14 ワークステーション・クライアント

このトピックには、次の項があります。

14.1 Workstationコンポーネントとは

Oracle Tuxedoシステムのワークステーション・コンポーネントを使用すると、サーバー側の機能がフル・インストールされていないマシン、つまり管理サーバーもアプリケーション・サーバーもサポートしないマシンに、アプリケーション・クライアントを収容できます。クライアントとアプリケーション・サーバー間の通信は、すべてネットワーク経由で行われます。

ワークステーション・クライアントのプロセスは、Windows XPまたはUNIXプラットフォーム上で実行できます。また、このクライアントは、ATMIにアクセスすることもできます。ユーザーは、発行したリクエストが背後のネットワークでどのように処理されているかを意識する必要はありません。ワークステーション・クライアントは、ワークステーション・ハンドラ(WSH)を介してシステムに登録し、ネイティブ・クライアントが使用できる機能と同じ機能にアクセスします。

ワークステーション・クライアントとアプリケーション・サーバー間の通信はすべて、ワークステーション・ハンドラ(WSH)プロセスを介して行われます。

ワークステーション・クライアントは、ネットワーク・クライアントで実行できる機能とほぼ同じ機能を実行できます。たとえば、次のような機能があります。

  • メッセージを送受信する
  • トランザクションの開始、終了、またはコミット
  • 非請求メッセージを送受信する
  • Oracle Tuxedoクライアントに組み込まれているすべてのセキュリティ・メカニズム

14.2 4つのワークステーション・クライアントが接続されたアプリケーションの例

次の図は、4つのワークステーション・クライアントが接続されたアプリケーションの例を示しています。

図14-1 4つのワークステーション・クライアントが接続された銀行業務アプリケーション

4つのワークステーション・クライアントが接続された銀行業務アプリケーションの図

4つのうち、2つのワークステーション・クライアントは、UNIXシステム上で実行されています。残りの2つのワークステーション・クライアントは、Windows上で実行されています。すべてのワークステーション・クライアントは、まず、ワークステーション・リスナー(WSL)からアプリケーションに参加します。ワークステーション・リスナーは、それ以降の通信処理をワークステーション・ハンドラに委任します。このプロセスは、ネイティブ・クライアントがアプリケーションに参加するプロセスとは異なります。後者の場合、ネイティブ・クライアントは直接掲示板にアタッチして参加します。

管理サーバーとアプリケーション・サーバーはすべてSITE1SITE2に配置されています。ワークステーション・クライアントからアプリケーションへのサービス・リクエストは、ネットワーク経由でWSHに送られます。このプロセスは、リクエストを適切なサーバーに転送し、サーバーから応答を受け取り、その応答をワークステーション・クライアントに返します。

ノート:

リソース・マネージャという用語は、Oracle Tuxedoアプリケーションのトランザクション機能と処理の永続性を提供するXA標準インタフェースの実装を表します。リソース・マネージャの代表的な例はデータベースです。リソース・マネージャは、グローバル・トランザクション内でアクセスされ、制御されます。

ただし、この例では、アプリケーションは2台のマシンに分散されているため、MPモードで動作します。ワークステーション・クライアントは、リクエストを1つのワークステーション・ハンドラに送信します。ワークステーション・ハンドラはそのリクエストをBRIDGEプロセスに転送し、次にBRIDGEプロセスにより、リクエストが正しいマシンに転送されます。

14.3 ワークステーション・クライアントのアプリケーションへの接続方法

次のフローチャートは、ワークステーション・クライアントからアプリケーションに接続する方法を示しています。

図14-2 ワークステーション・クライアント


ワークステーション・クライアントの図

クライアントは、既定のネットワーク・アドレスを使用してWSLプロセスに接続します。クライアントによってtpchkauth()またはtpinit()が呼び出されると、接続を確立するプロセスが開始します。WSLはWSHのアドレスをクライアントに返し、ワークステーション・ハンドラのプロセスに接続リクエストのプロセスを通知します。WSCはWSHに接続します。以降のWSCとアプリケーション間の通信はすべてWSHを通じて行われます。