファイルのリストを表示します。次に例を示します。

dnf repoquery -l dnf-automatic

dnf install package

指定されたパッケージ(依存するパッケージを含む)をインストールします。次に例を示します。

dnf install dnf-automatic

dnf check-update

システムにすでにインストールされているパッケージに更新が存在するかどうかを確認します。

dnf upgrade package

指定されたパッケージ(依存するパッケージを含む)を更新します。次に例を示します。

dnf upgrade dnf-automatic

また、DNFではdnf update パッケージコマンドもアップグレード構文と同じ意味に解釈されますが、この構文は非推奨とみなされています。

dnf upgrade

すべてのパッケージを、それらが依存するパッケージとともに更新します。

また、DNFではdnf update パッケージコマンドもアップグレード構文と同じ意味に解釈されますが、この構文は非推奨とみなされています。

dnf remove package

指定されたパッケージを削除します。たとえば、次のようになります。

dnf remove dnf-automatic

dnf clean all

キャッシュされたすべてのパッケージ・ダウンロード、およびリモート・パッケージに関する情報を含むキャッシュされたヘッダーを削除します。このコマンドを実行すると、終了していないトランザクションまたは期限切れのヘッダーの結果である問題を解決できます

dnf help

dnfの使用方法のヘルプを表示します。

dnf help command

指定したdnfコマンドのヘルプを表示します。次に例を示します。

dnf help upgrade

dnf shell

dnfの対話型シェルを実行します。

表7-2 DNFグループ・コマンド

コマンド 説明

dnf group list

多数のサブグループとインストールに使用可能なパッケージのベース・グループが含まれている環境グループをリスト表示します。

非表示のグループとすべてのグループのIDをリストに含めるには、--hidden -vオプションを追加します。

dnf group info groupname

グループの詳細情報を表示します。このグループが親グループの場合は、そこに含まれるすべてのサブグループがリスト表示されます。または、グループ内のすべてのパッケージがリスト表示されます。

グループのIDを含めるには、-vオプションを使用します。

dnf group install groupname

グループのすべてのパッケージをインストールします。

dnf group update groupname

グループのすべてのパッケージを更新します。

dnf group remove groupname

グループのすべてのパッケージを削除します。

表7-3 DNFモジュール・コマンド

コマンド構文 アクションの説明 追加情報

dnf install package

指定したパッケージをインストールします。

モジュール・ストリームによってパッケージが提供されている場合、dnfコマンドは必要なモジュール・ストリームを解決し、パッケージのインストール時にストリームを自動的に有効にします。さらに、このプロセスはパッケージの依存関係に対して再帰的です。多くのモジュール・ストリームが要件を満たす場合は、デフォルトのストリームが使用されます。

パッケージがデフォルトとしてマークされていないモジュール・ストリームによって提供されている場合や有効になっていない場合は、そのパッケージは該当するモジュール・ストリームを手動で有効にするまで認識されません。

dnf module enable module-name:stream

モジュールまたはストリームを有効にします。

このコマンドは、モジュールを有効にしてパッケージがシステムで使用できるようにするが、そのモジュールを今すぐインストールする必要はない場合に使用します。

モジュールにはデフォルト・ストリームが定義されていないものがあります。その場合は、ストリームを明示的に指定する必要があります。ストリームを明示的に指定したときに、デフォルトとして代替ストリームが設定されている場合は、その後のインストール・リクエストのデフォルト・ストリームが有効化したストリームによってオーバーライドされます。

かわりに、dnf module switch-toを使用できます。現在の表のエントリを参照してください。

dnf install @module-name

かわりに、次を使用することもできます。

dnf module install module-name

モジュールをインストールします。@文字は、モジュールのインストールを示す短縮形です。

モジュールにデフォルトのストリームが定義されている場合や特定のストリームを有効にしている場合は、コマンド構文にstreamcolonを含める必要はありません。

モジュールによってはデフォルトのストリームが定義されていない点に注意してください。

かわりに、dnf module switch-toを使用できます。現在の表のエントリを参照してください。

dnf install @module-name:stream

かわりに、次を使用することもできます。

dnf module install module-name:stream

特定のストリームとデフォルトのプロファイルを使用してモジュールをインストールします。

かわりに、dnf module switch-toを使用できます。現在の表のエントリを参照してください。

dnf install @module-name:stream/profile

かわりに、次を使用することもできます。

dnf module install module-name:stream/profile

特定のストリームとプロファイルを使用してモジュールをインストールします。

かわりに、dnf module switch-toを使用できます。現在の表のエントリを参照してください。

dnf module info module-name

モジュールに関する情報を表示します。

 

dnf module info --profile module-name

デフォルトのストリームを使用したモジュールのプロファイルによってインストールされるパッケージに関する情報を表示します。

 

dnf module info --profile module-name:stream

指定のストリームを使用したモジュールのプロファイルによってインストールされるパッケージに関する情報を表示します。

 

dnf module list

使用可能なすべてのモジュールをリストし、モジュール名、ストリーム、プロファイルおよびサマリーを表示します。各モジュールとストリームは個別の行にリストされます。プロファイルは、モジュールとストリームごとにカンマ区切り値を使用して示されます。

デフォルト値は、文字[d]で示されます。有効なモジュールは文字[e]で示されます。無効なモジュールは文字[x]で示されます。インストールされたモジュール、ストリームおよびプロファイルは、[i]という文字で示されます。

 

dnf module list module-name

モジュールの現在のステータスをリストします。

 

dnf module provides package

指定したパッケージを提供するモジュールについての情報を表示します。

パッケージがモジュールの外部でのみ使用可能な場合、コマンド出力は空になります。

 

dnf module switch-to @module-name:stream/profile

モジュール・ストリームに切り替えます。また、このコマンドは、インストールされたパッケージのバージョンを新しいストリームによって提供されるバージョンに変更し、使用できなくなった古いストリームからパッケージを削除します。このコマンドは、インストールされているプロファイルが新しいストリームで利用可能であれば、そのプロファイルも更新します。

このコマンドは、モジュールを有効化し、有効化されたモジュール内のすべてのモジュラー・パッケージに対してdistrosyncを実行するため、dnf module enableコマンドよりも包括的です。

このコマンドは、プロファイルもインストールし、インストールされたモジュールに対してdistrosyncを実行するため、dnf module installよりも包括的です。ただし、このコマンドはデフォルトのプロファイルを使用しないため、プロファイルを指定する必要があります。

dnf module remove @module-name

指定したモジュールを削除します。

インストール済モジュールを削除すると、有効なモジュール・ストリームのプロファイルによってインストールされている、すべてのパッケージとその依存関係が削除されます。

削除するモジュールには、いくつかのプロファイルがすでにインストールされている必要があります。

dnf module remove --all @module-name:stream

指定したストリームからすべてのパッケージを削除します。

このコマンドにより、システムから重要なパッケージが削除される可能性があることに注意してください。

dnf module remove @module-name:stream/profile

インストールされたプロファイルからパッケージを削除します。

 

dnf module remove @module-name:stream

指定したストリームにインストールされているすべてのプロファイルからパッケージを削除します。

 

dnf module reset @module-name

モジュールを初期状態にリセットして、有効でも無効でもないようにします。その結果、インストールされているすべてのプロファイルが削除されます。

このコマンドは、指定されたモジュールからパッケージを削除しないことに注意してください。

dnf module disable @module-name

モジュールとそのすべてのストリームを無効にします。

関連するすべてのモジュール・ストリームが使用できなくなります。その結果、インストールされているすべてのプロファイルが削除されます。

このコマンドは、指定されたモジュールからパッケージを削除しないことに注意してください。