1 Oracleによるソフトウェア・パッケージの配布方法

Oracleでは、ソフトウェア・パッケージの配布に、次の2つのメカニズムを使用します。

対象のインフラストラクチャおよびOracleとのサポート契約に応じて、これらのソフトウェア配布メカニズムのいずれかをOracle Linuxシステムで使用できます。また、より広範なインフラストラクチャにソフトウェアをプロビジョニングするために、独自のソフトウェア配布ミラーを作成することもできます。

Oracle Linux Yumサーバー

Oracle Linux yumサーバーは、インストール・メディアからインストールするかわりに、Oracle Linuxのパッケージ(不具合修正、セキュリティ修正、拡張を含む)のインストールに使用できます。Oracleは、パッケージの目的、サポート・ステータスまたは依存関係に基づいて、yumサーバーのソフトウェア・パッケージを異なるリポジトリに論理的に編成します。各リポジトリは、レプリケートされたUnbreakable Linux Networkチャネルです。

パブリックYumサーバー

プライマリOracle Linux yumサーバーは、パブリックに使用可能です。https://yum.oracle.com/でホストされているソフトウェア・パッケージには、誰でも無料でアクセスできます。

Oracleは、ULNチャネルのサブセットをリポジトリとして一般公開されているyumサーバーにレプリケートしますが、Oracle Linux Premier Supportのお客様にのみ使用のライセンスが付与されたソフトウェア(Kspliceなど)を含むチャネルは除外しています。詳細は、「使用可能なYumリポジトリ」を参照してください。

Oracle Cloud Infrastructure Yumサーバー

一般公開されているyumサーバーとは異なり、OracleはすべてのULNチャネルをOracle Cloud Infrastructure yumサーバーにレプリケートします。これにより、コンピュート・インスタンスは、ULN内でインスタンスを登録することなくソフトウェアに直接アクセスできるため、ソフトウェア管理が簡単になります。特定のULNコンテンツへのアクセスは、Oracle Cloud Infrastructureのアカウントに対するサポート契約によって異なります。

リージョナルyumサーバー上の制限付きコンテンツへのアクセスを有効にするには、適切なrelease-el8パッケージがインストールされていて、アクセスに必要なリポジトリが有効化されていることを確認してください。

使用可能なYumリポジトリ

Oracle Linux yumサーバーで使用可能なリポジトリの完全なリストは、次を参照してください。

少なくとも、Oracle Linuxリリースのコア・オペレーティング・システム・リポジトリは常に有効にしてください。コア・オペレーティング・システム・リポジトリは、インストール後すぐに有効になります。これは、Oracle Linuxシステムのライフサイクルを通じて有効にしておく必要があります。

Oracle Linux 9システムの場合、コア・オペレーティング・システム・リポジトリはol9_baseos_latestol9_appstreamです。

Oracle Linux 8システムの場合、コア・オペレーティング・システム・リポジトリはol8_baseos_latestol8_appstreamです。

リポジトリとは

yumリポジトリはパッケージのディレクトリであり、一般にWebサーバーまたはISOイメージで使用可能になります。このディレクトリにはソフトウェア・パッケージのコレクションが含まれています。また、repodataサブディレクトリに格納されているメタデータも含まれます。このメタデータは、リポジトリ・ディレクトリ内でパッケージが変更されるたびに更新されます。

クライアント・システムは、yumリポジトリ構成エントリを作成することで、yumリポジトリを使用するように構成できます。その後、yumまたはdnfコマンドを使用して、リポジトリからソフトウェアをインストールできます。

Oracle yumリポジトリの命名方法

リポジトリ名は同等のULNチャネルに対応しますが、プラットフォーム・アーキテクチャは含まれません。たとえば、ULNチャネルのol8_x86_64_baseos_latestは、Oracle Linux yumサーバー上のol8_baseos_latestになります。プラットフォーム・アーキテクチャはリポジトリへのURLによってすでに識別されているため、そのアーキテクチャはリポジトリ名には含まれません。そのため、yumサーバーへの接続時に、システムは正しいアーキテクチャを自動的に選択します。

