Unbreakable Linux Networkを介したパッケージの配布
Unbreakable Linux Network (ULN)では、ソフトウェア・パッケージの配布にチャネルを使用します。各チャネルには、Oracle Linuxのバージョン、プラットフォーム・アーキテクチャおよびパッケージの目的に基づいたパッケージの論理グループが含まれています。パッケージにアクセスするには、必要なチャネルをサブスクライブします。
ULNおよびYumサーバーの比較
ULNを使用すると、yumより利点があります。ULNには、パブリックOracle Linux yumサーバーから入手できない追加のソフトウェアへのアクセスが含まれています。特に、ULNはOracle Kspliceソフトウェア・チャネルにアクセスできるため、再起動することなくシステム・カーネルを自動的に更新できます。また、Oracleから市販されているソフトウェア用に他のチャネルもいくつか追加できます。そのため、元のディストリビューションには含まれていない有用なパッケージをダウンロードできます。
ULNは、Oracle LinuxおよびOracle VM用のソフトウェア・パッチ、更新および修正に加えて、yum、dnf、Kspliceおよびサポート・ポリシーに関する情報を提供します。ULNアラート通知ツールは、ULNを定期的に確認し、利用可能な更新がある場合に通知を送信します。
ULNへのアクセス
ULNにアクセスするには、有効なカスタマ・サポートID (CSI)とシングル・サインオン(SSO)アカウントを持つOracle Linux Supportのお客様であることが必要です。次に、https://linux.oracle.com/でULNの包括的なリソースを使用できます。このサイトでは、様々なシステムやプラットフォームで使用できるソフトウェア・チャネルを確認および管理できる、Webインタフェースを提供します。
ULNでdnfを使用するには、個別に各システムをULNに登録して、システムで1つ以上のULNチャネルにサブスクライブする必要があります。システムをULNに登録すると、システムのアーキテクチャとOSリリースに応じて、最新のバージョンが含まれているチャネルが自動的に選択されます。
ULNチャネルについて
チャネルは、システムのアーキテクチャに対応しています。Unbreakable Linux Networkには、何百もの一意のチャネルがあります。これらを使用すると、Oracle LinuxのすべてのリリースおよびOracle VM 2.1以降のパッケージにアクセスできます。ULNチャネルは、i386、x86_64、64ビットArmアーキテクチャなどの様々なプラットフォーム・アーキテクチャで使用できます。MySQL、Oracle VM、Oracle Ksplice、OCFS2、RDMAおよび生産性向上アプリケーションのULNチャネルも存在します。開発者プレビュー用のサポートされていないチャネルや特定の開発者コンテンツ用のチャネルなど、その他のチャネルも使用できる場合があります。
ULNチャネルには次のタイプがあります。
- コア
-
任意のパッケージ・リリースの最新バージョンを配布する
*_latest
チャネルを含む、特定のOracle Linuxリリースの必須チャネルで構成されます。登録されたシステムは、自動的に適切なコア・チャネルにサブスクライブされます。注意:
_latest
チャネルからサブスクライブを解除すると、システムはセキュリティ関連の問題に対して脆弱になる可能性があります。システムをこのチャネルにサブスクライブしておくことをお薦めします。 - baseおよびpatch
-
OSの様々な更新レベルまたはリビジョンで使用できる追加のULNチャネル。
_latest
チャネルのサブスクライブを解除し、_base
チャネルと_patch
チャネルに置き換えることで、特定の更新でシステムを維持できます。ただし、この構成では、Oracleは新しい更新レベルのリリース後にパッチ・チャネルの更新を停止するため、システムがセキュリティの問題に対して脆弱になることがあります。また、_appstream
チャネルのソフトウェアは、常に最新のリリースに沿ってリリースされます。システムを特定の更新レベルに固定すると、Oracleが_appstream
チャネルでソフトウェアを更新するときに依存関係の問題が発生する可能性があります。
すべてのアーキテクチャにすべてのチャネルが使用できるわけではありません。ULN Webインタフェースを使用して、特定のシステム・アーキテクチャに使用可能なチャネルを確認します。「システムのチャネル・サブスクリプションの管理方法」を参照してください。Oracle Linux 9とOracle Linux 8の選択したチャネルと、それぞれの説明も参照してください。
Oracle Linux 9の主なULNチャネル
次の表に、Oracle Linux 9の主要なULNチャネルを示します。その他のチャネルも使用可能です。完全なリストについては、ULN Webインタフェースで確認してください。同等のyumリポジトリはhttps://yum.oracle.com/で入手できます。
チャネル | 説明 |
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ol9_arch_baseos_latest
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コア・チャネル。 現行リリースのディストリビューションに含まれるベース・オペレーティング・システム・パッケージのすべての最新バージョンを提供します(エラッタを含む)。パッケージに脆弱性が見つかっていなければ、パッケージ・バージョンは、元のディストリビューションに含まれるものと同じになります。その他のパッケージについては、バージョンが最上位の更新レベルに設定されます。 |
ol9_arch_appstream
|
コア・チャネル。 現行リリースのディストリビューションに含まれるアプリケーション・ストリーム・ユーザー空間パッケージのすべての最新バージョンを提供します(エラッタを含む)。パッケージに脆弱性が見つかっていなければ、パッケージ・バージョンは、元のディストリビューションに含まれるものと同じになります。その他のパッケージについては、バージョンが最上位の更新レベルに設定されます。 |
