1.1 Oracle Tuxedo分散アプリケーションのプログラミング
分散アプリケーションは、複数のハードウェア・システム上にあるソフトウェア・モジュールから構成され、これらのモジュールが互いに通信してアプリケーションの必要なタスクが実行されます。たとえば、次の図に示すリモート・オンライン銀行業務システムの分散アプリケーションは、顧客のホーム・コンピュータで実行されるソフトウェア・モジュールと、すべての口座レコードを管理する銀行のコンピュータ・システムから構成されています。
図1-1 分散アプリケーションの例 - オンライン銀行業務システム

たとえば、ログオンしてメニューからオプションを選択するだけで、残高を照会できます。この処理では、ローカル・ソフトウェア・モジュールが特別なアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)関数を使用して、リモート・ソフトウェア・モジュールと通信しています。
Oracle Tuxedo分散アプリケーション・プログラミング環境では、分散ソフトウェア・モジュール間で安全かつ信頼性の高い通信を行うために必要なAPI関数が提供されています。このAPIは、アプリケーション・トランザクション・モニター・インタフェース(ATMI)と呼ばれます。
ATMIを使用すると、以下の操作を行うことができます。
- クライアントとサーバー間でのメッセージのやり取り。ネットワークを介して異機種マシン間でやり取りすることも可能です。
- クライアントの名前付けおよびセキュリティ機能の設定と使用。
- 複数の場所に格納されているデータを処理するトランザクションの定義と管理。
- データベース管理システム(DBMS)などのリソース・マネージャのオープンとクローズ。
- サービス・リクエストのフロー管理、およびサービス・リクエストを処理するサーバーの可用性の管理。
親トピック: Oracle Tuxedoプログラミングの紹介