関連項目

Unbreakable Linux Network

Unbreakable Linux Network (ULN)では、ソフトウェア・パッケージの配布にチャネルを使用します。各チャネルには、Oracle Linuxのバージョン、プラットフォーム・アーキテクチャおよびパッケージの目的に基づいたパッケージの論理グループが含まれています。パッケージにアクセスするには、最重要と考えるチャネルをサブスクライブします。「使用可能なULNチャネル」を参照してください。

重要:

すべてのULNチャネルは、Oracle Cloud Infrastructure Yumサーバーに完全にレプリケートされます。Oracle Cloud Infrastructure上のシステムは、チャネルからパッケージにアクセスするためにULNに登録する必要がありません。

ULNの利点

ULNには、パブリックOracle Linux yumサーバーから入手できない追加ソフトウェアへのアクセスが含まれています。特に、ULNはOracle Kspliceソフトウェア・チャネルへのアクセスを提供し、再起動することなくシステム・カーネルを自動的に更新できます。また、その他のOracleの市販ソフトウェアに向けた複数のチャネルも利用できます。そのため、ULNを使用することで、元のディストリビューションに含まれていない便利なパッケージをダウンロードできます。

ULNは、Oracle LinuxおよびOracle VM用のソフトウェア・パッチ、更新および修正に加えて、yumdnf、Kspliceおよびサポート・ポリシーに関する情報を提供します。ULNアラート通知ツールは、ULNを定期的に確認し、利用可能な更新がある場合に通知を送信します。

ULNへのシステムのアクセス方法

ULNにアクセスするには、有効なカスタマ・サポートID (CSI)とシングル・サインオン(SSO)アカウントを持つOracle Linux Premier Supportのお客様であることが必要です。それにより、https://linux.oracle.com/で包括的なULNのリソースを使用できるようになります。ここでは、各種のシステムおよびプラットフォームで使用可能なソフトウェア・チャネルを確認および管理できるWebインタフェースが提供されます。

ULNでdnfを使用するには、個別に各システムをULNに登録して、それぞれのシステムで1つ以上のULNチャネルにサブスクライブする必要があります。システムをULNに登録すると、システムのアーキテクチャとオペレーティング・システムのリビジョンに応じて、最新のバージョンが含まれているチャネルが自動的に選択されます。dnfコマンドを実行すると、ULNサーバー・リポジトリに接続して、RPM形式の最新のソフトウェア・パッケージがシステムにダウンロードされます。その後、dnfによって使用可能なパッケージのリストが示されるため、インストールするパッケージを選択できます。

ULNの詳細は、https://linux.oracle.com/を参照してください。

使用可能なULNチャネル

チャネルは、システムのアーキテクチャに対応しています。100以上のチャネルが存在し、Oracle Linux 4更新6以降のリリースとOracle VM 2.1以降のリリースに向けては、i386、x86_64、IA64および64ビットArmアーキテクチャをサポートしています。MySQL、Oracle VM、Oracle Ksplice、OCFS2、RDSおよび生産性アプリケーションのULNチャネルも存在します。パッケージのベータ・バージョン用や特定の開発者コンテンツ用のチャネルなど、その他のチャネルも使用できるようになります。

すべてのアーキテクチャにすべてのチャネルが使用できるわけではありません。ULN Webインタフェースを使用して、対象のアーキテクチャに使用可能なチャネルを確認します。「ULNチャネルへのシステムのサブスクライブ」を参照してください。

コアOracle Linux 9チャネル

Oracle Linux 9システムのコア・オペレーティング・システム・チャネルは、ol9_arch_baseos_latestおよびol9_arch_appstreamです。

