3.1 UBBCONFIG構成ファイルの更新
アプリケーション管理者は、最初にUBBCONFIG
構成ファイルにアプリケーションの構成を定義します。プログラミング環境をカスタマイズするには、構成ファイルを作成するか更新します。
構成ファイルの作成または更新を行う場合は、次のガイドラインを参考にしてください。
- 既存のファイルをコピーして編集します。たとえば、サンプル・アプリケーション
bankapp
に付属するファイルubbshm
から作業を開始します。 - 複雑性を最小限にします。テストを行う場合は、共用メモリーを使用する単一プロセッサ・システムとしてアプリケーションを設定します。データとしては、通常のオペレーティング・システムのファイルを使用します。
- 構成ファイルの
IPCKEY
パラメータが、インストールされているシステムで使用されている他のパラメータと競合しないようにします。詳細は、Oracle Tuxedoアプリケーション管理者に確認し、『Oracle Tuxedoアプリケーションの設定』を参照してください。 UID
およびGID
パラメータを設定し、定義した構成が自分自身のものであることを示します。- ドキュメントを確認します。構成ファイルについては、『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』の
UBBCONFIG(5)
に関する項で説明しています。
次の表は、プログラミング環境に影響するUBBCONFIG
構成ファイル・パラメータをまとめたものです。パラメータは機能別に分類されています。
表3-1 プログラミング関連のUBBCONFIGパラメータ(機能別)
機能カテゴリ | パラメータ | セクション | 説明 |
---|---|---|---|
グローバル・リソース | MAXSERVERS
|
RESOURCES
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構成内のサーバーの最大数。この値を設定する場合は、すべてのサーバーのMAX値を考慮する必要があります。 |
MAXSERVICES
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RESOURCES
|
構成内のサービスの最大総数。 | |
データ依存型ルーティング | BUFTYPE
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ROUTING
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指定されたルーティング・エントリが有効であるデータ・バッファのタイプとサブタイプのリスト。 |
リンク・レベルの暗号化 | MINENCRYPTBITS
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NETWORK
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プロセスで使用できる暗号化の最低レベル。 |
MAXENCRYPTBITS
|
NETWORK
|
プロセスで使用できる暗号化の最高レベル。 | |
ロード・バランシング | LDBAL
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RESOURCES
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ロード・バランシングを有効にするかどうかを示すフラグ。ロード・バランシングが有効になっている場合、Oracle Tuxedoシステムはリクエストの負荷をネットワークで分散します。 |
NETLOAD
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MACHINES
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呼出し側クライアントからの要求をリモートに送る場合に、サービスのロード・ファクタに追加される数値。リモート・サーバー上でローカル・サーバーを選択する際の基準になります。ロード・バランシングが有効になっていること(LDBAL にY が設定されていること)が必要です。
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LOAD
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SERVICES
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サービス・インスタンスに関連付けられた相対的なロード・ファクタ。デフォルトは50です。 | |
セキュリティ | AUTHSVC
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RESOURCES
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システムに参加しているクライアントごとに、システムが呼び出すアプリケーション認証サービスの名前を指定します。 |
SECURITY
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RESOURCES
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実行するアプリケーション・セキュリティの種類。 | |
会話型通信 | MAXCONV
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RESOURCES
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特定のマシン上で同時に関与できる会話の最大数。0 - 32,767の値を指定します。SERVERS セクションに会話型サーバーが定義されている場合、デフォルト値は64になります。それ以外の場合、デフォルト値は1になります。このパラメータに指定された値は、MACHINES セクションのマシンごとにオーバーライドできます。
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CONV
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SERVERS
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会話型通信がサポートされているかどうかを示す値。このパラメータがN に設定されているか、値が指定されてない場合、サービスに対するtpconnect() の呼出しは失敗します。
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MIN/MAX
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SERVERS
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tmboot(1) によって起動するサーバーのオカレンスの最小数と最大数。指定がない場合には、MIN はデフォルトで1に、MAX はデフォルトでMIN になります。リクエスト/レスポンス型サーバーでも同じパラメータを利用できます。ただし、会話型サーバーは、必要に応じて自動的に追加されます。そのため、MIN=1 、MAX=10 と設定されている場合、tmbootによって最初に1つのサーバーが起動します。そのサーバーが提供するサービスに対してtpconnect() が呼び出されると、システムによって2番目のサーバーが起動します。各コピーが呼び出されるたびに、新しいものが上限の10まで開始されます。
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トランザクション管理 | AUTOTRAN
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SERVICES
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サービス・ルーチンでトランザクション・モードを開始するかどうかを示す値。このパラメータにY が設定されている場合、別のプロセスからリクエスト・メッセージを受信すると、サービス・サブルーチンでトランザクションが自動的に開始します。
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MAXTRANTIME
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RESOURCES
|
このOracle Tuxedoアプリケーションで開始され、または受け取られたトランザクションの最大許容タイムアウトを秒単位で指定します。 | |
マルチスレッド・サーバー | MAXDISPATCHTHREADS
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SERVERS
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各サーバー・プロセスによってスレッドが追加された場合、同時にディスパッチされるスレッドの最大数。 |
MINDISPATCHTHREADS
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SERVERS
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最初のサーバーの起動時に開始されるサーバー・ディスパッチ・スレッドの数。 |
構成ファイルは、オペレーティング・システムのテキスト・ファイルです。このファイルを実際にシステムで使用する場合は、tmloadcf(1)
コマンドを実行して、ファイルをバイナリ・ファイルに変換する必要があります。
ノート:
- Oracle Tuxedoアプリケーションの設定
- 『ファイル形式、データ記述、MIBおよびシステム・プロセス・リファレンス』の
UBBCONFIG(5)
に関する項 - 「セクション1 - コマンド」の
tmboot(1)
およびtmloadcf(1)
に関する項
親トピック: プログラミング環境