6 インストールの再構成

Oracle Big Data SQLの初期インストールの後、HadoopクラスタまたはOracle Databaseシステムに変更が加えられ、そのために対応するOracle Big Data SQL構成に対して次のような更新が必要になる場合があります。

  • Kerberosのステータスの変更 - 以前は無効にしていたものを現在は有効にした場合、またはその逆。

  • TLS (Transport Layer Security)やその他のセキュリティ対策(Oracle Big Data SQLでサポートされるようになったデータベース認証オプションなど)の実装。

  • Hadoopクラスタ内のHiveサービス・インスタンスの場所の変更。

  • HadoopクラスタとOracle Databaseシステム間のネットワークにおける、イーサネットからインフィニバンド(またはインフィニバンドからイーサネット)への切替え。

  • Hadoopクラスタで実行されているOracle Big Data SQLのバージョンの変更。

インストールを再構成するための基本的な手順は次のとおりです。

  • 必要に応じてbds-config.jsonファイルを編集します。

  • Jaguarのreconfigureコマンドを実行して、構成変更をHadoopクラスタ・ノードにプッシュし、更新されたデータベース側のインストール・バンドルを生成します。

  • 新しいインストール・バンドルを使用して、Oracle Databaseコンピュート・ノードにOracle Big Data SQLを再インストールします。現在のインストールを上書きできます。現在のOracle Big Data SQLインストールをアンインストールすることは、いずれの側でも前提条件ではありません。

詳細は後述します。

関連項目:

Hadoopクラスタ・ノードまたはマルチノードOracle DatabaseシステムのノードでのOracle Big Data SQLの追加または削除は、構成変更とは見なされません。「インストールの拡張または縮小」を参照してください。

インストールのHadoop側を再構成し、更新されたデータベース・インストール・バンドルを生成するためのjaguarのreconfigureの実行

  1. rootとしてクラスタ管理サーバー・ノードにログオンし、ダウンロードしたOracle Big Data SQLインストール・バンドルを抽出したディレクトリに移動します。

  2. Oracle Big Data SQLバンドルを解凍した場所のパスの下にあるBDSJaguar-4.1.2サブディレクトリに移動します。

    # cd <Big Data SQL Install Directory>/BDSJaguar-4.1.2
  3. BDSJaguarディレクトリで、Jaguarユーティリティを実行します。reconfigureパラメータおよび構成ファイル名(bds-config.jsonなど)を引数として渡します。--requestdbオプションを含める必要がある場合もあれば、そうでない場合もあります。

    [root@myclusteradminserver:BDSjJaguar] #  ./jaguar reconfigure bds-config.json
    bds-config.jsondatabase_auth_enabledtrueに設定されている場合は、インストール・コマンドに--requestdbオプションを含めます。
    [root@myclusteradminserver:BDSJaguar] # ./jaguar --requestdb testdb reconfigure
    
    スクリプトにより、クラスタ管理サービスの管理者資格証明の入力が求められ、構成ファイルの新しい設定に従って、管理サーバーおよびクラスタ・ノードでOracle Big Data SQLが再構成されます。インストールがエラーなしで完了すると、スクリプトの出力は次のメッセージで終了します。
    BigDataSQL: RECONFIGURE workflow completed. 

更新したデータベース・インストール・バンドルの各Oracle Databaseノードへのコピーおよびインストール

  1. rootまたはoracleとしてクラスタ管理サーバーにログオンし、cdを使用して新しいデータベース・バンドルが生成されたディレクトリに移動します。

    # cd <Big Data SQL Install Directory>/BDSJaguar/db-bundles
    

    そこに新しいバンドルが存在していることを確認します。

    [oracle@myclusteradminserver:db-bundles] # ls 
    [oracle@myclusteradminserver:db-bundles] # bds-4.1.2-db-<cluster>-<yymmdd.hhmi>.zip
  2. Oracleシステムでのoracleアカウントを使用して、データベース・インストール・バンドルを、Oracle Databaseノード上の任意のディレクトリにコピーします。バンドルが複数ある場合は、Oracle Databaseに接続するクラスタに適切なバンドルを選択してください。

    [oracle@myclusteradminserver:db-bundles] # scp bds-4.1.2-db-<cluster>-<yymmdd.hhmi>.zip oracle@<database_node>:/opt/tmp
  3. インストールを実行するために、データベース所有者(oracleなど)としてOracle Databaseノードにログオンします。