コアOracle Linux 8チャネル

Oracle Linux 8システムのコア・オペレーティング・システム・チャネルは、ol8_arch_baseos_latestおよびol8_arch_appstreamです。

Latestチャネル

対象システムのアーキテクチャに対応する_latestチャネルにサブスクライブする必要があります。_latestチャネルは、パッケージの使用可能な最新バージョンを配布します。

注意:

_latestチャネルからサブスクライブ解除すると、システムはセキュリティ関連の問題に対して脆弱になる可能性があります。システムの_latestチャネルへのサブスクライブは常に維持するようにお薦めします。

BaseチャネルとPatchチャネル

追加のULNチャネル_baseおよび_patchは、様々なオペレーティング・システム更新レベルまたはリビジョンで使用できます。_baseおよび_patchチャネルにサブスクライブして、_latestチャネルからサブスクライブを解除することで、システムを特定の更新に維持することもできます。ただし、Oracleは新しい更新レベルのリリース後にパッチ・チャネルの更新を停止するため、システムがセキュリティの問題に対して脆弱になることがあります。また、_appstreamチャネルでリリースされるソフトウェアは、常に最新のリリースに合わせてリリースされます。システムを特定の更新レベルに固定すると、Oracleが_appstreamチャネルでソフトウェアを更新するときに依存関係の問題が発生する可能性があります。

Oracle Linux 9の主なULNチャネル

次の表に、Oracle Linux 9の主要なULNチャネルを示します。その他のチャネルも使用可能です。完全なリストについては、ULN Webインタフェースで確認してください。

チャネル 説明
ol9_arch_baseos_latest 現行リリースのディストリビューションに含まれるベース・オペレーティング・システム・パッケージのすべての最新バージョンを提供します(エラッタを含む)。パッケージに脆弱性が見つかっていなければ、パッケージ・バージョンは、元のディストリビューションに含まれるものと同じになります。その他のパッケージについては、バージョンが最上位の更新レベルに設定されます。
ol9_arch_appstream 現行リリースのディストリビューションに含まれるアプリケーション・ストリーム・ユーザー空間パッケージのすべての最新バージョンを提供します(エラッタを含む)。パッケージに脆弱性が見つかっていなければ、パッケージ・バージョンは、元のディストリビューションに含まれるものと同じになります。その他のパッケージについては、バージョンが最上位の更新レベルに設定されます。
ol9_arch_addons ここに示した別のチャネルで使用可能なアップストリーム・パッケージに加えて、Oracleによってリリースされたパッケージを提供します。該当するパッケージは、Oracle Linuxのユーザー・エクスペリエンスの向上と、Oracle固有のサービスへのアクセスの提供するためにOracleが提供する機能に特化したものです。
ol9_arch_oci Oracle Cloud Infrastructureのお客様向けの固有のパッケージを提供します。このチャネルのパッケージは、Oracle Cloud Infrastructureのコンピュート・インスタンスでのみ使用する必要があります。このチャネルはULNで使用可能で、Oracle Cloud Infrastructure内のリージョナルyumサーバーにミラーリングされますが、パブリックにアクセス可能なOracle Linux yumサーバーにはミラーリングされません。
ol9_arch_codeready_builder

アップストリームのcodeready_builderチャネルでリリースされたパッケージを提供します。このチャネルでリリースされたパッケージは、ソース・パッケージからバイナリ・コンテンツをビルドする開発者向けのものです。このパッケージには、パッケージのビルドに必要なコンパイラ、ライブラリおよびソースと、その他の関連タスクが含まれています。このチャネル内の多くのパッケージは、ol9_arch_appstreamチャネルのパッケージに依存します。

codeready_builderパッケージのサポートは、パッケージ・インストールの支援のみに限定されます。

Oracle Linux 8の主なULNチャネル

次の表に、Oracle Linux 8の主要なULNチャネルを示します。その他のチャネルも使用可能です。完全なリストについては、ULN Webインタフェースで確認してください。

