4 以前のリリースのOracle APEXからのアップグレード
Oracle APEXをアップグレードすると、新しいスキーマに新しいデータベース・オブジェクトが作成され、アプリケーションのメタデータが新しいリリースに移行されます。
Oracle APEXリリース20.x以前をご使用の場合は、このマニュアルに記載されているどのインストール・シナリオに従っても、APEXインスタンスが現在のリリースにアップグレードされ、新しいスキーマにOracle APEX 22.1のデータベース・オブジェクトが作成され、アプリケーションのメタデータが新しいリリースに移行されます。
- リリース番号の規則について
Oracle APEXの新規リリースは、カレンダ年に対応しています。 - サンプル・アップグレード・シナリオ
以前のリリースからのアップグレードやOracle DatabaseリリースにOracle APEXが含まれている場合のアップグレードなど、一般的なアップグレード・シナリオを確認します。 - Oracle APEXのリリース番号の表示
ワークスペースのホームページまたは「Oracle APEXについて」ページでOracle APEXのリリース番号を表示します。 - Oracle REST Data Servicesのリリース番号の表示
「Oracle APEXについて」ページでOracle REST Data Servicesのリリース番号を表示します。 - Oracle Databaseと同梱されているOracle APEXリリースのインストールについて
Oracle APEXを含むOracle Databaseリリースと、最新のOracle APEXリリースに更新する重要性について学習します。 - 既存のアプリケーションのアップグレードについて
Oracle APEXの新しいリリースのインストールでは、既存のアプリケーションを最新のリリースに更新しますが、アプリケーション・ユーザー・インタフェースまたはアプリケーション・コンポーネントは変更されません。 - テスト要件について
Oracle APEXアップグレード時の、適切な回帰テストの量の判定は、アップグレードするアプリケーションの複雑さ、サイズおよび数に依存します。 - 環境のクリーンアップについて
すべての環境で最新リリースへのOracle APEXのアップグレードが成功したら、環境をクリーン・アップする必要があります。 - 元のリリースに戻す
Oracle APEXの元のリリースに戻すことができます。
4.1 リリース番号の規則について
Oracle APEXの新規リリースは、カレンダ年に対応しています。
2018年のリリース18.1および18.2以降では、Oracle APEXのリリース番号はカレンダ年に対応しています。
また、APEXは完全リリースのみが提供されるようになり、パッチ・セット・リリース(5.1.1など)は提供されなくなりました。パッチ・セットのリリースを消去すると、既存のインストールを更新する際の停止時間が短縮されます。APEXアーキテクチャでは、必要に応じて開発者がリリースを元に戻すこともできます。
大きい欠陥については、今後もパッチ・セットの例外(PSE)が提供される場合があります。PSEの詳細は、Oracle APEX 22.1の既知の問題ページまたは以前のリリースの以前のリリースのアーカイブを参照してください。
4.2 サンプル・アップグレード・シナリオ
以前のリリースからのアップグレードやOracle DatabaseリリースにOracle APEXが含まれている場合のアップグレードなど、一般的なアップグレード・シナリオを確認します。
表4-1に、一般的なアップグレード・シナリオを示します。
表4-1 サンプル・アップグレード・シナリオ
アップグレード・シナリオ | アクション |
---|---|
以前のOracle APEXリリースからのアップグレード |
Oracle APEXダウンロード・ページから最新のZIPファイルをダウンロードし、スクリプトを実行して最新リリースにアップグレードします。 詳細は、「Oracle APEXのインストール」を参照してください。 |
Oracle APEXを含むOracle Databaseをインストールします。 |
Oracle APEXダウンロード・ページから最新のZIPファイルをダウンロードし、スクリプトを実行して最新リリースにアップグレードします。 詳細は、「Oracle APEXのインストール」を参照してください。 |
4.3 Oracle APEXのリリース番号の表示
「ワークスペース」ホームページまたは「Oracle APEXについて」ページでOracle APEXのリリース番号を表示します。
- ワークスペースのホームページ:
-
Oracle APEXにサインインします。
「ワークスペース」ホームページで、右下隅に現在のリリース番号が表示されます。
-
- APEXについてページ:
-
Oracle APEXにサインインします。
-
右上にある「ヘルプ」メニューをクリックし、「情報」を選択します。
APEXについてページで、「製品のバージョン情報」の隣にリリース番号が表示されます。
-
4.4 Oracle REST Data Servicesのリリース番号の表示
「Oracle APEXについて」ページでOracle REST Data Servicesのリリース番号を表示します。