ol9_arch_addons
|
ここに示した別のチャネルで使用可能なアップストリーム・パッケージに加えて、Oracleによってリリースされたパッケージを提供します。該当するパッケージは、Oracle Linuxのユーザー・エクスペリエンスの向上と、Oracle固有のサービスへのアクセスの提供するためにOracleが提供する機能に特化したものです。 |
ol9_arch_codeready_builder
|
アップストリームの |
ol9_arch_developer
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Oracle Linux 9および関連テクノロジのテスト環境および開発環境を作成する開発者向けのパッケージを提供します。 開発者パッケージのサポートは、パッケージ・インストールの支援のみに限定されます。 |
ol9_arch_developer_EPEL
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EPEL (Extra Packages for Enterprise Linux)リポジトリで使用可能なパッケージのうち選択したパッケージのミラーを提供します。 EPELパッケージのサポートは、パッケージ・インストールの支援のみに限定されます。 |
Oracle Linux 8の主なULNチャネル
次の表に、Oracle Linux 8の主要なULNチャネルを示します。その他のチャネルも使用可能です。完全なリストについては、ULN Webインタフェースで確認してください。同等のyumリポジトリはhttps://yum.oracle.com/で入手できます。
チャネル | 説明 |
---|---|
ol8_arch_baseos_latest
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コア・チャネル ディストリビューション内のベース・オペレーティング・システム・パッケージのすべての最新バージョンを提供します(エラッタを含む)。パッケージに脆弱性が見つかっていなければ、パッケージ・バージョンは、元のディストリビューションに含まれるものと同じになります。その他のパッケージについては、バージョンが最上位の更新レベルに設定されます。 |
ol8_arch_appstream
|
コア・チャネル ディストリビューション内のアプリケーション・ストリーム・ユーザー空間パッケージのすべての最新バージョンを提供します(エラッタを含む)。パッケージに脆弱性が見つかっていなければ、パッケージ・バージョンは、元のディストリビューションに含まれるものと同じになります。その他のパッケージについては、バージョンが最上位の更新レベルに設定されます。 |
ol8_arch_un_baseos_base
|
特定の更新レベルがリリースされたときにディストリビューションに含まれるベース・オペレーティング・システム・パッケージのベース・バージョンを提供します。Oracle Linux 8の最初のリリースでは、nの値が0になります。このチャネルでは、エラッタのパッチは提供されません。最新のセキュアな状態にシステムを維持するには、適切な_baseos_patch チャネルにサブスクライブするか、適切な_baseos_latest チャネルにサブスクライブする必要があります。_baseos_latest チャネルにサブスクライブしている場合は、このチャネルへのサブスクライブは不要です。
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ol8_arch_un_baseos_patch
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特定の更新レベルがリリースされたときにディストリビューションに含まれるベース・オペレーティング・システム・パッケージのパッチ適用済バージョンを提供します。エラッタ・パッチが使用可能になると、このチャネルに更新がリリースされます。Oracle Linux 8の最初のリリースの場合、nの値は0であることに注意してください。エラッタ・パッチは、新しい更新リリースが入手可能になるまで、このチャネルで提供されます。システムの更新と保護を維持するには、適切な_baseos_latest チャネルをサブスクライブします。システムが_baseos_latest チャネルにサブスクライブされている場合は、パッチ・チャネルへのサブスクライブは必要ありません。
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ol8_arch_addons
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ここに示した別のチャネルで使用可能なアップストリーム・パッケージに加えて、Oracleによってリリースされたパッケージを提供します。該当するパッケージは、Oracle Linuxのユーザー・エクスペリエンスの向上と、Oracle固有のサービスへのアクセスの提供するためにOracleが提供する機能に特化したものです。 |
ol8_arch_codeready_builder
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アップストリームの |
ol8_arch_developer
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Oracle Linux 8および関連テクノロジのテスト環境および開発環境を作成する開発者向けのパッケージを提供します。 開発者パッケージのサポートは、パッケージ・インストールの支援のみに限定されます。 |
ol8_arch_developer_EPEL
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EPEL (Extra Packages for Enterprise Linux)リポジトリで使用可能なパッケージのうち選択したパッケージのミラーを提供します。 EPELパッケージのサポートは、パッケージ・インストールの支援のみに限定されます。 |