チャネル 説明
ol8_arch_baseos_latest ディストリビューション内のベース・オペレーティング・システム・パッケージのすべての最新バージョンを提供します(エラッタを含む)。パッケージに脆弱性が見つかっていなければ、パッケージ・バージョンは、元のディストリビューションに含まれるものと同じになります。その他のパッケージについては、バージョンが最上位の更新レベルに設定されます。
ol8_arch_appstream ディストリビューション内のアプリケーション・ストリーム・ユーザー空間パッケージのすべての最新バージョンを提供します(エラッタを含む)。パッケージに脆弱性が見つかっていなければ、パッケージ・バージョンは、元のディストリビューションに含まれるものと同じになります。その他のパッケージについては、バージョンが最上位の更新レベルに設定されます。
ol8_arch_un_baseos_base 特定の更新レベルがリリースされたときにディストリビューションに含まれるベース・オペレーティング・システム・パッケージのベース・バージョンを提供します。Oracle Linux 8の最初のリリースでは、nの値が0になります。このチャネルでは、エラッタのパッチは提供されません。最新のセキュアな状態にシステムを維持するには、適切な_baseos_patchチャネルにサブスクライブするか、適切な_baseos_latestチャネルにサブスクライブする必要があります。_baseos_latestチャネルにサブスクライブしている場合は、このチャネルへのサブスクライブは不要です。
ol8_arch_un_baseos_patch 特定の更新レベルがリリースされたときにディストリビューションに含まれるベース・オペレーティング・システム・パッケージのパッチ適用済バージョンを提供します。エラッタ・パッチが使用可能になると、このチャネルに更新がリリースされます。Oracle Linux 8の最初のリリースの場合、nの値は0です。エラッタ・パッチは、新しい更新リリースが入手可能になるまで、このチャネルで提供されます。最新のセキュアな状態にシステムを維持するには、適切な_baseos_latestチャネルにサブスクライブする必要があります。_baseos_latestチャネルにサブスクライブしている場合は、パッチ・チャネルへのサブスクライブは不要です。
ol8_arch_addons ここに示した別のチャネルで使用可能なアップストリーム・パッケージに加えて、Oracleによってリリースされたパッケージを提供します。該当するパッケージは、Oracle Linuxのユーザー・エクスペリエンスの向上と、Oracle固有のサービスへのアクセスの提供するためにOracleが提供する機能に特化したものです。
ol8_arch_oci Oracle Cloud Infrastructureのお客様向けの固有のパッケージを提供します。このチャネルのパッケージは、Oracle Cloud Infrastructureのコンピュート・インスタンスでのみ使用する必要があります。このチャネルはULNで使用可能で、Oracle Cloud Infrastructure内のリージョナルyumサーバーにミラーリングされますが、パブリックにアクセス可能なOracle Linux yumサーバーにはミラーリングされません。
ol8_arch_codeready_builder

アップストリームのcodeready_builderチャネルでリリースされたパッケージを提供します。このチャネルでリリースされたパッケージは、ソース・パッケージからバイナリ・コンテンツをビルドする開発者向けのものです。このパッケージには、パッケージのビルドに必要なコンパイラ、ライブラリおよびソースと、その他の関連タスクが含まれています。このチャネル内のパッケージの多くが、ol8_arch_appstreamチャネルのパッケージに依存します。

codeready_builderパッケージのサポートは、パッケージ・インストールの支援のみに限定されます。

ol8_arch_developer

Oracle Linux 8および関連テクノロジのテスト環境および開発環境を作成する開発者向けのパッケージを提供します。

開発者パッケージのサポートは、パッケージ・インストールの支援のみに限定されます。

ol8_arch_developer_EPEL

EPEL (Extra Packages for Enterprise Linux)リポジトリで使用可能なパッケージのうち選択したパッケージのミラーを提供します。

EPELパッケージのサポートは、パッケージ・インストールの支援のみに限定されます。