Oracle REST Data Servicesのリリース番号を表示するには:
- Oracle APEXにサインインします。
- 右上にある「ヘルプ」メニューをクリックし、「情報」を選択します。
- 「CGI環境」セクションの下で
APEX_LISTENER_VERSION
を見つけます。
4.5 Oracle Databaseと同梱されているOracle APEXリリースのインストールについて
Oracle APEXを含むOracle Databaseリリースと、最新のOracle APEXリリースに更新する重要性について学習します。
Oracle APEXは、次のOracle Databaseリリースに同梱されています。
-
Oracle Database 19c - Oracle Application Expressリリース18.1。
-
Oracle Database 18c - Oracle Application Expressリリース5.1。
-
Oracle Database 12cリリース2 (12.2)- Oracle Application Expressリリース5.0。
-
Oracle Database 12cリリース1 (12.1) - Oracle Application Express リリース4.2。
-
Oracle Database 11gリリース2 (11.2) - Oracle Application Expressリリース3.2。
-
Oracle Database 11gリリース1 (11.1) - Oracle Application Expressリリース3.0。
Oracle DatabaseはOracle APEXより頻繁にリリースしないため、Oracleでは、使用可能な最新のOracle APEXリリースに更新することをお薦めします。詳細は、「Oracle APEXのダウンロードとインストール」を参照してください。
ノート:
データベースに同梱されているリリースからOracle APEXをアップグレードする場合は、Oracleホーム・ディレクトリ(たとえば、/u01/app/oracle/product/18.0.0/dbhome_1/apex
)内のAPEXファイルはいずれも変更しないでください。
4.6 既存のアプリケーションのアップグレードについて
Oracle APEXの新しいリリースをインストールすると、既存のアプリケーションが最新リリースに更新されますが、アプリケーション・ユーザー・インタフェースまたはアプリケーション・コンポーネントは変更されません。
Oracle APEXインスタンスを以前のリリースからアップグレードすると、既存のアプリケーションは変更なしで機能します。ただし、アプリケーションを保守可能で最新の状態に保ち、新しい機能を活用するためには、開発者は『Oracle APEXアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』のAPEXアプリケーションのアップグレードに関する項に記載されている手順を実行する必要があります。
4.7 テスト要件について
Oracle APEXアップグレード時の、適切な回帰テストの量の判定は、アップグレードするアプリケーションの複雑さ、サイズおよび数に依存します。
複雑なページ、特に大きなJavaScriptや、広範なPL/SQLの計算またはプロセスを統合しているページの大部分を含める必要があります。開発者は、「アプリケーションのアップグレード」または「アドバイザ」に基づいて手動で更新するページが回帰テストにも含まれていることを確認する必要があります。残りのページをすべて回帰テストに含める必要はありません。レポート、チャートおよびフォームを含む様々なページ・タイプを適切に代表する内容を含めることをお薦めします。アプリケーションの互換性モードがアップグレード後に変更された場合は、必ず回帰テストに含める必要があります。
エンド・ユーザーが中断されるリスクを最小にするにはアップグレードされたアプリケーションの回帰テストは必須ですが、長期間かからないようにすることが重要です。一般原則:
-
ステップ1: 先に開発環境をアップグレードします。開発者がアプリケーションを検討して、必要に応じて初期更新できるようにします。
-
ステップ2: QA/テスト環境をアップグレードします。
-
ステップ3: アプリケーションを、この環境に組み込まれた開発からアップグレードします。
-
ステップ4: 本番環境をアップグレードします。
-
ステップ5: アップグレードされたアプリケーションをこの環境に組み込みます。
4.8 環境のクリーンアップについて
すべての環境で最新リリースへのOracle APEXのアップグレードが成功したら、環境をクリーン・アップする必要があります。
新しいリリースでの開発を開始したら、以前のリリースに関連付けられたOracle APEXスキーマは削除できます。以前のリリースが別の表領域にインストールされた場合、固有の表領域を単純に削除できます。以前のOracle APEXスキーマは、数週間残してから、開発、テストおよび本番環境から削除することをお薦めします。このクリーンアップ・プロセスによりディスク領域が解放され、SQL DeveloperやSQL*Plusなどのツールを使用して古いスキーマにアクセスするユーザーをゼロにできます。