  4. バンドルをコピーしたディレクトリに移動してバンドルを解凍し、zipファイルから抽出された圧縮実行可能ファイルを実行します。たとえば:

    $ unzip bds-4.1.2-db-cdh510-170309.1918.zip
    $ ./bds-4.1.2-db-cdh510-170309.1918.run
  5. ORACLE_HOMEの下にある新しいディレクトリに移動し、データベース側のインストーラであるbds-database-install.shを実行します。

    $ cd $ORACLE_HOME/BDSJaguar/cdh510-6-node1.my.<domain>.com
    $ ./bds-database-install.sh

6.1 既存のOracle Big Data SQLインストールの再構成

Oracle Big Data SQLをクラスタ管理サーバーにインストールすると、生成されるデータベース側のインストール・バンドルにはクラスタの現在の状態に基づいた構成情報が含まれます。Oracle Database側でバンドルをインストールするときに、この構成情報を使用して、Hadoopクラスタとデータベース・サーバー間の接続が設定されます。インストール後にHadoopクラスタで変更が加えられると、接続性を維持するために、両側(Hadoopクラスタとデータベース・サーバー)でOracle Big Data SQL構成の更新が必要になることがあります。

次に、インストールの再構成が必要になるHadoop側のいくつかの変更を示します。

  • ネットワーク・セキュリティの変更(HTTPからHTTPSへ、またはその反対の切替えなど)。

  • クラスタ管理サービス(CMまたはAmbari)でのポートの再割当て。

  • Hiveの変更(別のノードへのサービスの移行や認証方法に対する変更など)。

  • その他関連するHadoopサービス(HDFS、MapReduce2、YARNなど)への変更(接続性にも影響することがあります)。

ノート:

reconfigureプロシージャを使用して、古いバージョンのOracle Big Data SQLのインストールを更新することはできません。かわりに、Oracle Big Data SQLの現在のバージョンで以前のインストールを上書きする必要があります。

  1. Hadoopクラスタ管理サーバーでrootとして、HadoopクラスタとOracle Database間の接続の構成ファイル(bds-config.jsonなど)に必要な更新を加えます。

  2. BDSJaguarディレクトリに移動し、Jaguarを実行してreconfigure操作を呼び出します。構成ファイル名を渡します。

    # cd <Big Data SQL install directory>/BDSJaguar
    # ./jaguar reconfigure bds-config.json

    これにより、Hadoopクラスタ上のOracle Big Data SQLインストールが更新され、新しいデータベース側のインストール・バンドルが生成されます。このバンドルは、<Oracle Big Data SQL Install Directory>/BDSJaguar/db-bundlesにあります。

    ノート:

    データベース認証を使用しており、元のインストールの実行時にすでにリクエスト・キーをデータベース側のインストーラに提供した場合は、再度提供する必要はありません。つまり、別のデータベースへの接続を設定する場合を除き、--requestdbreconfigure操作に含める必要はありません。
  3. 元のインストールの場合と同様に、各データベース・ノードの一時ディレクトリに新しいバンドル・ファイルをコピーします。データベース・ノードでoracleアカウントを使用して接続します。たとえば:

    # scp bds-4.1.2-db-<cluster>-<yymmdd.hhmi>.zip oracle@dbnode:/opt/tmp
  4. oracleユーザーとしてデータベース・ノードにログオンします。

  5. バンドルを見つけて解凍します。

  6. バンドルから抽出された実行可能ファイルを実行します。

    [oracle@mydbserver: $ bds-4.1.2-db-<cluster>-<yymmdd.hhmi>.run

    インストール・ファイルがORACLE_HOMEの下の新しいディレクトリに抽出されます。

  7. ディレクトリをORACLE_HOMEに変更し、サブディレクトリをリストします。古いインストール・ディレクトリが新しいディレクトリとともに表示されます。ディレクトリ名は、クラスタ名は同じですが、タイムスタンプは異なります。古いディレクトリを削除します。

    $ cd $ORACLE_HOME 
    $ ls
      bds-4.1.2-db-<cluster>-<new timestamp>
      bds-4.1.2-db-<cluster>-<old timestamp>
    $ rm -rf bds-4.1.2-db-<cluster>-<old timestamp>
    
  8. 新しいディレクトリに移動します。

    --reconfigureパラメータを指定してbds-database-install.shを実行します。

    $ ./bds-database-install.sh --reconfigure